コーエーテクモ、「信On」大型アップデート「関ヶ原の陣」開発インタビュー
「天下分け目の決戦」は秋に開催! 次期拡張パックは「10年、20年を見据えた拡張を」
株式会社コーエーテクモゲームスはプレイステーション 2/プレイステーション 3/Windows用MMORPG「信長の野望 Online ~新星の章~(以下、信On)」の大規模アップデート「関ヶ原の陣」を8月3日に実装する。
「関ヶ原の陣」は、現在進行中の拡張パック「新星の章」では最後のチャプターになり、伊達政宗の天下統一までの道のりを描く歴史IFのストーリー進行型ダンジョン「独眼竜の野望」のクライマックスとなる。決戦の場所となる新ダンジョン「関ヶ原」には総勢60名あまりの敵武将が登場し、史実の関ヶ原にも登場するエピソードや武将を楽しむことができる。また同時に各種技能のバランス調整も行なわれる予定となっている。
今回は開発プロデューサーの渡辺知宏氏と開発ディレクターの今村一太氏に話を聞いてきた。ダンジョン「関ヶ原」やバランス調整の詳細に加え、「新星の章」最大の見所といえる天下人を決めるための「天下分け目の決戦」についてもかなり詳細な部分まで聞く事ができた。なんと総期間1カ月にも及ぶ大規模なイベントになるようだ。
現役のプレーヤーはもちろん、この8年間で「信On」に触れたり興味を持った人にとっても感慨深い大きな節目となるこのイベントは、「関ヶ原の陣」クライマックスと併せて、「信On」史上でも最大のお祭りになることは間違いない。さらに、今後の拡張についての情報もちらりと聞く事ができたので、盛りだくさんの内容をぜひチェックして欲しい。
■ 決戦の地「関ヶ原」。小早川秀秋や九州武将など総勢60名の武将と戦える!
開発プロデューサーの渡辺知宏氏 |
開発ディレクターの今村一太氏 |
―― 「関ヶ原の陣」はどういったアップデートになるのでしょうか?
渡辺知宏氏: 関ヶ原と言えばご存じの通り大決戦の場です。武将が勢ぞろいする総力戦が繰り広げられるわけですが、今までの関ヶ原とは違った新しい切り口で「独眼竜の野望」ならではの味付けがされているものになります。
―― 伊達軍はどういった形で合戦に関わるのですか?
今村一太氏: 史実で言うと「関ヶ原の戦い」は豊臣軍を指揮する西軍の石田三成と、それに対抗する東軍の徳川家康という形で起こったわけですが、今回はさらに第三勢力という形で伊達軍が両軍に睨みを聞かせて、三国志のような形でぶつかり合うことになります。
―― 三つどもえの関ヶ原ですか?
渡辺氏: 伊達政宗のファンにとっては楽しんでいただけるものになると思います。
―― 今のところプレーヤーが伊達政宗と一緒に戦う機会がありませんでしたが、この陣ではどうなるのですか?
今村氏: この陣では、いよいよ実際の戦闘シーンに政宗が出てくることになります。
―― 何らかの形で政宗も戦闘に参加して、それをプレーヤーが見ることができるということですか?
渡辺氏: PVで出して以来封印されていた特殊技がようやく登場します。
今村氏: 「小田原の陣」の中で北条軍、上杉軍を打ち破っているので、今回はその2つが伊達軍に加わっています。序盤のネタばれになってしまいますが、今までは片倉小十郎がずっと軍師として出ていたのですが、今回からは直江兼継が伊達軍の軍師として登場します。東軍側と西軍側両方に進軍していくことになるのですが、その片方の軍を直江が指揮しています。
――伊達軍は2軍に分かれて進軍するのですか?
今村氏: 東軍にも西軍にも睨みをきかせるということで両方と対峙します。それだけに戦いのエリアは今までにない広さになっています。
渡辺氏: 総力戦ということで、色々な武将と戦うチャンスがあります。今まで戦えてなかった武将にも会えます。
―― 九州の武将や新武将が出るということですが、例えば誰が出るのですか?
今村氏: 新キャラクターとしては、東軍の大将としての家康が今ゲーム内にいるキャラクターとは別の形で登場します。
―― 関ヶ原バージョンの家康ということですか?
今村氏: そうです。そのほかにも有名な小早川秀秋の裏切りや島津義弘の捨て奸(すてがまり)などのエピソードは、関ヶ原の戦いをご存じの方であれば存分に楽しんでいただけるのではないかと思います。「独眼竜の野望」ではこういう風な出し方をするのか、と。
―― 関ヶ原はどんなマップになるのですか?
今村氏: 基本的にはフィールドです。まさに関ヶ原の古戦場という雰囲気で、大きなフィールドの中に試練があるという形になります。
―― 「人取橋」のような雰囲気になるのですか?
今村氏: イメージとしては、それに近い形になります。出てくる武将の数はかつてないほどに多いです。
第四陣の舞台は天下分け目の決戦地、関ヶ原 | 関ヶ原の戦いの中で有名なエピソードがゲーム内でも楽しめる |
―― 総勢でどのくらい出てくるのですか?
渡辺氏: 撃破すると絵巻に載る武将がだいたい60人くらいです。
―― それ以外に味方のNPCがいるわけですね。
今村氏: 小田原やそれよりもっと前に出ていた武将が、随伴として連れて行けます。もちろん六右衛門も出て来ます。小田原で助けた人も一回り成長して、味方として登場します。
―― 小田原で助けた武将は関ヶ原では最初から随伴できるのですか?
渡辺氏: そうですね。
―― ステージのギミックには、今回はどういった仕掛けがあるのでしょうか?
今村氏: 今回は、先ほど言ったような関ヶ原におけるエピソードとしてのギミックですね。
――それがメインの試練になるのですか?
今村氏: 主にはメインの試練ですね。前回と同じように追加の試練はより上級者の人がより強い敵に挑んでいくためのものになります。ただ「小田原の陣」では、序盤から敷居が高いというプレーヤーの方から声がありましたので、今回は序盤の難易度を少し下げて、「小田原の陣」があまり楽しめなかったというレベルの方でも楽しんでいただけるようにしています。
――後ろの方にはものすごく強い敵がいるのですか?
今村氏: 当然小田原よりも強い敵ということになります。
―― 小田原では追加試練で「摩利支天」が出てきましたが、今回もああいった敵が出てきますか?
今村氏: そういったお楽しみも用意しています。
出世した六右衛門の正体は、歴史の教科書でもおなじみのこの人 | 九州武将も有名なエピソードと共に登場する |
―― 「独眼竜の野望」はこれで終了ということになるのですか?
今村氏: 今まで「陣」という形で大型アップデートごとにダンジョンを追加してきたのですが、そういう形としては今回が最後になります。この後は本編の方で天下分け目の決戦が起きてという流れが起きていきます。
―― 今回が完結編ということですね。
渡辺氏: 「独眼竜の野望」のストーリーはもう少し続きがありますが、物語の中で天下統一が実現される中で、プレーヤーの皆さんの中でも天下統一という機運が盛り上がっていけばと思っています。
―― 何か「独眼竜の野望」のエンディングは用意されているのですか?
今村氏: ムービーのようなものは特にないのですが、エピローグ的なストーリーは用意しています。
―― 今回のダンジョンでも、仕立て直しできる報酬は出るのですか?
今村氏: 有名武将を倒した時の仕立て直しは非常に好評なので、それは引き続き出していきます。
渡辺氏: 武将が沢山出るので、色々なものがゲットできます。
―― 箱から出る報酬はどんな性能になるのですか?
今村氏: そちらも小田原から継続した形で、小田原よりは若干いいものも出るようになる予定です。
徳川家康は、新グラフィックスで登場する | 本田忠勝は「小田原の陣」に引き続いての登場 |
■ 技能チューニングで気合いへのダメージ量が減少。単調な戦いが変わる?
全体的な技能の上方修正と気合ダメージの仕様変更で「戦い方が変わるのでは」と渡辺氏 |
―― 今回の技能チューニングの意図と方向性について教えてください
今村氏: 1番大きかったのは、今プレイされている中で比較的使用頻度が低いものや、上位技能なのにあまり使われていないものの強化が1つの大きな目標です。
渡辺氏: そういうものをクローズアップすることで戦い方が変わっていったり、バランス調整についてもケアしていくという形になります。ある程度戦術が固定化してしまう傾向にありますので、変化があった方がより楽しめるようになるのではないかと思います。
―― 実装されたけれど、あまり使用されていない技能を改良することになるのですか?
今村氏: 基本的にはそうなります。他にも戦闘システムの変更として、気合いダメージの仕様を若干見直して、気合いダメージを入りにくくする形に仕様を修正します。今まで盾職などは気合いがなくなって動けなくなってしまうことがありましたが、もう少し活躍できるようにしたいです。その代わり、この場面ではこの技能、という選択をよりシビアに選んでいくような形でチューニングを行なっています。
―― 気合いダメージで減少する数値が減るのですか?
今村氏: 全般的に抑えめになります。
―― 今よりも攻撃で準備技が止めにくくなるわけですか?
今村氏: そうなりますね。計算式自体をかえているので、その辺りの戦い方も少し変わって来ると思います。
―― 具体的にはどの辺りの技能に調整が入るのですか?
今村氏: 各職の技能に対して、全般で50種類くらいには修正をいれています。各職業が満遍なく活躍できるように、少しずつ上方修正を加えています。
―― 今は武芸が活躍できないという不満の声が大きいかなという印象がありますが、そこのバランスも変わりますか?
今村氏: チューニングで全体を上方修正しているため、鉄砲鍛冶の方からは若干不満が出る可能性がありますが、そこは全体が等しく活躍できるような方向性でチューニングを行なっていますので。
―― 今回の技能調整で、戦い方がどんな風に変わっていくのでしょうか?
今村氏: とりあえずダメージを与えておけばいいやという形になっているのを、状況に応じて技能を使い分けていく形になるのでは、と思っています。
―― 技能枠が少ないことも、使われない技能が出てくる原因になっていると思いますが、増やす予定はありますか?
今村氏: 検討はしていますが、そこを変えてしまうと全てをまた1から見直さなくてはいけないので、変えるとするならば、例えば拡張パックなどの大きな節目で検討する事になると思います。
―― 前回小田原の陣で入った合戦の仕様変更については、プレーヤーからの反応はいかがですか?
今村氏: プレーヤーの皆さんからの声で1番大きなものは兵站の大砲に関することです。こちらの意図としては、今まで対人であるとか、武将戦を楽しんでいただいていたプレーヤーの皆さんだけではなく、より多くの方に合戦を楽しんでもらいたいということで入れた仕様です。合戦の参加人数は増えていますので、ある程度成功しているのかなという気はします。ただバランスに関しては今後も検討していかなくてはいけないと考えています。
―― 東西戦では、巻き込み戦での合戦が行なわれましたが、今後の合戦に実装される予定はあるのでしょうか?
渡辺氏: もちろんそういったテスト的な意味合いを含めています。
今村氏: 拠点戦である程度巻き込み戦に対するご意見を頂いておりまして、我々としても単純に合戦にいれたらどうなるかなという興味があったのです。本当にいきなり合戦にいれたら大変なバランスになってしまうので、今回東西戦で様子をみさせていただいたということです。
―― 反応はどうでしたか?
渡辺氏: おかげさまで賛否両論頂いています。巻き込み戦闘については、計算してできないことへの不満点や、複数のアカウントで同時に戦闘を行なう難しさで前よりも戦いにくくなっているというご意見も頂きましたけれど、意図として徒党を組んで入るのではなく中にいる人でワイワイ楽しむというところは実現できていましたので、そこに関しては好評をいただいております。
今村氏: 普段合戦を楽しまれている方ほど、巻き込まれることで意図通りのことができなくなってしまうことへの不満があるようです。
―― 偶発的過ぎるということですか?
今村氏: 逆に普段合戦は敷居が高くて遊んでいないというユーザーさんからは、気軽に遊べて楽しめるという意見も頂きました。ですから合戦にいきなり巻き込み戦闘を入れると言うことはしないと思いますが、今後も気軽に参加できるというポイントについてもう少し突き詰めて考えて取り入れていきたいなとは考えています。
■ 「天下分け目の決戦」は秋開催。外交、合戦の2段構えの長期イベント
「天下分け目の決戦は8年間の集大成にふさわしいコンテンツです」と両氏 |
―― 「天下分け目の決戦」について、いつ頃開催されるのですか?
渡辺氏: 秋の予定です。第四陣の新要素をプレーヤーの皆さんにひと通り楽しんでいただいて、少し落ちついた後で、という形になります。先ほど言いました通り、「独眼竜の野望」ストーリーの中で天下統一を迎え、さらにプレーヤーの皆さんにも「天下分け目の決戦」で天下統一というクライマックスを迎えていただくという流れになります。
―― 通常の合戦のように1週間で終わるものなのですか?
今村氏: 戦闘自体は今までの合戦から大きく変わることはありません。どちらかというと外交といいますか、戦う前の枠組みが大きく変わるという形になります。
―― 枠組みを決めるための準備期間があるということですか?
今村氏: 史実の関ヶ原の合戦でも実際に戦うまでの何週間かの駆け引きが非常に重要でした。基本的には今の天下人ランキング上位2つのどちらかについて戦っていただくことになります。もちろん勝つとより良い報酬があるのでどちら側につくかが重要ですが、その中でもより多くのポイントを獲得した勢力には厚遇があるという形になります。合戦までの準備と、実際の合戦の2段階に分けてお楽しみ頂けるのではないかと思います。
―― 援軍は勢力単位になるのですか?
今村氏: 基本的には勢力単位になります。
―― どちらに援軍するかは、投票のような形で決まるのですか?
渡辺氏: そこはまたおいおいお話していく予定です。
―― いま滅亡している勢力は参加できますか?
今村氏: 参加できます。
―― それも同じような形でプレーヤーが参加勢力を決めることになるのですか?
今村氏: 基本的には、そうなります。
―― 勢力比が偏る心配はないのですか?
今村氏: ある程度の偏りはできてしまうかも知れませんが、それによって戦う前から勝敗が見えているような形にはならないような工夫をします。片方に援軍が偏るようなことはないように考えています。
―― 現行の同盟関係とは関わりなく、組み合わせを決めることになるのですか?
今村氏: 今までの外交関係にも関わりはあります。
―― 今同盟関係にある勢力は、そのまま同盟して戦うことになるのですか?
今村氏: そこはいま最後の仕様を詰めているところです。やはり、クライマックスでもあるので、一方的な差になってしまったり、勝てそうな方に人が流れてしまい、始まる前から結果が見えてしまって盛り上がらないということは絶対に避けなくてはいけないと考えています。今までの同盟関係も押さえつつ、なるべく均等になるにはどうすればいいかというところを詰めている段階です。
―― 全員参加となると、1つの合戦場では人が多すぎることになりそうですが、どういった形になるのですか?
今村氏: 東西戦に近い形を考えています。
―― いくつかの合戦場で戦って、その合算で結果が出るような形ですか?
今村氏: 今はそう考えていますが、まだ変わる可能性はあります。
―― 合戦のルールは現行の陣取りと大決戦という形になるのですか?
今村氏: ほぼそれに近い形です。
―― 専用のマップはあるのですか?
渡辺氏: さすがに人数も規模も大きいので、専用のものが必要になります。そこはお楽しみにしてください。
―― 最大何人が1つの合戦場で戦える予定なのですか?
今村氏: ゲームクライアント側の事情もあり、技術的に検証しなければいけない部分があるので、まだはっきりとは言えないのです。
―― 先ほど勢力で“ポイントを稼ぐ”というお話でしたが、これはなんのポイントですか?
今村氏: 天下人得点を、天下分け目の決戦中に勢力ごとに稼げる形を今考えています。ですのでひょっとすると同じ陣営内での逆転もあるかもというような形を考えています。
―― それは天下人ランキングで3位、4位辺りにいる勢力がポイントを稼げば、逆転して1位になることがあるということですか?
今村氏: その可能性も0ではありませんが、非常に難しい戦いをしなくていけないでしょうね。基本的には外交は1位、2位を中心に行なわれていくので、1位、2位は寝首をかいてくるかもしれないところを仲間に引き入れるのか、そんなところを考えながらやっていってもらえると、よりスリリングな外交が行なえるかなと思います。
―― 期間としては外交1週間、合戦1週間で2週間くらいのイベントになるのですか?
今村氏: もう少し長いですね。
渡辺氏: 前段階、本番、エピローグと全体を併せて考えると1カ月くらいは続きます。あまり長いとだれてしまうので、そこは区切りよくテンポよくつなげていきたいです。
―― 終わった後にはリセットになるわけですが、これはどういった形になるのですか?
今村氏: 国勢については、1番初めの開始状態に近い形に戻すことを今は考えています。が、次シーズンの展開が大きく変わる仕掛けについても考えています。
―― 本拠地の場所をシャッフルしたりはしないのですか?
渡辺氏: 今の所そういうことは考えていないです。
まずは「関ヶ原の陣」で天下統一を体験して、その後いよいよプレーヤー同士の天下一決戦が来る |
今村氏: もちろんシミュレーションの「信長の野望」のように、時代が変わってスタート地点が若干変わるという可能性はありますが、東の国がいきなり西にいったり前の勢力図を引きずったりということはありません。
―― 時代が動いていると、新鮮味がありそうですね。イベント終了後に全ての同盟がリセットされてそこからやり直しという形になるのですか?
渡辺氏: どういった形になるかは今検討しているところです。1番重要視しているのは、新しいシーズンが始まることで皆さんに新たに天下統一のチャンスがあると思えるようにすることです。
―― 今回の天下分け目の決戦は約1年半かかったわけですが、少し長いという印象があります。次回はどうなるのですか?
渡辺氏: 期間は現在検討中ですが、今回は少し長くなってしまったかなとは感じています。―― 今回はいつ終わるのか見えなかったので、動きづらかったという面もあるのかなと思うのですが。
今村氏: ある程度1年なら1年の節目で、ゴールに向かって遊んでいただくのも1つの方法かと思っています。
――次回以降の「天下分け目の決戦」は東西戦のようにその都度違ったイベントになるのですか?
今村氏: 今回の形にのっとったものになるとは思います。ただ今回やってみて、色々ともっとこうした方がいいのではという点が出てくると思いますのでそこを洗練させてシーズンを重ねることで、より天下統一が楽しくなるような形に持って行きたいと考えています。
渡辺氏: 変えていく可能性は高いと思います。
今村氏: 合戦も、ある程度のタイミングではまた内容が変わっていくと思います。合戦が変わることで天下分け目の決戦も変わって行くことになると思います。やはり相乗効果でどんどん変わって行くかなと思います。
―― 報酬には何がもらえるのですか?
今村氏: 名誉的なものが中心ですが、実利的な報酬も考えています。
―― もらえるのは勢力単位になるのですか? それとも個人単位ですか?
今村氏: 個人単位という形で考えています。ただ勢力と個人の活躍の両方が影響する形で考えています。
―― 旗印だけだったら少し寂しいのですが、どうなのでしょうか?
今村氏: そこは大丈夫です。旗印だけではないと言っておきます。
■ 「花火祭2011」には新作浴衣と、打ち上げ以外の花火が登場
「今年は少し変わった現代的な花火を用意しています」と今村氏 |
―― 「花火祭2011」では、どんな花火が出るのですか?
渡辺氏: 今年も新しい花火を用意しています。後は花火を同時に打ち上げることができるようなものを用意しています。浴衣に関してはかなり前から内容を検討して、気合いを入れて用意しています。いくつもの候補の中から厳選して、結構可愛い柄のものがあります。
今村氏: 今年は浴衣も新しいデザインの浴衣を用意しています。
渡辺氏: 浴衣に関してはかなり前から内容を検討して、気合いを入れて用意しています。いくつもの候補の中から厳選していて、結構可愛い柄のものがありますよ。
―― 花火大会にテーマをつけるとしたら、今年はどういったものになるのでしょうか?
今村氏: 今回は少し違った種類の花火を追加します。そこは注目していただきたいと思います。後は「お玉の花火筒」という打ち上げ花火用のアイテムがありますが、プレーヤーの皆さんで花火大会を開くときに、複数の地点から打ち上げられるような花火筒を新たに用意しています。現代的な感じの花火ですので、お楽しみにしてください。
―― 今後、新規や帰参の方へのキャンペーンは予定されていますか?
今村氏: 現段階では予定していませんが「天下分け目の決戦」は8年間の集大成としてふさわしいコンテンツとして用意していますので、今まで遊んでいただいてたプレーヤーの皆さんにはぜひご参加していただきたいと思っています。
渡辺氏: 天下分け目の決戦はなるべく今まで遊んでいて、今は遊んでいない方にもお届けできるような形でお伝えしていきたいと思っています。
―― 今の「信On」の人口比や男女比はどうなっているのですか?
渡辺氏: PS3で遊ばれるプレーヤーの方が新たに「信On」の世界に加わり、以前よりもカジュアルな層が増えたという印象はあります。男女比については「信On」は以前から男性が多く、女性プレーヤーは少ないです。やはり戦いがメインのゲームということで、男性の方が多いです。ですが、長くプレイされている女性がいらっしゃるのも特徴といえますね。「信On」はキャラクターによっては役割が明確で、立ち回りがそれほど難しくないものもありますので、気楽にMMORPGを楽しまれている方々でもそういった部分で楽しんでいただけるのではないかと思います。
―― 「九州三国志」の時にはキャラクター性を押し出してフィクションの要素が強かったですが、「独眼竜の野望」はかなり渋めですが、この方向転換には理由があるのですか?
今村氏: フィクションやファンタジー性はもちろん重要なのですが、戦国時代が好きなので「信On」で遊ぶというプレーヤーの方が1番多いので、それよりも史実に添いつつも若干のファンタジー性を入れてIFを楽しむということが、今の「信On」のプレーヤーの皆さんに好まれている部分なのかなと感じています。
渡辺氏: 今回の関ヶ原にも事実には小早川の裏切りや、島津の中央突破など色々なエピソードがありますが、そういったものを小説やテレビで見て、それを「信On」の中で楽しめるというのが皆さんの求めるところだと思っています。ただ「信On」はもちろん表の世界では史実がベースですが、裏では様々な見えない力に動かされている世界なのでそこは絶対に外せない部分です。
徳川家康は、新グラフィックスで登場する | 伊達政宗VS真田幸村。有名武将と同じ世界で遊べるのが「信On」の魅力 |
―― 今後装備品の追加はあるのですか?
今村氏: 基本的には敵として出てきたものをドロップするという形をとっているので、プレーヤーの皆さんが喜んでくれそうなものを敵キャラクターに着せていくということを心がけていきたいと思っています。
―― 生産品としては、前回の闇シリーズの後は新しいものを出す予定はないのですか?
今村氏: 今の所はありませんが、生産も今後手をつけなければならない分野だと認識しています。具体的には、より敷居を下げていかなくてはいけないと思っています。
渡辺氏: 今の生産システムが限られた人しか生産できないという要素がありますので、そういった所がなくなるような形で考えていきたいと思っています。生産はある程度必須だったところから分離して、好きな人だけが遊ぶという形にしてきました。戦闘を求める方と生産を求める方は結構層が違うので、両方を絡めて必須にしてしまうとやりたくない遊びをしなくてはいけないということになりますから。
―― UIの変更など、遊びやすくするための改良で今後予定されていることはありますか?
今村氏: PS3版を出すときにある程度方向を示したり、序盤のチュートリアルのバランスを見直してある程度は改善されたと思いますが、まだまだ不十分な部分は沢山あると思っています。それは何か新しいプレーヤーが一気に増えるようなタイミングで追加していきたいと思っています。
小早川秀秋 | 福島正則 |
大谷吉継 | 伊達政宗VS真田幸村。有名武将と同じ世界で遊べるのが「信On」の魅力 |
■ 将来的にはWIN版とPS3版のグラフィックスを統一したい
「10年めが見えてきて、さらに次の10年もサービスを続けていきたい」と渡辺氏 |
―― 「新星の章」の陣はこれで終わりということになるわけですが、次の拡張パックはそろそろ発表があるのですか?
今村氏: 今回の関ヶ原の陣で大型アップデートとしては一区切りで、天下分け目の決戦があり、次はどうなるだろう、というところですね。
渡辺氏: その辺りについては、近々お伝えできると思います。
―― 「新星の章」から1年半が経過して、そろそろ次の情報が欲しいところですね。
渡辺氏: そうですね。ご期待ください。
―― 「天下分け目の決戦」が終わったら「信On」も終わってしまうのでは、と心配している人もいるようですが。
渡辺氏: それはありません。10年、20年は続けていくということで始まって、10年はそろそろ見えてきました。次の20年目が見えるような形で拡張を行なっていこうと考えています。
―― そうなった場合PS2版はどうなるのでしょうか?
今村氏: まだPS2から接続されているプレーヤーの方も結構いらっしゃるのです。
―― いま全体の何割くらいがPS2からつないでいるのですか?
渡辺氏: 3割くらいはいます。皆さんの想像以上にまだ動いていますね。その皆さんには応えたいということで、今の所対応を打ち切るということは全く考えていないです。
今村氏: 今PS2で遊んで下さっている方というのは、本当に昔からのプレーヤーの方々で、我々としてもありがたい存在です。その方たちが損をするような形にはしないようにと考えています。
―― 「新星の章」を実装する時に、そろそろPS2では限界という話だったじゃないですか。そこはどうなるのですか?
今村氏: 今まではPS2、PS3、WINという3つのプラットフォームで見た目以外の仕様は一切同じような形でということを貫いてきたのです。その方針は今後も変わりませんが、どうしてもハードの違いによって出す情報量に若干の違いが出てくる可能性はあります。それによって実際PS2だと少し見えにくくて不利ということはなるべくでないように注意したいと考えていますが。そういった部分に気をつけながら、今後も拡張は続けて行く予定です。
―― 最近、古いMMORPGのグラフィックエンジンをリニューアルしたり、DirextXバージョンを変えたりしてグラフィックスのクオリティをあげているタイトルがありますが、「信On」ではそう言った予定はありますか?
今村氏: PS3版用にハイモデルを作ったり、テクスチャーを差し替えたりしてきたのですが、そう言ったものをWIN版に適用していくことを将来的には考えていきたいと思います。今だとPS2、WIN、PS3と3種類のCGを作らなければいけないので、なるべく早くPS3とWIN版は統合したいと考えています。ただWIN版もマシンスペックが古いもので遊ばれている方もいらっしゃるので、そこをどう導入していくかを検討していかなくてはいけないです。
―― 8周年を迎えて、次の8年に向かっての抱負とユーザーへのメッセージを願いします
渡辺氏: 8周年を迎えることができて、皆様には本当に感謝しております。今のMMORPGの市場は黎明期から比べると活気は一段落し、成熟期に入った感がありますが、ゲームの目指す方向的にはそれほど変わっていないのかなと思います。ただソーシャルゲームに多くの人が集まっている現状を考えると、コアなゲーム性よりもコミュニケーションを楽しみたいという人がMMORPGのユーザーの中にも増えていると思います。そう言った中で、もう少しシンプルなゲーム性にしていくという流れがあるのかなと思っています。ですからやり込み要素は必要ですが、それほど難しいゲームである必要はない。「信On」も時代に合わせて少しずつ変わっていますが、今以上にカジュアルなユーザーでも遊んでいただけるように「信On」を今後とも楽しく遊べるようにしていきたいと思います。
今村氏: 8年という長い期間の間には、ずっとプレイされていたユーザーの方々が求めるものも少しずつ変わって来ているかなと思っています。もちろん8年続いているMMOはそれほど数がないので、変わってはいけない部分もあると思うのですが、同時に変えていかなければいけない部分もあると思うのです。変えてはいけないのは、戦国の中で暮らして行くMMOという部分ですね。変えていかなくてはいけない部分もあります。8年前と違って、MMOを何日も徹夜してべったり張り付いてとことんレベルを上げて、というコアな楽しみ方をされている方が今はかなり少なくなっています。こうしたライフスタイルの変化の中で、プレーヤーの皆さんが求めているものを敏感に捕らえながら、今後も「信On」を続けていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
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(2011年 7月 22日)