ニュース
「Nintendo Labo」の「ロボットキット」を作ってみたレポート!
最大級のToy-Conを制作!自宅で大興奮のモーションキャプチャー的な操作が楽しめる!
2018年4月24日 12:26
“つくる、あそぶ、わかる!”で楽しむ話題作「Nintendo Labo」。発売日には「Nintendo Labo」開封&作ってみたレポートをお伝えしたが、それに続いて作る専用コントローラー「Toy-Con」の中でも最大の「ロボットキット」のロボットToy-Conを作ってみたので、その模様を紹介していこう。
制作時間の目安は180分~240分と最大級! 工夫満載な仕掛けで実現する装着型コントローラー
「バラエティキット」がリモコンカー、つり、おうち、バイク、ピアノという5つのToy-Conが作れるのに対して、「ロボットキット」はより大きなパッケージに同じかそれ以上の材料が入っていて、それを使ってロボットToy-Con1つを作るというものになっている。
単純に言えば「バラエティキット」で作る5つ分、またはそれ以上に相当するひとつのToy-Conを作るというわけだ。実際のところ「バラエティキット」で作る他のToy-Conはあくまで手元で楽しむパーソナルサイズなのに対して、ロボットToy-Conはメインのパーツを背負って手足の先にもパーツをつける全身装着型。サイズ感がずっと大きい。
まずは、制作前に意識しておきたいポイントを紹介しよう。
パッケージの側面に書かれているロボットToy-Con制作時間の目安は、「10歳の子供がひとりで作る場合、180分~240分」だ。約3時間から4時間というわけで、1日で一気に作るのではなく、何日かにわけてじっくり作っていくのをオススメしたいボリュームだ。
作り始める前に、ある程度の作業スペースを確保するのをオススメしたいというのもある。というのも、他のToy-Con制作でもパーツをいくつか溜めて、後でそれらをまとめて組み合わせていくという手順になることがあって、それらパーツをキープしつつ作業できる広さがあると望ましいのだが、このロボットToy-Conの場合はそのキープしておくパーツも大きくて数も多い。なにしろ素材がダンボールなので、作ったパーツをそこらに適当に置いて踏んで潰してしまったり、破損させてしまったりするのは避けたいところ。そこで、組み立て途中のパーツを置いておいたりできる十分な作業スペースを確保して制作に取りかかりたいということになるわけだ。
ちなみに作業スペースだけでなく、完成後のToy-Conを置いておく場所というのもあわせて考えておきたいところだ。せっかくがんばって作ったToy-Conなので、できる限りキレイに長く愛用したいと思うのが当然だが、完成したToy-Conたちを安全に置いておくには実はそこそこのスペースが必要になるので、そこもできれば、先に考えておきたい。
それでは早速作っていこう。まずは練習としてのJoy-Conホルダーを制作。これは「バラエティキット」と「ロボットキット」のどちらでも最初に作るものになっている。
練習が終わったら、いよいよロボットToy-Con制作へ。まずは頭に装着する「バイザー」を作っていく。ヒモのベルトと箱形のパーツを組み合わせた輪っかを頭に乗せるような形になっているのだが、そこに眼の前に下ろしたり跳ね上げたりができる可動式のバイザーをつけていく。ハトメというプラスチックのパーツでバイザーと側頭部のボックスを繋げることで、バイザーが可動するようになっていて、その動きはスムーズ。最初から、「なるほどなぁ、シンプルだけどよくできてる」と思わされるポイントだ。
続いて、このロボットToy-Conのメインであり、全体の工程のおよそ70%ぐらいを占める「メインボディ」とその中身のギミックの制作。
メインボディはランドセルのように背中に背負う形になっていて、かなり大きい。サイズは横30cm×縦38cm×厚み26.5cmと、一般的な小学生向けのランドセルよりも大きい。成人男性が背負っても小さすぎることはなくて、結構大きいなと感じるほど。
なお、使用する人の体格とサイズについては、メインボディを背負う肩のホルダー部分はヒモのベルトの留め方で長さを調節できる仕組みになっていて、成人男性の体格が大きい人にも対応できるぐらいに長くもできる。
まずは「パワーボックス」という4つの箱を作る。これの動きをJoy-ConのIRカメラが読み取って、手足の動きとしてロボットに伝えていくことになるロボットToy-Conの鍵となるパーツだ。手足の動き、そのパワーを伝えるボックスというわけだ。
次は「スライダー」を作っていく。パワーボックスを入れて上下にスライドさせるという、文字通りのスライダーになる箱だ。縦長の空き箱を4つ作り、それをまとめて、その中に4つ作っておいたパワーボックスをそれぞれ1つずつ入れていく。
パワーボックスにはヒモがついているので、そのヒモを引っ張ったり戻したりすることで、スライダー内のパワーボックスが上下する。パワーボックスにはJoy-ConのIRカメラが読み取りやすい反射シールが貼ってあるので、その反射シールが上下しているのを読み取ってゲームの操作に反映されるというわけだ。
もう1度書くが、理解してみると結構シンプルな仕組み。でも、それがやっぱりすごい、だからこそすごいと感心してしまう作りだ。
ここまでで全工程の半分が完了。このレポートではすごくダイジェストでポイントだけを紹介しているのだが、実際にはパーツの裏表に気をつけつつ作り、作ったパーツ同士を組み合わせ、さらにはパワーボックスのヒモであったり、ベルトを通したりと、手順は多い。実際に作っているときにも、ここまでで1時間30分から2時間ほど経過していた。
また、これは「バラエティキット」と「ロボットキット」どちらでも共通するのだが、ダンボールシートから抜き出したパーツのさらにその中に、くり抜くところがたくさんある。箱形に留めるときのためのツメを差し込んだり、ヒモを通したりするくり抜きで、これを取っていくのが結構時間を取る。でも乱暴にするとくり抜きのフチが破れたりするので、焦らず丁寧に取り除きたい。このくり抜いたゴミも、最大パーツ数を誇る「ロボットキット」だとものすごい量が出るので、定期的に集めて捨てて、作業スペースを確保していこう。
後半は、手足のパーツを作って、メインボディとまとめていくという流れ。パワーボックスから伸びているヒモの先に手で握る「ロボットアーム」を、そして足に被せて装着する「ロボットシューズ」を繋げていく。
ロボットアームは、手で持っている部分を引っ張ると背中のパワーボックスが持ち上がってゲーム内のロボットが手を伸ばしてパンチする動きとして伝えていくという仕組み。パンチの動きをするとパワーボックスが持ち上がってその重さと負荷がかかるので、自分の動きでロボットを操作しているようなちょっとした感触、フィードバック的なものが感じられるようになっている。
足につけるロボットシューズは逆に、足が伸びている状態がパワーボックスが持ち上がっている状態。常にパワーボックスの重さがちょっと足先にかかるのだが、歩くように足を上げればパワーボックスが下がって軽くなる。足を上げる方が負荷が軽くなるという作りになっているので、足を上げて歩きまわりやすいようになっている。
このあたりは、実にうまく考えられていると思わされるところだ。
アームとシューズが繋がり、メインボディーもフタをつけたら完成!
最後にバイザーにJoy-Conの左を、メインボディーの真ん中にJoy-Conの右を装着すれば、プレイ準備は完了だ。
バイザーの上げ下ろしをすると、それに合わせて装着してあるJoy-Conの左の向きが変わるので、その向きを検知して、ゲーム内の視点を変更するという仕組み。
また、メインボディーの方はというと、差し込んであるJoy-Con右にはIRカメラ(赤外線カメラ)があり、メインボディーの中の真っ暗な中でも赤外線で読み取れるものになっている。その暗い中でパワーボックスに貼ってある反射シールが赤外線を反射してIRカメラがキャッチする。そうして、パワーボックスが上下しているデータをゲームの動きに伝えていくという仕組みだ。
実際にできあがったロボットToy-Conを身につけるときだが、体の小さい子供だとあまりベルトを調節せずともそのままメインボディーを背負えると思うが、それなりに体格がある大人が使うときはショルダー部分のヒモベルトをちゃんと緩めてから背負うのがポイント。面倒くさがらずにしっかり緩めて、背負ってからしっかり締め直すようにしたほうがいい。なにしろダンボール素材で繋がっているので、このあたりを無理槍にやってしまうと破損しかねないためだ。
頭にバイザーを被り、メインボディーを背負い、両手にアームを持ち、足にシューズを装着すると、なかなか普段の生活や普段のゲームライフでは味わえない、アミューズメント施設で特殊な装置を装着しているようなワクワク感のある状態に。
手を伸ばすとシュイーンとヒモがこすれる音とその感触がして、さらにパワーボックスが持ち上がる感触がする。足を上げれば、ボックスが下がって負荷が軽くなる。そうした手足の負荷感が、どこかモーションキャプチャーで動きを読み取りつつフィードバックをしているかのような、そういう想像をさせる面白さがある。
ゲームをプレイしてみるとこれが感動もの。自分の手足の動きがしっかりと、遅延感もなく、スムーズにゲーム内のロボットに反映されるのに驚かされること間違いなし。思わず「おぉっこれはっ!」っと声が出るクオリティだ。
まさに自分の動きでロボットを操作している感覚で、繰り出すパンチも、踏み出し歩く足も、一体感抜群。ヒモとパワーボックスの重りによるシンプルな仕組みながら、ロボットとシンクロする臨場感がしっかり味わえる。そのほか、上半身を左右に傾けるとロボットの向きを変えたり、両手を広げて飛行モードにできたり、しゃがむと車形態に変形まで! 多彩な動きが楽しめる。
ロボットToy-Conを結構な時間をかけて作ったことによる愛着もあるのだが、それを抜きにしてもこの連動感と一体感のある動きによる操作は非常に楽しい。
というわけで、「ロボットキット」のロボットToy-Conを作ってみたのだが、全体の制作時間はちょうど180分を過ぎたあたり、約3時間となった。正直なところ前回につりToy-Conを作ったとき以上に大変だったのだが、それは楽しい大変さ。普段なかなか味わっていなくて、どこか懐かしさのある工作の手応えを楽しんだ時間となった。
今回のロボットToy-Conはそのサイズ、制作時間、複雑さいずれも「Nintendo Labo」の最大級となるが、それだけに“自分で作るから仕組みが分かるし楽しくなる”という良さも最大級。できあがったロボットToy-Conを装着するユニークさ、体を動かして操作する感覚の楽しさも最大級だ。
ちなみに、時間と手間こそかかっているが、工具は一切必要なく、難しい箇所もなくて、丁寧に取り組めば10歳ぐらいの子供でも確かに完成させられると思えるものになっている。なんといっても、ゲームソフトの画面で見ていく組み立て説明がわかりやすくて優れているのが大きなポイントだ。
これだけの仕組みを、まともに一般的なゲーム用周辺機器としてプラスチック素材で成形したパーツを使って実現しようとしたら、おそらく価格もそこそこ以上のものになってしまうだろう。だが、ダンボールパーツにヒモを組み合わせて実現したコストパフォーマンス、それで味わえる作ることを含めた体験の確かな魅力に、あらためて驚愕させられた。
つくる楽しさ、あそぶ楽しさ、わかる楽しさ。実際に作って遊んだことでそれがより理解できた。それは、他では味わえないオンリーワンのゲーム体験だ。ゴールデンウィークの休暇時などに、ぜひチャレンジしてみてもらいたい。
©Nintendo