【特別企画】
【EVO2024】「スト6」部門レポート。キャミィが華麗に舞い、Punk選手が悲願の初制覇!
2024年7月23日 11:37
Winnersのももち選手がPunk選手に敗退
決勝戦となるTOP6では、まずはWinners Semi-Finalとして、EndingWalker選手とBig Bird選手による1戦、そしてPunk選手とももち選手による1戦が行なわれる。試合は全て3本先取で勝利となる3先だ。ここで勝利した選手がWinners Finalに進出、負けた選手はLosers Quarter-finalにて、Losers側のネモ選手やZhen選手と試合する流れだ。
TOP6開始前には今年秋に追加予定の新キャラクター「テリー・ボガード」の新トレーラーが公開されるなど、試合を前にかなり熱くなっていた会場がさらなる盛り上がりを見せていた。
Winners Semi-Finalの第1戦はEndingWalker選手 vs Big Bird選手で使用キャラはEndingWalker選手がエド、Big Bird選手がラシード。初戦はBig Bird選手が勢いよく2ラウンド連勝で1本先取。次いで2戦目もBig Bird選手の勢いが止まらない。Dゲージを使い切ってバーンアウトしながらも勢いのある攻めで2ラウンド連勝を見せて2本連取した。3戦目は冷静な立ち回りを見せてきたEndingWalker選手が初のラウンド先取、2ラウンドも冷静な対処から攻め切って勝利し、1本を取り返した。4戦目は再びBig Bird選手のターン、とにかく止まらない攻めの継続で2ラウンド連取を決めて3-1でBig Bird選手が勝利し、Winners Finalへと駒を進めた。
続くWinners Semi-Finalの2戦目はPunk選手 vs ももち選手で、使用キャラはPunkがキャミィ、ももちはエド。初戦は画面端に追い込んでの攻めが見事でPunk選手が先制、2ラウンドもPunk選手の中央での立ち回りが見事で、そのまま攻め切ってSA3「デルタレッドアサルト」をリーサルで決めて1本目を先取した。
2戦目はももち選手が積極的な攻めを見せて先ずはラウンドを先取。2ラウンドは五分の攻め合いが展開し、Punk選手がリーサル判断をミスし、そこから反撃を見せたももち選手が見事に連勝で1本を取り返す流れとなった。3戦目はPunk選手の動きが見事で先制、2ラウンドはももち選手がエドのSA2を絡めた“ドリームコンボ”を見せてそこから攻め切って取り返す展開に。3ラウンドはギリギリの攻防の中、Punk選手がインパクトを見せて、ここから勝負を決めて2本目先取となった。
2-1でPunk選手有利の状況からの4戦目、1ラウンドはPunk選手が先取してリーチをかける。そのまま2ラウンドも攻め切って勝利し、Punk選手が3-1でWinners Semi-Finalを勝利して、Winners Finalに駒を進めた。
Winners Semi-Finalで勝利したBig Bird選手とPunk選手はWinners Finalに駒を進め、惜しくも敗れたEndingWalker選手とももち選手はLosers Quarter-finalにてそれぞれZhen選手、ネモ選手と激突する。日本人としては悲しい事ながら、Losers Quarter-finalはネモ選手とももち選手の対決となってしまった。
なお、Punk選手はアメリカの著名なプレーヤーだが、これまでのEVOでの優勝経験がない。今回悲願の初優勝となるかは、開催前から注目のポイントとなっていたが、この勝利で優勝に1歩近付く形となった。
Losers Quarter-finalでももちとネモが激突!
次の試合はLosers Quarter-finalとなり、1戦目はEndingWalker選手 vs Zhen選手で、使用キャラはEndingWalker選手がエド、Zhen選手がディージェイだ。初戦は接戦をEndingWalker選手が制して先制、2ラウンド目はZhen選手が冷静な対応で、途中ミスなどもあったが、SA2などを活かして勝利して取り返す。3ラウンドは終始優勢な動きを見せたEndingWalker選手が勝利して1本先取となった。
2戦目の1ラウンド目はガチンコの殴り合いをZhen選手が制して先制、2ラウンドはEndingWalker選手が圧倒的な攻めで取り返す。3ラウンドは先にSA3で体力を削りにきたZhen選手に対して、立ち回りできっちり相手の体力を削り、リーサルとしてCAとなって威力が増した「サイコチェンバー」で決めて2本連取となった。続く3戦目は初戦をZhen選手が取り、優位な試合を展開。2ラウンドもZhen選手有利で進めながらも、ギリギリの攻防からEndingWalker選手が攻め切って、取り返す展開に。3ラウンドはZhen選手が立ち回りで終始優位に展開してそのまま勝利して1本を取り返した。
4戦目は全体的に試合展開を有利に進めるEndingWalker選手が先制、2ラウンドもきっちり対処を重ねたEndingWalker選手が攻め切って勝利。3-1でEndingWalker選手が勝利して、Losers Semi-finalに駒を進めた。Losersのため、ここで敗北したZhen選手はここで試合終了となる。
Losers Quarter-finalの2戦目はももち選手 vs ネモ選手で、使用キャラはももち選手がエド、ネモ選手がベガ。初戦はギリギリの攻防から、最後はももち選手がバーンアウトしたネモ選手を削りで攻め切って先制。ところが、ここで2ラウンド開始前にデバイス的なトラブルがあり、一時中断が挟まれる事態となった。ネモ選手のデバイストラブルのため、トラブル解消後は、ももち選手が1本先取の流れとなった。
別のコントローラーを使うことになったネモ選手。再開した2戦目はギリギリの攻防をももち選手が制して先制、2ラウンドも順調な立ち回りを見せて2本目連取となった。続く3戦目も、ももち選手の立ち回りが好調でそのまま連勝して3本先取、悲しき日本人対決はももち選手が勝利となり、ネモ選手はここで試合終了となった。
次はLosers Quarter-finalで勝利したももち選手とEndingWalker選手が対決して、Losers Finalへの進出選手を決める事となる。
Winners FinalはPunkが圧倒的勝利、Losers Finalはももちが惜敗!
インターバルを挟んで次の試合はWinners FinalのBig Bird選手 vs Punk選手で、使用キャラクターはBig Bird選手がラシード、Punk選手はキャミィ。初戦はPunk選手の立ち回りが順調でラウンドを失いながらも1本を先取。2戦目もPunk選手の中距離での攻防がうまく、ギリギリの攻防ながら勝利して2本目連取となった。3戦目もPunk選手の地上戦での立ち回りが見事で、2ラウンド目にはBig Bird選手のインパクトを活かした攻めなども見られたが、3ラウンド目できっちりPunk選手が勝利し、3-0勝利でWinners Finalを制した。
続いての試合はLosers finalとなるももち選手 vs EndingWalker選手で、使用キャラはどちらもエド。初戦はお互いにラウンドを取り合う接戦ながら、EndingWalker選手が1本を先取。続く2戦目も接戦が続くが、ももち選手が慎重な攻防から、EndingWalker選手のミスを突いて、ついに必殺のドリームコンボを発動! さらに試合が展開する中で再度SA2「サイコキャノン」を決めるなど、徹底した攻めを決めて勝利した。ついに1本を取り返す流れとなった。
3戦目はEndingWalker選手の攻めの読み合いがうまく回って先制。2ラウンド目もややEndingWalker選手有利の展開ながら、ドリームコンボで逆転! ここでバーンアウトしたももち選手に対して、EndingWalker選手が同じSA2「サイコキャノン」を使った連携からインパクトを発動すると、ももち選手は冷静にSA1「サイコストーム」での反撃を見せるなどしてここを勝利。3ラウンド目はドリームコンボで画面端に追い詰めてから、パリィを見越してのすかし投げなどで決めてももち選手が勝利し、2本目を先取して逆転を見せる展開となった。
4戦目の1ラウンド目、中央での立ち回りで攻めを通したももち選手有利で試合が展開するが、ここをジャストパリィやインパクトを駆使して逆転の要素に変えていくEndingWalker選手が取り返して先制、2ラウンド目は終始、EndingWalker選手の攻めが良好でそのまま連勝して2本目を取り返す。
2-2で迎えた最終5戦目、1ラウンド目もEndingWalker選手の勢いが止まらない。攻めの読み合いでももち選手を上回り、バーンアウトしながらもここを勝利してリーチをかけていく。2ラウンド目はEndingWalker選手の流れに対して抗うももち選手だが、少しずつ劣勢になる中で、SA2「サイコキャノン」を発動したEndingWalker選手に対して、同じ「サイコキャノン」を発動して攻め合うという普段の試合などではあまり見ない展開に。相殺し合う巨大な弾をキルステップですり抜けたEndingWalker選手はそのままももち選手と地上戦の攻防を展開し、この読み合いを制したEndingWalker選手が勝利してついに決着! Losers FinalはEndingWalker選手が3-2で勝利、日本人選手の最後の砦だったももち選手は残念ながらここで試合終了となった。
続けて、Losers FinalはBig Bird選手 vs EndingWalker選手の1戦。使用キャラはBig Bird選手がラシードで、EndingWalker選手がエド。初戦はEndingWalker選手が好調な攻めを見せて先制。2ラウンド目もうまいゲージ運用で攻め切って連勝で1本先取となった。2戦目もEndingWalker選手の地上での立ち回りが絶妙で攻め切って先制、2ラウンド目はBig Bird選手が反撃を見せて、最後はSA3「アルタイル」で締めて取り返す。3ラウンド目はBig Bird選手が攻め切って1本を取り返した。3戦目はBig Bird選手がSA2「イウサール」を活かした攻めなどでEndingWalker選手の立ち回りを防ぎ、2本目を先取し、逆転の展開を見せる。
4戦目も勢いに乗ったBig Bird選手が攻め切って先制。2ラウンド目は追い込まれたEndingWalker選手が、絶体絶命の流れの中で、強気の択を通して取り返す。しかし、Big Bird選手の勢いは止まらず、3ラウンド目を見事に攻め切って勝利し、3-1でLosers Finalを制して、最終戦のGrand Finalへの進出を決めた。
Big Bird好調でリセット発動! フルセットフルラウンドまでもつれた勝負の行方は?
こうしていよいよ迎えたGrand Finalは、Punk選手 vs Big Bird選手によるWinners Finalの再戦となった。Big Bird選手が優勝するためには、ここで先に3勝してリセットしてから再度3勝する必要があるのに対して、Punk選手はここで3勝すれば優勝となる。
運命のGrand Final、初戦は勢いに乗ったBig Bird選手が攻め切って先制。2ラウンド目も画面中央での差し合いをBig Bird選手が制する場面が増えてきた。ここでPunk選手が冷静に対処し、体力ギリギリの攻防からSA1「スピンドライブスマッシャー」で勝負を決めようとしたところで、逆にBig Bird選手もSA1「スーパーラシードキック」の暗転返しを決めて勝利。重要な1本をBig Bird選手が先取した。
続く2戦目もBig Bird選手の攻めが好調でそのまま先制。2ラウンド目は冷静な攻めを見せたPunk選手が取り返す。3ラウンド目はBig Bird選手が冷静な対応を見せて、攻め切って連勝。リセットが見えてきた3戦目はPunk選手の攻めがうまく決まって先制。2ラウンド目はここぞというところでのSA1「スーパーラシードキック」が決まって取り返す。3ラウンド目もBig Bird選手の攻めが好調でここを制して、見事にリセットを勝ち取った。
リセットがかかったGrand Final最終戦、初戦はお互い五分の立ち回りを見せる両者だが、ギリギリの攻防の中でPunk選手が先制、2ラウンド目もギリギリの攻防からPunk選手が攻め切り、ついにGrand Finalで初の1本先取となった。2戦目もPunk選手が圧倒的な攻めで先制。しかし2ラウンド目はBig Bird選手が取り返すギリギリの攻防が展開する。3ラウンド目はお互いギリギリの体力での攻防を今度はBig Bird選手が制して1本を取り返す。
1-1で迎えた3戦目はPunk選手がギリギリの差し合いを制して先制、2ラウンド目はギリギリの攻防をBig Bird選手が制して取り返す。3ラウンド目もPunk選手が攻め切って2本目を先取し、2-1で優勝に王手がかけられた。ここでPunk選手からヘッドセットデバイスの不調の訴えがあり、少しのインターバルが発生。
比較的すぐに再開となった4戦目はBig Bird選手が攻め切って先制。2ラウンド目もSA2「イウサール」を活かした攻めや中段攻撃を活かしたうまい攻めで連勝して2本目を取り返す流れとなった。
こうして2-2で迎えた最終5戦目、1ラウンド目はPunk選手が立ち回りで上回って先制。2ラウンド目は画面端に追い詰めたBig Bird選手がきっちり攻め切ってここを取り返す。フルセットフルラウンドの3戦目はBig Bird選手が早々にSA2「イウサール」を使った攻めで有利に展開するも、その後は冷静な対応を見せたPunk選手が、きっちりと立ち回って見せて、最後はSA3「デルタレッドアサルト」でリーサルを決めて勝利! Punk選手が悲願のEVO初優勝を果たした。
Punkの目にも涙! ついに悲願のEVO初制覇を達成!
表彰式では、メダルや副賞などがTOP6に残った選手たちに順番に手渡され、最後は優勝したPunk選手が、受け取ったEVOのトロフィーを掲げた。何度かメガネを外して涙を拭くPunk選手の感極まった表情が印象的だった。インタビューなど本人のコメントは特になく、その後はMCと会場の観客たちとともに記念撮影をして、EVO 2024は終了となった。
ももち選手のエドはかなり仕上がっていただけに、今回優勝のPunk選手に敗れ、かつ同キャラ対決でEndingWalker選手に負けてしまった点は日本のファンとして見ると残念な結末となってしまった。しかし、EVO以外の大会も今年は多く開催されるので、是非次の大会でこそ日本人選手の勝利を見せてほしいところだ。
3日間「ストリートファイター6」の予選の様子や、プロゲーマーたちの配信などを通して、会場や周辺の様子などをチェックしていたが、非常に多くの日本人選手たちが会場を訪れて、戦う様子は正にムーブメントを感じさせる勢いが伝わってきた。
プロ選手たちの動向も見ていると非常に興味深い。チームに所属する選手の多くが、チーム単位で行動を共にする様子が多く見受けられ、例えばVARREL、忍ism Gamingなどはチームのメンバー全員で買い物や食事に出掛ける様子をチーム単位、または選手個々で配信したり、Rejectについては、練習用の場所をチームで確保し、そこで練習する様子を生配信するなど、国外にいてもファンに向けての配慮がしっかりしていると感じられた。これまでも同じような配信などを行なう選手やチームはいたが、これまで以上にこうした活動を行なう選手やチームが増えているように感じられたEVO 2024だった。
また、選手たちの使用するキャラクターにも要注目の大会だった。6月末に追加となったベガで一定の成果を上げたぷげら選手やネモ選手が、来月から始まる「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2024」では最終的にどのようなキャラクターで参戦することになるのか、今から期待が高まる。また、個人的には、オープントーナメントに向くとした上で、あえて他の選手があまり使わなくなったJPを使って挑んだACQUA選手が最終的に17位とかなりの好成績を残しているのが印象的だった。
EVO2024
— ACQUA(あくあ) /広島TEAM iXA (@acqua_db)July 21, 2024
Ending WalkerとAngry birdに負けて17位でした。
壇上は近いようでまだまだ遠かった…。
全体的に流れ良かっただけに悔しさも凄いですが、今回の大会で一皮剥けた気もするので今後の大会やSFLに活かしていきます!
応援ありがとうございました!!#iXAWINpic.twitter.com/G86xrqCRt7
EVO 2024だけでなく、今後も多くの大会が控えているなど「ストリートファイター6」の盛り上がりは発売2年目もまだまだ留まる事を知らない。今年も熱い夏になりそうだ。