【特別企画】

カード・ポータル・遺伝など斬新な要素を組み込んだサバイバルクラフト「Nightingale」プレイレポート

不思議なファンタジー世界でカードを片手にいろんな場所でサバイバル

【Nightingale -ナイチンゲール-】

2月21日 早期アクセス開始

価格:3,400円

 Inflexion Gamesは、PC用アクション「Nightingale -ナイチンゲール-」の早期アクセスを2月21日に開始した。価格は3,400円。なお、2月28日まではリリース記念セールとして10%オフの3,060円で購入できる。

 本作は、産業革命によりイギリスが発展していたヴィクトリア朝を彷彿させるガスランプ・ファンタジーな世界を舞台に、「ポータル」を通じて様々な世界を冒険しながら、建築、製作、戦闘、探索などが楽しめるマップ生成型のサバイバルクラフトゲームだ。

 カードを使ってポータルを出現させたり、家系の遺伝をキャラクタークリエイトの際に重要になったりと、従来のサバイバルクラフトゲームにはない要素も盛り込まれたタイトルとなる。

 今回「Nightingale -ナイチンゲール」の早期アクセス版をいち早くプレイしたので、本稿ではその様子をお届けする。

【This is Nightingale|『Nightingale -ナイチンゲール-』】

カードによって構築される新たな世界

 まずは改めて「Nightingale -ナイチンゲール」について紹介しておきたい。本作はカナダのエドモントンを拠点とするゲームスタジオ「Inflexion Games」が手掛けるクラフトサバイバルゲームだ。

 プレーヤーは「境域トラベラー」と呼ばれる冒険者の一人として、崩壊した人類の世界を再建する方法を探して旅をしている。境域トラベラーは過酷な環境に適応するため、この後紹介する移動装置の「ポータル」や、行き先を指定できるカード、物を作り上げるクラフトシステムなどを使いこなし、境域を生き抜きながら冒険することとなる。

 本作はクラフトサバイバルゲームということもあり、プレーヤーは戦闘だけでなく、木を伐採したり、岩や鉱石の採掘、拠点となる建物の建築、服や装備の製作、食料の確保や調理など、生きるために様々な物をクラフトしていく。そして見知らぬ地でサバイバルをしながら、境域と呼ばれる場所と場所とを繋ぐ移動装置「ポータル」で違う世界へと旅立つ。

木や石といった素材を集め、拠点を建てる
野草の採取や動物の狩猟、釣りで魚を捕るなどして食料を確保していく

 「Nightingale -ナイチンゲール」最大の特徴ともいえるのが、カードによる世界の構築だ。作中には「バイオーム」、「メジャー」、「マイナー」の3つに分類されるカードが存在しており、これらがゲーム内の世界に大きな影響を与える。

 カードはある種のアイテムのようなもので、一見するとおしゃれなタロットカードのような見た目をしている。用途としてはこの世界のポータルを繋ぐ鍵のような存在で、カードを使うと移動装置としての役割を担う「ポータル」の行き先を指定したりできる。3種類のカードをそれぞれ簡単に説明すると、「バイオーム」と「メジャー」というカードは「ポータル」の行き先に影響するカード。「マイナー」カードはその世界の状態に影響を与えるカードとなっている。

 「ポータル」を開く際、使用する「バイオーム」カードで森林、砂漠、沼地など、移動先の世界の環境を選ぶことができる。そして「メジャー」カードによって「ハント」や「アンティーカ」など、その境域のテーマが決定する。この2種類のカードを組み合わせることで、様々なバリエーションの境域へと移動することができる。

【ポータル】
「ポータル」には「境域カードマシン」という装置が隣接しており、ここにカードをセットすることで別の境域へと繋がる
今回のプレイで確認できたバイオームカードは森林、砂漠、沼地の3種類

 「マイナー」カードは地域の状態そのものに影響を与えるカードとなっている。天候や時間帯の固定、バフやデバフといった特殊効果をその境域に与えることができる。

【マイナーカード】
「マイナー」カードはマップの「境域変換装置」でセットすることができる
カードはトレーダーから購入したり、宝箱から入手できる

 このようにカードの組み合わせによって様々な世界が構築され、サバイバルクラフト要素が盛り込まれていることから、無限マップ生成型シェアードワールドクラフトサバイバルゲームという公式のジャンル名がつけられている。

斬新なキャラクタークリエイト

 本作をプレイしていて驚いたのがキャラクタークリエイトだ。

 ゲーム開始後、一番最初に行なわれるのがプレーヤーの分身となるキャラクターの作成だ。本作のキャラクリは用意された男性と女性のモデルを選択し、そこからエディットしていく形になっている。

どのモデルもかなり個性的なデザインとなっており、洋ゲーの雰囲気を感じる
年齢の数値を変更すると見た目にもしっかりと反映される

 モデル選択後は、年齢、ボイスなど、キャラクターの詳細を選択していくのだが、「出自」の項目に思わず驚愕した。このセクションではキャラクリエイト序盤で選択できるモデルを作って家系図をつくれるようになっている。しかも、「遺伝」の項目では選択したキャラモデルをベースに、父や母の特徴を自身のキャラクターに反映することができる。なかなか珍しい機能だ。また、「出自」では他にも自身のストーリーが設定できるので、キャラクターの背景などを考えるのが好きな人にはおもしろい機能となっている。

【家系図】
【遺伝】
【ストーリー】
浮浪者や政治家など、キャラクターの背景設定も豊富

 「出自」の設定後は髪や髭、顔のパーツなどにより細かい変更を加えることができる。

目の形やまつげなど、想像以上に細かいところまでキャラクターの見た目をいじることができる

 見た目の設定が終了すると、最後に難易度を選択する。難易度設定項目には「装備」と「境域」の2つが存在しており、それぞれ好きなものを選択可能。冒険が始まる時の状態が変化する。

 装備の難易度を上げるとパジャマだけでスタートするなど、まるで突然異世界転移に巻き込まれた人プレイができるというのはなかなかに面白い。

【装備】
イージー
ノーマル
ハード
エクストリーム
【境域】
境域難易度もイージー、ノーマル、ハード、エクストリームがあり、選択した難易度によって最初に訪れる境域の難易が変わる

フェイと呼ばれる存在が案内する不思議な世界

 キャラクリエイトを終え、ゲームを始めると「パック」という名のフェイに出会う。人型の不思議なキャラクターでフェイに案内されるままにプレーヤーは「ポータル」を通り、違う世界へと足を踏み込んでいく。

 序盤は「パック」の案内のもと、「ポータル」を使用して森林、砂漠、沼地の3つの世界を冒険する。これがいわゆるチュートリアルとなっており、各マップの特徴や、「ポータル」の使い方、戦闘やサバイバル、クラフトの基本を学んでいく。

【パック】
パックから受け取ったカードを「境域カードマシン」にセットすることで「ポータル」が起動する

 最初に訪れる森林の境域では食べ物の入手と調理方法を学ぶ。食料はベリーや野菜などフィールドに自生しているもの、鹿や狼など狩ることで獲得できるものなどがある。また、これらは調理することで、より高い満腹度や回復効果を得ることができる。

野生のベリーなどの自生してる物を見つけて採取する
焚き火をクラフトすることで食べ物を調理することができる

 次に訪れたのは砂漠の境域。ここではクラフトの重要性や、冒険の基本を学ぶ。テントや寝床、斧やたいまつなど、冒険に必要となる道具のクラフトを行なう。特にテントや寝床は重要だ。冒険中に休息ゲージが0になってしまうとキャラクターが死亡してまう。テントと寝床があれば、休息を行なってこのゲージを回復できる。

画面左下に表示されているバーは赤が体力ゲージ、青が休息ゲージ、緑が満腹ゲージ
テントや寝床をクラフトし、休息することで休息ゲージを回復できる

 砂漠の次に訪れたのが沼地の境域。フィールドには恐竜のような小型の肉食生物がいるのだが、それらを倒すよう伝えられて戦闘の基本を学ぶ。

ジャンプで素早く距離を詰めてくるので注意して戦う必要がある
頭部などの弱点部位に攻撃が命中すると通常よりも高いダメージを与えられる
倒した獲物をナイフで解体すればで肉や皮、骨などを入手できる

 それぞれの世界の冒険を終了すると、最後に「パック」が地域を選択するように言ってくる。ここで選択した環境がプレーヤーの拠点が置かれる最初の境域になる。

開始境域の選択
砂漠では熱による「暑い」、沼では水に濡れるせいで「不調」というバッドステータスが付いたので、今回筆者は一番無難に感じた森林を選択した

完成形を確認しながら作れる独自のクラフトシステム

 チュートリアル完了後は本格的に拠点を構えることができる。クラフトサバイバルゲームといえばこの拠点製作が一番の醍醐味だろう。シンプルな四角い建物から城のように凝ったものなど、自身の想像を形にすることができる。

 「Nightingale -ナイチンゲール」の序盤では木と石で建築を行なえる。壁や天井、屋根など多種多様なパーツが揃っており、序盤から比較的スタンダードな拠点がつくれるようになっている。また、これらのパーツは冒険を進めることで新たなレシピを入手できる。物語を進めることで作成できるものが増えていくので、冒険する楽しみがよりいっそう増える仕組みだ。

序盤の建築では木と石を使用した基本的なパーツのみが使用できる
新たな内装や建築パーツのレシピは各地のトレーダーから購入可能

 今回良かったと思った点がこのクラフトシステムだ。多くのゲームでは頭に描いた設計図を元に、ひとつひとつパーツを繋ぎ合わせていくタイプが主流となっている。だが、本作では建築物の仮組みができるようになっている。手持ちに材料が無くてもパーツを組み合わせることができるので、完成形を見ながら作業できる。イメージが完成したら、あとはそれに必要な材料を投入していくだけなので、クラフト初心者でも簡単にイメージ通りの建物をつくれるようになっている。実にありがたい仕様だ。

仮組み部分は半透明で表示される
完成に必要な素材数が表示されるのでとてもわかりやすい

装備のレベル

 装備品にはレベルという数値が設定されている。これはシンプルに装備品の性能を表す数値で、高ければ高いほど性能が良いという感じだ。武器なら攻撃力、服などの防具なら防御力、斧やつるはしなどの道具なら伐採したり採掘できる素材の種類に影響する。

 一番最初に作れるものはレベル6、その次に作れるものはレベル20と少しずつ数値が上昇していく。

序盤に製作できる「簡易」シリーズはレベル6
その次に製作できる「シンプル」シリーズはレベル20
上位の採取物などには必要な道具レベルが設定されているので必然的に道具も上位のものが必要となる

 また、マップ内には「試練場」や「宝物庫」と呼ばれるダンジョンが存在している。これらに入るにも装備レベルが必要となっている。ダンジョンの内部にはバウンドと呼ばれる敵やボスモンスターがおり、攻略することで報酬を入手できる。

一番最初に挑戦可能となるダンジョン「試練場・アンティーカ」
遺跡のような建造物の内部に入ると大量のバウンドが襲いかかってくる
最深部にはボスとお宝が眠っている

序盤に知っておくと便利なこと

 筆者が実際にプレイしてみて最初に知っておきたかったことがいくつかあったのでまとめて紹介する。これらを覚えておくだけで序盤の進行がかなりスムーズになるはずだ。

装備品「パック」の作成を最優先すべし

 ゲーム内では武器や防具、道具など多くのアイテムをクラフトすることができる。ゲーム開始時はどれを作ったらいいのか悩んでしまうだろう。そんな中、最優先でクラフトすることをオススメするのが装備品の「シンプルなパック」だ。これはいわゆるリュックサックのようなもので、持てるアイテムの量を増やしてくれる。

シンプルなパック

 ゲーム内のアイテムにはそれぞれ重量となる数値が設定されており、この数値がプレーヤーの最大所持重量をオーバーした場合は移動速度やアクションにペナルティーがかかってしまう。クラフトが重要なゲームということもあり、ゲーム中は木材や石、鉱物など多くの素材を集め、持ち運ぶ必要がある。だが、プレーヤーが初期状態で持てる重量は50となっており、材料を集めるとあっという間に重量オーバーとなってしまう。

木材などは特に重いのですぐに重量オーバーになる

 「シンプルなパック」の作成には「シンプルな裁縫台」が必要だ。トレーダーから優先的に購入しておこう。材料の要求数も少ないので「エッセンス・ダスト」で材料を購入して、さっさと作ってしまうのも手だ。

シンプルな裁縫台のレシピはアンティーカのトレーダーから購入できる
材料も植物繊維6個とレザー2枚だけなので、レザーをトレーダーから購入してしまえばすぐに作ることができる

 「シンプルなパック」を入手したら、あとはシンプルな作業台でシンプルシリーズの道具類を揃えよう。これだけで冒険がかなり楽になる。

「エッセンス・ダスト」を簡単に入手する方法

 ゲーム内には「エッセンス・ダスト」と呼ばれるアイテムが存在している。これは装備の修理や、商人からの買い物の際に利用する通貨のようなものだ。入手方法は簡単で、アイテムに対して「抽出」を行なうことで、そのアイテムを破壊して取り出すことができる。

アイテムから「エッセンス・ダスト」を抽出する
生物を倒したり、解体してるときにドロップする場合もある
フィールドに落ちていることも

 一部のクラフト用レシピやカードなどはこの「エッセンス・ダスト」を使用して商人から購入する。そのため、序盤はそこそこの数が必要となる。普通にプレイした場合、必要数を揃えるのに多くのアイテムを「抽出」する必要があるのだが、基本的にアイテム1個につき「エッセンス・ダスト」1個とかなり変換効率が悪い。ここではその「エッセンス・ダスト」を簡単に入手する方法を紹介する。

レシピなどはトレーダーから購入する必要があるので、全て揃える場合はかなりの量が必要となる

 今回キーとなるのは「シンプルなテーブルソー」。この設備では木材を別のアイテムに加工することができる。今回はこの設備で生産することができる「紙」を使用して「エッセンス・ダスト」を入手する。

シンプルなテーブルソーのレシピはトレーダーから購入する
材料の動物性繊維の作成には「シンプルな製革ステーション」が必要なので手間を省く場合はトレーダーから購入すると楽だ

 「シンプルなテーブルソー」では一束の木材2個から「紙」を12枚作成することができる。通常、そのまま一束の木材を抽出した場合は2個のエッセンスダストしか入手できないが、紙にすることで6倍の12個に増える。なによりも一束の木材は木を伐採することで入手できるので、簡単に数を集めることができるのがポイントだ。「紙」への加工も1回辺りわずか3秒で完了するので、簡単に量産が可能となっている。

「紙」作成後はを抽出するだけで「エッセンス・ダスト」を大量に入手できる

 もし「シンプルなテーブルソー」をつくる材料が無ければ、シンプルな作業台で作れる「シンプルな岩玉(弾丸)」もオススメだ。こちらは岩6個を使用することで、「シンプルな岩玉(弾薬)」を20個作成することができる。ただし、こちらは1回の製作時間が20秒かかることや、岩の入手が木材よりも少し大変なので効率はさほど高くない。「シンプルなテーブルソー」を作るための繋ぎとして使用するのがいいだろう。

 「エッセンス・ダスト」を増やしておけば入手に時間がかかる材料などもトレーダーから購入することができるので、序盤のクラフトがかなり楽になるはずだ。

拠点は「ポータル」の近くが便利

 最後に紹介するのが拠点を設置する場所についてだ。このゲームでもっとも重要なポイントは「ポータル」を使用し移動することだ。基本的に冒険は全てこの「ポータル」に出向くことから始まる。なので、拠点をポータルの近くに構えておくだけで、徒歩での移動距離が減るため冒険がずいぶん楽になる。

ゲーム内の移動は基本的に徒歩となっているが、拠点に戻る時のみマップ画面の「休息ポイントに移動する」としてファストトラベルを使用することができる。この機能をうまく活用して効率よく移動しよう

採取や生産、冒険から戦闘まで楽しめる「Nightingale -ナイチンゲール」は時間があっという間に過ぎていく!

 今回のレポートにあたってかなりの時間をプレイしたが、ゲーム展開はまだ序盤も序盤といったところだ。ついつい拠点の製作に拘ってしまい、冒険やマップの開拓そっちのけでスローライフを満喫していたら、あっという間にプレイ時間が経ってしまっていた。本作はサンドボックスゲームだがストーリーも存在するので、生産作業が落ち着いたらRPGのようにソロでじっくり遊ぶこともできる。

 また、今回はソロでのプレイとなったが、自身のワールドに他のプレーヤーを招待することで最大6人でプレイすることもできる。友達と一緒に「ポータル」を通って新たな土地を冒険したり、ダンジョンを攻略するなどのプレイも楽しそうだ。

 クラフトサバイバルゲームが好きな方は、早期アクセスが開始されたこの機会にぜひプレイしてみてはいかがだろうか。