【特別企画】

「Shadowverse」、新フォーマット「ヒーローズバトル」先行体験レポート

尖りまくるバトルが展開! 「ウィッチ」オタクによるデッキ考察付き

【ヒーローズバトル】

開催期間:4月24日12時~5月7日4時59分

 Android/iOS/PC用対戦型オンラインデジタルカードゲーム「Shadowverse」は6月17日でサービス開始から8年となる。これに先駆けて、5月にリリースを予定している「粛清編-後編-」の最終章にてストーリーが一旦の終幕を迎えると発表している。

 デジタルカードゲームとしての奥深さもさる事ながら、美しいイラストと魅力的なキャラクター達で紡がれてきた重厚なストーリーは本作の大きな特徴となっていた。

 今回、期間限定の新フォーマット「ヒーローズバトル」が新たに登場する。「ヒーローズバトル」では、ストーリーの終幕を祝うかのように、物語に登場してきた人気キャラクター達が主役となる。彼らの特徴をフルに活かした、今までにない特別なバトルを楽しむ事ができる。開催期間は4月24日12時から5月7日4時59分まで。

 そんな「ヒーローズバトル」を今回は一足早く先行体験する事ができた。普段のバトルとは一癖も二癖も違う体験を、”どんなプレーヤー”でも楽しめるこだわりぬかれたフォーマットとなっていた。早速その魅力を紹介していこう。

 なお、記事内の対戦環境は開発中のものを使用している。リリース時と異なる場合があるので、ご注意いただきたい。

「ヒーロースキル」が勝負の鍵。歴代最強カード集合の特別デッキが凄い!

 今回開催される「ヒーローズバトル」は、基本的なルールは通常のバトルと変わらないが、キャラクター毎に用意された「ヒーロースキル」が新たに追加される事で今までにないバトル体験を実現している。

 「ヒーロースキル」は各キャラクターごとに2~3つ用意されており、今回のルールで追加された新たなポイント「HBP(ヒーローズバトルポイント)」を使うことで、各キャラクターの特徴に合わせたスキルを発動できる。

 「Shadowverse」の基本となるクラス毎の特徴に加えて、リーダースキルによる特徴も強く出すことで、同じクラスでも全く異なる動きになるのが非常に面白いポイントだ。

事前に用意された24キャラクターの中から1人を選んでバトルに挑む。さながら、対戦格闘ゲームのような雰囲気も感じる。誰でも参加可能かつ全員未体験のフォーマットになるので、プレイ経験に関係なくフラットな状態での環境対戦を楽しめるだろう
フィールドは概ねいつも通りだが、「EP」の隣に新たに「ヒーロースキル」のアイコンが設置されている。「PP」が残っている場合と同じく「ヒーロースキル」を使っていないと警告もしてくれるので安心だ。

 選択できるキャラクターは各クラスごとに3人存在する。各キャラクターには自身の特性を参考に構築されたオリジナルデッキが事前に用意されているため、プレーヤーは自身のカード所持状態に関わらず、好きなリーダーを選択して「ヒーローズバトル」を遊ぶことが可能だ。

 久々に遊ぶプレーヤーでも全く同じ条件でバトルする事ができ、何なら自分がプレイしていた頃の強いカードがデッキの主軸になっている事があったりなど、懐かしさに浸りながら遊ぶこともできるだろう。

 使用できるキャラクターの数がそのまま対戦環境のデッキ数になるので、計24デッキで行われる特殊環境でのバトルでもあるし、加えて「ヒーロースキル」による独自性もあることで、今までにない「Shadowverse」体験を生み出しているのだ。

各クラスごとの基本的なギミックを分かりやすく反映したデッキから、特定時期にプッシュされていたギミックデッキ、キャラクター性を重視したデッキなど多種多様なラインナップが揃っている! お気に入りのリーダーを選んで、全く新しいバトル体験を味わうことができる

 続いてそんな独自の環境での対戦を楽しめる「ヒーローズバトル」の根幹となる「ヒーロースキル」について掘り下げていきたい。

 まず前提条件として、「ヒーロースキル」を使用する為に必要な「HBP」の初期ポイントや、「HBP」の運用方法はキャラクター毎に全く異なるのが大きな特徴だ。

 例えば「HBP」を稼ぐ手段等もキャラクター毎に特徴が出ており、能力が少し控えめな代わりに「HBP」を獲得しながら発動できるタイプや、デッキに合わせた特定行動を行う事で「HBP」を自動的に獲得できるタイプなどが存在する。

 発動できる「ヒーロースキル」も、軽めの消費で毎ターン発動する事を前提としたものから、多くの「HBP」を消費する事で必殺ムーブを可能とする大技など非常に多種多様だ。

 キャラクターとデッキが紐づいているからこそ、キャラクターの特徴を反映した尖った戦い方が可能となっており、「ヒーロースキル」を組み合わせた新しい戦略構築を存分に楽しめるような環境が用意されている印象だ。

「ヒーロースキル」は1ターンに1度しか使用できない。状況に合わせた「HBP」の運用がこのフォーマットでは最重要となる
「HBP」の溜め方などは各キャラクターごとに異なり、「ヒーロースキル」を用いた戦い方もそれぞれで全く異なる。中にはスキルを使う事で全く新しい戦い方が可能なリーダーも……!

 各キャラクターごとに用意された専用デッキにも、今回のフォーマットならではの面白味が存分に出ている。

 登場するのは、今まで「Shadowverse」に登場した1弾~32弾まで全ての中から、世代を超えて厳選されたカード。それらで構築された各種デッキは、特徴がバリバリに出ていて、ド派手なプレイングが可能となっている。

 さらには「ストーリーモード」限定で登場していたカードも一部のキャラクター達の「ヒーロースキル」に反映されているため、ガチ環境で遊んできたプレーヤーでも、未体験のコンボや戦術が待ち受けている。

 なかには「ヒーロースキル」と組み合わせる事で真価を発揮するようなカードが投入されている事もある。もちろんこれまでの経験が生きる部分もあるが、それ以上に、今までの常識に囚われずに「ヒーローズバトル」ならではの新しい戦術に適合していく事が、勝利への第一歩となりそうだ。

専用デッキはキャラクターの特性やバックボーンを反映した非常に面白味の強い内容ばかりだ。ストーリーカードなどあまり体験した事のないカードを用いたコンボも拝めそう……!

 今回の「ヒーローズバトル」が“今まで活躍したキャラクターのお祭り”という側面があるため、ストーリーを知るプレーヤーが楽しめるようなこだわりが細部に現れているのも面白いポイントだろう。

 例えば各キャラクターのデッキには本人のカードが投入されていなかったり、一部リーダーのデッキテーマはストーリーを順守したようなドリームデッキになっていたりなど、強いキャラクター愛を感じ取れる。8年間濃密なストーリーを築き上げてきた本作だからこそ実現できる、“エモ”が随所に用意されているので、推しキャラクターや心に残った章があるプレーヤーは是非そこにも注目して頂きたい。

キャラクター性が強く出ているのが「エンネア」だ。自身のカードがデッキの主軸となっていたのでパワーダウンかと思いきや、ストーリー上の繋がりが濃い「テトラ」と「モノ」を、「ヒーロースキル」によって別クラスでありながら手札に加えられる。実にエモいポイントだ

「ウィッチ」オタクがデッキを考察! 各時代を彩った代表的なアーキタイプが集合

 続いて、今回の先行体験会で実際にプレイしたデッキについて詳しく紹介していきたい。筆者は「Shadowverse」が始まった8年前から今日までバチバチのウィッチ狂なので、本記事では「ウィッチ」について厚く取り上げていこう。

 今回「ヒーローズバトル」に登場した「ウィッチ」のリーダーキャラクターは「ギルド争乱編」より登場し、直近のストーリーでも活躍した「エレノア」、「機械反乱編」で活躍した機械の乙女「テトラ」、「才気学園編」で活躍した現学園生徒会長「アマリリス」の3名だ。どのキャラクターも本作のウィッチの顔「イザベル」に負けずとも劣らない活躍をストーリー内で見せたキャラクターなので、納得の人選だろう。

 彼女たちは今回それぞれが各時代の「ウィッチ」を代表するようなオリジナルデッキが用意されている。「エレノア」が駆使するのは「ウィッチ」の基本中の基本であり頂点と言える「スペルブーストウィッチ(以下:スぺブウィッチ)」、「テトラ」が使用するのが自身の設定ともマッチしている「機械ウィッチ」、「アマリリス」が所持しているのがニュートラルカードも数多く採用された異色のデッキ「進化ウィッチ」と、いずれも一時代を築いた最強アーキタイプの一角といえるラインナップだ。

 「ウィッチ」で遊んだ事のあるプレーヤーなら、どの時代に遊んでいたとしても1つは馴染みのある面々であり、いずれも「アンリミテッド」環境ばりのパワーで再構築されたドリームデッキになっているので、独自性の強い各々の「ヒーロースキル」と合わせて非常に刺激的なバトルを味わえるだろう。

時代を代表する「ウィッチ」デッキをフレーバーに合わせて各キャラクターに与えている印象だ。願わくば「土ウィッチ」もこの環境で遊んでみたかったなぁ……!

「エレノア」はハイパワーになった「スぺブウィッチ」に

 ここからは各「ウィッチ」デッキを使った使用感と特徴を紹介していきたい。まずは「スぺブウィッチ」の「エレノア」だ。

 「エレノア」のデッキは各時代から優秀な「スペルブースト」カードを集めたデッキになっており、その中でも《破式の執行者・シュマエル》や《ウーシンマスター・クオン》等のしっかり盤面を構築して相手を殴って勝つようなカードがチョイスされているイメージだ。スペルブーストをサポートする低コスト帯には《叡智の神鳥》や《決意の予言者・ルーニィ》等も準備されているため、順当かつ使っていて気持ちのいいスペルブーストデッキになっていた。

各時代の「スぺブ」ウィッチで使われた強いパーツたちが集合したようなデッキとなっている!

 そして当然ながら「エレノア」の「ヒーロースキル」は「スペルブースト」を強くサポートできる内容となっていた。というか恐らく、このサポート能力の高さから最強のスペルブーストカード《次元の超越》が不採用になったのではと邪推してしまうほどだ。

 「エレノア」は初期「HBP」が1のキャラクターで、3つの「ヒーロースキル」を所持したキャラクターとなっている。

 1つ目が「HBP」を+1して発動できる「エレノアの技巧」で、自分の手札のスペルブーストが5回未満のカード1枚を1回「スペルブースト」できる単純ながら一番ありがたいスキルだ。さらに5回以上のカードを指定した際には同名カードをデッキに加えた上でそのコストを-1するというオマケ効果が着くため腐るタイミングがないのも嬉しい。

 とりあえず撃ち続けることが前提の「HBP」を+1しながら行えるアクションとしては破格の内容だろう。また「PP」とは別のリソースで「スペルブースト」を進められるだけでも、「スぺブウィッチ」は事故率を軽減しつつキルターンを早める事ができるため、その強さは一目瞭然。この快適さに慣れることが恐ろしく感じる程、強さを妙実に実感できる「ヒーロースキル」となっていた。

1ターン目からとりあえず撃ち続けるタイプの「ヒーロースキル」だが一番強いまであるこのスキル。デッキにコピーカードを生み出す能力も、デッキが回転し続けた際にデッキ切れを起こしやすい「スぺブウィッチ」にはありがたいオマケだったりする

 2つ目のスキルは「HBP」を-2する事で発動できる「エレノアの秘術」。手札の「スペルブースト」持ちを1枚捨てて、別の「スペルブースト」持ちのカードをデッキからサーチし、捨てたカードに貯まっていた「スペルブースト」分だけサーチしたカードを「スペルブースト」できる能力となっている。

 「スぺブウィッチ」は序盤手札に引き込んだカードを使えないでいると無駄に「スペルブースト」が重なってしまう事があり、後半でリーサル手段として必要なカードを引いてしまうと「スペルブースト」が間に合わない事態が発生する事もあるため、その両方の問題を一気に解決できるこのスキルは非常にありがたい。

 実際に使用する場面は3つの中だと一番少ない印象だったが、手札事故を起こすと極端に弱くなる場合がある「スぺブウィッチ」の弱点を「ヒーロースキル」で打ち消せるのは非常にノーストレスだった。

 3つ目のスキルが「HBP」を-3する事で発動できる「エレノアの奥義」。コレが相当ぶっ飛んだ内容となっている。

 手札の「スペルブースト」を持つカード1枚を、蓄積された「スペルブースト」の回数もろともコピーして手札に加える事ができるのだ。「スペルブースト」を重ねまくって0コストになった《破式の執行者・シュマエル》をコピーして想定外のリーサルを組んだり、「スペルブースト」が15回直前の《プリズムブライト・ジオース》をコピーして《光輝ドラゴン》を複数体並べて盤面を構築するなど、とにかく数多の“イカレムーブ”を可能にしてくれる。

 しかもそれを「HBP」を-3するだけで達成できてしまうのが凄い。基本+1する「エレノアの技巧」を撃ち続ける事を考えれば、「HPB」を3溜めるのは驚くほどハードルが低いため、《運命の導き》などのサポートカードをコピーするような余裕すらも生まれてしまう。

 相手をキルする必殺技としても、デッキを回す潤滑油としても活用できる使い勝手が素晴らしい奥義となっているのだ。

 これら3つのスキルはどれも腐るタイミングがほぼなく、「スペブウィッチ」の面白さをさらに尖らせてくれるような能力となっているので、デッキのドリームチーム感と合わせて非常に使っていて気持ちのいいキャラクターとなっていた。ウィッチの基本を極めたハイパワーの「スペルブースト」をぜひ体験してみて欲しい。

しっかり「HBP」を溜めておけば手札の「スペルブースト」カードを連発する事で一気に逆転が可能な「ヒーロースキル」となっている! どのカードをコピーするのか、デッキから解決策となるカードを呼び込むのか、「ヒーロースキル」の存在が多くの選択肢を生み出してくれている印象だ。

「テトラ」は《万緑の回帰・ラティカ》が使える「機械ウィッチ」デッキ

 2人目のリーダーは「機械ウィッチ」を扱う「テトラ」だ。

 こちらの「機械ウィッチ」は「機械」ギミック全盛期の頃に生まれた最強カードが入っているため、その時代に遊んでいたプレーヤーであれば馴染み深いムーブを楽しむ事ができる印象だ。とは言え時代を超えたカードも幾つか存在し、「機械」ならではの「融合」や法外的な「コスト軽減」を存分に味わえるデッキとなっている。

懐かしの最強「機械」カード《鋼鉄と大地の神》もしっかり入っている! このカードを使ったフィニッシュプランが狙えるのも当時のプレーヤーからすると嬉しいところ

 加えて「テトラ」の「リーダースキル」は既存の「機械ウィッチ」にはない新しい戦い方を生み出しているのが面白いポイントだ。

 「テトラ」は初期「HBP」が先攻なら1、後攻の場合は2となるキャラクター。「HBP」を上げる方法は、自分のターン終了時に「機械」カードを1枚プレイしていた場合に+1、2枚以上プレイしていた場合に+2できるという変則的なタイプのリーダーとなっている。

 「機械」カードを連打する事でコスト軽減を行ったり付随効果を多数誘発させるデッキの特徴と噛み合っており、基本的には2枚以上の「機械」カードを毎ターンプレイすることを目標にするといった分かりやすい指標がある。そのため、変則的ながらもプレイに困る事はあまりなさそうな印象だ。

 そんな「テトラ」の「リーダースキル」は3種類存在する。+-0で発動できる「テトラの技巧」は様々なサポートで手札に加わることの多い「機械」の基本カード《リカバリー》を加えることができ、-1で発動できる「テトラの秘術」は手札の「機械」カード1枚をターン終了時までコスト-1する能力を持っている。

 両方ともシンプルで分かりやすい能力だが、こちらも「機械カード」を連打する事で真価を発揮する「機械ウィッチ」を扱う上では非常に高いサポート能力となっており、1ターンにプレイできるカードの幅を広げたり「融合」のコストを捻出したりと縦横無尽の活躍をしてくれるだろう。

「機械ウィッチ」で遊んだ事のあるプレーヤーなら意図を理解できるような「ヒーロースキル」と言えるだろう。

 だがここからが「テトラ」の真に面白い部分。-8で発動できるヒーロースキル「テトラの奥義」が非常に強い独自性となっているのだ。

 このスキルは手札を2枚捨てる事で《万緑の回帰・ラティカ》と《蒼の放出》を1枚ずつ手札に加えることができる。わかる人にはわかると思うが……あのエルフのレジェンドカード《万緑の回帰・ラティカ》を手札に加えることができてしまうのだ。

 一時環境を染め上げたこのカードは、そのターンにプレイしたカードの枚数4枚ごとに強力なスキルを獲得していき、簡略的に説明すれば12枚のカードプレイに成功すると8/8ステータスで2回攻撃をぶちこむバケモノと化す。

 元々活躍していたエルフでは数多のリーサルを生み出し、リーダーの垣根を越えて対戦できる「クロスオーバー」イベントでは「ネメシス」など低コスト or 0コストカードを連打できるリーダーのデッキで活躍したりなど、非常に高いカードパワーを持った凶悪なフォロワーだ。

 今回の「機械ウィッチ」だと低コスト帯で撃てるカードが多い事に加え、「テトラの技巧」で加えた《リカバリー》や「スペルブースト」されてコスト軽減されたカードでプレイ回数を増やしたり、「テトラの技巧」や《データソーサラー》でコスト軽減した「機械カード」を連打するなど条件を達成する方法は豊富に用意されている。

 今までの「機械ウィッチ」では考えられなかったリーサルプランを「ヒーロースキル」で獲得できるため、懐かしい動きを味わいながらも真新しい体験も堪能できるはずだ。

《万緑の回帰・ラティカ》と「機械ウィッチ」合わさる奇跡の体験!最強カードをいつでも加えられる事で、長期戦もできればワンキルも狙えたりと非常にレンジの広いデッキになりそうだ……!

「アマリリス」は「進化ウィッチ」を駆使

 3人目のリーダーとなる「アマリリス」はウィッチの中でも特徴的な動きを行う「進化ウィッチ」を駆使するキャラクターとなっている。

 《至高神・ゼウス》や《虚無ノ哭風・グリームニル》等の進化回数を参照して強力な効果を発揮するフォロワーを主軸に、進化回数を稼げる《フラワリングマジシャン・マリー》や進化時にコスト軽減される強力な除去スペル《ルーンの貫き》等の「ウィッチ」ならではのサポートで相手にマウントを取っていくデッキタイプだ。

 こちらも進化回数ギミックを推していた時期にプレイしていた人間には馴染み深いカードが多く、単純にパワーが高いレジェンドカードも多いため扱いやすいデッキと言えるだろう。

数多のドラマを生んできた「ゼウス」の1体! 進化回数を参照したギミックがプッシュされた時代ではこのカードを見ない日はなかった

 「ウィッチ」としては独特の動きをする「進化ウィッチ」だが、「アマリリス」の「ヒーロースキル」もそんな独自性をしっかり伸ばせるような効果だ。

 +1で発動できる「アマリリスの技巧」は「ウィッチ」の基本カードである《知恵の光》か《エンジェルスナイプ》をコスト0にして交互に手札に加えるスキルとなっている。

 ゲーム後半に圧の強いフォロワーを多数呼び出したり進化回数によってアドバンテージを稼ぐ事を得意とするデッキなため、逆に言えばゲーム序盤の動きが少し限られていたり、重めのフォロワーもデッキに多いため、この2枚のカードが手札に加えられるのは、序盤の動きを安定させる意味で非常にありがたい。

 -1で発動できる2つ目のスキル「アマリリスの秘術」は進化していない自分のフォロワーを進化させる代わりに、ターン終了時に消滅するデメリットを付与する能力となっている。進化回数を稼いでくれるだけでも十分ありがたいが、このデッキの場合は他の能力を誘発させる事ができたり、単純に盤面処理能力を高くできるといった強みがある。

 シンプルながら「Shadowverse」の基本中の基本である「進化」連打の強みを十二分に味わえるスキルと言えるだろう。

愚直なようで「Shadowverse」の基本的な強さを実感できる2つのスキル。終盤戦に強い「進化ウィッチ」にマッチしている

 そろそろパターンが分かってきたと思うが、大体3つ目に用意されている奥義系のスキルが面白味の強い内容となっている。

 「HBP」を-3する事で発動できる「アマリリスの奥義」は手札のフォロワー1枚のコストを1にした上でステータスを1/1にするという能力となっている。高コスト帯の強力なファンファーレ能力を手軽に発動できたり、最強フィニッシャーである《至高神・ゼウス》を最小限のデメリットでお手軽に扱えるようになるため、唐突なリーサルを叩きつけることも可能だ。重たいフォロワーが多いデッキの特性ともマッチしていながら、使用「HBP」も軽いため積極的に狙いたいスキルになっていた。

最強ニュートラル集団のファンファーレを使いまわせるだけで非常に強力! 「HBP」の消費も少ないため、「ヒーロースキル」を細かく使用していく事も視野に入れてプレイする必要があるだろう

力の入った特殊フォーマット! 独自の環境研究がメチャメチャ面白そう

 今回の「ヒーローズバトル」の力の入れ具合は歴代の中でもトップレベルと言えるだろう。各キャラクターのデッキチョイス・ヒーロースキル・カードパワーの調整に至るまで洗練された完成度となっており、久々に遊ぶプレーヤーであってもビックリドッキリムーブを楽しむ事ができつつも、この独自のルールと環境ならではのメタゲームも楽しめるような奥深さも存在していた。

 最初にプレイする内は「ヒーロースキル」を含めた自分のデッキ研究を楽しみ、余裕が出てきたら対面のスキルやデッキを意識しつつ、ド派手な初見殺しの数々を楽しみながら環境知識を深めて行けると、今回のフォーマットをより楽しめるだろう。

 全く新しい体験が待ち受ける「ヒーローズバトル」をぜひ1度プレイしてみてはいかがだろうか。