【特別企画】

イシイジロウ氏の新作実写ADVが「シブヤスクランブルストーリーズ」に決定。緊急記者会見にてタイトルが正式発表

達成率660%超えのクラファンは「街」や「428」の続編ではなく独立した作品へ

【「渋谷実写ADVプロジェクト」緊急記者会見】
6月28日 開催
会場:渋谷サクラステージ404 Not Found

 6月28日、東京都のShibuya Sakura Stageにて、ゲームデザイナーのイシイジロウ氏による「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」の緊急記者会見が開催された。

 イシイジロウ氏は「街 ~運命の交差点~(以下、街)」や「428 ~封鎖された渋谷で~(以下、428)」といった作品を手がけてきたクリエイター。

 渋谷を舞台にした実写アドベンチャーゲームを完成させるべく、プレゼン用のプロトタイプ作品を作るべく、7月25日までクラウドファンディングサイト「うぶごえ」で支援を集めている。

 今回のプレス発表会では本プロジェクトの正式タイトルが「シブヤスクランブルストーリーズ」となることが決定したほか、豪華キャスト陣の参加発表、企業からの支援申し出などの数々のビッグニュースが発表された。本稿では、このプレス発表会のレポートをお届けする。

【渋谷実写アドベンチャープロジェクト/プロモーションビデオ (FULL.Ver)】

うぶごえの「渋谷実写アドベンチャープロジェクト クラウドファンディング」のページ

クラウドファンディング達成率660%超え。企業からの支援申し出も

ゲームデザイナーのイシイジロウ氏
脚本の北島行徳氏
俳優のあらい正和さん
俳優の北上史欧さん

 会見冒頭、イシイ氏は現在のクラウドファンディング状況を報告した。4月28日にスタートした本プロジェクトは6月28日現在で、達成率660%、金額にして3,300万円以上という驚異的な数字になっている。

 そして最大のサプライズとして、「ある企業様から支援の申し出があった」ことを明かした。

 「どこかの大きなメーカーさんが買ってくれたという形ではない」と強調し、あくまでも作りたいもの、求められているものを作ると強調した。少しでも早く発表したいため、こちらの正式発表は7月13日を予定しており、「もうしばらくお待ちください」と石井氏は参加者に呼びかけた。

 今回の発表で大きなインパクトがあったのが本プロジェクトのタイトルだ。こちらは「シブヤスクランブルストーリーズ」に決定した。これは支援者からタイトル案を募集した際に、「ぱんちょす」さんから提案された「シブヤスクランブルストーリー」に「ズ」を付けた形で決定。会場にいた「ぱんちょす」さんに拍手が送られた。

「シブヤスクランブルストーリーズ」のロゴ

 イシイ氏は「『シブヤ』というタイトルはつけたいなと思っていた。20年ぐらい前に『428』というタイトルを作ったが、皆さんに『シブヤ』って呼ばれることが多い。じゃあ『シブヤ』というタイトルを次作ったら、どっちの渋谷かわからなくなるから、428をヨンニーハチと呼んでもらえるんじゃないかな」と、タイトルを決めた際の1つの理由を明かした。

 このタイトルに、脚本の北島行徳氏からは「イシイさんが『こういう感じのタイトルが良いな』と言っていたのものにドンピシャという感じで、運命的なものを感じますね」とコメントをした。

 出演者の北上史欧さんも、「スクランブル交差点で色んな物語が交差して、化学反応していくことを想像させますね」とコメントした。

 続いて発表されたのは、新たなキャスト・スタッフ陣だ。俳優の天野浩成さん、中村悠斗さんの出演と、歌手の上木彩矢さんの主題歌担当が発表された。

俳優の天野浩成さん
俳優の中村悠斗さん
歌手の上木彩矢さん

 特筆すべきは、SNSやLINEでの直接オファーによって出演が決定したことだ。中村さんは「本物のイシイさんからの連絡からわからなかったが、フォロワー数を見て本物だとわかりました」と振り返った。

 上木彩矢さんも「普段はあまりSNSでのダイレクトメッセージは開かないが、たまたま開いたらイシイ氏からのメッセージだった」と、偶然が重なった経緯を語った。

 「428」のテーマソング「世界はそれでも変わりはしない」を作ったときはプロットは読んだが、台本は読んでおらず、出演者が使っていた台本は6冊にも及んでいたというエピソードを聞いて驚いていた。その反応を受けたイシイ氏は「分厚くても面白い脚本を書きますから」と力強く答えた。

 同曲のMVには天野さんや、中村さんも出演しており、イシイ氏は「今回もみんなで頑張って格好いいMVを総出演で作りましょう」と力強く語った。

前作との関係性は「完全独立」、古い渋谷と新しい渋谷がテーマに

 その後に行なわれた質疑応答で、ゲームシステムについて聞かれたイシイ氏は「『428』以降、大きな作品は手がけていないと思っているので、群像劇で大ボリュームな作品を目指したいです」と話した。

 「ファンのみなさんが手に馴染んだゲームシステムは大事にしようと思っていて、その先のことは開発が決まったらじっくりと考えていきますが、新しいことがゼロということはないと思います」と語った。

 また、渋谷という街が変化していることがゲームにどんな影響を与えるかについて聞かれたイシイ氏は「小さな家や小さなビルがあった場所はたくさん残っています。そういった古い渋谷と、新しい渋谷は今作のテーマになると思っています。そこに出てくる古い世代の人達と新しい文化を担う人達というのはテーマになってくると思います」と答えた。

 最後にイシイ氏は「『街』や『428』の続編ではなく、完全に独立した作品です。同じスタッフや同じキャストが出ますし、登場するのは似たキャラクターかもしれません。ですが、異なるキャラクターなので応援して欲しいです」と話した。

 脚本の北島氏は「製作が決定したらシナリオに着手します。1年くらいかけてじっくり書こうと思っているので、遊べるのは先かもしれません。ですが、それだけ時間をかける分、どんでん返しに次ぐどんでん返しで、笑えて泣けるようなシナリオを届けたいです。ぜひ、応援をよろしくお願いします」と話した。

 7月13日にも記者会見を予定しており、7月18日にはインディーゲームのイベント「BitSummit」でも本作に関して話をする場所が用意されているとのこと。

 7月25日の支援締め切りとなり、その後の7月28日には感謝祭イベントも予定されている。新たなリターン(ロゴTシャツ、トートバッグ、キーホルダー、缶バッジセット等)も発表された。

 「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」改め、「シブヤスクランブルストーリーズ」の今後の展開に期待が高まる。