【特別企画】
アビリティ×銃撃戦! チームプレイが熱い「VALORANT」プレイレポート
ライアットが贈る新たなeスポーツタイトルは戦略性の高いFPSに
2020年5月1日 20:17
- 今夏配信予定
- 価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)
今夏配信予定のタクティカルシューター「VALORANT」。基本プレイ無料となる本作は、10年以上eスポーツの最先端を走り続けているPC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の開発と運営を行なうライアットゲームズが開発している期待のFPSだ。執筆現在、北米地域でクローズドβテスト(CBT)が行なわれており、動画配信サービスである「Twitch」では、「LoL」や「フォートナイト」を抜いて同時視聴者1位になるほどの人気ぶりを見せている。
そんな「VALORANT」、まだ日本からアクセスすることはできないが、実際にプレイすることができた。そのゲーム性は、立ち回りと戦略性を重視した硬派な銃撃戦に、キャラクターがもつアビリティ要素がミックスされており、2012年に発売されて今なお人気のあるFPS「Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)」と、アビリティを主軸に戦う派手さで人気となった「オーバーウォッチ」といった既存のFPSの存在を強く意識したタイトルとなっている。硬派でありながらもどこかとっつきやすく、そしてアビリティの組み合わせによる無限の戦略性は、新たな定番eスポーツタイトルになるのではないかと思わせる。
本稿では、「VALORANT」がどういうゲームで今までのFPSと何が違うのか、本作の特徴と実際に対戦してみたプレイフィールをお伝えしたい。
銃+アビリティのキャラクターベースなFPS
「VALORANT」は、5vs5で戦うタクティカルシューターだ。各チームが攻撃側と防御側に分かれ、攻撃側は決められた箇所に爆弾を設置して爆破、防御側はそれを防ぐことが勝利条件となっている。また、倒されるとそのラウンド中は復活できないため、攻撃側も防御側も敵チームを全滅させれば基本的には勝ちとなるルールだ。他のFPSでもよく見かけるルールであるため、馴染みのある人も多いだろう。1キル1キルの重さ、ラウンドの時間制限、爆弾が爆発するまでの時間など、ひとつひとつの要素が対戦に緊張感をもたらしている。
「VALORANT」の最大の特徴は、「エージェント」と呼ばれるキャラクター10人の中から1人を選んで戦うという点だ。エージェントは、それぞれ特有のアビリティを持っており、スモークなどで視界を遮り戦況を動かすことが得意な「コントローラー」と、敵の側面攻撃を防いだり敵チームの進行を遅らせるのが得意な「センチネル」、監視カメラやドローンにより敵の位置を索敵できる「イニシエーター」、銃撃戦が得意で攻撃的な性能をしている「デュエリスト」の4つのロールが割り当てられている。各チームメイトが選んだエージェントの強みを出すことで、チームプレイによる戦略の幅を広がる。
ただし、「VALORANT」におけるアビリティは、あくまで銃撃戦を引き立てるための脇役に過ぎない。基本的にはアビリティひとつで敵をなぎ倒すようなことはできず、アビリティを使ったことで結果的に銃による撃ち合いに勝てた、というようなゲームデザインになっている。
「VALORANT」には、もうひとつ大きな特徴がある。それは、ラウンドの開始時に「クレジット」を使って銃やアーマー、アビリティを購入できるという点だ。最初はハンドガンと無料のアビリティしか持っていないが、ラウンド中に活躍することでクレジットを獲得でき、それを消費してアサルトライフルやスナイパーライフルを購入したり、アーマーで体力を増やしたり、アビリティを購入して戦略の自由度を高めることもできる。
なお、購入した銃やアーマーは倒されるとリセットされるので、その都度購入し直す必要がある。毎ラウンド敵に倒されるようなことがあれば、クレジットが足りずに強力な武器を購入できないという場面が出てくる。当然、敵より弱い武器を装備していれば、それだけで不利になる。いかに敵に倒されないよう敵を倒すか。対戦ゲームの基本ではあるが、その基本を着実にこなしていけば、それだけで敵よりも有利になるということだ。
いざ実戦! 立ち回り・AIM・アビリティ・知識・チームプレイ、その全てが求められる奥深いゲーム性
実際に戦ってみると、まずわかるのはアビリティを使う難しさだ。敵にダメージを与えるというシンプルなアビリティは少なく、スモークで敵の視界を遮ったり、リーコンで敵の位置を探ったりと、戦略的に使うアビリティが多い。そのため、いわゆる出し得なアビリティはあまりなく、考えて使わなくては味方にも迷惑になる行動にもなりえるのだ。
しかし、実戦を重ねていくうちに、「あ!この場面ではこのアビリティが役に立つんだ」という気づきが増えてくる。そこに自分の上達を感じられるし、少しずつ戦略の幅が広がっていく。そこには知識が必要だし、知識があれば立ち回りも変わってくる。なにか1つできるようになるだけで、自分が大きくスキルアップしたような感覚。これこそが対戦ゲームの醍醐味だろう。
また、エージェントごとにできることも変わってくるので、同じマップでも立ち回りに変化がでてくる。それは味方が選んだエージェントによっても、敵が選んだエージェントによっても変わってくるため、常に新鮮なゲーム体験がもたらされるのだ。自分のエージェントが高所に移動できるなら、どこで敵を待ち構えるか考えたり、逆に敵のチャンピオンが高所に移動できるのであればオブジェクトの上もしっかりクリアリングして移動したり、索敵できるエージェントが味方にいるなら、索敵で安全を確保してから進んだり、その時々で最善手が変わる。どう立ち回るかで勝負が決する戦略性の高さもこのゲームの肝だと感じた。
本作は、シューティングゲームの銃撃戦の楽しさとアビリティによる戦略性を上手くミックスしたタクティカルシューターになっている。アビリティが強力すぎず、かといって弱いわけでもないため、どうアビリティを使って立ち回り、どう銃撃戦を仕掛けるか。ここの駆け引きが面白い。
また、まだ始めたばかりなので当然ではあるが、プレーヤーの成長を感じられる瞬間が多い。アビリティの使い方、クリアリング、チームプレイ、成長できる要素が多く、一歩一歩確実に成長している感覚が楽しい。
ライアットゲームズが開発した新たなFPS「VALORANT」。もしかすると、「LoL」と同様に、5年10年とプレイされるeスポーツタイトルになるかもしれない。
©2020 Riot Games,Inc.