【特別企画】

日本HP、AIでFPS最大化「OMEN AI」とは? ハイエンドノートPC「OMEN MAX 16」で説明

HyperX製品と“ドングルなし2.4GHz接続”機能が登場

 日本HPは5月16日、「ゲーミングソリューション」に関するメディア向け発表会を開催した。

 日本HPでは自社ゲーミングPCブランドの「OMEN」と、2021年にHP傘下となったアクセサリーブランド「HyperX」の2つのゲーミング製品群を展開している。今回の発表会では2月に発表されたゲーミングPC「OMEN MAX 16」を軸に、同社のゲーミングソリューションの現在が説明された。

登壇した、日本HPパーソナルシステムズ事業本部コンシューマービジネス本部ビジネス企画部ゲーミング事業担当の宇野洋平氏
日本HPコンシューマー製品部プロダクトマネージャーの森谷智行氏

 「OMEN MAX 16」は、2月に発表されたばかりのゲーミングノートPC。価格は直販で531,300円からとかなり高額だが、CPUはCore Ultraシリーズ(インテルモデルの場合)、GPUはGeForce RTX 50シリーズと最高クラスのスペックを誇る。

 また設計上の大きな特徴の一つが、CPUとGPUを合わせて最大250Wを駆動できる出力と、それを可能とする冷却機能となる。冷却機能については、CPUとGPUに液体金属の放熱性と金属グリスの粘度を兼ね備えた独自素材「OMEN Cryoコンパウンド」を採用。さらにマザーボードの60.8%を覆うベイパーチャンバーにより、主要部分を常に冷却し続けることで、高い出力を維持する設計となっている。

OMEN MAX 16

 HyperXとの連携という点では、対応するHyperX製品をドングルなしで2.4GHz接続できる「インスタントペアリング」にも対応する。現在対応するのは、ヘッドセット「HyperX Cloud III S Wireless」、マウス「HyperX Pulsefire Haste 2 Pro 4K Wireless」および「HyperX Pulsefire Saga Pro Wireless」。最大3台までペアリング可能で、PCの近くで電源を入れるだけで自動的に接続される。

HyperX製品とのシナジーもポイントとなる
「HyperX Cloud III S Wireless」は5月16日に新発表された製品

 さらに、Windows 10以降の日本HPのPCに標準搭載されているソフトウェア「OMEN Gaming Hub」の機能「OMEN AI」にもアップデートが入った。

 「OMEN AI」は、オンにすることで、対応タイトルのグラフィックス設定を自動調整し、自身の環境に合わせてフレームレートを最大化してくれるという機能。フレームレートに影響する設定の算出にはAIが使用されており、いわば“フレームレート特化AI”と言うことができる。

OMEN AIの画面

 「OMEN AI」開発の背景には、同じPC構成なのにフレームレートが低く出ているユーザーが一定数いることがあるという。PCは人によってスペックや環境が異なるため、「ベストな設定」を共有することが難しい。また、たとえば「Counter-Strike 2」では69万通り以上、「エーペックスレジェンズ」では44億通り以上の設定パターンがあり、人間が手でひとつずつチェックすることは実質的に難しくなっている。

 「OMEN AI」は、ここをAIの力で解決しようというものとなる。対応タイトルは5月16日に「エーペックスレジェンズ」と「リーグ・オブ・レジェンド」が加わり、「Counter-Strike 2」と合わせて3タイトルとなった。

 情報収集に時間がかかるため一気の追加というのが難しいそうだが、今後は「Valorant」「フォートナイト」「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアIII」といったFPSタイトルのほか、「レッド・デッド・リデンプション 2」などにも対応する予定だ。

 OMENとHyperXは、現在Riot Gamesの公式パートナーとなっているなど、今後も引き続きゲーミング製品に力を入れていくという。OMENとHyperXのさらなる親和性や、OMEN AIの進化にぜひ期待したい。

自身の環境にあわせて、ワンボタンでFPSを最大化できるのが「OMEN AI」だ
このほか、ゲーミングヘッドセットの新たなカジュアルモデル「Cloud Jet Dual Wireless」も紹介された