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「ストII」大会優勝者が解説する「ウルトラストリートファイターII」

発売直前! 手触りからLITE操作、新ファイターの性能までたっぷり紹介

5月26日 発売予定

価格:
パッケージ版 4,990円(税別)
ダウンロード版 4,620円(税別)

【筆者紹介:泊 裕一郎(FOOすけ)】

 対戦格闘ゲーム「スーパーストリートファイターII X」初の全国大会優勝者にして、当時のダルシム使いたちが集結した伝説(?)の対戦集団「ヨガ・ストライク・バッカーズ」総帥という黒歴史まがいの経歴を持つ、ゆるふわ格ゲーマー。

 「ウルトラストリートファイターII」では自身初のWeb配信に挑戦するなどめずらしくやる気を見せている。配信日時などの詳細については専用のツイッターアカウント(@Yoga_StrikeBack)をご参照まで。第1回は基本的なコンテンツなどをライトユーザー向けにゆるく解説する予定!

 カプコンから5月26日に発売される予定のNintendo Switch専用ソフト「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ(以下、ウルII)」。「ストリートファイターII(以下、ストII)」シリーズの最新バージョンとなるタイトルで、かつて「ストII」シリーズを楽しんでいたライト層から今もゲームセンターなどでプレイしているコア層まで、たくさんのプレーヤーから熱い視線を注がれている話題作だ。

これが「ウルトラストリートファイターII」のプレイ画面。左が従来のシリーズを踏襲した「クラシックジェネレーション」、右がリファインされたグラフィックスで楽しむ「ニュージェネレーション」。なお、BGMや音声もモードによって変更される
【Nintendo Switch『ウルトラストリートファイターII』トレイラー】
【Nintendo Switch『ウルトラストリートファイターII』トレイラー2】

 これまでも「ストII」シリーズの最終進化形と言える「スーパーストリートファイターII X(以下、スパII X)」はいくつかのプラットフォームに移植されてきたが、それがコアゲーマー向けのハードであったり、あるいは対戦環境を整えづらいものであったりと、ライトユーザーには手を出しにくかった部分があることは否めなかった。

 しかし、今回は最新にしてメインストリームど真ん中のプラットフォーム、Nintendo Switchから、満を持しての登場である。これなら当時「ストII」シリーズに夢中だった少年少女たちも「ウルII」を目にする機会が多くなるだろうし、そもそも「ストII」シリーズを知らない世代でも、格闘ゲームが好きなら興味を持ってくれる、という可能性もぐっと高まるはず。

 これだけの環境が整えばファンとしてはプレイしたくなるのが必然の流れだが、そうなるとやはり知っておきたいのはゲームの内容だ。「ウルII」はあくまでもシリーズ最新作であり、公式ページ上では「スパII X」にはない要素があることも確認できる。これは非常に気になる! ということで、早速カプコンに赴き、「ウルII」を体験取材させていただいた。以下では、そのプレイフィールについてお届けしていく!

操作感はこれまでのシリーズと遜色なし!

Joy-Conの装着方法や、使用するコントローラーによって操作感覚がガラっと変わる。自分に合った使い方でプレイしたい

 まずお伝えしておきたいのは、操作感について。結論から述べておくとアーケード版「スパII X」との差異は感じられなかった。従来の「ストII」シリーズから受け継がれてきた操作感がしっかりと「ウルII」にも反映されていたように見受けられ、少なくとも、試遊の範囲内ではとくに不満を感じるような部分もなく、そこは一安心といったところだ。

 技の1つ1つをとっても、弱、中、強攻撃いずれもが「ストII」シリーズらしいヒット感覚がそのまま再現されていて、必殺技、スーパーコンボについてもとくに違和感のある挙動はない。目押しコンボなども今までと同じ入力タイミングできちんと成立したし、これまでの操作技術が通用することも確認できた。これなら、どの「ストII」シリーズ経験者であっても問題なくプレイできるのではないだろうか。

 なお、コントローラーについてだが、付属の純正コントローラーを片方ずつ使う形だとその小ささからか筆者の場合はやや扱いづらかったこともあり、可能ならJoy-Conグリップへ装着しての使用を推奨したいところ。また、今回はProコントローラーも使用してみたが、こちらはJoy-Conグリップを使ったときよりもアナログスティックのコマンド入力操作に安定感があった。Proコントローラーには十字キーもあるので、スーパーファミコン版「ストII」シリーズで育ってきた世代などはこちらを使ってみるのもいいのかもしれない。

 個人的にはアーケードスティック的なもので操作できるようになればそれがベストなのだが、現状、アーケードスティックについてはHORIから発表があった「リアルアーケードPro.V HAYABUSA for Nintendo Switch」があるものの発売日の情報などはまだ出ていないため、今しばらく我慢するしかなさそうだ。仕方がないことではあるが、これについては一刻でも早く発売されることを期待したい。

【リアルアーケードPro.V HAYABUSA for Nintendo Switch】

初心者でも操作ミスなし!? 「LITE操作」がすごい!

夢の立ちファイナルアトミックバスターがあなたでも! 購入したら一度は試してほしい技だ
LITE操作なら波動拳も昇龍拳も自由自在。自分で動かせるようになるまではこれを利用しながらテクニックをみがこう

 前項でお伝えしたコントローラー事情や、予想されるユーザー層を見越してということだろうか、本作には「LITE操作」というものが備わっている。これは、そのキャラクターが持つ必殺技がワンタッチで出せるという、うれしい機能だ。タメ技についてはタメ行動が必要なため即発動、ということはできないが、コマンド技なら押せば出るため、使い方によっては初心者でもかなり快適な操作が可能となる。

 たとえば、リュウの場合なら、波動拳と昇龍拳を割り当てておくだけでだいぶ楽になる。遠くからワンボタンで強・波動拳などを連発していると、気分はさながらシューティングゲームのよう。また、接近戦となり、相手が不意にジャンプしてきたときでもLITE操作ならやはりワンボタンで昇龍拳が出せるので、対空に関しての不安もほぼなくなる。

 また、コンボ(連続技)を使いたいときにもLITE操作は大活躍だ。先ほどのリュウの例で言えば、近距離立ち強パンチを相手に当てたあと、すぐに昇龍拳を設定していたボタンを押すと近距離立ち強パンチ→昇龍拳がコンボになる。これができるだけでも相手にとってはかなりの脅威となるので、対戦の緊張感も増して面白くなってくるはず。

 余談ではあるが、このLITE操作について発表された際に、「1ボタンで出せるザンギエフのスクリューパイルドライバー、ファイナルアトミックバスターといったいわゆる必殺投げ系のコマンドは強いのではないか」という話を周囲から耳にしていたので、これについても少し検証してみた。

 そこでわかったのは、スクリューパイルドライバーの場合、LITE操作のボタン入力から必殺技成立までにわずかながらタイムラグがあるということ。感覚的に述べれば、素早くスティック入力を1回転させる時間ぐらいは間があったように感じた。そのため、スクリューパイルドライバーをキメようとした場合、技の間合いまで踏み込みつつ、そこからさらに一瞬の時間が必要、ということになる。そう考えると劇的に強力……とは言い切れない性能だが、ともあれ1ボタンで出ることを考えれば初心者にはうれしい話と言える。

 ちなみに、LITE操作の場合では相手に何らかの攻撃を当てたあと、その技の硬直が解けた瞬間にLITE操作の技を出そうとしてもすぐには発動しないようだ。ゆえに、弱攻撃を当てた硬直が解けた瞬間に必殺投げ、といったことは、LITE操作ではできないように感じられた。もっとも、それができてしまうとLITE操作が強すぎることになり、ともすれば上級者のLITE操作無双が始まりかねないので、これはこれでいいのだろう。

 いずれにしてもLITE操作そのものはかなり便利なので、初心者プレーヤーはどんどん使っていくべきだ。これで対戦の楽しさを知り、精神的に余裕が出てきたら、今度はぜひマニュアル操作での対戦にも挑戦してもらえればと思う。

挟み込んでの攻撃が気持ちいい「バディファイト」

「バディファイト」は協力型ゲーム。自分の得意なキャラクターで挑むことが可能だ
2人で飛び道具を撃っているだけでも意外に強かったりする

 新モードの「バディファイト」は、2人のプレーヤーでCPUに挑むモード。CPU側は1人しかいないので、プレーヤー同士で連携しながらCPUキャラクターと戦うことができる。過去に「ストリートファイターZERO」シリーズで同様のモード「ドラマティックバトル」が収録されていたが、基本的にはそれと似たような内容なので、経験者はそちらを思い浮かべてもらえれば話が早い。

 プレーヤー側は体力ゲージが共通となっているため、自分がダメージを受けていなくても、もう1人がダメージを受けつづけると倒されてしまう。そうならないために、パートナーが攻撃を受けていたら自分が積極的に動いて窮地を救う、といった連携プレイが必要となってくる。

 一方、CPU側は体力ゲージが通常どおり1本だが、その減り方は、アーケードモードなどのCPUキャラクターよりも遅い(つまり体力が多い)。また、CPUキャラクターは気絶しにくいだけでなく、ある程度連続で攻撃を受けると、その時点で食らい判定がない状態になって吹き飛ぶなど、プレーヤーキャラクターと比較してやや優遇されている。

 なかなかに強いCPUキャラクターだが、1Pと2PのプレーヤーキャラクターがCPUを挟む形になって攻撃を当てていると、それだけでかなりCPUキャラクターをボコボコにできることも多く、通常はつながらない連続技などもキメられるので非常に気持ちがいい。とくに、対戦が苦手な人、親子でプレイしたい人などにはオススメのモードと言えそうだ。

左右から挟み込んでの弱攻撃連打でボコボコにするのが楽しい! ストレス解消にもいいかも
どんなに有利な状況にあっても、10ヒットほどで強制的にこちらのコンボは終了となる。さて、起き上がりをどう攻めるか……

リュウになって敵をなぎ倒す! 「放て!波Do拳」

まずはチュートリアルで操作方法を実際に確認。失敗している場合はどの部分がダメなのかも教えてくれる

 特徴あるゲームモードと言えばもう1つ、この「放て!波Do拳」がある。これは、1人称視点になった状態でリュウを操り、大量に現われるシャドルーの戦闘員を撃破していくというもの。リュウが攻撃を受けて体力ゲージが尽きればゲームオーバー、特定の条件を満たせばクリアとなる。

 このモードはリュウの操作方法がやや特殊で、Joy-Conを両手に1個ずつ持ち、その腕を特定の動かし方で動作させて必殺技コマンドを入力していく。なお、リュウが使える必殺技は波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚、そしてスーパーコンボの真空波動拳の計4種類。これに加えて、ガード操作が可能となっている。スーパーコンボ以外は技の動作中でなければいつでも出せるが、スーパーコンボだけはスーパーコンボゲージが溜まったときのみ発動可能だ。

 ゲーム自体はとてもシンプルで、必殺技の出し方さえマスターしてしまえば、あとは敵の攻撃を受けないように、ときにガードを織り交ぜながら戦っていけばいい。また、必殺技を連発しているとスーパーコンボゲージがたっていくので、出し惜しみせずに使っていけば気持ちよく遊べる。

 腰から下を動かすことはないので、座ったままでもプレイ可能。軽く体を動かしたいときなどに遊んでみるのがよさそうだ。ただし、腕を突き出す動作や左右に振り回す動作を行なうことが多いので、周囲にある物の位置や、人がいないことを確認してからのプレイをオススメしたい。

弊誌編集者が昇龍拳にチャレンジ。動きはなかなかサマになってますよ!
迫りくる戦闘員を必殺技でKOしていく
真空波動拳で敵を一掃できると気持ちがいい
ベガが登場! その強さはぜひ自身の目で確かめてほしい
ステージクリア後は、獲得した経験値を割り振ってリュウを強くすることができる