インタビュー

「CoD: MW4」開発陣インタビュー! TTKは現在も調整中。プライス大尉が追うのはマッツ・ミケルセンさん

【Call of Duty: Modern Warfare 4】
10月23日 発売予定
価格:
通常版 9,800円
秘蔵版 13,200円

 いよいよ10月23日の発売が迫った「Call of Duty: Modern Warfare 4(以下CoD: MW4)」について、先んじてメディア合同インタビューが開催された。

 本作は、リブート版「Call of Duty: Modern Warfare」シリーズの第4作目。今回はシリーズ初となる朝鮮半島を舞台に、北朝鮮と韓国の大規模な戦闘が描かれる。加えて、前作「CoD: MW3」の後のプライス大尉や「タスクフォース141」の物語の続きも体験できる。

 インタビューにはInfinity Wardのジェフ・スミス氏(マルチプレイヤー&DMZクリエイティブディレクター)とジェフ・ネガス氏(ナラティブディレクター)が登場。本作についてこだわった点や、ベータテストを受けての調整内容について回答してくれた。

ジェフ・スミス氏(左)とジェフ・ネガス氏(右)
ジェフ・スミス氏(マルチプレイヤー&DMZクリエイティブディレクター)
ジェフ・ネガス氏(ナラティブディレクター)

 なお、インタビュー前に行なわれたプレゼンにてストーリー上の新情報が公開。プライス大尉が追うのはマカロフとその正体不明の黒幕である“アーチャー”とのことだ。また、グレイヴスとマカロフに加え、ゴースト、ギャズ、ヴァレリア、ラズウェルも登場する。アーチャーは北朝鮮とも関わりがあるとのこと。朝鮮半島の趨勢だけでなくプライス大尉たちの物語にも注目したい。

 なお、現在開催中の「TGS2026」では、ハピネットブースにてマルチプレイの試遊もできる。興味がわいた方はぜひ遊んでみてほしい。

キャンペーンにマッツ・ミケルセンさん登場決定! プライス大尉が追う標的に

――キャンペーンのテーマが非常に挑戦的で攻めた内容に感じられました。このテーマに行き着いた経緯について教えていただけますか?

ジェフ・ネガス氏:挑戦的なテーマに挑むことこそ、「Modern Warfare」のDNAそのものです。そのために私たちは常に「何が最もプレイヤーを惹きつける大きなテーマになるのか」「どうすれば極限状態の紛争に最も深く没入してもらえるか」を模索しています。

 今回は特に自分たちとは異なる文化や人々をリアルに描き出すというのが本当に難しかったです。方言や軍事知識のアドバイザー、素晴らしいキャスト陣やライター陣など、多くの専門家の力を借りています。万が一、本作のような紛争が勃発した場合に、「その文化の中で生きる人々がどう動くのか」ということを全員で徹底的にリサーチしました。

――リブート版「Modern Warfare」シリーズは現代戦のリアルな表現を重視している印象ですが、本作でリアルさを表現する上で特にこだわった部分や場面はありますか?

ジェフ・ネガス氏:「何が新しく、私たちが何に熱意を向けているか」というニュアンスでお答えします。一言で言えば「ゲームプレイの多様性」です。

 今作は、私たちがこれまで手がけてきた「Modern Warfare」シリーズの中で最もバリエーション豊かな仕上がりになっています。再び一兵卒の視点へと原点回帰し、仲間同士で助け合いながらも犠牲を払って生き抜く部隊の一員であると実感できる作風になっています。

 個人的に最も胸が高鳴っているのは、ストーリーを「4」というナンバリングまで継続させられた点です。AAAタイトルの大型ゲームで物語を綿密に紡ぎ続け、ここまで紛争の規模と深みを推し進められた作品は、ゲーム業界全体を見渡してもそう多くはないはずです。

――先日開催されたベータテストにおいて、キャンペーンの一部を収録したのはなぜでしょうか?

ジェフ・ネガス氏:作り上げた作品に強い手応えを感じており、韓国という舞台設定やそこに生きるキャラクターの魅力をいち早く皆さんに体験していただきたかったからです。

 最初のトレーラーを公開した際、ファンの方々から非常に熱狂的な反応をいただくことができました。ベータに収録したストーリーミッションは、DMZとの繋がりを示すと同時に、ファンの皆さんが期待してくれている要素を存分に詰め込んだ内容になっていたため、私たちの情熱をそのまま届ける絶好の機会だと判断しました。

――トレーラーに一人見覚えのある人物が映っていたのですが、彼はマッツ・ミケルセンさんでしょうか?

ジェフ・ネガス氏:おや、気づいちゃいましたか? ご想像の通りです(笑)。マッツ・ミケルセンさんを登場させる構想自体はかなり前から温めていたもので、プライス大尉が執念で追い詰めるに相応しい強烈な存在感を放つターゲットになれる人を探し求めていました。

 そこで、最初からマッツ氏一択でオファーを出したのですが、快諾して参加してくれましたし、期待を遥かに超える圧巻のパフォーマンスを披露してくれました。

――キャンペーンミッションの中で開発者の皆様が特にオススメしたいステージや、注目してほしい演出、細かいディテールなどはありますか?

ジェフ・ネガス氏:重大なネタバレは避けますが、私たちはどのような立場や陣営、紛争に関わるキャラクターであっても、彼らを「血の通った人間」として丁寧に描き出すことに全力を尽くしました。

 特に朝鮮半島を舞台とした戦動の描写には、プレイヤーの皆さんを驚かせ、胸を熱くさせる仕掛けを凝縮しています。同時に、かつての仲間である「『タスクフォース141』同士が戦う」という展開は、多くのプレイヤーに衝撃を与えるはずです。

 チームが一丸となって作り上げたストーリーにはかなり自信があるので、皆さんがどのようなリアクションを見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。

 お楽しみを台無しにしたくはないので、今言えるのはここまでです。後でぜひ、皆さんがどのミッションを気に入ったか教えてください。

「Kill Block」はマップ作りの大転換点! TTKは現在も見直し中

――先日行なわれたベータテストの2週目のアップデートではエイムアシストの引き下げとTTK(Time to Kill)の延長が同時に行なわれました。開発チームはこの2つの課題を別々として扱ったのでしょうか、それとも1つの現象として捉えて調整されたのでしょうか?

ジェフ・スミス氏:別々には考えていません。ゲームバランスの調整は一つの巨大なシステムのようなものなのです。どれか一つの要素を調整すれば、全体のバランスを保つためにもう一方も調整せざるを得ません。ですが、そうした細かなニュアンスを見極め、複雑な要素のバランスを綺麗に整えることこそが、まさにベータテストを実施する本来の目的なのです。

――マルチプレイのTTKの調整方針について教えてください。2週目で全武器のダメージを組み直した経緯や、発売までに着地させたい平均TTKの目安などはありますか?

ジェフ・スミス氏:非常に繊細でニュアンスの求められる問題です。プレイヤーの基礎体力をいじるのではなく、あくまで武器ごとの性能で調整を行なっています。そのためベータ版の時点では、ショットガンやスナイパーライフルなどの調整が全体のバランスと噛み合っていなかったのです。

 ベータ終了後も調整を重ねており、発売に向けて最高の“黄金比”を見つけ出すまで試行錯誤を続けます。とはいえ、どのゲームであっても発売後の継続的なバランス調整は不可欠です。特定のアタッチメントの組み合わせによって、意図せず強すぎる性能を発揮する武器が発見されることもありますからね。

固定の絶対的な数値を目指すというよりは、ゲームを実際にプレイしながら微調整を繰り返していくアプローチをとっています。派手な回答には聞こえないかもしれませんが、これこそがゲーム開発におけるリアリティなんです。

――タクティカルスプリントをPerk(Blood Rush)へ移した変更実験の結果をどう評価されていますか? 元の通常操作の中に戻す案や、パーク内での位置付けの見直しも含めて教えてください。

ジェフ・スミス氏:まさにこういった試みを行なうことこそベータテストの醍醐味だと思っています。ベータの2週目であえて大胆なアプローチを試し、プレイヤーの皆さんにどう響くかを確認したかったんです。開発チーム内でプレイした感触も非常に良かったため、パークとして使うことに意味のあるものになるよう、リスト内での配置を模索しているところです。発売時に最高の形で届けるため、ベータが終わった現在も細かな微調整を続けています。

――動的に構造が変わる「Kill Block」は非常に新鮮なマップですが、射線の変化やクリアリングなど、競技性やバランス調整で苦労した点はありましたか?

ジェフ・スミス氏:いやあ、本当に難しかったですね……めちゃくちゃ苦労しました(笑)。すべての始まりは、プレイに多様性を生み出すための「3つのパーツ」というアイデアでした。ただ、構造が複雑になりすぎるのを避けるため、マップ全体のサイズ感は「Shoot House」(小規模マップ)と同じくらいに抑え、地形の入り組み具合でプレイヤーが混乱しないよう意識しました。

 10種類もの異なるマップを制作してはひたすらテストプレイを繰り返しました……。プログラマーチームに最初に企画を持ち込んだ時は「正気か?」と呆れられたほどです。ですが最終的に、プログラマーチームは私の想像を遥かに超える画期的なアプローチで見事に実装してくれました。

 長年マップを作り続けていると「いつかアイデアが底を突くのではないか」という不安に駆られることがありますが、今回の仕様はまさに大転換であり、デザイナーチームの固定観念を根底から打ち破るものでした。

 彼らは普段、強ポジションや射線を極力抑える厳密な設計には慣れているため、「Kill Block」ではあえて、3つのモジュール区画のうち、ひとりにつき2つの区画までしか設計させませんでした。3つ全てを設計させてしまうと、結局は計算し尽くされた普通のマップになってしまいますからね。2つの区画だけを作らせることで「次にどの構造が連結するか読めない」というランダム性を受け入れさせることができました。

ジェフ・ネガス氏:開発の裏でそんな質問にうってつけの苦労があったとは(笑)。デザイナーを巧みにハメて仕向けるしかなかったわけですね、いやあ知らなかった。見事!

――DMZですが、これまでのベータ版とは異なり今回からは製品版に含まれる形でのリリースとなります。長期間プレイできる設計なのか、またどのようなアップデートや拡張を行なっていくのかを教えてください。

ジェフ・スミス氏:現在はとにかくゲームの発売に全力を注いでいます。発売後のロードマップも用意していますが、まだお見せできる段階ではありません。ですが、DMZは私たちが情熱を注ぎ込んできた一大プロジェクトであり、開発が進むにつれて新しいストーリーや新コンテンツをお披露目したくてウズウズしています。

日本の皆さんがどう受け止めてくださるか、心から楽しみにしています

――最後に日本のプレイヤーの皆さんへメッセージをお願いいたします。

ジェフ・スミス氏:私は幼い頃から日本のゲーム、特にナムコのゲームに夢中になってました。だからこそ、自分が手がけた作品を日本のプレイヤーの皆さんに注目していただけること、実際に手に取って遊んでもらえることは、一人のゲーマーとしても非常に感慨深く、かけがえのない意味を持っています。

ジェフ・ネガス氏:私たちがどの地域の文化を描く場合であっても(これまでもメキシコや中東など、世界中を舞台にしてきました)、作品を制作する際は毎回徹底的なリサーチを行ない、生き生きと描かれるキャラクターや彼らが直面する紛争が、現実世界の歴史や地政学に沿ったものであるよう細心の注意を払ってきました。今作も開発チームが情熱とこだわりを注ぎ込んだキャンペーンになっていますので、日本の「CoD」コミュニティの皆さんがどう受け止めてくださるか、心から楽しみにしています。

――ありがとうございました。