【特別企画】
まるで「FFXI」同窓会でした。「ヴァナ・ディールの秘蔵展」が開幕
リディルや白虎佩楯、バミクロ等、懐かしいアイテムに再会できる!
2023年8月21日 11:00
- 【ヴァナ・ディールの秘蔵展】
- 8月18日~9月4日開催
- 会場:有楽町マルイ8F イベントスペース「SPACE 7・8」
ムービックは、スクウェア・エニックスのPC向けMMORPG「ファイナルファンタジーXI(FFXI)」初の展示会「ヴァナ・ディールの秘蔵展」を8月18日より、有楽町マルイイベントスペースにて開催している。開催前日の17日には、関係者を招いた内覧会が実施されたので、その模様を会場写真と共にお届けしたい。なお、会場の展示物は、撮影可能なものと撮影不可のものが存在する。撮影禁止エリアについては本記事の写真もすべてぼかしを入れているので、その点あらかじめご了承頂きたい。
「ヴァナ・ディールの秘蔵展」は、今年5月に運営21周年を迎えた超長寿タイトル「FFXI」の歩みを、文字通り“秘蔵”の開発資料や、制作物と共に振り返ることができる展示会。その対象範囲は、2002年の以前の正式サービス前の構想段階から、2023年5月に完結を迎えた最新シナリオ「蝕世のエンブリオ」までの全期間で、「FFXI」を相当やりこんだという往年のファンや現役のユーザーでも、まったく未知の情報が満載の展示会となっている。
17日の内覧会は、ゲームメディアのほか、「FFXI」の開発に携わった新旧スタッフも数多く招かれており、会場はさながら同窓会のような雰囲気に包まれていた。筆者が目にしただけでも、現プロデューサーの藤戸洋司氏、前プロデューサーの松井聡彦氏、“りえこむ”の愛称で知られる宣伝担当の片山理恵子氏、ファミ通「FFXI」担当のオポネ菊池氏、そして電撃の旅団のおしょうさんこと千木良章氏と、挙げればキリがないほどの関係者が参加しており、まるで2000年代にタイムスリップしたかのような感慨にひたることができた。ちなみに入り口には「FFXI」の顔と言える田中弘道氏から贈られた大きなお花が飾られていた。
ヴァン・ドールからスタートしたヴァナ・ディールの世界
さて、それでは会場を見ていこう。まず、会場入り口には、スクエニ本社にも飾られている天野喜孝氏謹製の「WORLD MAP」が掲示され、さっそく「FFXI」の世界に誘ってくれる。中に入ると、時系列で開発初期段階から「蝕世のエンブリオ」までの開発資料や制作物が展示されている。
筆者も「FFXI」はβ時代から公私ともに大変お世話になったタイトルだけに、ある程度開発資料は見てきたつもりであり、懐かしの資料を再確認するぐらいのつもりで足を踏み入れたが、未知の資料ばかりで驚かされた。たとえば、最初のパネル「世界創造」では、初代ディレクター石井浩一氏によるアイデアメモやワールドマップが掲載されているが、タイトルは「VANDOLE(ヴァン・ドール)の世界」と、いきなりヴァナ・ディール創造以前の資料が出てくる。
マップについても、闇の王がいるザルカバードに、ホラーコーストと名付けられた別の地域が存在していたり、海を隔てた西方には未実装のクォン大陸や、バストゥークからジュノを結ぶ鉄道が存在しているなど、我々が知るヴァナ・ディール以前の構想段階の資料を公開している。初の拡張ディスク「ジラートの幻影」で実装された飛空島トゥーリアは、初期設定の段階から浮かんでいるなど、リリース後のことまで考えて拡張性のある設計にしていたのは興味深い。
その後も、天野喜孝氏が描いたタイトルロゴや、野村哲也氏による種族ラフスケッチ、その隣には加藤正人氏による種族アイディアイラストと、一級資料が続いていく。「FFXI」本編を筆頭に、βテストキットも含めて、歴代のパッケージも展示されており、往年のファンはいきなり大満足だろう。
1/1リディルが存在感抜群のコンテンツ系開発資料エリア
続いて展示は、都市、乗り物、モンスター、フィールド、ダンジョンと、具体的なコンテンツに移っていく。サンドリア、バストゥーク、ウィンダス、ジュノといった都市のデザインや、企画案などが惜しげも無く披露されている。
都市については衝撃を受けるのはなんといってもセルビナ(SELBINA)だろう。設計初期では別のネーミングで、ひなびた港町ではなく、かなり規模の大きな鉄道都市だった。その隣には乗り物のアイディアスケッチも掲載されており、都市に停車したであろう蒸気機関車やモノレール機関車のイラストが掲示されている。もうひとつ別の「FFXI」の可能性を感じられる空間だ。ちなみにこのエリアにはトレジャーコッファーも隠されており、開けると会場マップが入手できる。ぜひ手に入れておきたいところだ。
フィールドは、実装済みのエリアのほか、未実装となった島々のイラストにも注目したい。ダンジョンは、コンセプトや未実装も含めた各種ギミックの記述が興味深い。マップ名も骨の穴(シャクラミの地下迷宮)、防空壕(ガルレージュ要塞)、虫の穴(クロウラーの巣)など、仮名が使われているのがおもしろい。
「FFXI」未経験者にとっては単なるラフスケッチに過ぎないだろうが、「FFXI」経験者にとってはまさに宝の山。1つずつ見ていったら1時間や2時間はすぐ経ってしまうだろう。
開発資料に加えて見物なのが、企画展示と造形物の展示だ。企画展示では、2000年当初の開発環境が再現されたエリアがあり、当時PS2向けにどのような環境で、ゲーム開発が行われていたのかを確認することができる。
造形物は、過去のイベントでコンパニオンが着用していたミスラの種族装備やオパーラインドレス、リコポディウム柄の浴衣、ゴブリンコイフ(頭部装備)といった衣服のほか、歴代イメージイラスト、ギルド看板、飛空艇のフィギュアなど、こちらもたっぷり展示されている。
造形物の目玉は1/1スケールのリディルだろう。龍のねぐらに出現するHNM「Fafnir」がレアドロップする片手剣で、レベル75キャップ時代の最強装備として長らく君臨していた。残念ながら握ったり振り回したりはできないが、誰もが欲しがった青味を帯びた曲刀の存在感は抜群で、人だかりができそうだ。
シャントット様が誘う2005年以降の開発資料
そこを抜けるとミッションの絵コンテ、2005年以降の開発資料集、「蝕世のエンブリオ」のアートや原画などが展示されており、現役ユーザーにとっては嬉しい空間だろう。
先へ進むのれんには「あら! わたくし、ブチ切れますわよ」というシャントットの名台詞が書かれており、中に入ると頭上にシャントットが待ち構えている。比較的狭い通路の左右に見切れないほどのラフスケッチで埋め尽くされており、目移りすること間違いなしだ。
秘蔵展を締めくくるのは野村哲也氏がTwitterで告知している描き下ろしイラスト。ある兄弟がテーマになっている。会場限定公開となっているため、ぜひ見逃さないようにしたい。
『ファイナルファンタジーXI ヴァナ・ディールの秘蔵展』
— 『FINAL FANTASY XI ヴァナ・ディールの秘蔵展』【公式】 (@ffxi_exhibition)August 19, 2023
野村哲也氏から
展示会宛にメッセージを頂戴しました!
会場では氏が描き下ろした
アートを大画面で見ることができます。
新たに描きあげられた兄弟の姿を
その目に焼き付けてください。#FF11#FF11展pic.twitter.com/ZxWWwVb1zI
野村哲也氏の作品を抜けると、お待ちかねの物販コーナーとなる。ジャケットやTシャツ、キーホルダー、ミラーなどその数40種近く。人気キャラクターや装備をあしらったキーホルダー、ピンバッジのほか、白虎佩楯ハーフパンツや、バーミリオクロークイメージパーカー、イージス(の盾)クッションなど、「FFXI」ファン垂涎のユニークなアイテムも取り揃えられている。人気アイテムはすぐ完売となってしまいそうだが、後日事後通販も予定しているということなので、会場に行けない方は公式からの続報に期待しよう。