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ユービーアイソフト、「アサシン クリード オリジンズ」の「ディスカバリーツアー」PRイベントを開催

3月7日 開催

 ユービーアイソフトは3月7日、プレイステーション 4/Xbox One用アクション「アサシン クリード オリジンズ(以下、オリジンズ)」において、2月20日に実装された「ディスカバリーツアー」モードのPRイベントを開催した。

 「オリジンズ」はエジプトのメジャイ(守護者)であるバエクを主人公として、古代エジプトを舞台に「アサシン クリード」シリーズの根底を成す「アサシン教団」の起源(オリジンズ)が語られるタイトルとなっており、「アサシン クリード」の時系列のなかで最古の時代を物語るシリーズ最新作だ。

 「アサシン クリード」シリーズでは作品によって大シリアからオスマン帝国、イタリアやイギリス、アメリカなど世界中を舞台としてきたが、いずれの作品も世界観の作りこみの深さに定評がある。もちろん「オリジンズ」でもその作りこみっぷりは如何なく発揮されており、入念な時代考証を元にオアシスやアレクサンドリア、ギザの王墓に至るまで、紀元前49年当時の古代エジプトを忠実に再現している。

 ゲームの本編では古代エジプトを舞台に物語が進行していくが、そこからシナリオや戦闘など、ゲーム的な部分をあえて取り去り、古代エジプトの歴史や当時の日常生活について学ぶためのアカデミックなコンテンツへと舵を切ったのが、「オリジンズ」の無料アップデートとして追加された「ディスカバリーツアー」モードだ。

 「ディスカバリーツアー」モードには要所に歴史学者やエジプト学者が監修する75種類もの「ツアー」が用意されており、例えば「ミイラの制作工程」などがグラフィックスとテキスト、そして音声で学べるようになっている。

 イベントの会場ではこの「ディスカバリーツアー」モードを広くアピールするべく、実機プレイとともにエジプトゆかりのゲストとのトークセッションが行なわれた。

【「アサシン クリード オリジンズ」ディスカバリーツアー トレーラー】
【会場の模様】
会場となったのはエジプト料理レストランの「ネフェルティティ東京」。店内はエジプト縁のアイテムが所狭しと並べられ、「オリジンズ」のイベントとしてはうってつけの舞台

作りこまれた古代エジプト世界を教育用にアレンジ!スティーブ・ミラー氏が登壇

ユービーアイソフト代表取締役社長アジア地域代表取締役スティーヴ・ミラー氏

 初めに登壇したのはユービーアイソフト代表取締役社長 アジア地域代表取締役 スティーヴ・ミラー氏。ミラー氏は「ディスカバリーツアー」は「歴史教育ツールとして活用できるレベル」だとその完成度に自信を覗かせ、「ビデオゲームがゲームのレベルを超えて、素晴らしい知識の源となりうる」とアピールした。

 また、既に池袋の古代オリエント博物館で「ディスカバリーツアー」が実機展示されていることにも触れつつ、「ディスカバリーツアー」を広く役立たせていくため、今後も博物館や教育機関などにソフトの貸し出しなどを行っていく方針だと述べた。なお、貸し出しを希望する場合、下記連絡先よりユービーアイにコンタクトを取ることができる。

【問い合わせ先】ユービーアイソフト「アサシン クリード ディスカバリーツアー」教育プロジェクト係

info.jp@ubisoft.com

エジプトゆかりのゲストが登壇!「ディスカバリーツアー」の実演とトークセッション

 続いては11月にTV番組の企画でエジプトに行き、発掘に参加してきたという女優の酒井美紀さんと、渋谷にある「古代エジプト美術館」のオーナーである菊川 匡氏がゲストとして登壇。トークセッションと共に、ユービーアイソフトPRマネージャーの福井蘭子氏による実機プレイが披露された。

ユービーアイソフト PRマネージャーの福井蘭子氏
「古代エジプト美術館」オーナーの菊川 匡氏と女優の酒井美紀さん

 「ディスカバリーツアー」について、酒井さんはそのリアルさに驚いたとともに、現地で実際に見てきた遺跡と比べ、「古代(当時)と現代ではこんなに違うんだ!」と驚いたのだという。菊川氏もゲーム中の古代エジプトについて、「非常に忠実に再現されていて、想像以上に質感などが表現されている」とその出来栄えに太鼓判を押した。

 「ディスカバリーツアー」では本編の主人公バエクをはじめ、プトレマイオス13世やクレオパトラ7世、ユリウス・カエサルやポンペイウスなど様々なキャラクターを操作することができる。今回はクレオパトラ7世でのプレイとなったが、「ディスカバリーツアー」では戦闘こそスポイルされているとはいえ、操作キャラクターは強靭な肉体を持つバエク譲りのアクションを行なうことができる。「こんなに走るクレオパトラがいるんでしょうか(福井氏)」とのコメント通り、クレオパトラが町を全力疾走し、あげくには塔を素手で上るというくだりでは会場の笑いを誘った。

実在の人物から架空の人物まで、様々なキャラクターを操作することができる。今回はクレオパトラが塔を素手で登攀
次々と貴重な資料を取り出す菊川氏

 また、「ディスカバリーツアー」では光る目印をたどることで「ツアー」に参加し、様々な歴史や建造物、当時のエジプト人の日常生活について学ぶことができる。実機プレイではアレクサンドリア大図書館やジョセルの階段ピラミッド、ミイラの制作工程や当時のエジプト人のアクセサリーなどが紹介され、その都度菊川氏が貴重な資料を提示、解説していくという流れで進行していった。

光るルートをたどると、ツアーに参加することができる。ゲームのフォーマットなので自分で歩き回りながら知識を吸収できる仕組みが面白い
古代エジプトでは階級や性別を問わず、イヤリングや指輪、ブレスレットやネックレスが普及していた。菊川氏所蔵のネックレスを酒井さんが着用してみる一幕もあり、福井氏は「現代でも普通に通用する」とコメント
酒井さんも外観を実際に観てきたというジョセルの階段ピラミッド。菊川氏は中に張られた壁のタイルを実際に提示しつつ、「質感の再現度が素晴らしい」とコメント。会場に持ちこんだのは1点だが、実は沢山所蔵していることが写真で明らかに
古代エジプト人がミイラを作った理由について、菊川氏は古代エジプトでは死後に再生するため、魂のほかに肉体も必要だと信じられていたからだと解説。ミイラを収める棺にもグレードがあり、ツタンカーメンの金で彩られた棺は菊川氏いわく「スーパーデラックス」だとか
会場で見ることができた古代エジプト美術館所蔵の資料。歴史のロマンを感じさせる

 イベントの終わりに、菊川氏は「ディスカバリーツアー」について、「当時の再現を忠実に行なっている」、「今後これを使って古代エジプトについて学ぶ人が増えると嬉しい」とコメント。酒井さんは「ディスカバリーツアーを通じて古代の人たちの知恵や工夫を実感することができた」とコメントしていた。お2人ともに「ワクワクした」とも語っており、実際イベント中は登壇者全員で楽しそうにエジプトトークに花を咲かせていたのが非常に印象的であった。

 「ゲームばかりしているとバカになる」とは昔からある偏見(?)だが、精緻に、かつ学問に対して誠実に作られたゲームは教育にも役立つどころか、その対象を"実感"させてくれるものになりうるということを「ディスカバリーツアー」は示してくれた。ちなみに、「ディスカバリーツアー」モードはオリジンズ」の無料アップデートではあるが、「Discovery Tour by Assassin’s Creed: Ancient Egypt」として「ディスカバリーツアー」単体でもSteamにて2,592円(税込)で販売されている。個人的には「オリジンズ」の購入を強くお勧めしたいところではあるが、あくまでアカデミックな用途として使用するのであればこちらも是非ご検討いただければと思う。

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