【特別企画】
カード・ポータル・遺伝など斬新な要素を組み込んだサバイバルクラフト「Nightingale」プレイレポート
不思議なファンタジー世界でカードを片手にいろんな場所でサバイバル
2024年2月22日 14:09
- 【Nightingale -ナイチンゲール-】
- 2月21日 早期アクセス開始
- 価格:3,400円
Inflexion Gamesは、PC用アクション「Nightingale -ナイチンゲール-」の早期アクセスを2月21日に開始した。価格は3,400円。なお、2月28日まではリリース記念セールとして10%オフの3,060円で購入できる。
本作は、産業革命によりイギリスが発展していたヴィクトリア朝を彷彿させるガスランプ・ファンタジーな世界を舞台に、「ポータル」を通じて様々な世界を冒険しながら、建築、製作、戦闘、探索などが楽しめるマップ生成型のサバイバルクラフトゲームだ。
カードを使ってポータルを出現させたり、家系の遺伝をキャラクタークリエイトの際に重要になったりと、従来のサバイバルクラフトゲームにはない要素も盛り込まれたタイトルとなる。
今回「Nightingale -ナイチンゲール」の早期アクセス版をいち早くプレイしたので、本稿ではその様子をお届けする。
カードによって構築される新たな世界
まずは改めて「Nightingale -ナイチンゲール」について紹介しておきたい。本作はカナダのエドモントンを拠点とするゲームスタジオ「Inflexion Games」が手掛けるクラフトサバイバルゲームだ。
プレーヤーは「境域トラベラー」と呼ばれる冒険者の一人として、崩壊した人類の世界を再建する方法を探して旅をしている。境域トラベラーは過酷な環境に適応するため、この後紹介する移動装置の「ポータル」や、行き先を指定できるカード、物を作り上げるクラフトシステムなどを使いこなし、境域を生き抜きながら冒険することとなる。
本作はクラフトサバイバルゲームということもあり、プレーヤーは戦闘だけでなく、木を伐採したり、岩や鉱石の採掘、拠点となる建物の建築、服や装備の製作、食料の確保や調理など、生きるために様々な物をクラフトしていく。そして見知らぬ地でサバイバルをしながら、境域と呼ばれる場所と場所とを繋ぐ移動装置「ポータル」で違う世界へと旅立つ。
「Nightingale -ナイチンゲール」最大の特徴ともいえるのが、カードによる世界の構築だ。作中には「バイオーム」、「メジャー」、「マイナー」の3つに分類されるカードが存在しており、これらがゲーム内の世界に大きな影響を与える。
カードはある種のアイテムのようなもので、一見するとおしゃれなタロットカードのような見た目をしている。用途としてはこの世界のポータルを繋ぐ鍵のような存在で、カードを使うと移動装置としての役割を担う「ポータル」の行き先を指定したりできる。3種類のカードをそれぞれ簡単に説明すると、「バイオーム」と「メジャー」というカードは「ポータル」の行き先に影響するカード。「マイナー」カードはその世界の状態に影響を与えるカードとなっている。
「ポータル」を開く際、使用する「バイオーム」カードで森林、砂漠、沼地など、移動先の世界の環境を選ぶことができる。そして「メジャー」カードによって「ハント」や「アンティーカ」など、その境域のテーマが決定する。この2種類のカードを組み合わせることで、様々なバリエーションの境域へと移動することができる。
「マイナー」カードは地域の状態そのものに影響を与えるカードとなっている。天候や時間帯の固定、バフやデバフといった特殊効果をその境域に与えることができる。
このようにカードの組み合わせによって様々な世界が構築され、サバイバルクラフト要素が盛り込まれていることから、無限マップ生成型シェアードワールドクラフトサバイバルゲームという公式のジャンル名がつけられている。
斬新なキャラクタークリエイト
本作をプレイしていて驚いたのがキャラクタークリエイトだ。
ゲーム開始後、一番最初に行なわれるのがプレーヤーの分身となるキャラクターの作成だ。本作のキャラクリは用意された男性と女性のモデルを選択し、そこからエディットしていく形になっている。
モデル選択後は、年齢、ボイスなど、キャラクターの詳細を選択していくのだが、「出自」の項目に思わず驚愕した。このセクションではキャラクリエイト序盤で選択できるモデルを作って家系図をつくれるようになっている。しかも、「遺伝」の項目では選択したキャラモデルをベースに、父や母の特徴を自身のキャラクターに反映することができる。なかなか珍しい機能だ。また、「出自」では他にも自身のストーリーが設定できるので、キャラクターの背景などを考えるのが好きな人にはおもしろい機能となっている。
「出自」の設定後は髪や髭、顔のパーツなどにより細かい変更を加えることができる。
見た目の設定が終了すると、最後に難易度を選択する。難易度設定項目には「装備」と「境域」の2つが存在しており、それぞれ好きなものを選択可能。冒険が始まる時の状態が変化する。
装備の難易度を上げるとパジャマだけでスタートするなど、まるで突然異世界転移に巻き込まれた人プレイができるというのはなかなかに面白い。
フェイと呼ばれる存在が案内する不思議な世界
キャラクリエイトを終え、ゲームを始めると「パック」という名のフェイに出会う。人型の不思議なキャラクターでフェイに案内されるままにプレーヤーは「ポータル」を通り、違う世界へと足を踏み込んでいく。
序盤は「パック」の案内のもと、「ポータル」を使用して森林、砂漠、沼地の3つの世界を冒険する。これがいわゆるチュートリアルとなっており、各マップの特徴や、「ポータル」の使い方、戦闘やサバイバル、クラフトの基本を学んでいく。
最初に訪れる森林の境域では食べ物の入手と調理方法を学ぶ。食料はベリーや野菜などフィールドに自生しているもの、鹿や狼など狩ることで獲得できるものなどがある。また、これらは調理することで、より高い満腹度や回復効果を得ることができる。
次に訪れたのは砂漠の境域。ここではクラフトの重要性や、冒険の基本を学ぶ。テントや寝床、斧やたいまつなど、冒険に必要となる道具のクラフトを行なう。特にテントや寝床は重要だ。冒険中に休息ゲージが0になってしまうとキャラクターが死亡してまう。テントと寝床があれば、休息を行なってこのゲージを回復できる。
砂漠の次に訪れたのが沼地の境域。フィールドには恐竜のような小型の肉食生物がいるのだが、それらを倒すよう伝えられて戦闘の基本を学ぶ。
それぞれの世界の冒険を終了すると、最後に「パック」が地域を選択するように言ってくる。ここで選択した環境がプレーヤーの拠点が置かれる最初の境域になる。
完成形を確認しながら作れる独自のクラフトシステム
チュートリアル完了後は本格的に拠点を構えることができる。クラフトサバイバルゲームといえばこの拠点製作が一番の醍醐味だろう。シンプルな四角い建物から城のように凝ったものなど、自身の想像を形にすることができる。
「Nightingale -ナイチンゲール」の序盤では木と石で建築を行なえる。壁や天井、屋根など多種多様なパーツが揃っており、序盤から比較的スタンダードな拠点がつくれるようになっている。また、これらのパーツは冒険を進めることで新たなレシピを入手できる。物語を進めることで作成できるものが増えていくので、冒険する楽しみがよりいっそう増える仕組みだ。
今回良かったと思った点がこのクラフトシステムだ。多くのゲームでは頭に描いた設計図を元に、ひとつひとつパーツを繋ぎ合わせていくタイプが主流となっている。だが、本作では建築物の仮組みができるようになっている。手持ちに材料が無くてもパーツを組み合わせることができるので、完成形を見ながら作業できる。イメージが完成したら、あとはそれに必要な材料を投入していくだけなので、クラフト初心者でも簡単にイメージ通りの建物をつくれるようになっている。実にありがたい仕様だ。
装備のレベル
装備品にはレベルという数値が設定されている。これはシンプルに装備品の性能を表す数値で、高ければ高いほど性能が良いという感じだ。武器なら攻撃力、服などの防具なら防御力、斧やつるはしなどの道具なら伐採したり採掘できる素材の種類に影響する。
一番最初に作れるものはレベル6、その次に作れるものはレベル20と少しずつ数値が上昇していく。
また、マップ内には「試練場」や「宝物庫」と呼ばれるダンジョンが存在している。これらに入るにも装備レベルが必要となっている。ダンジョンの内部にはバウンドと呼ばれる敵やボスモンスターがおり、攻略することで報酬を入手できる。
序盤に知っておくと便利なこと
筆者が実際にプレイしてみて最初に知っておきたかったことがいくつかあったのでまとめて紹介する。これらを覚えておくだけで序盤の進行がかなりスムーズになるはずだ。
装備品「パック」の作成を最優先すべし
ゲーム内では武器や防具、道具など多くのアイテムをクラフトすることができる。ゲーム開始時はどれを作ったらいいのか悩んでしまうだろう。そんな中、最優先でクラフトすることをオススメするのが装備品の「シンプルなパック」だ。これはいわゆるリュックサックのようなもので、持てるアイテムの量を増やしてくれる。
ゲーム内のアイテムにはそれぞれ重量となる数値が設定されており、この数値がプレーヤーの最大所持重量をオーバーした場合は移動速度やアクションにペナルティーがかかってしまう。クラフトが重要なゲームということもあり、ゲーム中は木材や石、鉱物など多くの素材を集め、持ち運ぶ必要がある。だが、プレーヤーが初期状態で持てる重量は50となっており、材料を集めるとあっという間に重量オーバーとなってしまう。
「シンプルなパック」の作成には「シンプルな裁縫台」が必要だ。トレーダーから優先的に購入しておこう。材料の要求数も少ないので「エッセンス・ダスト」で材料を購入して、さっさと作ってしまうのも手だ。
「シンプルなパック」を入手したら、あとはシンプルな作業台でシンプルシリーズの道具類を揃えよう。これだけで冒険がかなり楽になる。
「エッセンス・ダスト」を簡単に入手する方法
ゲーム内には「エッセンス・ダスト」と呼ばれるアイテムが存在している。これは装備の修理や、商人からの買い物の際に利用する通貨のようなものだ。入手方法は簡単で、アイテムに対して「抽出」を行なうことで、そのアイテムを破壊して取り出すことができる。
一部のクラフト用レシピやカードなどはこの「エッセンス・ダスト」を使用して商人から購入する。そのため、序盤はそこそこの数が必要となる。普通にプレイした場合、必要数を揃えるのに多くのアイテムを「抽出」する必要があるのだが、基本的にアイテム1個につき「エッセンス・ダスト」1個とかなり変換効率が悪い。ここではその「エッセンス・ダスト」を簡単に入手する方法を紹介する。
今回キーとなるのは「シンプルなテーブルソー」。この設備では木材を別のアイテムに加工することができる。今回はこの設備で生産することができる「紙」を使用して「エッセンス・ダスト」を入手する。
「シンプルなテーブルソー」では一束の木材2個から「紙」を12枚作成することができる。通常、そのまま一束の木材を抽出した場合は2個のエッセンスダストしか入手できないが、紙にすることで6倍の12個に増える。なによりも一束の木材は木を伐採することで入手できるので、簡単に数を集めることができるのがポイントだ。「紙」への加工も1回辺りわずか3秒で完了するので、簡単に量産が可能となっている。
もし「シンプルなテーブルソー」をつくる材料が無ければ、シンプルな作業台で作れる「シンプルな岩玉(弾丸)」もオススメだ。こちらは岩6個を使用することで、「シンプルな岩玉(弾薬)」を20個作成することができる。ただし、こちらは1回の製作時間が20秒かかることや、岩の入手が木材よりも少し大変なので効率はさほど高くない。「シンプルなテーブルソー」を作るための繋ぎとして使用するのがいいだろう。
「エッセンス・ダスト」を増やしておけば入手に時間がかかる材料などもトレーダーから購入することができるので、序盤のクラフトがかなり楽になるはずだ。
採取や生産、冒険から戦闘まで楽しめる「Nightingale -ナイチンゲール」は時間があっという間に過ぎていく!
今回のレポートにあたってかなりの時間をプレイしたが、ゲーム展開はまだ序盤も序盤といったところだ。ついつい拠点の製作に拘ってしまい、冒険やマップの開拓そっちのけでスローライフを満喫していたら、あっという間にプレイ時間が経ってしまっていた。本作はサンドボックスゲームだがストーリーも存在するので、生産作業が落ち着いたらRPGのようにソロでじっくり遊ぶこともできる。
また、今回はソロでのプレイとなったが、自身のワールドに他のプレーヤーを招待することで最大6人でプレイすることもできる。友達と一緒に「ポータル」を通って新たな土地を冒険したり、ダンジョンを攻略するなどのプレイも楽しそうだ。
クラフトサバイバルゲームが好きな方は、早期アクセスが開始されたこの機会にぜひプレイしてみてはいかがだろうか。
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