ルネサンス高等学校曰く「『LoL』というゲームはチームでやると最高」

　第3回全国高校eスポーツ選手権「リーグ・オブ・レジェンド」部門の決勝大会における準決勝戦2戦目では、互いにeスポーツに特化した学科/コースを擁するルネサンス高校とアートカレッジ神戸が対決。アートカレッジ神戸「アートカレッジ神戸A」がBo1でルネサンス高等学校「野菜鶏レモン味」を下して決勝戦へ進出した。

　「野菜鶏レモン味」は敗退してもなお明るい。もちろん敗北の悔しさも滲ませていたが、メンバーたちは口々に「最高に楽しかった」と口にしていたのが非常に印象的だった。

ルネサンス高等学校「野菜鶏レモン味」。メンバーはまじょ選手（TOP）、Akagi選手（JG）、リーダーのごっとふぃすと選手（MID）、Ruler fan選手（ADC）、tenda318選手（SUP）

　試合の展開としては終盤まで「野菜鶏レモン味」がリード。そのまま勝っていてもおかしくはない試合だったが、「ドラゴン」の取り合いで「アートカレッジ神戸A」がリードを奪い返し、逆転勝利を収めた。ごっどふぃすと選手はこの勝負を決めた局面について「セットアップは悪くなかったし、『ドラゴンを取りにいく』という判断は良かった。ただ、確実に向かってくるであろう相手に対してドラゴンを取り切るか、反転するか、どう対応をするかに迷いが出てしまい、それが勝敗を分けた」と振り返った。

　「野菜鶏レモン味」のチームメンバーは本大会のエントリー時期、実は誰一人「LoL」に対するやる気がない時期にあったのだという。「むしろ出たくない」までの心情だったそうだが、「折角こういう（eスポーツコースがある）高校にいるんだし、出るか」というノリで出場を決定。「楽しむこと」をモットーにしつつ結果的にベスト4まで勝ち上がることができ、「この選択をしてよかった、本当に楽しかった」と語る。勝敗にこだわる性分のごっどふぃすと選手はもちろん「負けてすごく悔しかった」が、「楽しむことに関しては悔いがない」と胸を張った。また、これまで”一日中「LoL」をやるような人生”を送ってきて、「今日のことだけを考え続けてきた」ごっどふぃすと選手は大会が終わってしまって「頭真っ白」だとしつつも、「『LoL』というゲームはチームでプレイすると最高なゲームだと実感できた」と語っていたのが非常に印象的だった。

　なお、今年で卒業となる3年生のAkagi選手は第1回の全国高校eスポーツ選手権から大会に参加しており、そこでeスポーツの楽しさを知ったという。元々野球をやっていたが、野球というフィジカルスポーツで得られるような成長をeスポーツでも体感することができ、今後もeスポーツで得た経験を生かして頑張っていきたいと語っていたほか、同じく3年生のtenda318選手もeスポーツにのめり込み、活動してきた体験を活かせる進路を選んだそう。

　現在2年生のまじょ選手とRuler fan選手。Ruler fan選手はFPSもプレイしており、「LoL」とFPSのどちらに集中するか検討中とのことだが、まじょ選手は「またメンバーが集まれば大会に出たい。しばらくはソロでフィジカルを磨いていく」と継続して「LoL」をプレイしていく心構えだ。

　決勝戦に進んだ「アートカレッジ神戸A」に「研ぎ澄まされたプレイで頑張ってください」というエールを贈った「野菜鶏レモン味」。チームとしては学校に残って確実に「LoL」活動を継続するのはまじょ選手のみ、という意味で、来年度はどのような形でルネサンス高等学校が「LoL」に取り組んでいくのかはわからない。しかし、「楽しみながら結果を出す」という功績を残した同校には、是非そのエッセンスを文化として引き継いでいってもらいたいものだと思う。選手たち、OBとなる選手たちの今後に期待したい。