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【特別企画】PCでPS4のタイトルがプレイできる! 「PlayStation Now」を試してみました

iPhone 7 Plusによるテザリングでもタイトルによっては遊べるぞ!

【PS NowでPS4タイトル開始】

7月20日 開始

 2017年の3月からWindows向けのアプリとして登場した「PlayStation Now for PC」(以下、PS Now)。これは、これまでプレイステーション 4とPlayStation Vita、PlayStation Vita TVに加えて、ソニーのテレビであるブラビア、一部機種のBlu-rayプレーヤーでサービスが行なわれていたのに加えて登場したものだが、8月15日までにはPlayStation Vita、PlayStation Vita TVとブラビア、Blu-rayプレーヤー向けのサービスは順次終了となり、PS4とPC向けのサービスだけが継続される予定となっている。今回紹介するのは、PC向けの「PS Now」についてだ。

 「PS Now」とはどういうサービスなのかおさらいしておくと、一言で言えば“クラウド型”のゲームサービスとなる。これはどういうことなのかというと、クライアント側(ここでは使っているWindows PC)にゲームがインストールされるわけではなく、サーバー上で動作しているゲームを、ストリーミングで流し、それを画面に表示させてゲームをプレイするということになる。必要なものは、環境を満たしたPCと、月額利用料金だけ。PS4本体もゲームソフトも必要ない。

 PS Nowについては、7月末から対応タイトルのラインナップが拡充され、ようやくここまで来たかという感じ。最新のコンシューマーゲームタイトルが、PS4がなくても、自分のPC環境で遊べるというのはとても大きい気がする。そこで今回は、どの程度のスペックであればPS NowでPS4のゲームを遊ぶことができるのか検証することにしてみたい。なお、PS Nowのソフトの必要スペックは以下の通りだ。

【PCの必要スペック】

項目スペック
CPU3.5GHz Intel Core i3 または3.8GHz AMD A10以上
メモリ2GB以上のRAM
ドライブ300MB以上の空き容量
OSWindows 7 SP1、8.1 または10
その他サウンドカード、USBポート
「PlayStation Now for PC」の画面。判定にかなりシビアと思われる対戦格闘「ウルトラストリートファイターIV」までクラウドで遊べる!

 このほかプレイするためにはコントローラーが必要だが、PS4に付属するDUALSHOCK 4 ワイヤレスコントローラーだけでなく、PS3に付属するDUALSHOCK 3 ワイヤレスコントローラーでもプレイは可能だ。USBケーブル接続であればそのまま使えるが、DUALSHOCK 4 ワイヤレスコントローラーの場合、別売のDUALSHOCK 4 USBワイヤレスアダプターを使うと、Bluetooth接続経由で、無線で利用することができる。加えて振動機能にも対応しているので、シューティングゲームで自機がやられた場合など、ちゃんとブルブルと振動してくれる。

 ところで「PS Now」はストリーミングサービスのため、PCのスペック以外に重要となるのが、インターネット接続環境だ。ストリーミング配信なので、あまりにも低い転送速度だとカクつきが生じてプレイできなくなる。公式では「5Mbps以上のインターネット接続」となっており、HD画質など、高解像度のストリーミングサービスを無理なく見ることができる環境であれば、なんとかプレイはできるはずだ。

 ということで、筆者の環境でどのように動作するのか評価してみた。ちなみに筆者が入っているプロバイダは2GbpsをうたうSo-netの「NURO光」なので、回線的にはかなり十分な状態。夜だと500Mbps程度しか出ない場合もあるが、利用しているユーザーが少ないと思われる朝方だと、有線環境では1Gbps程度まで出るという、バカっ速な恵まれた回線状況である。これを標準にしてもしょうがないので、有線に加えてバッファローのルータ「WXR-1750DHP」を使った無線環境、iPhone 7 Plusによるデザリングで試してみることにする。

 環境についてだが、インテルのCore i7-4700MQを使ったNECの「LAVIE LL750/R」での「BNRスピードテスト」のテスト結果を示しておこう。有線の環境はもちろん問題もなく、IEEE802.11acを使った無線についても約400Mbps以上が出ているのでこれも問題なし。さて最後のデザリング環境だが、かなり低い回線環境となっているので、こちらは動作するのかどうなのか結構ギリギリか、場合によってはアウトな感じだ。

有線接続環境でのスピード
無線接続環境でのスピード
iPhone 7 Plusでのデザリングでのスピード。か結構ギリギリか、場合によってはアウトな感じ
速度が低下すると、画面向かって右側に赤枠のようなエラーアイコンが表示される

「PS Now」で「GRAVITY DAZE」をプレイ!

 ではここからは、実際にソフトを動かした状態でのインプレッションを紹介しよう。まず紹介するのは、「GRAVITY DAZE」である。画面内に展開するの空間を自由に動き回る本作は、PS4ソフトとしてもかなり負荷が高いタイトルのはず。その動作としてはどうなのだろうか。

 まずはPC環境だが、インテルのCore i7-4700MQ(第4世代)を使ったNECの「LAVIE LL750/R」(メモリは16GB)と、第7世代のCore i5 7200U(第7世代)を使ったサブノートであるNECの「LAVIE HZ550/G」(メモリは4GB)を使っての比較を紹介していきたい。なお、LAVIE HZ550/Gについてはイーサネット端子が用意されていないので、USB3.02対応したバッファローのUSBイーサネット変換アダプタ「LUA-U3-AGT」を使用して接続している。なお、BNRスピードテストでも測定をしてみたが、あまり結果は変わらなかったので、ネットの速度としては同列というように考えていきたい。

 有線接続環境では、PCの推奨環境がCore i3とされているだけあって、LAVIE LL750/Rにしても、LAVIE HZ550/Gにしてもまったく問題なくプレイできた。スペック的にはCore i5を搭載するLAVIE HZ550/Gが動作周波数が低いため(2.5GHz)若干の不安があったのだが、特に問題は感じなかった。

 次に無線環境である。先ほども紹介したように、筆者の環境では無線接続であっても約400Mbps以上出ている環境なので、想定されるのは「特に問題ない」という結果だが、実際にプレイしてもその通りで、LAVIE LL750/Rであっても、LAVIE HZ550/Gでもまったく問題なくプレイできた。

 最後に試したのはiPhone 7 Plusでのデザリング環境だ。これは速度的にも3~5Mbpsと、推奨スペックにの下限にかなり近い状態となる。実際に試したところでも、動きが大きいシーンとなると転送速度に難があるのか、カクカクした動きになってしまう。まったくプレイできないというわけではないが、途中で速度低下のメッセージも出てしまうので、何も気にせずプレイできるという環境ではなかったのは間違いない。

独特の浮遊感が特徴の「GRAVITI DAZE」。さすがにハードなアクションなだけに、iPhone 7 Plusでのデザリング環境では多少厳しいが、通常のネット環境であれば、全く大丈夫!

「PS Now」で「RESOGUN」をプレイ!

 次はシューティングゲームである「RESOGUN」をプレイした感じをお伝えしよう。「GRAVITY DAZE」と同じように有線、無線環境では特に問題がなかったが、「GRAVITY DAZE」と比べると、それほど負荷の高いゲームでなかったせいか、iPhone 7 Plusでのデザリング環境でもなんとかプレイできた。ただし十分満足いく環境であるかというとそんなことはなく、多少の引っかかりは生じるので、テザリングでのプレイはやはり無理があると言えよう。

簡単な操作で遊べるシューティングゲームの「RESOGUN」。こちらの方が負荷が低いのか、どんな環境でも楽々と遊ぶことができた

「PS Now」で「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」をプレイ!

 そしてアドベンチャーゲームである「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」をプレイしてみた。こちらはテキストを順に追っていくことを中心として展開するアドベンチャーゲームのためか、やはり負荷は低い印象だ。最低環境のiPhone 7 Plusのデザリングであっても十分に遊べた。

「大人のためのサイコ・サスペンス」をうたうアドベンチャー「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」。アドベンチャーゲームなだけに、シビアな判定はなく、より快適に遊ぶことができた

 以上、見てきたように、基本的にはCPUのスペックと言うよりも、ネットの接続環境に負うところが大きいサービスのように感じる。必要スペックのCore i3 3.5GHzといえば3世代前のPC環境とも言えるので、2年くらい前のCore iシリーズを利用しているユーザーであれば、特に問題が起きることはないだろう。筆者のサブノートも、最新の第7世代Core i5を利用しているとは言うものの、メモリは4GBだし、多少の不安があったのだが、特に不満もなくプレイすることができた。

 「PS Now」は、定額制でいくらでもプレイできるという利点はもちろんあるが、PS4を持っているユーザーにはあまり魅力のないサービスかもしれない。ただ、その環境を用意できていないユーザーには、PCだけでプレイできるというのはかなりうれしいことだろう。

 また特定のPCだけしか動かないということはなく、アカウントと動作できるPCさえ用意してあれば、いつでもどこでも遊べるのはかなりよい。課金形態としては、1か月2,500円と、3か月2,950円(2017年8月31日までディスカウント中)と2つのコースがあるが、7日間の無料お試し期間も用意されているので、プレイしてみたいソフトがあれば、ぜひとも登録して、自分のPCでプレイしてみるのはいかがだろうか。