インタビュー
【特別企画】「ウルトラストリートファイターII 交流会 in 心斎橋」参加レポート
「スト2」元チャンプ中野サガット氏主催のユーザーイベントに密着!
2017年10月27日 07:00
- 10月14日開催
- 会場:大阪心斎橋コンティニュー
今からさかのぼること1カ月前。「ウルトラストリートファイターII(以下、ウル2)の交流会を心斎橋で行なうというツイートが流れてきた。主催者は1993年に行なわれた「ストリートファイターIIターボ」の全国大会「ストリートファイターIIターボ チャンピオンシップ'93in国技館」チャンピオンである中野サガット氏。
初めて「ウル2」のオンライン対戦で中野サガット氏と出会ったときは、名前に記憶が無く、単に“飛び抜けた強さを持ったプレーヤー”という印象だった。その後、YouTubeLiveの配信を視聴した際に、元「スト2ターボチャンピオン」と知って、「なるほどそれは強いはずだ」と納得した。
その彼が大阪でオフラインイベントを実施するという。筆者は宮崎在住だが、日頃から地元の「ストII」プレーヤーとの交流会にも参加しており、トッププレーヤーとの交流会にも興味を持っていたので、中野サガット氏に参加する旨を伝えたところ、快諾してくれた。遠方からの参加であった為、「荷物になるからNintendo Switchとアケコンは持参しなくていい」との配慮まで頂いた。
本稿では、中野サガット氏主催の「ウルトラストリートファイターII 交流会 in 心斎橋」の模様をお届けすることで、交流会の楽しさをお届けできればと思う。また、中野サガット氏へのインタビューも実施したので、「ストII」ファンは合わせてお楽しみいただければと思う。
往年の「ストII」ファンが大阪心斎橋に集結
交流会当日、中野サガット氏と大阪心斎橋で待ち合わせをし、交流会会場に向かった。交流会の会場「コンティニュー」は“ゲームバー”と呼ばれる飲食店だと言うことは聞いていた。8ビットゲームをイメージした看板は、ゲーマーからみても、とてもかわいらしいデザインだ。店舗ビルのエレベーターの乗り、エレベーターが上昇するとともに、心が高揚するのがわかった。
ドアが開くと数々のゲーム周辺機器が出迎えてくれた。ゲームバーとはよく言ったものだ。店内所狭しと展示されたゲームソフトのパッケージ、周辺機器、ゲーム機本体達が、所狭しと展示されている。「ウルII」の交流会を行なう会場としてはこれ以上ない環境と言って良い。
一通り店内を散策した後、参加者が持ち寄ったNintendo Switch本体とアーケードコントローラーなどのゲーム機材を設営のお手伝いをした。ゲームバーのカウンターには、モニターが設置されており、参加者は持ち寄ったNintendo Switchとアケコン2台を次々とセットしていく。参加者が持ち寄った器材は下記の通り。
NintendoSwitch本体×5台
「ウルトラストリートファイターII」×5本
「リアルアーケードPro.V HAYABUSA for Nintendo Switch」×9台
参加者が持ち寄った「リアルアーケードPro.V」はボタンやレバーが静穏化されていたり、セイミツ製のパーツに交換されていたりと独自のカスタマイズを加えていたのがおもしろかった。会場の使用スペースの関係で4セットのみの設置となったが、交流会には十分だった。機材の設置が終わると、交流会開会の挨拶を主催の中野サガット氏が行なった。
中野サガット氏:「今日は遠い所から参加した人もいますけども、お集まり頂いてありがとうございます。『ウル2』の交流会を主催させてもらいました中野サガットです。今日は、みんなで楽しく『ウル2』ができればいいやと思ってます。適当に時間を見て15時くらいから大会でもやろうかと、さっき決まったばかりです。そんな感じでゆるーい感じでいきます(笑)。少ない『ウル2』勢をそして『ウル2』界を盛り上げる為に、交流を図ってもらいたいと思って企画しました。皆さまよろしくお願いします」
参加者からは、交流会への期待と感謝がこもった拍手が贈られた。中野サガット氏のあいさつの後、参加者で乾杯をした。大会ではなく交流会ということで、各自の自己紹介をすることになった。まずは中野サガット氏が自己紹介を行なったが、全国大会優勝後、「スト2」から離れていたという意外な事実が知らされた。
中野サガット氏:「今日来て頂いた参加者の皆さまは、きっと知っていただいていると思いますが、SFC版『スト2ターボ』の1993年国技館大会で優勝させて頂きました。『スパ2X』が当時高校1年くらいに発売されて、大会に出て優勝とかもしたことがあったんですけれども、高校2年くらいからバイトに勤しんでいまして、「スト2」からも離れてしまって、そこからずーとやってませんでした。
2017年の初めに、『ウル2』が出るのを知って懐かしいなあと思ったんですね。そんな中、たまたまここ(ゲームバー コンティニュー)に偶然来て、Twitterを始める話をバーの店員さんとしたんですよね。当時まだTwitterやってなかったんですけど、Twitterを始めてみたら「『スト2』やってる人がめちゃいるやんっ!(喜)」ってなって。その流れでゲーセンを調べたら、存在を知らなかったエンパラがあって。エンパラに行ってみると、当時、長瀬UFOにいたメンバーがいて、当時と同じく強いままというか、もっと強くなってました。そうすると『スト2』熱がまた再燃してきました」
※エンパラ=ゲームセンター。大阪における「スト2」界の聖地の1つ。
※UFO長瀬=ゲームセンター。大阪の格闘ゲームの有名店。2010年5月28日閉店。
その他の参加者の経歴も興味深かった。「ウル2」からゲームに復帰した人、格ゲー5年目の25歳、コンシューマー一筋の人、子育て終了後のハイパー復帰組、ネット対戦主体のバルログ一筋、「スト2」は最近初めて「ウル2」で本格的に始めたシューター、「スト2」国技館大会出場経験者、田舎でゲーセン環境がないスト2好きなど、大阪以外からも滋賀、千葉、和歌山、広島、宮崎など多方面から参加者が集まっていた。
自己紹介が終わると、参加者は4セットを自由に対戦する形式で交流会がスタートした。カウンター席に3セット、テーブル席に1セットが準備され、参加メンバーが入れ替わりながら次々と対戦が行なわれていく。ゲームバーでの開催である為、飲み物を注文するとすぐに準備される。談笑、攻略等の会話も飛び交い、和やかな雰囲気で交流会は進んでいった。
交流会ならではのゆるい大会運営と参加者の積極性
会場が盛り上がってきたところで15時を向かえた為、大会を開始することになった。
大会のルールは、以下の通り。
・2本先取のトーナメント方式
・使用キャラの途中変更OK
・豪鬼、洗脳ケン、殺意リュウの選択は禁止(ただしランダムの場合はOK)
参加者は14名で、豪鬼、洗脳ケン、殺意リュウは禁止という予定だったが、参加者である永田正月さんの「ランダムはOK?」という提案から、ランダム選択の場合は使用して良いというルールが加わった。この交流会のいい意味で緩い感じがここに表れているのも印象的だった。
この大会の模様はYouTube Liveで配信が行なわれ、実況解説は中野サガット氏が担当した。
初戦は、「スト2」レジェンドの1人永田正月氏と、若手のキャミー使いの対戦。永田正月氏はランダムセレクトを使用して使用禁止3キャラを狙う。1試合目をブランカを引いて負け。2試合目をベガを引き当て勝って3戦目につなぐと、殺意リュウを引き当てて会場が大爆笑と共にブーイングが沸き起こり盛り上がる。
1ラウンド目は、殺意リュウの牽制攻撃に、思い切りの良いキャミーがキャノンスパイクを何度もカウンターで決める。体力が少ない殺意リュウが力尽きてキャミー使いのラウンドを取る。
2ラウンド目は、殺意リュウの強技「旋風脚(中段攻撃)」からのコンボを決め取り返す。3ラウンド目は、ラウンド開始直後、キャミーが不用意に飛び込むと、殺意リュウが中竜巻で拾って、そのまま昇竜で追撃。ダウンした気絶リーチのキャミーをめくって気絶させると、中足→竜巻→昇竜拳のコンボで一気にトドメを刺し、永田正月氏が勝利した。再び会場が大爆笑とブーイングが起こりさらに盛り上がった。
5試合目に中野サガット氏と「ギルティー」勢のガイル使いとの対戦になった。初戦は中野サガット氏が、「スト2ターボ」全国大会を制したサガットを使用してガイルを圧倒。2試合目はランダムセレクトで殺意リュウを引き当てる。ガイル使いの方は、リュウ戦に対応できている立ち回りを見せ、殺意リュウの体力がみるみる減っていったのだが、ガイルが空ジャンプで着地し、気が抜けた瞬間に、殺意リュウが中間距離から届く旋風脚を使ってコンボを決め、ラウンドを落とすことなく勝利した。実況をしていた永田正月氏が「ひどいキャラを使う人もいたもんです!」と自虐ジョークを飛び出して会場をさらに盛り上げる。
※旋風脚=殺意リュウの見え辛い中段攻撃。ヒットすると中足払い→波動が入る。足払いの外から低空で飛んでくる強技。
2017年にあえて「スト2」をこだわって遊んでいるだけあって、参加者の立ち回りは個性に富んでいるように見えた。定石と思われる立ち回りはもちろんこなしているのだが、いい意味で裏切ってくれる行動を取るので、見応えのある対戦が多く見られた。
そんな中、ランダムセレクトを使って挑む、永田正月氏、中野サガット氏の両名はメインキャラ以外でも十分強いことが印象的だった。決勝は、永田正月氏を倒した「ホーク許さん」と自己紹介で語ったリュウ使いと、国技館大会出場経験のあるダルシム使いの戦いとなった。ダルシムの立ち回りが対応型で的確に牽制技、返し技を繰り出すのに対して、リュウは基本はしっかり踏まえていて、ダルシムを崩すために、いろいろ崩しネタを見せてくれた。結果的にリュウはダルシムを崩し切れず、ストレートで国技館大会経験者の方が優勝した。
大会中は笑い有り、熱い逆転劇が有りで、本当に面白い展開が続いて大いに盛り上がった。キャラ変更有りだったため、キャラセレ時から盛り上がった。相性が悪いキャラであっても、キャラ変更しない男気を見せる参加者がいたりと、とても爽やかな大会になった。大会の盛り上がりは、是非動画の視聴でも確認して頂きたい。
大会終了後も交流会は続けられた。オフライン対戦でしか対戦できない真・豪鬼を中野サガット氏が使って対戦して見せたり、視聴者からオンライン対戦の参加者を募って対戦したりと、Nintendo Switch版の「スト2」の特徴を前面に出した運営をされていた。オンラインの対戦では店内のWiFiを利用したためラグが強めだったが、その点は対戦相手もライブ視聴中であったため理解しており、問題なかったようだ。
撤収の時間が来て、締めの挨拶を中野サガット氏が行ったときに、各参加者が見せた笑顔と大きな拍手が、参加者達の交流会に対する満足感を物語っていたように思う。
私は今回の交流会を含めて、大阪で味わった「スト2」界が非常に楽しかった。遠方からイベントに参加したのだが、このような満足感を得ることができたイベントは初めてで、主催の中野サガット氏を含む、「ウル2」仲間の温かいお付き合いのおかげで、不自由なく楽しめたことに大変感謝している。
中野サガット氏は、今後も継続して交流会を実施していく予定だという。日程が決まり次第、Twitter等を通じて発表するとのことなので、次の交流会に参加したい方は、中野サガット氏のTwitterや配信をチェックすることをお勧めする。
中野サガット氏インタビュー
――今日はお忙しいところをお時間を頂きましてありがとうございます。今回の交流会は非常に雰囲気も良く、参加者の皆さんも満足されていたように感じられ、また次の機会とおっしゃる声も聞かれる程の盛況でした。
中野サガット氏:ありがとうございます。(笑顔)
――中野サガットさんについては、交流会で伺ったので、「ウル2」と近況を少し掘り下げたいと思っております。
中野サガット氏:よろしくお願いします。
――中野サガットさんは、「ウル2」の発売をきっかけに表立って活動を始めたと思うのですが、「ウル2」の情報が入ってからどういった流れで交流会開催に至ったのか、詳しく教えてください。
中野サガット氏:「ウル2」の発売のニュースが入ってきて、興味を持った時期にゲームバー「コンティニュー」の存在を知ったんですね。しかも春から職場が移動になって近いです。お昼の時間にも開店していて値段もリーズナブルだということが分かって来店したんですよ。その時にいらしたゲームバーの店員さんが、今の格ゲー界のことを詳しくて、昔「スト2」で優勝したこととか、もろもろ話したら「『スト2』スゲー」って話になって、「Twitterでもやったらどうですか。」って店員さんに勧められたんですよ。当時、僕はTwitterやってなかったんで。
――そしたら「スト2」を検索するとプレーヤーが今でもいたと。
中野サガット氏:そうですね。Twitterを始めたときに、国技館大会のビデオを見たことつぶやく人や、現役でゲームセンターの対戦をしている人がいることが分かったんです。「『スト2』やってる人がめちゃいるやんっ!」になるわけです。
中野サガット氏:それで初めのうちは、富山に在住のJUNさんとTwitterで知り合いになって、Twitterで交流しているうちに「1回遊ぼう!」という流れになって、SFC版「スト2ターボ」と「スーパーの交流会」をやったんですよ。
――おお! ということは交流会1回目があったんですね。場所はコンティニューですよね。
中野サガット氏:そうなんですよ。そのときは何人か呼び掛けてみたけど、そんなに誰も来なくて、JUNさんとその友達と僕と3人だけだったんですけどね。人数は少なかったけど、JUNさんはターボがやりたいって言っていて、僕はスーパーのほうが好きで、時間を半々くらいに対戦したんです。人数は少なかったですが、がっつり対戦できたので、JUNさん達は満足されたようなんですけどね(笑)。その後、ウル2が発売されるといった流れです。
――私が中野サガットさんを改めて認識したのが、YouTubeLiveのウル2配信だったんですが、投稿動画の履歴を見ると、2017年6月8日が一番古い動画なんですよね。「ウル2」が発売されたのが2017年5月26日なんで、ウル2が発売してすぐに配信されたようなんですが。YouTubeLive配信を始めるきかっけは何ですか?
中野サガット氏:はじめは「やってみようかな?」って程度の気持ちで考え出して「できるのかな?」って感じで調べたら、iPhoneのアプリで出来ることが分かってやってみたら出来た感じですね。これでいいのかなっとか思いながらやってました。
――始めて中野サガットさんのiPhoneを使ったゲーム配信を見たとき、目から鱗が落ちました。「こうすれば誰でもゲーム配信できるじゃん。難しいこと考えずに出来る!」って興奮したのを覚えてます。
中野サガット氏:でも、ピヨリ回復(レバーガチャ)で画面が揺れたりして地震が来たみたいになる弊害が(笑)。まあ「ちょっとやってみよー♪」ってノリで始めたので、楽しくやってます。
――配信を始めるにあたって、プライバシーや個人情報が表に出てしまうわけですが、抵抗などは無かったですか。
中野サガット氏:抵抗ねえ。そうですね。「スト2」界からというか、「スト2」を知っている人から見ると、知ってくれてる人がいるし、本名もばれてるしそんなには悩まなかったですね。
――中野サガットさんのチャンネルの情報を拝見したところ、動画の再生回数が始めて間もない割には、1回毎の再生数が多いんですよね。やはりスト2ターボチャンプのネームバリューは凄いなと思いました。最初の動画は4,000回以上再生されてるのにとても驚きました。
中野サガット氏:そうなんですか。そう言えば、しばらくエグい再生数が続くことがありました(笑)
――今回の「ウル2」交流会では、14名の参加がありました。やはり今回の参加人数が多かったのは、YouTubeLiveの配信が成功の要因だと思いますが、いかがですか。
中野サガット氏:まちがいなくYouTubeLiveのおかげだと思いますね。今回はTwitterなどの告知も少なかったので、集まるのか心配だったんですが、おかげさまで大盛況でした。集まった人数も「コンティニュー」で開催するには丁度良い人数でした。告知の仕方をもう少し考えれば、次の機会には人数がもっと増えるかもという期待もあります。
――若き日に「スト2」チャンプになった少年が、20年間「スト2」から離れていて、「ウル2」発売の情報から懐かしさもあって1人でレトロゲームに囲まれたゲームバーに立ち寄る。そこで格ゲー好きのバーテンダーと出会ってTwitterを始めたら、「スト2」の仲間と出会って交流会を開催する。始めての交流会は3人で同じゲームバーに集まって対戦を堪能する。その後、「ウル2」発売を期にYouTubeLive配信を始めて、「ウル2」の仲間の輪が広がり、「ウル2」交流会は中野サガットさんと共に14人で同じゲームバーのバーテンダーの元に戻ってくる。話を聞いていて、中野サガットさんと「スト2」との間には、運命の様なものを感じます。
中野サガット氏:(笑)。
――これからをYouTubeLiveの配信でやりたいことはありますか。
中野サガット氏:YouTubeLiveでは、今は特には何も考えてないんですよ。強いて言えば、最近になってPCを使った配信環境が何とか整ったので、iPhoneから卒業してPCでの配信をやっていきたいですね。
――iPhoneの配信も“ピヨリ復帰地震”が起きて面白いんですけどね(笑)。
中野サガット氏:地震は面白いですね(笑)。
中野サガット氏が思う「ウル2」の良い所悪い所
――それでは、「ウル2」について質問です。「ウル2」に対して今後のアップデートで期待することは何ですか?
中野サガット氏:1人で遊ぶモードで、宿題が出るモード。「ストリートファイターEX」のようなトライアルモードがほしいですね。それとスーファミ版のVSモードにあった電源が切れるまで各キャラで勝敗の記録が残るやつですね。何勝何敗なのかを確認できるようにしてほしいですね。
※EX=ストリートファイターEXシリーズ 制作:ARIKA 販売:カプコン
勝敗記録と関連がありますが、いろんな人とオンラインで対戦するので、誰とやって何を使って何勝何敗って結果を残してほしいですね。すべてを残すとサーバーが大変なことになると思うので、過去100戦くらいでいいので残してほしいですね。その辺があると面白さの幅が広がると思うんですよね。
――それは欲しいですね。特にトライヤルモードの実装は、プレーヤー層が広がる気がします。
中野サガット氏:あと、カジュアルマッチでいいので、ハンディキャップが付けれるといいですね。
――なるほど。確かに「ウル2」の作りって「スト2」対戦ガチ勢向きに作ってあるのはありがたいですが、ライト層も楽しめる要素にもう少し気を使ってほしいと思いました。
中野サガット氏:あとそれから、まあ操作系ですが、簡易入力オフですよね。
LITE操作、PRO操作があるわけだから。PRO操作は簡易入力がなくていいと思う。
――現役でスト2をやっている人達も楽しめますね。
中野サガット氏:簡易入力はいらない。ちゃんとやるから、心配すんなってね(笑)。LITE操作を選んだ人は簡易入力が有りがいいと思うんですけど。PROはプロなんだから(笑)。それか、もう一段階上あるといいですね。
――TATHUJIN操作とか。
中野サガット氏:達人(笑)。そうですね。もう一段階上がると住み分けができそうですね。ネット対戦で重要なことなんですが、ラグを何とかしてほしいですね。「ウル4」ではあんなにラグを感じないのに、「ウル2」はもっとラグが無さそうなゲームなのに。難しいことはよくわからんけども、何とかなるんじゃないの?って思いますね。
――今やネット対戦時代ですからね。カプコンさんに何とかしてほしいですね。
中野サガット氏:そこだけがちょっと残念かなあと。
――お互いの環境に気を付けている人とは、本当に快適なんですけどね。
中野サガット氏:そうなんですよね。オンライン対戦で操作設定別にマッチングを分けるように、有線LANと無線LANでマッチングを分ける設定があるといいですね。
――「ウル2」に対する不満点は何かありますか?
中野サガット氏:ダメなとこなんて別に無いんじゃなないですかね。僕的には、大分満足してますよ。
――おお、それは、高評価ですね。
中野サガット氏:かなりの完成度が高いゲームソフトですよ。改善できるところばかりで、後はカプコンさんの努力で何とかできる。欲を言えば洗脳ケン、殺意リュウ、豪鬼の3キャラの対戦のオンオフを選べるとか、後は3キャラ専用のステージが欲しいですよね。
――それは確かに欲しいです。
中野サガット氏:だって彼ら専用のBGMがあるんだから。それなのにバティーファイトでしかBGMが流れないんですよ(笑)。ほとんどのユーザーは対戦メインで遊ぶから、バディーファイトだけしかBGM流れないと、ほとんど聞けないでしょって思う。しかも専用のBGMがあっても、バティーファイトは全部ベガステージですから残念なんです。だから「専用のステージをちょっと描き起こしてや」って思う。追加コンテンツとかでその3ステージを増やしたら売りになると思う。
3キャラの件だと、洗脳ケン、殺意リュウ、豪鬼の攻撃力と体力をいじり過ぎだと思いますね。体力とか攻撃力は他のキャラと同じでいいじゃんてね。面白くないんですよね。すぐ死んじゃうじゃんって。コンボ食らってピヨってもう1回食らったら死ぬって。打たれ弱過ぎるじゃんていうか(笑)。
――体力も攻撃力も普通でいいじゃんっていうのは、「ウル2」プレーヤーから初めて聞いた意見ですね。調整場所はそこじゃないってことですよね。
中野サガット氏:そうですね。僕は洗脳ケンとかあまり毛嫌いしてないですね。ランダムで僕も使いますから。せっかくいるから使いたいし、でも選んで使うと反感買いそうだし。YouTubeで配信してるときはランダムで選択している証拠も残りますから「ランダムだからいいでしょ」っていう言い訳も(笑)。
――Twitterでは「ウル2」プレーヤーが3キャラを使う人をブロックしてるという話も上がってました。
中野サガット氏:ブロックまではしないですね。倒せばいじゃんって思いますね。対戦相手が1人、単純に減ってしまいますから。僕がブロックしたのはREADY押さずに放置する人くらいかな(笑)。
※対戦部屋にお互いが入った後、READY表示で対戦する意思を示す。両者がREADY表示すると対戦が始まる仕様。
――最後にお聞きしたいんですが、「ウル2」を含めたご自分やゲーム界でもいいのでこれからの事について、何か思いはありますか。
中野サガット氏:ゲームバーの存在を最近知って体験してみて自分でもやってみたいと思いました。まあ今は忙しいので、いずれの話ですが(笑)。
――「スト2」プレーヤーも集うバーになりそうで、実現したら楽しそうです。
中野サガット氏:僕は「ウル2」で本格的に復帰したわけですが、実は「HDリミックス」の存在は知ってたんですよ。でも「HDリミックス」が流行っているのが、子供にはマイナーハードだったじゃないですか。だから何となく広く普及するとは思えなかったんですよね。やっぱりNintendo Switchは任天堂のハードですよね。SFCの印象や最近の情報から、普及してくる風を感じました。まあ僕もそうですけど、我々世代やもう少し上の年代が子供と一緒にできるって思いましたよね。
――我が家でも子供達に「ウル2」を遊ばせていますが、高評価なんです。
中野サガット氏:そうそう。そうすると、子供達がそれをきっかけに格ゲーに興味を持ってもらって、格ゲー界が少しでも子供達の世界で広がって、格ゲー文化が残ったらいいなっと思いましたね。
後、今回の交流会は関西圏での交流会開催でしたよね。関東圏の「ウル2」プレーヤーでLive配信もされてる「スパ2X」チャンプのFoo助さんがいらっしゃるので、Foo助さんが関東を盛り上げてくれたら、関東と関西でプレーヤー人口が増えると思うので、地方でもプレーヤーが興味を持ってくれるかもと思ってます。
あと、今の格ゲーを見ると、何というか「コンボゲー」になってるじゃないですか。あれはどうかなと思いますよね。作り手の人達は、気付いているのかなって思います。先日、Twitchの配信でプロゲーマーであるウメハラ君が「スパ2X」のイベントを企画したじゃないですか。
――オゴウ×クラハシ×ウメハラの三つ巴戦ですね。あれは熱かった。
中野サガット氏: そうなんですよ。Twitchの同時視聴数が20,000人を超えたじゃないですか。ウメハラくんも言ってたけど「国技館の2倍だー」てね。オンライン配信の恩恵があったとしてもね。あれを見て作り手の人達は、何かを感じてくれたかなと思いますね。20年以上前のゲームで、対戦というかイベントというか内容があの内容でしょ。興奮しましたよね。
――私も三つ巴戦のイベントは内容にも熱くなりました。
中野サガット氏:カプコンを「スト2」で盛り上げたいですね。カプコンも商売になると考えれば、色々頑張ってくれると思うんです。ユーザーとしての希望は、「お金を出しますから『ウル2』の次のバージョンを出してほしい」ですね。
「ウル2」用のコスチュームとか売ってくれませんかね。「ZERO」シリーズのコスチュームを販売したりね。任天堂ハードなんで、「マリオの帽子」をコスチュームとしてコラボしてくれるとうれしい。カラーエディットで遊んでいるプレーヤーが多いので、需要はあると思うんですよね。DLCを販売してもいいし、新パッケージでもいいので、ユーザーの要望に応えてほしい。
――「ウル2ダッシュ」ですね。「スト2」も1年毎に新バージョンが発売されたので、頑張ってほしいですね。
中野サガット氏:「ウル2ダッシュ」いいですね(笑)。今日話したような、ユーザーからの改善点をまとめてTwitterで呟いてみたいですね。「ウル2」のプロデューサーや開発担当に届くとうれしいですね。
――Twitterパワーを信じましょう(笑)今日はありがとうございました。
中野サガット氏:ありがとうございました。