インタビュー
「カイル・クレインを愛しているから帰ってきた」。「ダイイングライト」フランチャイズディレクターTymon Smektla氏インタビュー
開発者が語るシリーズ原点回帰と新たな挑戦
2025年7月21日 23:00
- 【ダイイングライト:ザ・ビースト】
- 8月22日 発売予定
- 価格:
- 8,140円(通常版)
- 9,240円(デラックスエディション)
8月22日の発売を控えるプレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC用ゾンビサバイバルアクション「Dying Light: The Beast(ダイイングライト:ザ・ビースト)」は、シリーズ10周年を記念して制作される特別な作品だ。長い沈黙を破り、初代の主人公「カイル・クレイン」が帰ってきた。開発者自身が「12年間のキャリアで経験したことのない魔法のような開発プロセス」と語るほど、すべてが理想的に進んでいるという。
舞台となるのは、自然豊かな観光地「CASTOR WOODS」がゾンビに占拠された世界。パルクールによる縦横無尽の移動、昼夜の変化がもたらす極限のサバイバル、そして素手で戦う新要素「ビーストモード」など、シリーズの魅力を凝縮しながらも新たな体験を提供する。技術面では前作のローンチ時の課題を踏まえ、安定したエンジンの上でより洗練された作品を目指しているようだ。
「ダイイングライト 2」で一度完結したと思われたカイル・クレインの物語が、なぜ再び始まるのか。「ダイイングライト」フランチャイズディレクターのTymon Smektla氏に、シリーズ原点回帰への想い、新要素への挑戦、そして日本のファンへの特別なメッセージを聞いた。
開発者が語るPC版リマスターのポイント
――開発でお気に入りの部分や注力した点はどこですか?
Tymon Smektla氏:まずお伝えしたいのは、開発プロセスそのものが、これまでの私の12年間の開発者としてのキャリアで経験したことのないものだった、ということです。
なぜなら、何らかの理由で、まるで魔法のように、すべてがうまく機能し、すべてがかみ合っているからです。通常のゲーム開発では「二歩進んで一歩下がる」ということの連続です。しかし、「The Beast」に関しては、すべてがあるべき形に収まり、すべてが非常によく連携して機能しています。
その理由は何と言っても、主人公「カイル・クレイン」を再び登場させられたことにあると考えています。彼は「ダイイングライト」シリーズの原点であり、私たち開発者にとって非常に特別なキャラクターです。
私たちはこのキャラクターを心から愛しており、その情熱や関与がプロジェクト全体に波及しているのを感じます。そのおかげで、開発のすべてが驚くほど簡単に感じられるのです。本作に取り組んでいると、可能性は無限大だと感じられます。
――主人公にカイル・クレインを再び起用した理由について教えてください
Tymon Smektla氏:私たち開発陣が、コミュニティやプレーヤーの皆さんと同じくらいクレインを愛しているからです。
初代「ダイイングライト」で彼を登場させて以来、私たちの元には常にプレーヤーの皆さんから「カイル・クレインは戻ってくるのか?」「いつになったら帰ってくるんだ?」「(『ダイイングライト』の出来事の後)彼はどうなったんだ?」といった声が寄せられていました。
私たち自身も、常にカイル・クレインの物語に戻りたいと思っていました。彼のその後に何が起こったのかを、きちんと描きたいと思っていたのです。
そして、今年がシリーズ10周年という節目であることから、何か特別な形でお祝いが必要だと考えました。カイル・クレインを再び登場させることは、この記念すべき年を祝うための最高の形だと判断したのです。
――「ダイイングライト 2」のローンチ時の課題を踏まえ、技術的な安定性はどう向上させましたか?
Tymon Smektla氏:私たちは、コミュニティの声に耳を傾けることを非常に大切にしているデベロッパーです。私たちのデザイン哲学は「コミュニティドリブン」であるとさえ言えます。
しかし、技術的な側面に関しては、コミュニティからのフィードバック以上に、私たち自身の強い意志が原動力となっています。「ダイイングライト 2: ステイ ヒューマン」のローンチ時に直面した問題を繰り返したくないという、私たち自身の野心です。
そして、今作のリリースがなぜ以前と違うと確信しているか。それには非常に重要な理由が1つあります。それは、私たちがゲームを動かしているエンジンが、はるかに安定したバージョンになっているということです。
「ダイイングライト 2: ステイ ヒューマン」は、私たちが自社開発した「C-Engine」というエンジンで構築されました。しかし当時は、ゲームを開発すると同時に、そのエンジン自体も開発している状況だったのです。例えるなら、本を書くために必要な紙を、本を書きながら作っているようなものです。あるいは、ワープロソフトで文章を書きながら、そのワープロソフト自体をコーディングしているような状況でした。
ですが、「ダイイングライト:ザ・ビースト」では状況が全く異なります。エンジンは既に完成しており、それを磨き上げ、品質を向上させる時間も十分にありました。この安定した技術基盤の上に、私たちはゲームを構築しているのです。
ですから、「ダイイングライト:ザ・ビースト」のローンチは、技術的な品質において「ダイイングライト 2: ステイ ヒューマン」とは全く異なるものになると、私は強く確信しています。
「ダイイングライト:ザ・ビースト」でブラッシュアップされた要素について
――なぜ素手で戦う「ビーストモード」を導入したのですか?
Tymon Smektla氏:私たちは、サバイバルというジャンルで何か違うことを試したかったのです。従来のこの手のゲームは、常に何かに追われ、圧倒的な数の敵に囲まれる状況がほとんどです。本作も基本的にはそうですが、私たちはそこに新しい体験を加えたかった。「もし、その力関係が逆転する瞬間があったらどうだろうか?」と。
面白いことに、このインスピレーションの1つは日本のゲームである「パックマン」(バンダイナムコエンターテインメント)から得ました。「パックマン」も、よく考えてみれば一種のサバイバルゲームです。ほとんどの時間はゴーストに追われ、一回触れられただけでやられてしまう非常に弱い存在です。しかし、パワーエサを食べた瞬間、テーブルはひっくり返ります。今度はあなたがゴーストを追いかける番になるのです。
私たちもそれと同じことをやりたかった。普段はゾンビやヴォラタイルから逃げ回っているカイル・クレインが、ビーストモードになることで、部屋の中で最も強いモンスターへと変貌する。この圧倒的な力、無敵になったと感じられる瞬間は、プレイしていて非常に満足感が高いものです。
そして、なぜ素手なのか。それは、この圧倒的な破壊力や残虐性を、自分自身のむき出しの拳で繰り出すことこそが、最大の満足感をもたらすと信じているからです。だからこそ、このモードでは武器を使わず、素手での戦闘にこだわりました。
――「ザ・ビースト」のグラップリングフックはどう進化しますか?
Tymon Smektla氏:私たちはどちらの作品でも「グラップリングフック」という名称を使っていますが、おっしゃる通り、1と2ではそのメカニクスが全く異なりました。「ダイイングライト 1(初代ダイイングライト)」は、より「スパイダーマン」的なメカニクスでしたね。一方で「ダイイングライト 2」は、より「ターザン」に近いメカニクスでした。
「ザ・ビースト」についてあまり多くを語りすぎて、ネタバレはしたくありませんが……。ヒントを出すとすれば、「ザ・ビースト」では、プレーヤーはターザンとスパイダーマン、その両方のメカニクスを体験できるようになります。
これ以上の詳細はまだ秘密にさせてください。ですが、皆さんが愛した1の感覚と、2の物理ベースの感覚、その両方が楽しめると思っていただければと思います。
――カットシーンとゲームプレイのバランスは?
Tymon Smektla氏:「ザ・ビースト」で私たちが目指しているのは、プレーヤーにカットシーンで長すぎる時間を費やさせない、ということです。なぜなら、ゲームは「インタラクティビティ(双方向性)」の上に成り立つ、非常にユニークなメディアだと信じているからです。ボタンを押して、画面上で何かが起こるのを見る。その瞬間こそが、ゲームにおいて最もエキサイティングな部分です。
もちろん、カットシーンも素晴らしいものです。驚くほど素晴らしいカットシーンを持つゲームもたくさんあります。私たちも「ザ・ビースト」で約3時間に及ぶ高品質なカットシーンを用意しました。キャラクターの表情、ライティング、そしてキャラクター自身の魅力を最大限に引き出すために多大な時間を費やしています。
しかし同時に、私たちはカットシーンを非常に慎重に編集しています。物語や感情、キャラクターの心情を伝えるために必要な時間だけ画面に表示し、その後はできるだけ早くプレーヤーに操作を戻すようにしているのです。
結局のところ、プレーヤーが最も楽しいと感じるのは、映画を見ている時ではなく、実際にゲームをプレイしている時だと私たちは考えています。コントローラーやキーボード&マウスを通して世界とインタラクトする。それこそが「ダイイングライト」の最も強力な点なのです。プレーヤーがプレイし、そのアクションに対して世界が反応する。私たちはその体験を何よりも大切にしています。
――「ダイイングライト」をプレイしたことのないハードコアゲーマーへのアピールポイントは何ですか?
Tymon Smektla氏:このゲームがいかにユニークであるかが、最大の重要ポイントの1つだと思います。
市場には、「ダイイングライト」シリーズと全く同じゲームは他にありません。ですから、まだプレイしたことのないプレーヤーには、何か違うものを味わいたい、違う体験をしたいのであれば、本作は間違いなく、これまで経験したことのない体験を提供してくれると伝えたいです。
また、この作品がシリーズ3作目だからといって、ストーリーが分からなくなる心配はありません。チュートリアルや、これまでの物語を解説する資料も用意しているので、初めての方でも安心して楽しめます
――日本のファンに特に伝えたいメッセージはありますか?
Tymon Smektla氏:ぜひお伝えしたいことがあります。それは、プレーヤーの皆さんには「ダイイングライト:ザ・ビースト」を単なるビデオゲームとしてではなく、真の「サバイバルゲーム」として捉えてみてほしい、ということです。
ぜひ、自分が本当にカイル・クレインの立場になったと想像してみてください。そして、「もし死んだら、リスタートはできない」という気持ちでプレイしてほしいのです。
なぜなら、そのように考え方を変えるだけで、このゲームの全く異なる側面が見えてくるからです。多くのプレーヤーは、アクションゲームとしてゾンビの群れに突っ込んでいきます。もし倒されても、「リスタートすればいい」と。もちろん、それも一つの遊び方です。
しかし、「死」を本気で避けようと考え始めると、どうなるでしょうか。目の前にいるゾンビの群れに突っ込むのではなく、「彼らは危険だ。迂回しよう」、「パルクールを使って彼らの上を通り過ぎよう」といった、全く新しい選択肢に気づくはずです。
私たちは「ダイイングライト:ザ・ビースト」が、ただのアクションゲームではなく、「スマートなサバイバル」、つまり思考する人々のためのゲームであってほしいと願っています。プレーヤーの皆さんには、筋肉や指先のテクニックだけでなく、ぜひその「頭脳」を最大限に使って、この世界を生き抜いてほしいのです。
――ありがとうございました!
DYING LIGHTR: THE BEAST (C) Techland S.A. Published and developed by Techland S.A. All other trademarks, copyrights and logos are property of their respective owners. All rights
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