インタビュー
NESiCAxLive「ヤタガラス Attack on Cataclysm」声優陣6名の収録現場で直撃インタビューさせていただきました!
伊達忠智さん、LIQU@。さん、中原麻衣さん編
(2014/2/25 00:00)
伊達忠智さん(数珠丸恒次役)
――数珠丸は拳法キャラということで、声の張ったセリフが多かったと思うんですが、いかがでした?
● 1番難しかったのはやはり怪鳥音ですね。通常の蹴りとかならばできるかな、と思っていたんですが、初めて怪鳥音を出すことになったので、できるのかなと。そのために「ブルース・リー」の作品を見てイメージトレーニングをしてきました(笑)。「あ、この顔なのか」と。
――イメージ作りは大事ですよね。
● 「あ、多くを語らないんだ、ブルース・リーは……。なるほど」とか。
――技名とかも噛んじゃいそうなものがありましたよね。
● アイヌ語は難しいですね。小さい「ム」とか。アクセント辞典を調べても載ってないという。意味はすべて調べてきたんですけれども。当日スタジオに来て教えていただいて「ああ、そういう感じになるんだ。では、演らせていただきます!」って感じでしたね。
――収録中も「どんな技ですか?」って質問されてましたね。アレが山場という感じですかね。格闘ゲームならではというか。
● 蹴りなのかパンチなのかで違うでしょうし。あとは個人的に気になっていたのかもしれません。こういう機会はなかなかないですからね。やられ声とかも。楽しい収録でした。
――このお仕事が決まった、というときはどんな印象でした?
● ずっとゲームに出演したかったんですが、格闘ゲームと聞いて「おお!」と。仲間が結構プレイするので、「これはいい報告ができるな」と。僕はすごく下手なんですが、周りが強くて負けてばかりで、初歩から教えてもらってますね。「とりあえずガードしろ」と「ダウンしたらレバガチャするな」と(笑)。空中ガードも最初は頭の中になくて。「マリオ」とか遊んでいたので、ない感覚だったので。あとは中段の恐ろしさを知りました(笑)。あとは「コンボを練習しなさい」と。
――大事なことをちゃんと教わってきたんですね(笑)。「数珠丸」というキャラについてはいかがですか?
● 外見がもうすごく渋いキャラで、声も低い感じで、どしっとしたキャラなのかなと思っていたんですが、セリフを見せていただいて「ホワチャー!」って言ってて、「この顔で『ホワチャー!』か」と。筋肉系と中華拳法の組み合わせで、さらに「下忍」という組み合わせが面白かったです。
――アイヌ語と中国拳法と忍者と、組み合わせが珍しいですね。収録も楽しそうにやってらっしゃってましたね。アーケードゲームの声を当てられるのは初めてというお話でしたが、いかがですか?
● あの喧騒の中で「ホワチャー!」が聞こえてくるのか、と思うと(笑)。数珠丸VS数珠丸だったら相当うるさそうです。これで僕もゲームセンターに行く機会が増えそうです。
――自分が声をあてられるキャラを自分で操作するって、どんな感じになるんですか? 私にはわからない感覚なので(笑)。
● どうなるんでしょうか? 一緒に声が出ちゃうんですかね? 自分で声だけ出ちゃって、技が出てなかったりして(一同笑)。
――ドッキリしちゃいますね。フェイントに使ったりできたらいいですね。
● 相手が負けてるのに「台の向こうで勝ちゼリフ言ってるよ」ってことになったり。
――それは次の対戦へのモチベーションにつながるかもしれませんね。「俺は負けてない!」って(笑)。ありがとうございました。
LIQU@。さん(雛役)
――PC版から新たに再収録されたということで、「ヤタガラスAC」の依頼のお話を聞いて、いかがでした?
● それはもう……「ヤタガラス」をshizaさんがコツコツと進めてらっしゃって、バージョンアップを繰り返して長く続けて来られたんですよね。そのときからおつきあいさせていただいているので、「AC」でドンと世に出ることになってすごくうれしかったです。私の声もPC版を録ってから時間が経っているので……スタジオで、「音割れを気にせず叫べるんだ!」というのがうれしくて、のびのびと、しかも新しい声でできる、と思って。
私はPC版では雛と霜の2役だったんですが、「AC」では雛の担当ということで、どういう形でもうれしかったんですが、雛に集中できる、というのもうれしかったです。とにかく「おめでとう!」という感じですね。
――もう、なんだかファンの目線ですね(笑)。
● スタッフの皆さん、お仕事も大変なのに、ACはさらに大変だろうな、報われたんだろうな、と。声だけの出演ですが、うれしかったですね。
――録り直すにあたって、注意されたことはありますか?
● 「AC」になることで、初めて知るキャラクターの設定などもあったんですよ。「このキャラって今までこういうセリフがあったんだけど、それはこういう意図だったんだな」というところを知ることができたので……。雛が半蔵に対して憎しみというか、怒りみたいなものをもっている。だから彼女に対しての言葉はそういうニュアンスを含めるんだ、とか、霜に対してもやさしくしたいのになかなかできない、とか。だんだん愛着がわいてくる、という感じでした。
――久しぶりに雛の声をあてられて、いかがでしたか?
● 昔録ったものよりは、今のほうが成長している、と思いたいので、いい環境で、今の状態で、雛に集中して録り直せる、という意味でポジティブに捉えさせていただきました。
――収録も自ら「もう1回」ってリテイクを出されていましたよね。そこから思い入れを感じました。
● PCのときは、家で自分の感覚で何度も聞きなおして、細かく録り直しができたんですが、スタジオの収録となると、自分の声をスタッフの皆さんが聞いてすぐに判断、ということになるので……1番最後に気になったのはやられ声だったんですけれども……たしかにやられ声が迫真じゃなかったら、決まらないなあって思って。ちゃんと録れてるといいんですけれどね(笑)。
――声を演じられると同時に、PC版で主題歌も担当されていらして「AC」でも主題歌を歌われるということに対してはいかがですか?
● 「カタワレ」というOP曲は、PC版の歌詞は1番しかなかったんですよね。コミケでCDを頒布したりしたんですが、その当時から「フルバージョンも待ってます」といった声が複数届いたりしていたんですが、「このタイミングでフルバージョンが歌えるんだ!」というのもうれしくて……。録ったのは2年前ぐらいだと思うんですが、声も歌もセリフも今の状態で録音しなおせて、前より力強く歌えたかな、と。「一新」っていう感じで。昔の段階を踏んでの新しい録り直しだったので、自分の中で納得行くものになったかと思います。
――セリフ収録でも昔の自分よりは演技の幅が広がった、という感覚ですか?
● 長ゼリフということではないですが、戦うとき以外のセリフでも、昔よりは流暢に言葉が出るようになったので、そこは手ごたえというとおこがましいですが、「あ、しゃべれてる!」って感覚でしたね。
――LIQU@。さんはニコニコ動画で「歌ってみた」からスタートされて、声優さんという形で参加されたのは「ヤタガラス」からですか?
● PC版のときに声をかけられた時点で2回目でした。それまではボイスドラマに参加したことはあったんですが、それを聞いたshizaさんが声をかけてくださったそうなんです。声をかけてくださったのはすごくうれしかったですし。歌を歌うのも、声をあてるのも、漫画もアニメも好きなので「やったぜ!」というテンションでノリノリでした。
――収録の模様を聞かせていただいたんですが、違和感がなくて、今お話伺ってびっくりしました。
● 家で1人で勝手にマンガのセリフに声をあてたりするのが好きなんです。田舎なので、夜中に大声を上げても誰も文句を言わないので、練習とは言わないですが……。
――段取り含めて、ニュアンスの修正など、素早く対応されていて、収録に慣れてらっしゃるな、と思っていたのですが……。
● スタジオ収録って、すごく苦手なんですよ。録音の手間をかけさせてしまうし、今まで自分で聞いて時間をかけて……ということをやってきていたので。今日も、音割れのない環境で収録できる、というところはすごく楽しみだったんですけれども、「手間をとらせたらどうしよう?」とずっとドキドキしていて……今はとり終えてホッとしているんですけれども、心臓には悪いですね(笑)。やりとりもそれっぽく返事をしているだけで「メモ取らなきゃ!」とか必死でしたね。
――雛というキャラはツンデレ的な雰囲気を資料から感じたんですが、そういうキャラはどうでしょうか?
● 雛はすごくまじめで、自分の正義を周りに伝えたいんですけれども、口調がきつくてまっすぐな子なので、力で制すしかない、という感じなんでしょうね。妹である霜にはもうちょっとやさしく当たりたいんでしょうが、なかなかうまくいかなくて……ツンデレだな、なかなかいい姉キャラだなと思います。PC版のときは姉妹だよという設定しか聞かされていなくて。今回の資料で、他のキャラクターを含めてかなり濃いキャラが多いんだな、ということがわかって、すごく萌えを感じるというか、「アニメでこの娘たちをみたいな」と。雛のツンデレはいいですね。一見きつい感じに見えるかもしれないけれども、意外とやさしくしたい気持ちを持っているんだな、と。そういうところを伝えていきたいんだなと。
――ちなみにゲームはどんなものを遊ばれますか?
● 格闘ゲームはボタンを適当に押してゴリ押しするタイプですね。恋愛シミュレーションとか好きでやりこんでました。
――「ヤタガラスAC」が稼動したら、ゲームセンターに見にいったりします?
● したいです! 「ヤタガラス」も「グルーヴコースター」も「どっちもはしごするしかない!」って思ってます。
――「グルーヴコースター」にも「ヤタガラスAC」とのコラボレーションで「カタワレ」が収録されるんですよね。自分の曲が音ゲーに収録されるご気分はいかがですか?
● 以前、コナミさんのボーカリスト募集があって投稿したことがあって、1次審査は通ったんですが落ちてしまって「自分の歌が音ゲーに入ったらいいな」って思ってたんですよ。それが、こういう形で自分のボーカルを音ゲーに収録してもらえることになったというのが、「あ、伏線が回収された」っていうか、「自分の夢がかなった!」と。私の中ではもう「ヤタガラス事件」です(笑)。「グルーヴコースター」はボタンも少なくて初心者でも遊びやすそうなので、はやくやってみたいです。
――そちらも楽しみです。ありがとうございました。
中原麻衣さん(エイジャ・ソールズベリー役)
――まず、演じてみての「エイジャ」の感想をお願いします。
● まず資料をいただいて、凛としてカッコいい女性なのかな、という印象を受けて、台本を読ませていただいても、とにかく芯が強くてカッコいい女性をイメージしながら、スタジオで細かいキャラクター設定や立ち位置を聞かせていただきつつ、収録に臨みました。
――印象に残ったセリフなどはありましたか?
● 必殺技がカッコいいので、楽しかったですね。全部。カタカナセリフだけでなくて「撃(うつ)」とか「穿(うがつ)」とか、ちょっとしたセリフもカッコいいキャラクターですね。
――必殺技を叫ぶというのは、やっぱり熱が入りますか?
● 私自身、高校生ぐらいのころにアーケードゲームがすごく流行っていて行っていたので、ちょっとテンション上がりますよね。
――そのころはどんなゲームを遊ばれていました?
● ちょうど「ストリートファイターII」とか「The King of Fighters」とか。「サムライスピリッツ」にはハマリました。すごくヘタクソなんですけれども、格ゲーって演出がカッコいいじゃないですか! それを見ているだけでも楽しかった。どちらかといえば見てるほうが楽しかったですね。
――「ヤタガラスAC」も稼動したら見てみたいですか?
● うまい人たちが遊んでいるプレイは見てみたいですね。でも、自分のキャラが負けているのをみるのはイヤですけれども(笑)。
――アーケードタイトル、しかも格闘ゲームの声をあてられるのは、珍しいのかな、と思うのですが……。
● やっぱりコンシューマーゲームが多かったりするので、確かにアーケードタイトルはそんなにやっていないのかもしれないです。でも、ゲームセンターに行って遊ぶのは、いろんな方に遊んでいただけると思うので、楽しんでいただければな、と思います。
――エイジャは結構重要な役どころみたいですが……。
● 嫌われないといいですね(一同笑)。
――エイジャのストーリーを見させていただいたんですが、かなり波乱万丈というか、大変な人生を送ってるキャラクターのようですね? 気持ちの強そうなキャラクターですね。
● 何か抱えているものが大きそうなキャラクターですね。ベクトルがずれているかもしれませんが、すごくアツいキャラだと思いますね。
――ゲームの収録ということで、今回は動いているものを見ない状態で収録されていらっしゃいましたが、そういったときのイメージ作りってどうされているんですか?
● やっぱり、過去の自分がプレイしてきたものだったりとか……。ここはこういうセリフなんだろうな、という感じでやってますね。まったくやっていない人よりは、理解するのが早いと思いますね。ストンと入ってくる感じがします。
――中原さんが演じられるキャラクターって、どちらかというとやわらかめの女の子、といイメージがあるんですが、エイジャに関してはどうですか?
● 普段の自分のしゃべり方だったり、パーソナルな部分と真逆で、逆に演じていて楽しいですね。難しいですけれどもね。ビシッと収めるというか、流れないように流れないように……ちゃんとお腹に力を入れて、というか。そうじゃないとふんわりしてしまうので。
――格闘ゲームのお仕事って声を張ることも多そうですし。大変そうだな、と思うのですが……。
● 声を張るのは喉的には大変だけれども、喉を張らなくても大変な現場もありますから、1つ1つ大切に、真剣に……。でも、ゲームの収録はやっぱり孤独ですよね。「VS○○」というときも、想像力で「このキャラはどういうビジュアルなんだろう?」とか、想像しながらやるしかないので。
――製品版を改めてみたら新鮮なのかもしれないですね。
● どっかで、遊べたらいいな……(一同笑)。
――最後に、稼動を楽しみにされている格闘ゲームのファン、中原さんのファンにメッセージなどいただけますか?
● こうしてアーケードゲームに参加させていただいて、勝ち抜いていかないと会えないキャラクターだったりするので、ぜひたどり着けるように腕を磨いて、勝ち進んでいっていただけたらなと思いますので、楽しんでプレイしてみてください。
――ありがとうございました。
(C)ヤタガラス開発チーム