インタビュー
スクエニ「キングダム ハーツ -HD2.5リミックス-」インタビュー
海外にも熱烈なファンの多い「KH」シリーズ。そして「KH2.5」から物語の佳境が描かれる「KHIII」へ
(2014/6/11 10:00)
海外にも熱烈なファンの多い「KH」シリーズ。そして「KH2.5」から物語の佳境が描かれる「KHIII」へ
――今回のE3での試遊部分は、「II」ではハロウィンタウンとビーストキャッスル、「KH「KHBbS」」では、ヴェントゥスがキャッスル・オブ・ドリームでのかわいらしい探索、テラがエンチャンテッド・ドミニオンでのバトル、アクアはドワーフ・ウッドランドでのストーリーからのボスとなっていますが、この場面にしたのには何か理由があったのですか?
安江氏:これは、僕が個人的に好きな場面なんですよね。「KHII」のハロウィンタウンは雰囲気が好きでクリスマスコスチュームも見られますし、ビーストキャッスルのボス戦も大好きで。
「KHBbS」ではアクアはストーリーや3人の繋がりが見られますし、あそこのボスは「KHBbS」全体で見てもかなり力の入ったものなんですよね。テラは渋いかっこいい男の硬派な場面を見てもらいたくてのチョイスで、ヴェントゥスはかわいいポップな雰囲気を見てもらえる場面ですが、あのワールドは当時に最初に企画した場所でもあって思い出深いところです。
――E3ということで、海外のファンがどれぐらいいるのか、熱気がどれほどのものになっているのかが気になります。
安江氏:海外にも、ものすごく熱烈な方が多いですよ。ディズニーとの作品ということもありますが、すごいです。E3のタイミングなどではかなり実感できますね。「KHIII」の発表の時にもネットに映像が公開されましたが、海外のファンサイトも大騒ぎでしたから。ああいうのを見ると開発者として力をもらえると言いますか。がんばろうという気持ちになりますね。
「キングダム ハーツ」シリーズって気軽に楽しんでくれている人が多いのかなと思いきや、ディープに、情熱的な人が多くて。アメリカでもそれは同じようにすごいですね。
――「普段あまりゲームをやらないけど、「キングダム ハーツ」シリーズだけはすごくプレイしている」という人もたくさんいそうですね。
安江氏:そうなんですよ。「キングダム ハーツ」シリーズだけっていう人が結構いらっしゃって。特別なユーザーの方ですよね。大事にしていきたいですね。
――愛情が深い人が多くて、プレッシャーがすごそうです。
安江氏:そうですよね。でも、ネット上でのコメントなども見ますけど暖かい人が多くて。大変ありがたいです。
――ファンの人からの声ということで、今回はPS3でのHD化リリースとなっていますが、「他機種でも発売して欲しい」という声もあるのではと思います。例えば、PS4やPS Vitaなどですが、そういった他機種展開についてはいかがでしょうか?
安江氏:今すぐはなんともコメントしづらいところですが……。今のところはPS3のみですね。「KH1.5」や「KH2.5」は、まずPC上で動かしているので他機種に展開するというのは技術的には可能と思いますので、ユーザーさんからの声は常に聞いていきたいと思います。
――新たに公開されたE3トレーラーの最後に入っている意味深な場面ですが、あれはどのような意図で入れられた映像なのでしょうか?
安江氏:あれはキーブレード戦争という物語の軸について語られている「KHIII」の冒頭にもなってくる部分なのですが……。今の時点でどこまで話していいものやら(苦笑)。「KHIII」の軸になる大事なところですね。あの映像は野村がすごくこだわっていて。今回はちょっとだけですが、情景や雰囲気などははっきりと固まっています。
――「KH2.5」から「KHIII」へと繋がっていくというところなわけですね。そのあたりも「KH2.5」と「KHIII」をチーム全体で継続して制作しているという良さが発揮されているのだなと感じます。「キングダム ハーツ」シリーズは物語が膨大で、制作するのは本当に大変そうに思えますね。
安江氏:チームひとまとまりで継続していく方法でないと作れないと思うんですよね。ずーっと継続して、新しい人が加わったらちゃんとシリーズを踏まえてもらって。「KH」の良さ、テイストを継承していって、全員が「KH」らしさのエキスパートにならないと、このシリーズは作れない。
シリーズとしても膨大ですので、柔軟に対応できる人でないと開発に携わるのは難しいと思います。シリーズとしてのこだわりやゲーム性の方向性がありますし、それに加えて、ディズニー作品のこだわりもあります。ディズニー作品の中でも各作品ごとに別々なこだわりがあるんですよね。そこの良さに敬意を払いながら、新しい物を作るというのは、すごく柔軟な対応が求められます。
あとなんと言っても、生みの親である野村がすごくはっきりとこだわりを持っていますので。そこはすごくやりやすくて、ブレがないんです。「ここはこうだ」というのをしっかりと提示してくれています。
――最後にファンの方に向けて、一言お願い致します。
安江氏:「KH2.5」は開発者の自己満足に陥ることなく、「KHII」と「KHBbS」でユーザーのみなさんから頂いた「良かった」という声を活かして全般的に手直しをしています。総数70名以上のスタッフで、時間と手間をかけて、クオリティを高めています。オリジナル版を未プレイの人は新鮮に感動してもらえると思いますし、プレイ済みの人はキレイになった良さを実感してもらえると思います。
本当に丁寧に丁寧に、細かなところも地道に手直しして仕上がっていますので。「KHIII」での物語の終着に向けて「KH2.5」をプレイしてもらえると、3をより楽しんでもらえると思います。
――ありがとうございました。
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