【特別企画】
マスターチーフが意外な行動に!? ドラマ版「HALO」、第1話インプレッション
バックストーリーを丁寧に描きながら、ゲームならではの演出も魅力
2022年4月28日 00:00
- 【ドラマ「HALO」】
- 5月4日より「U-NEXT」で独占配信予定
動画配信サービス「U-NEXT」は、ドラマ「HALO」を5月4日より4Kで独占配信する。ドラマ「HALO」は、Microsoftが2001年にシリーズ第1弾「Halo:Combat Evolved」を発売したFPSシリーズの実写ドラマ化作品。エキサイティングなシューティング要素に、異星人と激しい戦いを繰り広げる世界観、パワフルな主人公・マスターチーフと、様々な要素で北米を中心に世界的な人気を獲得した。多くの続編も作られ、最新作「Halo Infinite」も2021年12月に発売されている。
ドラマ「HALO」は、シリーズ第1作である「Halo:Combat Evolved」での戦いを描く。ゲームをただドラマ化したのではなく、小説やその後のシリーズでの設定もドラマに盛り込み、ゲームで語られなかった視点やキャラクターを掘り下げることで、骨太なSFドラマになっている。今回、先行して字幕版を見ることができたので、感想を語っていきたい。
ゲーム愛にあふれた演出と、気になるオリジナル要素もてんこ盛り!
「Halo」シリーズは、光速を越える恒星間航法を開発した地球人が宇宙に進出し、800を超える植民惑星を獲得した未来が舞台となる。コヴナントという複数の異星人種族によって構成される軍事・宗教同盟が人類の植民星に突如として襲いかかってきたのだ。統一地球政府の軍事組織であるUNSC(国連宇宙司令部/地球軍)はコヴナントとの戦争に突入する。
UNSCの中でも最も恐れられたのが「スパルタン」と呼ばれる超兵士の存在だ。優れた人間に複数の肉体改造を施した上に、身体能力を向上させる機能を持った「ミョルニル・アーマー」を纏ったスパルタンは強力な異星人に対抗する存在として人類の希望となっていく……。
ドラマ「HALO」第一話はゲームより少し前からスタートする。植民星はUNSCの苛烈な支配に困窮し、反乱を起こしていた。「マドリガル」という地域もその1つだった。物語はマドリガルの日常から始まる。賭け事を楽しんでる老人や青年。話題はいつ攻めてくるかわからないUNSCの事だ。老人はスパルタンの恐ろしさをぽつりぽつりと語る。普通の兵士とは全く異なるその強さを……。
その頃、マドリガルの街のリーダーの娘であるクワン・ハは友達と共に街の外に出かけていた。そこで彼女は見たこともない"船"を見つける。嫌な予感を感じた彼女は友達に警告を発しようとするが、エネルギー弾が友達を粉々に吹き飛ばす。クワン・ハ達は悲鳴を上げながら街に逃げるが、友達は謎の存在に虐殺されていく。
クワン・ハの警告にUNSCを迎え撃つつもりだった街は即座に応戦態勢を取る。しかし襲いかかってきたのは、人間と全く異なるエイリアンだった。人間よりずっと背が高く、体躯も大きく、武器も強力なそのエイリアンはマドリガルの人々を殺していく。こちらの銃弾は彼らの装甲の表面に張り巡らされたシールドで防がれてしまう。
その惨劇のど真ん中にUNSCの揚陸艇が飛び込んでくる。降り立ったのはミョルニル・アーマーを纏った兵士達、スパルタンだ。彼らは反乱軍が全く叶わなかった異星人・エリートを次々と倒していく。その中でも特別に強力な兵士がいた。彼こそがジョン117、マスターチーフと呼ばれる最強の戦士だ……。
ドラマ版「HALO」の冒頭は、ゲームでは描かれなかった「植民惑星への襲撃と、そこに派遣されるスパルタン」の戦いだ。「Halo」シリーズはストーリーが中心となるFPSであるが、本シリーズならではの独特のゲーム要素がファンの心を掴んでいる。ドラマにはシリーズならではの演出が盛り込まれており、ドラマをチェックする大きな楽しさに繋がっている。コヴナントの兵士・エリートの挙動、通常兵器が通用しないシールド、強力なエナジーソード……。ゲームで目にするシリーズ共通の要素だ。
ジョン達スパルタンが出てくるとその要素はさらに濃くなる。「MA40 アサルトライフル」、拳銃の「MK50 サイドキック」、スナイパーライフルの「S7 スナイパー」などおなじみの武器が続々登場し、エリートのシールドを打ち破り倒していく。シールドの再充填の演出や、敵の武器を奪う要素、仲間から武器をもらうなどゲーム要素がうまく組み込まれている。
またスパルタンのヘルメット内部からの視点も多用され、「もしこの場面がゲームだったらどう描写されるか」も描かれている。ゲームの「Halo」では大型武器を構えると3人称視点になるが、その要素まで入っているところが面白い。
もちろん本作はただのゲームファンのためだけの映像ではない。ジョンはコヴナントが調査していた遺跡を発見。そこで1つの遺物を見つける。その遺物に振れた瞬間、何かがジョンに起こるのだ。ジョンはその遺物と、反乱軍でたった1人生き残ったクワン・ハを連れ、UNSCの拠点・惑星リーチへと帰還する。
ドラマ版「HALO」はUNSC側のドラマも細かく描く。ジョンは遺物によって何を見たのか、どんな変化が起きたのか? スパルタンの生みの親であるハルゼイ博士は強く興味を惹かれる。コヴナントとの戦いの中、唯一生き残ったクワン・ハを、どう"利用"するのか、UNSC側も動き始める。
その中でジョンはゲームファンも大いに驚く行動に出る。「Halo:Combat Evolved」はこの後人類存亡を描けた大いなる物語が展開するのだが、ドラマ版「HALO」はその前日譚として非常に興味深く、エモーショナルな要素を盛り込んでいる。ドラマオリジナルキャラクターであるクワン・ハという少女の存在、ジョンという最強のスパルタンの秘密、これらの要素が、星間戦争という壮大なテーマにどう影響し、物語を展開していくか、とても楽しみだ。
ゲーム版「Halo」は既に20年近くも展開し、小説などでも掘り下げられ、ちょっととっつきにくい世界になっている一面もある。ドラマ版「HALO」はこれまでの要素を知らなくても楽しめる、ミステリアスでスリリングなSFドラマとなっている。ゲームを知っている人は様々な場面でスタッフの"ゲーム愛"を感じることができるだろうし、知らない人も純粋なドラマとして大いに楽しめるだろう。この機会にぜひ見てみることをオススメしたい。
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