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「ファイプロ復活祭」で、PC版アーリーアクセス発売日と価格が明らかに

松本朋幸ディレクターのぶっちゃけトークが炸裂!

【アーリーアクセス発売日】

7月11日 発売(PC:Steam版)

価格:2,000円(アーリーアクセス/税別)

 スパイク・チュンソフトが開発中のプレイステーション 4/PC用アクション「FIRE PRO WRESTLING WORLD」にまつわるイベント「待っていてくれて本当にありがとう!ファイプロ復活祭!」が、6月21日にロフト9渋谷にて開催された。イベントは3部構成で行なわれたが、ここでは3部で発表された発売日と価格および2部のトークセッションを中心にレポートをお届けする。

 本イベントは「プロレスTODAY」にて「プロレス-今日は何の日」を連載中のAJスレンダー氏の主催/企画によるもの。出演者は、プロレスラーの飯伏幸太選手とスーパーササダンゴマシン選手、そして「FIRE PRO WRESTLING WORLD」ディレクターの松本朋幸氏。

 3部のラストに満を持して発表されたPC版アーリーアクセスの発売日は7月11日、価格は2,000円(税別)。前述のとおりアーリーアクセスにつき「正式発売以降は値段が約2倍になってしまう(松本氏)」という。なお、アーリーアクセス版は順次アップデートが行なわれ、最終的に正式発売版と同じ仕様になる。

イベントの最後に公開されたPC版アーリーアクセスの発売日と価格。PS4版はどちらも未定

 イベント2部で松本氏は、12年ぶりの新作について相当“ぶっちゃけた”トークを展開。2005年9月に発売されたプレイステーション 2「ファイプロ・リターンズ」について「(日本国内では)4万本しか売れなかった。このクラスのタイトルは最低でも開発に1億かかる。仮に開発費が1億5千万、ソフト1本5,000円で利益は半分、販売本数5万本として、マイナス2千5百万円。これでは次が作れない」と説明。しばらく社内で「『ファイプロ』の“ファ”の字も言うなという空気だった(松本氏)」という。

 これについてスーパーササダンゴ選手らが、2003年のおおみそか格闘技イベント以降、当時プロレス人気がピークアウトしていた事情などに触れると、松本氏も「人気に左右される」とコメント。とはいえ「ファイプロ・リターンズ」は海外で12万本を売り上げているが、それについても「ファイプロは日本で売れてナンボ(松本氏)」と言い切る。「FIRE PRO WRESTLING WORLD」については、12年間で7回のプレゼンを経て「昨年GOサインが出た(松本氏)」と、まさに執念の産物だ。

 「なぜそこまで?」と思える松本氏のファイプロ愛。それまで「肉体労働をしていた」というゲームとはまったく無縁の社会人生活から「ファイプロが作りたい!」と入社してチームを結成。「ファイプロ」が作れない間は「喧嘩番長」を企画し、その理由も「プロレスの技が入れられるから」と実に明瞭。

 飯伏選手も「ちょっとやったことがあります」といい、知らず知らずのうちに潜んでいた「ファイプロ」愛がどこかでシンクロしていたのではないかというエピソードを披露。「喧嘩番長」も人気シリーズとなったが「(次第に)売れなくなった。こすりすぎた(松本氏)」と振り返る。PC(Steam)版については「Steamがきてる。出せば売れる!(松本氏)」と社長を説得。最大のこだわりは「『ファイプロ』であること(同氏)」といい、昨今は標準化した3D表現もあえて2Dのまま。当然「ファイプロVR」も企画として出てくるが「つまらない(同氏)」とバッサリ。

 気になるキャラクターだが、昨今の厳しい版権事情を踏まえデフォルトは0人。ただしエディットパーツが多数用意され「凄く怒られそうな(ド直球な)パーツは入っていないが、作ろうと思えばなんでも作れる(松本氏)」と説明。例としてあげられたトラのマスクは、模様はそれっぽくてもデフォルトの色が違えば……とのこと。このあたりは往年の「ファイプロ」シリーズに触れた経験があれば「了解!」の一言だろう。リングやレフェリーのエディットも可能で、データはSteam Work Shop経由で他プレーヤーにも配信できる。

飯伏幸太選手
スーパーササダンゴマシン選手

 「ファイプロ」といえば対戦。シリーズ初期から「俺が1番強い」と最強を自負するプレーヤーが多いことに触れ「みんなそう言うが、上には上がいることをわからせる。『ファイプロ』は1フレームの勝負。本作のオンライン対戦は“動物的なカン”が必要とされる(松本氏)」と説明。最大8人までのオンライン対戦のほか、CPU同士を戦わせ観戦が可能。行動パターンを組んでのオンラインCPU対戦も可能で「CPU同士の対戦はラグが発生しない仕様になっている」という。

 将来的にはベルトをかけた対戦イベントを開催したいという松本氏。すでに実物のベルト2本をオーダー済みで、チャンピオンにうち1本が贈呈される予定。ベルト製作費は最低でも1本10万円以上するといい「ヤフオク禁止!(松本氏)」と会場を笑わせる。

 エディット選手の使用もOKという話の流れから、飯伏選手が参加予定の新日本プロレス主催「G1 CLIMAX 27」シリーズに用意しているという新技(当然ながら現時点で未公開)のゲーム内実装が決定! 松本氏いわく「2週間あれば(間に合う)。入れて欲しい技があったらTwitterでつぶやいて欲しい」とのこと。ただし「みんなが言うような技はだいたい既に入っている(同氏)」と頼もしい補則もあった。

 「僕が5年前に買ったノートPCでも遊べる(松本氏)」とPC要求スペックも控え目。往年のファンは言うに及ばず、アクションゲーマーや近年のプロレス人気復興で「こんなゲームがあったのか」と初めて知った人も、ぜひこの機会にチェックしていただきたい。

【1部】
発売を祝して全員で乾杯
当日提供の限定コラボメニュー
主に歴代シリーズを振り返る。攻略本や飯伏選手がデビュー2年目で参加したゲーム企画ページなども紹介。掲載ゲーム誌を持参したのはなんと飯伏選手自身。あまりの物持ちの良さに会場から驚きの声があがる
【2部・3部】
2部後半と3部はデモプレイ。登壇者5人によるバトルロイヤル、3部はお客さんを交え8人同時プレイを2試合実施。飯伏選手がお目当てのお客さんの大半は「ファイプロ」未経験だったが、やはり「ファイプロ」の本旨は“プロレスファンに刺さる”ことだなぁと実感。ゲーム未経験でも面白さがバッチリ伝わるのが凄いところ。ある意味“本物以上”に盛り上がっていた