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【特別企画】Nintendo Switchを使ったゲーム実況配信に挑戦してみた!
初心者でも安心! ライブ配信に最適なPCや配信セットなどを紹介
2018年8月13日 12:00
近ごろでは、動画サイトにおいて色々な人がゲームの動画投稿やライブ配信をしているのを見かけるようになった。そこで自分がプレイしているタイトルの動画などを見ている際に「自分ならもっと上手にプレイできるかも」、「自分ならもっとちがう切り口の配信ができそう」といった感想を持った人も少なくないかもしれない。
そのせいもあってだろうか、家電店勤務の方に聞くところによれば、近年、ゲーム配信用機材の需要が高まっているのだという。また、ユーザーが自分で機材選びをした結果失敗してしまい、「うまく配信ができなかったのだがどうすればいいか」という問い合わせも多くなってきているとのこと。
ご存知の方も多いと思うが、プレイステーション 4やXbox Oneにはゲーム配信を行なう機能が備え付けられており、そういったプレーヤーの要望を手軽に叶えてくれる。その一方で、人気タイトルを多く抱えているNintendo Switchは、2018年8月現在、一部ソフトについて動画撮影が可能となっているのみで、配信そのものに対応した機能は備わっていない。
今回は、そんなNintendo Switchのタイトルを配信してみたいユーザーに向けて、お手頃価格かつ本格的な配信ができる機材のレビューをお届けしていこう。なお、ここでは、ゲームをリアルタイムでプレイしながら実況も行なういわゆる「ライブ配信」を行なうことを想定し、そのために必要な機材、という前提でお話をしていく。
配信に際して最低限必要なものは、ゲーム機本体、PC、キャプチャーユニットの3点。しかし、ライブ配信の醍醐味は、なんと言っても視聴者とのやり取りが生まれることだ。そんなときに、チャットで対応するとゲームの進行もその都度止まり、興ざめとなってしまいかねない。しかし、マイクがあればそんな手間もしゃべるだけで簡単に解消でき、トークとプレイの内容によってはゲームの進行もがぜん盛り上がっていく。
さらに、Webカメラの存在も、ライブ配信にとって大きなアクセントとなり得る。配信者、つまりあなたが笑ったり困ったりといった様子がWebカメラを通じて視聴者に見えれば、視聴者側の親近感も増し、盛り上がりはより高まることだろう。もちろん、素顔を出したくなければ、マスクやサングラスをしてもいいかもしれない。配信者の表情や動きによるリアクションが配信を面白くする、というのはままあることだ。
ただし、配信者が未成年であったりする場合には、その発言や言動、また、素顔をさらすということの危険性、そしてそれらにともなう責任を、保護者がきちんと理解し監督するもとで配信を行なう必要がある。このあたりについてはどうか十分にご注意いただきたい。
PCといえば、今や一家に1台あることは珍しくなく、複数所持しているご家庭も少なくないのではないだろうか。だが、ゲーム配信用と考えた場合、それらで高画質の映像を配信できるかというと、その答えは非常に難しい。なぜなら、それらのPCが必要なスペックを満たしているかは、配信をしてみるまでわからないからだ。
以下で紹介するのは、手頃な価格帯ながらもライブ配信をスムーズに行なうのに十分なスペックを備えたPCになる。なお、こちらは今回の記事を執筆するにあたり実際に筆者がライブ配信で使用しているので、のちほど、その使い心地などについてもお伝えしていこう。
【G-GEAR 実況・配信向けPC GI5J-A180T/LS1】
価格:99,800円(税別)
[スペック]
CPU:インテル Core i5-8500
グラフィックカード:NVIDIAR GeForce GTX 1050 Ti
メモリ:8GB DDR4 SDRAM (PC4-21300、8GBx1)
OS:Windows 10 Home
デスクトップでPCを揃えた場合、必要になってくるのがモニターなどの周辺機器。また、Nintendo Switchの映像・音声をPCに取り込むためのキャプチャーユニットなども欠かせない。なお、デスクトップPC同様、これらも今回の記事で使用しているものだ。
【迷ったらお店に相談でも良いかも】
いろいろと何を選んだら良いか迷ったら、パソコンショップの店員さんに相談してみるのが1番確実だろう。最近では実況中継をする人も増え、配信者用のパソコンコーナーを用意しているところも多い。
写真は、秋葉原にある「ツクモパソコン本店 2F キャプチャ王国」。
「マリオテニス エース」を題材にしたライブ配信に挑戦!
ここからは今回紹介した各種機材を実際に使い、ライブ配信歴1年の筆者がNintendo Switch用ゲーム「マリオテニス エース」のライブ配信をしたときの模様をお伝えしていこう。
ともあれまずは設置、ということでPCを開封。PC本体「GI5J-A180T/LS1」だが、これはデスクトップとしては思っていたよりも小型だった。特徴的なのは本体カバーがすべてメッシュ状になっていることで、非常に通気性が良い。これに、オプションで購入できるキーボードとマウス、そしてモニター「24MK600M-B」も一緒にセッティングを行なった。
モニターは、大きさとしては一般的なサイズ(24型)だが、特筆すべきはその重量だ。総重量3.1キロは、非常に軽いものであると言えるのではないだろうか。台座部分は細いフレームが湾曲したようなもので頼りなさげなのだが、その実、設置したときの安定感は高い。
PCとモニターのセッティングを終えたら、つぎは配信セットの取り付けに入る。とは言うものの、これについて難しいところはまったくなく、キャプチャーユニット、Webカメラ、USBマイク(初回はマイクの組み立てが必要)の配置場所を考えてPCにUSBケーブルを接続していくのみ。最後に、Nintendo Switch本体と、Nintendo Switchのゲーム画面を表示させる液晶モニターを設置して準備は完了だ。
ちなみに、今回はキャプチャーユニット、Webカメラ、USBマイク、キーボード、マウスの5つがすべてUSB2.0で接続するべきものだが、PC本体には2つのUSB2.0端子と4つのUSB3.0(2.0端子として代用可)端子があるため問題なくカバーできた。ただし、やや配線が多くなるので、可能ならキーボードやマウスはワイヤレスのものを購入し、機材まわりをスッキリさせたいところだ。
配置が完了したら、配信の準備に移ることになる。配信ソフトについては、今回紹介したキャプチャーユニットを作った会社の提供している「RECentral」というものを使用した。このソフトの特徴は設定がシンプルで使いやすいこと。また、配信の開始・終了といった基本的な操作が直感的なUIによって簡単に行なえるのもうれしい。
なお、初回のみ、ソフトに自身が登録している配信プラットフォームの情報を入力しなくてはならない。これについては、アカウントを持っていない人でも「RECentral」上から新規アカウントの取得へと誘導してくれるので、ここについてはそれほど苦労することはないだろう。
あとは、配信開始前にカメラを配置や画面の大きさといったレイアウトを決めておき、それが済んだらいよいよ配信開始。筆者の場合は、クロマキー(背景透過)を利用した画面をレイアウトしてみることにした。こうすると、自分がゲームに溶け込むような形で映すことができるため、ゲーム画面をより広く使いやすくなるというメリットがある。
ちなみに、今回はテストも兼ねて最高画質での配信を行ないつつ、PC上に最高画質の録画データも残しておくという、PCスペックが高くなければできない厳しい配信条件のもとで実行してみることにした。その配信時のスクリーンショットが以下のような感じだ。
配信するゲームのなかでも、今回使用した「マリオテニス エース」のように動きの多いアクションゲームはコマ落ちしないスムーズな配信を行ないたいもの。この点については、今回のPCと配信ツールによってまったく問題なくクリアできていた。しかも、それを最高画質のクオリティで配信でき、それによって視聴者にゲームのビジュアル的な魅力を伝えやすいのはうれしい。
こうして1時間ほど配信をつづけ、同時に高画質録画も行なっていたわけだが、配信終了まで何の問題も発生することはなかった。途中、たまたまこの配信を見かけた視聴者とトークでやりとりすることもできたのだが、筆者の音声などについて聞いてみたところ、まったく問題はなかったというのでこれについても一安心だ。
まとめると、今回紹介させていただいたPC、そして「STREAMING KIT(配信3点セット)」の使い心地は上々だったと言える。その価格帯からも入門用として最適なスペックなことは間違いないのだが、1年間ライブ配信をつづけている筆者も大満足だったことを考えれば、末永く使える配信セットと考えても差し支えないのではないだろうか。
今現在Nintendo Switch用ソフトのゲーム配信に興味があるのであれば、ぜひ、今回紹介した配信用の機材も視野に入れつつご検討いただければ幸いである。
なお、映像配信に関しては、無制限にゲーム映像の配信を行なって良いというわけではない。ゲーム制作者の権利に配慮する必要があり、YouTube、ニコニコ動画、Twitch、OPENREC.tvは、それぞれゲーム会社などと取り決めを行なっている。今回取り上げた任天堂であれば、「Nintendo Creators Program」といったプログラムがあり、取り決めの範囲内で配信を許可している。配信前に、事前に確認して配信を行なえるタイトルや範囲などを確認しておくと良いだろう。
取り決めを守った上で、楽しい配信ライフを送っていただきたい。
【8月23日追記】
記事文末にゲーム配信を行なう上での権利者に対する注意喚起に関する文章を追記いたしました。