【特別企画】

ポルシェの初チャンピオンに沸く! 「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」福岡大会、メーカー対抗戦を現地レポート

【グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025 ワールドファイナル -福岡】
開催期間:12月20日〜12月21日
会場:福岡国際会議場 メインホール
ワールドチャンピオンに輝いたポルシェチーム

 ポリフォニー・デジタルが手がけるレースゲーム「グランツーリスモ」の世界大会「グランツーリスモ ワールドシリーズ(GTWS)」。2025年はロンドン、ベルリン、ロサンゼルスでの各ラウンドを経て、年間チャンピオンを決める「ワールドファイナル」が12月20日・21日に福岡で開催されている。

 「GTWS」ではメーカー対抗戦の「マニュファクチャラーズカップ」と個人戦の「ネイションズカップ」の2つにわかれている。今回のワールドファイナルは「グランツーリスモ7」の大型アップデート「Spec III」の直後で、車の挙動の変化や新サーキットでのレースもあり、誰が優勝してもおかしくない状況だ。

 本稿では「GTWS2025」ワールドファイナルより12月20日に行なわれたマニュファクチャラーズカップの大会レポートをお届け。会場やファンの様子、熱戦となった試合の模様を紹介していく。

【[日本語] GTワールドシリーズ 2025 | ワールドファイナル | マニュファクチャラーズカップ | グランドファイナル】

日本初のワールドファイナル開催にファンが集結! サイン会やグッズ販売も実施

 2025年の「GTWS」はイギリス・ロンドンでのラウンド1、ドイツ・ベルリンでのラウンド2、米国・ロサンゼルスでのラウンド3を経て、日本・福岡でワールドファイナルを迎える。今回は「ジャパンモビリティショー福岡2025」の併催イベントとして福岡国際会議場で開催されている。

「GTWS2025」ワールドファイナルの舞台となった福岡国際会議場
隣接するマリンメッセ福岡では「ジャパンモビリティショー福岡2025」が開催されている

 年間チャンピオンが決まる大会ということもあり、世界各国から「グランツーリスモ」ファンやレースファンが訪れ、チケットは完売。会場ではスポーツカーやレーシングカーの展示、ここでしか購入できないオリジナルグッズの販売のほか、プレミアムチケット購入者向けのサイン会も行なわれた。

ロビーでは様々な年代のスポーツカーやレーシングカーを展示
会場でのグッズ販売
プレミアムチケット購入者向けにサイン会も開催
思い思いのアイテムにサインを書いてもらっていた

 前座として開催された「プロアマレース」では、プロドライバーとメディア/インフルエンサーが2人一組のチームを組み、途中交代制のレースが行なわれた。筆者は参戦が叶わなかったが、姉妹誌「Car Watch」が国分諒汰選手とチームを組んで出場し、熱戦を見せてくれた。

前座で開催された「プロアマレース」。姉妹誌の「Car Watch」が出場し、熱戦を見せてくれた
結果は宮園拓真選手とチームを組んだドイツ「Dave Gaming」が優勝した

優勝チームはポルシェ!第2戦で流れを引き寄せる

 12月20日のメインイベントは自動車メーカー全12チームによる対抗戦「マニュファクチャラーズカップ」だ。日本の自動車メーカー6社、海外の自動車メーカー6社が出場し、各メーカーと契約したプロドライバーが3人一組で、全4戦のレースを行なう。

全12チーム・36人が出場する「マニュファクチャラーズカップ」

 第1戦の舞台となったのは、米国のサーキット「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」のオーバルコース。天気は晴れ、タイヤはレーシングハード、周回数は10周と、ハイスピードでオーバーテイクの難しい展開となることが予想された。

 レースは1周目で日産がスピンし、3周目にはポルシェとスバルが衝突するなど、荒れた展開となりレッドフラッグ。その後レッドフラッグ直前の順位でレースが再開されたが、やはりオーバーテイクが難しく、マツダがポール・トゥ・ウィンを飾り、上位は2位にスバル、3位にポルシェというスターティンググリッドそのままの結果となった。

第1戦は「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」のオーバルコース
1周目に日産がスピン、3周目にポルシェとスバルが衝突するなど荒れた展開に
レッドフラッグでレース中断となった
会場ではオンボード画面だけでなく、タイム差や選手の表情が様々な画面で映し出された
オーバルコースでオーバーテイクが難しく、上位陣はスターティンググリッドそのままの結果となった

 第2戦は日本のサーキット「オートポリス」のレーシングコース。天気は雨で、タイヤはインターミディエイトまたはフルウェットのどちらかを選べたが、レースでは全車がフルウェットを装着することを選択した。雨でロードコンディションや視界が悪く、このレースもオーバーテイクが難しくなることが予想された。

 スターティンググリッドは先のレース結果がそのまま反映されるため、マツダがポールポジション、スバルがフロントロー、ポルシェが3番グリッドとなった。このレースで魅せたのがポルシェのセラーノ選手で、雨がどんどん強くなっていく中で、1周目にスバルを追い越し、3周目にはマツダをオーバーテイクすると、そのまま圧巻の走りで勝利を飾った。

第2戦は雨の「オートポリス」
オーバーテイクが難しいと予想される中、ポルシェのセラーノ選手が魅せた
マツダとスバルをオーバーテイクすると、そのまま勝利を飾った
ポルシェに流れを引き寄せたセラーノ選手

 勢いに乗ったポルシェは、第3戦の「サルディーニャ・ロードトラック(イタリア)」でも2位に約2秒の差をつけて勝利を飾り、優勝争いはポルシェ、マツダ、スバルの実質3チームに絞られた状態で、最終戦の「ヤス・マリーナ・サーキット」へと移っていく。

第3戦はオリジナルコースの「サルディーニャ・ロードトラック」
2位争いが混沌とする中、ポルシェはどんどん差をつけていく
最終的に約2秒差をつけてポルシェが1位を飾った

 第4戦を前に「グランツーリスモ」シリーズのクリエイター・山内一典氏がステージに上がると、ファンから大きな歓声が送られた。山内氏は「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2026」の開催を発表し、ラウンド1をアラブ首長国連邦の首都・アブダビで行なうと明かした。こちらについては、弊誌のニュースを参照してほしい。

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2026」アブダビでのラウンド1開催が発表されると、会場から驚きの声があがった

 グランドファイナルとなる第4戦はアラブ首長国連邦の「ヤス・マリーナ・サーキット」。最終戦のみ、選手交代制でタイヤ交換ありのレースとなるが「ヤス・マリーナ・サーキット」は大型アップデート「Spec III」にて追加されたばかりのコースで、選手たちもあまり走りこめていないため、波乱が起きる可能性もあった。

 その波乱を起こしかけたのが、最終戦直前の時点でランキング10位だった「メルセデスAMG」だ。彼らは巧みなピット戦略とチームワークにより、レース最終盤にトップ集団のポルシェとマツダに追いつく驚異的な走りを見せ、このレースの勝者になる可能性が高かったが、コーナーでマツダと接触してしまい、順位を4位に落としてしまった。

 この一件でマツダは2秒のタイムペナルティを科せられ、BMWが2位に浮上。最終的にワールドファイナルは、勢いに乗ったポルシェが圧倒的な強さを見せ、海外メーカーでは初めてのワールドチャンピオンを獲得した。また、総合順位でマツダは2位、スバルが3位となり、マニュファクチャラーズカップは幕を閉じた。

グランドファイナルは大型アップデート「Spec III」で追加された「ヤス・マリーナ・サーキット」
最終戦のみ、選手交代制でタイヤ交換ありのレースで開催される
レース最終盤に波乱を起こしたのが「メルセデスAMG」。怒涛の追い上げでトップ集団に登りつめた
だが、コーナーでマツダと接触し4位に転落。マツダもタイムペナルティを課され、ポルシェのチャンピオン獲得が有利な状況となった
ポルシェは全4戦中3戦で勝利を飾る見事な活躍。ワールドチャンピオンに輝いた

残るはネイションズカップ! ワールドチャンピオンに輝くのは!?

 ここまで「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025 ワールドファイナル -福岡」よりマニュファクチャラーズカップの大会レポートをお届けしてきた。満員の会場の中、流れを掴んだポルシェがワールドチャンピオンを獲得したときは万雷の拍手が送られ、さながらリアルレースのような熱狂を見せたのが印象的だった。

 残すは個人戦の「ネイションズカップ」のみ。既にチケットは完売しているため現地参戦は叶わないが、「グランツーリスモ」公式YouTubeチャンネルにて生配信が行なわれるため、気になる方はぜひ2025年のチャンピオン誕生の瞬間を見届けてほしい。

【[日本語] GTワールドシリーズ 2025 | ワールドファイナル | ネイションズカップ | グランドファイナル】