アラリオ/Wemade、三国志アクションMMO「蒼天」開発者インタビュー
「大切なのはレベルよりもプレーヤースキル!」 ゲームの魅力を開発者に聞いた


12月1日開催

アラリオ本社



「蒼天」はゲームパッドでも操作可能なアクション性の高さが特徴

 アラリオ株式会社は12月1日、三国志の世界観をモチーフにしたMMOアクションゲーム「蒼天」の日本運営を正式発表した。「蒼天」は韓国Wemade Entertainmentが開発したオンラインゲームで、すでに韓国のほか、台湾やシンガポールなどのアジア各国でサービスが行なわれている。中国を統一するというストラテジックな要素と、「真・三國無双」シリーズを彷彿とさせる多彩なアクションという2つの要素を融合したゲームだ。

 ユーザーの投票で決まった戦場で、最大100人対100人で、ノンターゲッティングシステムによる乱戦が繰り広げられる。操作はキーボードでも可能だが、開発初期段階からゲームパッドに対応しており、ゲームパッドを使えばより直感的な操作が可能だ。プレーヤーは、魏・呉・蜀のいずれかの勢力に所属して戦争によって領土を取り合い、最終的には中国の統一を目指す。

 今回の発表会には、アラリオの関係者に加えて、開発元のWemade Entertainmentの「蒼天」開発スタッフも同席しており、発表会の後に「蒼天」開発プロデューサーのキム・ジンウク氏と、アラリオのプロジェクトマネージャー、キム・ソンファン氏からゲームの詳細についてインタビューを行なう事ができた。短時間のインタビューではあるが、発表会レポートでは伝え切れなかった「蒼天」の魅力について、さらに詳細をお伝えしたい。



■ 戦争は、専用のフィールドでレベル別にいくつかのエリアに分かれて行なう

Wemade Entertainmentの「蒼天」開発プロデューサー、キム・ジンウク氏
アラリオ、プロダクトマネージャー、キム・ソンファン氏

――このゲームの1番魅力的だと思う部分はどこですか?

キム・ジンウク氏: 中国大陸を舞台に、三国志のロマンを再現した大規模な戦争を、自分が武将となって楽しむことができる点です。派手なアクションでたくさんの敵兵を斬り伏せたり、あるいは敵に囲まれた窮地をコントロールで回避できるなど、スリルある戦争を楽しむことができます。また、三国の勢力状況を見極め、さまざまな政策を提案することができるため、ほかのユーザーから自分の政策が支持されたときは、三国志の軍師になった喜びを味わうことができます。ほかにも、プレーヤースキルが重視されるシステムなので、自分のキャラクターコントロールが上達すれば、ほかのプレーヤーに自慢できることも魅力的なポイントだと思います。

キム・ソンファン氏: 戦力シミュレーションとしての楽しみと、アクションゲームとしての楽しみが融合している所です。両方の楽しみ方ができるので、人によっていろいろな遊び方が生まれるのではないでしょうか?

――「真・三國無双」に似たゲームだと言われていますね

キム・ジンウク氏: 「真・三國無双」はすごく派手なアクションが楽しいゲームです。「蒼天」も同じようにアクションがあり、さらにそれをコミュニティの中でプレイできるという部分が違います。「蒼天」では、大勢と一緒に戦えるというところがとても重要なのです。

――戦争は一般フィールドではなく、専用のエリアで行なうのですか?

キム・ジンウク氏: そうです。ワールドマップにある都市の数だけ戦場があります。地域によっていろいろな形の戦場があります。

――大人数で戦争をするゲームでは、勢力間の人数バランスが非常に重要になりますが、「蒼天」ではそのバランスをどのように調整するのですか?

キム・ジンウク氏: 人口比のバランスを取るために、ユーザーにペナルティを与えたり、逆にボーナスを与えたりして、ユーザーが自発的に勢力を移動しやすい環境を作ります。日本ではクローズドβテスト(以下、CBT)が終わった段階で、改めてバランス調整を行なう予定です。

――低レベルの段階から戦争に参加できるそうですが、高レベルのプレーヤーに一方的に倒されたりはしないのですか?

キム・ソンファン氏: 韓国の仕様では100人対100人の戦場の中でレベルごとに入れる場所が違っています。高レベルは低レベルの戦場にはは入れません。日本で、レベル分けがどうなるかはまだ調整中で、確定はしていませんので韓国の数字とは変わる可能性があります。



■ 戦争の提案は、ポイントがあれば“誰でも可能”。指揮官は戦争ごとに投票で決定

戦争の提案は、ユーザーによって行なわれ、ユーザーの投票で決まる
ワールドマップを見ながら戦略を練っていく

――戦争の提案は誰が行なうのですか?

キム・ジンウク氏: 特定のクエストを行なうとポイントがもらえるのですが、そのポイントを使って次の戦争を提案する事ができます。ポイントさえ持っていれば、すべてのプレーヤーが提案する事ができるわけです。

――本作では、指揮官の人が全軍にメッセージを送ることができますが、戦争の指揮を取る人はどのように決めるのでしょうか?

キム・ジンウク氏: 投票で決まります。戦争が成立した時に、この人にしたいとプレーヤーが推薦するのです。その後1分程度の投票時間があって、賛成が過半数ならその人が指揮官になります。

――1つの戦場に入れるのは最大200人ですが、それ以上の人数が戦争をするにはどうすればいいのですか?

キム・ソンファン氏: 基本的に大規模戦以外に戦争のインスタントダンジョンはありません。ただ、同時に大規模戦エリアの周囲でも、中規模な戦争が行なわれるので、こちらに参加することはできます。この中規模な戦争は大規模戦にも影響される要素となっているので、とても重要です。大規模戦に参加するにはチケットが必要です。チケットが配布された順番で戦争に参加することができます。

――同じ時間に開催されている1つの戦場の勝敗がついた場合、他の戦場に移ることはできるのですか?

キム・ソンファン氏: もし国家のほかの地域でも戦争が発生した場合、すぐそこに参加することができます。でも、チケットをもらったプレーヤーから順番に大規模戦エリアに入場するため、待っている人数によって状況は変化します。



■ 武器は12種類。強さを決める最も重要な要素はプレーヤースキル

12種類の武器の中には、遠距離用、近距離用のものがある
「レベル差があってもいくらでも逆転チャンスはありますよ」とキム・ジンウク氏

――キャラクターは男女とも選べるのですか?

キム・ソンファン氏: キャラクターの性別はクラスで固定です。顔と体型はいくつかのパターンから選ぶことができます。ここは直していきたいと思っているのですが、おそらくCBTでは現行のままになると思います。

――武器の種類は何種類くらいあるのですか?

キム・ジンウク氏: 剣や棍、両手剣、盾、鈍器、弓など12種類があります。

――楽器は武器の一種なのですか?

キム・ジンウク氏: 楽器を使うには、楽器と楽譜が必要で、クエストでもらったり、店から買ったりします。楽器を使う事で、例えば攻撃力や、防御力などのステータスを上昇させる事ができます。

キム・ソンファン氏: 戦闘の補助的な役割を持っているため、楽器だけを担当しているプレーヤーもいるんですよ。楽器はすべてのクラスで使用することができます。

――武器の合成や武器の強化もあるという事ですが。

キム・ソンファン氏: 武器は店で買ったり、敵からドロップしたり、合成で作ったりできるのですが、同じ武器でも店で買うよりドロップや合成のほうがステータスの高いものが入手できる可能性があります。ステータスの高い武器を強化していけば、もっと戦闘を有利に進めることができます。

――攻撃はボタンの組み合わせによって行ないますが、コンボシステムのようなものはあるのでしょうか?

キム・ソンファン氏: システムとしてはありませんが、自分なりのコンボを作っているユーザーさんはいます。このスキルはこの順番で使うと決めておいて、その順番にボタンを押していくわけです。どのスキルをどのタイミングで出すかが大切ですね。

――スキルにクールタイムはあるのですか?

キム・ジンウク氏: スキルを使用するためのスキルゲージがあります。そのゲージのエナジーがなくなるとスキルを使用することができなくなります。ですから、スキルを使うためのペース配分が重要になります。

――ムービーの中で、馬に乗って戦っている映像がありましたね

キム・ソンファン氏: 馬は主に移動用に使いますが、馬上攻撃もあります。攻撃の種類は、今後追加されていくと思います。

――キャラクターの強さを決める、もっとも重要な要素は何でしょうか?

キム・ソンファン氏: プレーヤーのコントロールスキルですね。やはりアクション性の高いゲームなので、プレーヤーの操作の腕が重要です。

――レベルや武器の強化によるステータスアップは、あまり戦闘に関係しないのですか?

キム・ジンウク氏: 武器の強化はキャラクターの操作と同じくらい重要です。ただ、レベルや武器のステータスで負けていても、プレーヤースキルがあれば逆転は可能です。

――コントロール能力でどれくらいの差を乗り越えることができますか?

キム・ジンウク氏: 例えば、私がキム・ソンファンさんとプレイをしたとします。キム・ソンファンさんがレベル50、私がレベル30だったとしても、私のほうがプレイの経験が豊富ですから勝てるでしょう。たぶん酔っていても勝てると思いますよ(笑)。

――レベルキャップはいくつですか?

キム・ジンウク氏: まだ決まっていません。しかし段階的に開放していく予定です。CBTでは限定的にして、オープンβテスト(以下、OBT)からレベルキャップは開放しますが、戦争についてはOBTにも何らかの制限がはいると思います。



■ クエストでは、ソロやパーティーで三国志のストーリーを楽しめる

クエストでは、三国志の有名武将と共にストーリーを楽しめる

――RvR以外にはどんな要素がありますか?

キム・ソンファン氏: 三国志のシナリオを楽しむクエストがあります。三国志の様々なストーリーをクエストにしました。それ以外にも、英雄を守るクエストや、兵糧の輸送、敵軍にスパイをして潜入するなどたくさんのクエストが用意されています。

――クエストの中では、魏・呉・蜀以外の英雄も出てくるのですか?

キム・ソンファン氏: そうです。英雄はみんな出てきます。董卓も出てきますよ。

キム・ジンウク氏: クエストだけではなく、戦場にも出てきます。色々な種類の戦場のあちこちに英雄たちが出てきます。

――クエストはインスタントマップの中で行なうのですか?

キム・ソンファン氏: インスタントマップではなく、「地域戦エリア」というフィールドで行なわれます。パーティープレイも可能ですよ。パーティープレイの場合、最大8名でパーティーを構成する事ができます。ギルドシステムも用意されています。

キム・ジンウク氏: ギルドは基本的に同じ国のプレーヤー同士で組みます。他の勢力に移る時には、脱退しなければいけません。

――他に将来的に導入を考えている要素はありますか?

キム・ソンファン氏: ペットシステムは欲しいですね。他にも企画はたくさんあります。


クエストには戦闘するものだけではなく、潜入やお使いなどバリエーションがある



■ 知力をつくした戦略と、武勇を振るう戦争。「三国志の世界を楽しんで」。

「多くの人に『蒼天』の三国志を楽しんで欲しいです」と両氏

――日本でのビジネスモデルは、どのような形で考えていますか?

キム・ソンファン氏: 基本料無料のアイテム課金で考えています。どのようなアイテムを課金アイテムとして入れるかは、まだ未定です。

――日本でサービスを開始するにあたって、抱負を聞かせてください

キム・ジンウク氏: 政略やアクションで、三国志の世界を楽しめるように作っています。日本人の人にも「蒼天」の三国志を楽しんで遊んで欲しいです。

――最後にユーザーへのメッセージをお願いします

キム・ジンウク氏: 日本には三国志のファンが多いと聞きます。広い大陸で遊びながら、三国志をもっと知って欲しいと、強く思っています。たくさんの方が参加して欲しいです。

――ありがとうございました


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(2009年 12月 11日)

[Reported by 石井聡]