【特別企画】
日本HP、ゲーミングブランド「HyperX」をさらに拡充。OMEN AIやTGS2025などの手応えを経て事業強化へ
最上位PCやレバレスアケコン、イヤホンなどを一挙に公開。5月以降順次発売
2026年4月10日 17:43
- 【「HyperX」事業戦略&新製品発表会】
- 4月9日 開催
日本HPは4月9日、同社の展開するゲーミングブランド「HyperX」に関する事業戦略や新製品発表、新たなパートナーシップなどに関するメディア向け発表会を開催した。
同社は1月に「OMEN」などのPC関連のゲーミングブランドや、周辺機器ブランド「HyperX」など複数のブランドで展開していたゲーミングブランドを「HyperX」1本に統合し、更なるゲーミングブランドの強化を図り、ゲーミング事業に注力すると発表しており、今回は統合後、初の発表会の舞台となる。
会場では、1月に発表されたレバーレスコントローラの新モデル「HyperX Clutch Tachi」や、ゲーミングノートPC「HyperX OMEN 16 Gaming Laptop」を正式に発表したほか、ハイエンドのゲーミングデスクトップ「HyperX OMEN MAX 45L Gaming Desktop」、周辺機器として新型のOLEDディスプレイ「HyperX OMEN OLED 34 Gaming Display」や、リフレッシュレート240HzのOLEDパネルを採用したディスプレイ「HyperX OMEN OLED 27q」の発売時期や価格が発表となった。
また日本語配列のゲーミングキーボード「HyperX ORIGINS 2 PRO 65」を既存ラインナップに追加し、有線ゲーミングイヤホン「HyperX Cloud EarBuds III/III S」なども新たに発表。会場では実機の展示なども行なわれた。
加えて、新たなパートナーシップとしては、プロeスポーツチームのFENNELとのパートナーシップ契約の締結を発表した。これら製品の仕様や発表内容などについては別稿にて紹介しているので、合わせて参考にしていただきたい。
本稿では会場での事業展開に関する発表内容や、新製品の実際の感触、新たなFENNELとのパートナーシップについて紹介する。
新たな「HyperX」ロゴを備える新型ゲーミングノートPC「HyperX OMEN 16」
まずは会場に展示されていた「HyperX OMEN 16 Gaming Laptop」について見ていきたい。16型のOLEDディスプレイを搭載するハイエンドのゲーミングノートPCとなっており、天板には「HyperX」ブランドの新たなロゴマークが施されており、マスターブランドとしての主張が強くなっているのが感じられる。
端子類は左側面と背面に分散されており、柔軟な使い勝手を実現している。キーボードは日本語配列、テンキー付きのフルサイズで、キータッチは軽快で長時間使用していても疲れにくそうな、心地よい感触が味わえた。底面は半分以上を占める領域が肉抜きされた広範囲の吸気口となっており、冷却面でも安心できそうだ。
有線ゲーミングイヤホン「HyperX Cloud EarBuds III/III S」についてもチェックしてきた。発表会において、イヤホンの形状は独自の「Intra-Concha(イントラコンカ)」設計と説明されたが、実際に耳に入れてみると、従来のカナル型などのように耳穴にキッチリと入るタイプではなく、スッと収まるような感触だった。そして、ハウジング部に備えるシリコン製の柔らかなガイドが耳穴の端に引っ掛かることで固定されるため、外れにくくなる、他ではあまり味わえない不思議な装着感だった。
2モデルの違いは接続端子の違いとなっており、「HyperX Cloud EarBuds III」は3.5mmステレオミニプラグで機器と接続するのに対して「HyperX Cloud EarBuds III S」はUSB Type-Cで接続するという違いがあり、変換プラグなどは付属しないため、予めどちらの接続を利用するか決めてから選択する必要がある点には注意が必要だ。なお、カラーについてはブラックとレッドの2色がどちらにも用意されているので赤いデバイスが好きな人も安心だ。加えて「HyperX Cloud EarBuds III S」のみ、コントロール部にDSPを内蔵するため、さらに音質の向上が期待できるようだ。
会場では他にもゲーミングデスクトップPC「HyperX OMEN MAX 45L Gaming Desktop」や新型のOLEDディスプレイ「HyperX OMEN OLED 34 Gaming Display」、ゲーミングキーボード「HyperX ORIGINS 2 PRO 65」、レバーレスコントローラ「HyperX Clutch Tachi」などが設置され、そのビジュアルやサイズ、使用感などが確認できた。
「HyperX」ブランド統合で幅広い層に体験を提供。VICTUSは終了
発表会では、日本HPの執行役員でパーソナルシステムズ事業本部の松浦徹事業本部長が登壇し、2026年度の同社ゲーミング事業戦略について語った。
日本には日常的にゲームをプレイする層が5,400万人おり、言い換えると日本国内の5割以上がゲームユーザーなのだという。これを受け、ゲームを単なる趣味を超えた「日常」と捉え、着実に拡大を続けるPCゲーミング市場に対して向き合うための統合だと解説した。
2025年、同社はブランド統合に向けて、PCの設定などを全て自動で行ない、さらにその状態を自動で維持できる「OMEN AI」をリリースしたほか、6年ぶりの東京ゲームショウ2025への出展などを行なった。こうした2025年のゲーミング事業の活動から大きな手応えを感じたことなども踏まえて、2026年の「HyperX」への統合に踏み切ることになったという。
「HyperX」のブランド統合においては、旗印に「We're All Gamers」を掲げ、今後は「PC」の枠を超えたマルチプラットフォーム展開や、ソリューションとしてPCから周辺機器までを一貫した体験を幅広い層に提供したいと、ブランド統合について解説した。
なお、PCブランドのOMENについては「HyperX OMEN」で統一することとし、既存ブランドの「VICTUS」については、現在販売中の製品を最後に終了とする。
新製品の発表には日本HPのパーソナルシステムズ事業本部 コンシューマービジネス本部 カテゴリーマネージャーの森谷智行氏が登壇。新型のゲーミングデスクトップPC「HyperX OMEN MAX 45L Gaming Desktop」の特徴などについて紹介した。
「HyperX OMEN MAX 45L Gaming Desktop」は同社のフラッグシップとも言えるハイエンドのゲーミングデスクトップPCとなる。CPUに最新のIntel Core Ultra 7 270K Plusを搭載するほか、GPUにもNVIDIA GeForce RTX 5090が搭載可能としてパフォーマンスの高さをアピール。冷却性能についても、同社特許取得済みの「OMEN CRYO CHAMBER」の採用により冷却性能を向上しており、従来モデルと比較してCPU高負荷時の温度を最大7.5度下げるという。
1月に発表され、今回正式に発売が決定した16型のゲーミングノートPC「HyperX OMEN 16」についても紹介。冷却効率の向上により、最大200WのTPPに対応可能になっているほか、8Kポーリングレートのキーボードを内蔵しており、キークリックからディスプレイに反映されるまでのエンドツーエンド遅延が軽減されるとする。
そのほかにも、ノートPCに備える冷却ファンのメンテナンスを容易にするため、ファンを一定間隔で逆回転させる「ファンクリーナー」機能を搭載している。
この「ファンクリーナー機能」の「一定間隔」については、具体的な時間などは決まっておらず、システムが「汚れている」と判断した際に自動で逆回転を行なう仕組み。また、この機能はノートPCについては、CPUの機能を使うため、インテル製CPUのみ動作し、AMD版では手動での操作が必要となる。デスクトップについても同じ機能を備えるが、こちらはケース自体が備える機能となるため、CPUには依存しないと説明している。
なお、ノートPCの場合、吸気口の部分にしかファンを搭載しないことになるため、逆回転時に排気口側から吸気してしまわないかという疑問が出ていたが、これについては長期間ファンを逆回転させるわけではなく、短時間「吹き出す」ような動きで、吸気口の埃を弾き出すような動きになるようだ。
新たに追加されるOLEDディスプレイの新製品「HyperX OMEN OLED 34 Gaming Display」については、発光層を5層備える最新のPenta Tandem QD-OLEDパネルを採用。リフレッシュレートは360Hzで、文字の滲みなどを抑えるV Stripe構造になっているなど、最新技術が盛り込まれている。
そのほか、パフォーマンス最適化や冷却ファン制御などを管理するソフト「OMEN Gaming Hub」については、AI動画生成プラットフォーム「HeyGen」が利用できるようになっており、「OMEN Gaming Hub」からアクセスした場合、本来月額99ドルのPROプランを3カ月無料で利用できるサービスも付属するほか、リアルタイムボイスチェンジャー「Voicemod」機能も利用できる。
そのほかの周辺機器については、日本HPのパーソナルシステムズ事業本部 コンシューマービジネス本部 カテゴリーマネージャーの宇野洋平氏が登壇。1月に発表されてから続報が待たれていたレバーレスコントローラ「HyperX Clutch Tachi」について正式に発売が決定したことを受け、詳細について解説した。そのほか、ラピッドトリガー搭載のゲーミングキーボード「HyperX ORIGIN 2 PRO 65」を新たに追加し、ラインアップを拡充。
有線ゲーミングイヤホン「HyperX Cloud EarBuds III/III S」については、上位モデルの「HyperX Cloud EarBuds III S」において、同社としては初となるUSB Type-C接続のイヤホンである点を強調。加えてコントローラ部にDSPを内蔵し、バーチャルサラウンドにも対応している特徴についてアピールした。通常モデルの「HyperX Cloud EarBuds III」についてはDSPは内蔵せず、3.5mmステレオミニ接続のイヤホンとなる。
いずれも14mm大口径ドライバユニットを搭載し、独自の「Intra-Concha(イントラコンカ)」設計を採用。従来のカナル型と比較して耳への圧迫が控えめながら、外れにくい構造となっており、安定した装着感を提供するとした。
FENNELとパートナー契約。次世代プレーヤーへのサポートプロジェクトも
最後に、HyperXがプロeスポーツチーム、FENNELと新たにパートナーシップ契約の締結を発表したことを受け、こちらについても説明会が行なわれた。日本HPからはマーケティング本部 柳澤真吾本部長が登壇したほか、eスポーツチーム、FENNEL創業者の堀田マキシム氏、並びにゲストとしてFENNEL League of Legends 部門所属選手であるraki選手、Bruces選手も登壇。
具体的な支援としては、ヘッドセット、マイク、マウス、キーボード、イヤホンの5つのカテゴリにおいて、HyperXからFENNELの選手たちへのデバイス提供が行なわれる。そのほかの企画などについても進行中で、FENNELの選手との共同プロモーションを展開することで「HyperX」ブランドをより多くのプレイヤーやファンに浸透させる狙いなどについて語った。
デバイスのカテゴリについては、現段階では5つからスタートするが、将来的に双方の環境が合えば、アーケードコントローラなど、ほかのジャンルに広げていく可能性も示唆した。
HyperXとFENNELは2022年にもスポンサー契約を締結していたが、これについて柳澤本部長は「HyperX」を日本HPが買収する前のものであり、その後契約は一度解消されていたという。今回の新たなパートナーシップ契約の締結については、さらにパワーアップした形での再契約になると力強くコメントした。
「HyperX」についての印象などを聞かれたFENNELの堀田マキシム氏は「自身もかつてゲームに没頭しており、最初に購入したヘッドセットがHyperXだったが、真剣にプレイするあまり、ミスをした際にヘッドセットを投げつけて壊してしまったことがあるが、翌日にはすぐに同じものを買い直すほど愛用していた、青春のブランドだ」と語って会場の笑いを誘う。
raki選手は14歳で「League of Legends」を始めた頃、今まで使っていたマウスは数カ月で壊れて困っていたが、学生でも手の届く価格で耐久性の高い「HyperX」のデバイスに出会うことができたという。それによって「ゲーマーとして一歩踏み出せた」と感じており、非常に感謝しているとのコメントを述べた。
Bruces選手は「HyperXの名前を聞くと、以前は有名な配信者が使っているマイクのブランドという印象だったが、今回の提携を通じてキーボードやヘッドセットなど幅広い製品展開を知った。自分に合ったデバイスを見つけることを楽しみにしている」とコメントした。
両社の取り組みの一環として「For Future Project」の共同実施についても紹介した。これはFENNELの選手が大会などで勝利するたびに、用意された「For Future Counter」が加算されていき、100%に達すると「子供たちの夢」を叶える取り組みとなっている。
「子供たちの夢」の具体的な内容としては、eスポーツに憧れる子供たちに公式大会への招待やゲーミングデバイスの提供などが検討されているが、具体的な内容については決まっていない。また、100%到達時の子供たちの選定についても、現段階では決まっておらず、これから詰める段階としながら、基本的には公募形式を想定しており、単なる抽選ではなく、レポート形式などで「どれだけeスポーツへの思いが強いか」を提出してもらい、より熱量の高い子供に機会を与えたいとしている。対象は小中学生をメインに、アクセスが難しい若い世代をターゲットにする予定となっている。
将来的には「For Future Project」がきっかけでeスポーツの選手になった、eスポーツ関連の事業を開始したといったeスポーツが人生のきっかけとなるようなエコシステムを構築することを目指すとした。
(C)2026 HP Development Company, L.P.




















































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