「僕たちの気持ちも載せて、優勝して欲しい」。N高「Team No Plan」、決勝戦進出を決めた同門「KDG N1」にエールを贈る

　第3回全国高校eスポーツ選手権「リーグ・オブ・レジェンド」部門の決勝大会では、初戦からN高等学校チームの同門対決となった。Bo1（1ゲーム先取）にて行なわれた準決勝において、「KDG N1」は「Team No Plan」を下し決勝進出を決めた。

　敗退した「Team No Plan」は「思った以上に実力の差を見せつけられた。悔しいです」と語る。「KDG N1」とは同校ということもあって練習試合をした経験もあり、手の内はある程度わかっていたはず。相手は格上のチームながら「Team No Plan」も練習と努力を重ねて「もうちょっといい試合ができるはずだった」が、大舞台での緊張、そして想定以上の実力差があり、自分たちがやりたいことができず、相手のやりたいことを止められなかった。

左からzyunizyunia選手（SUP）、Kαine選手（TOP）、リーダーのCalamitγ選手（JG）、けいぜる選手（MID）、ezman選手（ADC）

　選手たちは自分たちのプレイに対して100点満点中「10点前後」という厳しい評価を下しており、中でも最序盤、KDG N1に押されてしまったBOTレーン、ADCのezman選手は「0点」とする。また、レーンで優位に立っていたTOPのKαine選手は「有利を取れてアイテムも早めに完成していたのでもっと味方を助けられたはず。得た有利をチームに広げることができなかった」と悔しそうに語り、チーム中唯一プレイに対して「50点」と答えたMIDのけいぜる選手は「レーン戦は悪くなかった。ただ、ビビって前に出られなくなってしまったり、警戒が足りずに倒されてしまったことがあった」と試合を振り返る。

　実は本チームのリーダーを務めるCalamitγ選手は、実は昨年まで横浜市立南高校の「LoL」チーム「The Grateful Feed」の一員として活躍していたが、eスポーツに専念するためN高に転校。本大会に参加したという経歴を持つ。そのきっかけは「第1回 全国高校eスポーツ選手権」で、「LoL」の、そして大会に出るということの楽しさを知り、転校という決断に至ったのだという。その手応えとしては、「N校は通信制ということで学校に通う時間を自分の好きなことに費やすことができる」、「『Team No Plan』は寄せ集めみたいなチームではあるけれど、それでも実力あるメンバーが集ってくれた。N校は特にメンバーを集めやすい環境」とのこと。また、「これからも『LoL』に携わり、プロを目指したい」と語ってくれた。なお、ezman選手も「もっと頑張って将来はプロを目指したい」と、プロ入りへの熱意を見せていた。

　Calamitγ選手は自らを下し、決勝に進んだ「KDG N1」に向けて、「自分たちの想いも載せて、優勝して欲しい」とメッセージを送った。「Team No Plan」として、2年生のけいぜる選手は「LoL」を続けるか、進学するかを悩んでいるとのことだが、zyunizyunia選手とKαine選手は「来年も大会に出たい」と語っていた。KDG N1も3年生4名、1名のみ1年制ということで、あるいはN校の名を冠し、メンバーを一新した新たなチームが生まれるのかもしれない。N校「LoL」チームのこれから、そしてプロ志望のCalamitγ選手、ezman選手の将来に期待したい。