【特別企画】

【今日はなんの日?】マンガで振り返るゲーム業界:「週刊少年ジャンプ」に「ファミコン神拳」が初めて掲載(1985年8月19日)

 集英社の「週刊少年ジャンプ」1985年36号(8月19日号)に、袋とじ企画「ファミコン神拳」が初めて掲載された。

 本コーナーは堀井雄二氏、宮岡寛氏、木村初氏などの制作スタッフが、それぞれ「ゆう帝」、「みや王」、「きむ皇」となどと称するキャラクターに扮し、ファミコン用ソフトの裏技や難関ステージの攻略法のほか、「ドラゴンクエスト」シリーズの独占スクープ、「あたた大紹介!!」(新作のレビューコーナー)、ゲームの早解きや裏技を投稿する読者参加企画も掲載していた。

 また「週刊少年ジャンプ秘録!! ファミコン神拳!!!」(ホーム社/2016年)によると、単行本として発行された「ドラゴンクエストIII」の攻略本「ファミコン神拳大全書 巻の五」は、何と200万部を超える大ベストセラーとなった。

ホーム社の「週刊少年ジャンプ秘録!!ファミコン神拳!!!」のページ

当時について

 筆者は当時、「週刊少年ジャンプ」を買う習慣がなかったので、当初は本コーナーの存在をまったく知りませんでした。あるとき、本誌を買った友人から記事を見せてもらったところ「ゼビウス」の無敵コマンドをはじめ、「ドアドア」のワープの裏技や「チャンピオンシップロードランナー」の最終面の攻略法が詳細に記載され、今までまったく見たことのない場面の数々に衝撃を受けました。

 本コーナーの連載が始まって以来、全部ではありませんが筆者も本誌を買うようになりました。第2回以降も「スターフォース」の無敵コマンド、「ドルアーガの塔」の裏モードの宝箱の出し方など、毎回袋とじをカットするたびに驚かされたものです。つまらないと思ったゲームは、スタッフが容赦なく「最低」の評価を下す「あたた大紹介!!」も、読んでいて実に楽しかったですね。

 新作の情報、とりわけ「ドラゴンクエスト」シリーズの発売前の情報が掲載された本誌が発売されると、筆者とゲーム好きの友人間では毎回その話題で持ち切りでした。当時は、おそらく何十、いや何百万人もの読者が、毎回「ファミコン神拳」を食い入るように読んでいたことでしょう。

「今日は何の日?」とは

 不定期に過去に起きたゲーム業界に関する出来事をマンガでふりかえるコーナーです。

絵:橘 梓乃

 すでにライターデビューから30年が経ちましたが、自身初となるマンガ企画を当GAME Watchにて担当させていただくことになりました。今後もゲーム業界の歴史をユル~く、かつ真面目にご覧いただけるネタをいろいろご用意したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。

テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)