インタビュー
開発者が語る「トロピコ 6」の魅力! 今作は複数の島を持つ国家を舞台に、住人達の幸福度にフォーカスした国家運営が可能に!
2019年6月28日 11:31
スクウェア・エニックスは独裁国家運営シミュレーション「トロピコ 6」のPS4版を9月27日に発売する。「トロピコ 6」はSteam版が3月に発売されているが、コンシューマ版の発売に向けてさらなる調整を重ねているところだという。
E3期間中会場で開発元のLimbic Entertainmentで、本作のリードレベルデザイナーを務めるMark Mussler氏にシリーズ最新作である本作の魅力を語ってもらった。今作はSteam版が好評で注目も集めているという。
Mussler氏が今回、「トロピコ 6」の魅力として強調したのは「島の発展性」である。「トロピコ」シリーズはシリーズはカリブ海に浮かぶ小さな島の独裁者として、国を運営していくシミュレーションゲームである。島の管理者としてスタートし、街を発展させ独立国家を築き、世界大戦を乗り越え、冷戦時代では大国との駆け引きを経て、"トロピコ"を大きくしていく。
シリーズ最新作である「トロピコ 6」では"複数の島を開発する"という所を目指したという。本作は複数の島を同時に開拓できる。各島を発展させ、橋を架けることで、住人達の行き来が可能となる。道路は直感的なインターフェースで引くことができる前作をプレイした筆者は、今作は特に「都市開発シミュレーション」としての側面が強くなっていると感じた。
道路にはバス停を設けることができるのだが、こうすることで自家用車を持っていない住人達も長距離移動が可能になり、島の中での行き来がより活発になる。工場と住宅地をバス停で結ぶことで、産業の効率も向上する。交通インフラの向上は住人の幸福度上昇に繋がる。この他、健康や娯楽など住人の様々なパラメータを見ていくことで、島の発展をより効果的に行なうことができるという。
またトンネルを作って山を越えることができたり、ケーブルカーを使って高所への移動も可能になった。これまでのシリーズではマップは平面だったが、今作では立体的になり、自然な描写が可能になったという。これはUnreal Engine 4を使用したことで、表現がよりリアルに描けるようになったためだ。
カスタマイズも本作の大きな魅力の1つ。"プレジデンテ"の衣装や宮殿の装飾など、様々な見た目重視のオブジェクトも用意され、国を彩ることも可能だ。Mussler氏は特にこのカスタマイズ要素がお気に入りだという。シリーズには独特のユーモアセンスがあるが、このカスタマイズはそのセンスが色濃く出ている部分とのことだ。
コミュニティからの要望で実現したのが"邸宅の移動"。プレジデンテの宮殿が瞬時に移動可能になった。開発状況が変わり、大きな邸宅が運営の邪魔になったときなどは、別の場所に動かすことができる。移設だけでなく、空いた土地に代わりの建物を建設することも可能だ。
「トロピコ」はシリーズによって方向性が変わっている。「4」と「5」は時代の要求に合わせた国家運営という側面が強かったが、「トロピコ 6」は「3」の建築関係の充実に舵を切っているように思える。その上島を複数にすることでより凝った国の形を追求できるようになった。
ちなみに、「トロピコ 6」も前作「5」同様、時代の概念があり、植民地時代、世界大戦期、冷戦期といった時代の波を越えていくことが求められる。「5」はこの時代の制限が強く、プレーヤーは条件を達成するためのプレイが求められていたが、今作はより国民の幸福度がゲームに関係しているという。
今作は次の時代にすぐ移行するという選択はせず、よりじっくりと国家運営、街作りに注力できるようになった。「無料で住宅を住人に与える」といった思い切ったこともできるが、布告すると共産主義者からの支持率は上昇するものの、富裕層から反発が出るなど、メリットとデメリットがある。こういったバランスを考えながら、国家運営を行なっていく。
ファンへのメッセージとしてMussler氏は、「本作は独特のユーモアセンス溢れる作品です。そのユーモアを楽しんで欲しいと思います。日本のユーザーさんがどれだけ受け入れてくれるか楽しみです。今作は建築システムが充実しており、皆さんがどういった国を作るのか、楽しみにしています」と語った。
「トロピコ 6」はやはりその"島国としての景観"がとても魅力的だと感じた。筆者は前作をプレイしたのだが、時代の波がきつく、その条件を達成することが精一杯だった思い出がある。今作は国作り、街作りに大きなウェイトが置かれているとのことなので、どういった国が作れるか、ぜひプレイしてみたい。
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