【特別企画】

クルーザー級3曲を一挙披露! 「THE PRIMALS Dark Decades Tour」フォトレポート

祖堅氏の段取り忘れで「Bee My Honey」はまさかの演り直しのハプニング(!?)も

【THE PRIMALS Dark Decades Tour】
7月23日より開催
会場:KT Zepp Yokohamaほか

 我らが「ファイナルファンタジーXIV」の公式バンド「THE PRIMALS」の全国ツアー「THE PRIMALS Dark Decades Tour」が7月23日、KT Zepp Yokohamaにおいて開幕した。

【THE PRIMALS Dark Decades Tour - ライブ告知PV】

 昨年9月に実施されたライブコンサート「THE PRIMALS Live in Japan - Darkest Before Dawn」では15,000人規模の横浜アリーナを連日埋め尽くすほどの人気ぶりを見せつけたTHE PRIMALSだが、今回の「THE PRIMALS Dark Decades Tour」は、リーダーの祖堅正慶氏が結成以来大事にしているライブハウスでのコンサートとなる。

 会場となったKT Zepp Yokohamaは、その名が示す通り、みなとみらいに本拠を構えるコーエーテクモゲームス本社に隣接するライブハウス。1階をオールスタンディングにしても2,000人ほどのキャパシティだ。メンバーの息づかいすら感じられるような小規模なライブハウスで、1曲ごとにトークを交えながらの密着感のあるライブが展開される。

 前回のようにエメトセルクによる場内ナレーションもなければ、AmandaさんやJasonさんといったスペシャルゲストも登場しない、純粋にTHE PRIMALSメンバー5人だけのロックライブ。これこそが音楽家らしい祖堅氏が本来やりたいライブの形なのだろう。

【KT Zepp Yokohama】

 本ライブは、7月23日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、全国展開していく。ラストは9月29日、30日に予定されている日本武道館。個々の開催規模では昨年より小規模だが、全体では昨年を凌ぐ規模となる。

【公演スケジュール】

 なお、今回は、これから全国の会場でライブを楽しみにしている光の戦士のために、セットリストの公開は不可。紹介できる曲数も限られている。このため本稿でもライブ全体の詳述は控え、公式フォトをメインにフォトレポートとしてお伝えする。

 今回印象的だったのは、パンデモニウムやアレキサンダー、タイタン討滅戦といった人気曲はもれなく盛り込み、時間停止ギミックや「家~~!」などの定番ネタ、そして欠かせない鬼上司 吉田直樹プロデューサーとのどうでもよいあおり合いトークなどを丁寧に押さえることで、来場者の期待にしっかり応えながら、なおかつ、新規参戦者には特別感をもたらし、常連の皆さんにもマンネリ感を与えないために、新曲の導入に積極的な姿勢だ。

 今回は、「至天の座アルカディア:クルーザー級」より、「Ride the Rhythm」、「Back to the Drawing Board」、「Not Afraid」の3曲が一気にお披露目された。いずれも初演にしてはいきなりクオリティの高い演奏を披露し、会場を沸かせてくれたが、中でも印象的だったのが「Ride the Rhythm」。ボーカルのコージ氏に促される形でピタピタの蛍光色ジャケットに身を包み、奇抜なサングラスで決め込んだ祖堅氏が、Dancing Greenばりのキメポーズを随所に決め、場内を沸かせた。天井はいつのまにかミラーボールが回っており、ファンク感たっぷりの光りと音の洪水で、まるでダンスホールのようだった。

 ちなみに祖堅氏の“芸風”は、あえて崩す、自ら崩す、積極的に崩すことで生まれる珍妙なグルーヴ感にあると思っているが、来場者にとっては作者本人によって名曲が崩されていく感覚がとても楽しい。筆者もTHE PRIMALSのコンサートにはずいぶん参加させていただいているが、まるでドリフ大爆笑のような精密に計算された笑いと、一発勝負ならではのアドリブ芸を一緒くたに楽しめるのは「THE PRIMALS」だけといっても過言ではない。

【THE PRIMALSメンバー(敬称略)】
祖堅正慶
GUNN
マイケル・クリストファー・コージ・フォックス
たちばなテツヤ
イワイエイキチ

 そして今回、ついに同じ曲を2度連続で演るという離れ業を披露。曲目は、前回「Darkest Before Dawn」で初お披露目された「Bee My Honey」で、前回あれほど綿密に調整したコール(コールアンドレスポンス)の要請もまったくないままいきなり演奏がスタート。その割にはステージ奥のプロジェクターには謎の「みなとみらい」の写真と文字列が出るなど、謎の演出が気になるまま演奏終了。

【Bee My Honey】
事件が起こったBee My Honey

 すると祖堅氏はまさかの段取り忘れを告白。今の演奏はまったくなかったことにして、改めてコール要請からやり直す事態に。今回は4種類の中から歓声の大きさでコールを決め、最初から再演奏された。ちなみに今回チョイスされたコールは横浜開催ということで「崎陽軒!」だった。

 段取り忘れによる2度の演奏は、来場者にとっては嬉しいサプライズとなったが、さすがに全国ツアーで同じネタを繰り返すわけにもいかないだろう。今夜(7月25日)のZepp Sapporoでのライブではどうなるのか注目すると共に、全国ツアー各地での仕掛けにも注目したいところだ。

【GUNNのソロパート】
特別ゲストなしということで、GUNNさんのソロパート、ボーカルパートが増えている。ここも今回の魅力のひとつ
【フォトギャラリー】