インタビュー

オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー

「今後もユーザーさんと一緒に『BLESS』を作っていきたい」

11月2日 オープンサービス開始

オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー

 ゲームオンは、11月2日にWindows用MMORPG「BLESS」のオープンサービスを開始する。

 10月25日には「BLESS」生放送が配信され、そこではオープンサービスの開始日のほか、オープンサービスではCBT2で選択できた4種族に加え、ハイロンで「シルヴァンエルフ」、ユニオンで「アクアエルフ」が選択できることが明らかとなった。ほかにも潜伏と毒の達人「アサシン」が新職業として選択可能となる。

 また、10月27日より10月30日には事前キャラクターメイクが解放され、それに先駆けて10月25日、クライアントの事前ダウンロードが開始される。さらに11月1日にはニコファーレにて「BLESS」前夜祭が開催される。抽選にはなるが、もし参加することができれば、直接運営とコミュニケーションをとるチャンスとなる。

 オープンサービスを控え、続々と新規情報が明らかになっている「BLESS」。弊誌では、このタイミングで「BLESS」日本運営プロデューサーの箕川 学氏に、「BLESS」CBTでの感触や、今後の展開などについてインタビューすることができた。本稿ではその模様についてお伝えしたい。

【新作MMORPG「BLESS」公式生放送】
【生放送発表内容】
オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー
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オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー

そもそも「BLESS」ってどんなタイトル?

オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー 「BLESS」日本運営プロデューサーの箕川 学氏
「BLESS」日本運営プロデューサーの箕川 学氏

――まずは自己紹介をお願いいたします。

箕川氏:「BLESS」プロデューサーの箕川 学と申します。ゲームオンに入社してから8年目で、これまでは「Soul of the Ultimate Nation(以下、SUN)」のプロデューサーを3年務めていました。以前から新作タイトルを手掛けてみたいと思っていたので、「BLESS」のプロデューサーとして声がかかったとき、是非にということでプロデューサーを担当することになりました。決して楽な道ではないことはわかっていましたが、「BLESS」をこれから盛り上げていきたいと思っています。

――ありがとうございます。以前は「SUN」を運営されていたとのことですが、「BLESS」にはどのように取り組んでいきますか?

箕川氏:私の運営スタイルとして、「SUN」の時からそうですが、できる限りユーザーさんの近くにいるよう心がけています。ゲーム内にGMとして参加するのはもちろんのこと、生放送を頻繁に行なって情報発信をしたり、SNS上でもユーザーさんと直接やりとりをしています。このあたりは既に行なっているのですが、引き続き力を入れていきたいと思っています。

――SNS上ではユーザーさんと頻繁にやりとりをされてますよね。"全レス"くらいの勢いで返事をされているのでちょっと驚きました。

箕川氏:「プロデューサーから直接レスが来るとは思わなかった」という声もいただいていますが(笑)。私としては当たり前のことだと思っています。「BLESS」はまだまだ完成形ではないので、ユーザーさんと共に、開発元、運営が三位一体となって、より楽しめるタイトルにしていきたいと思っています。

――「正義と向き合うMMORPG」というキャッチフレーズを掲げていますが、「BLESS」はどのようなタイトルなのでしょうか?

箕川氏:「BLESS」のキーワードは「物語」です。「MMO」であると同時に「RPG」であることを強く意識していて、ストーリーに非常に力を入れています。プレーヤーはもちろんのこと、登場するNPCも深く関わり合って物語が展開されていきまして、PvPやGvG、ひいてはRvRへと繋がっていく、互いに戦う理由というのがわかってくるようになっています。

 MMOの楽しみの1つに「レベリング」があって、早くカンストしたい、エンドコンテンツを楽しみたいというのがあることはこちらとしても理解しています。しかし、「BLESS」はストーリーに限らず、演出やムービーなどにも非常に力を入れていますので、こちらも是非お楽しみいただければと思います。

――「BLESS」では陣営はもちろん、種族ごとでも異なったストーリーが展開されますよね。

箕川氏:そうなんです。北のハイロン、南のユニオンそれぞれの陣営に壮大なストーリーが用意されていますし、種族によってスタート地点も序盤の物語の展開も異なっています。例えば「ハビヒッツ」と「アミスタッド」のように、同じ「人間」でも全く違った物語になっています。CBT2では2陣営4種族しか選べませんでしたが、オープンサービスやそれ以降にも種族は追加されていきますので、是非それぞれのストーリーを堪能していただければと思います。

――ちなみに、CBT2では陣営の移動はできなかったと思うのですが、今後別の陣営に移動をできるようにする予定などはありますか?両方のストーリーを見たいという声もあるかと思うのですが。

箕川氏:陣営選択は対人コンテンツに大きく関わってくる部分なので、アビューズ防止の観点から1アカウントにつき1陣営を選んでいただく形になっています。両方のストーリーを見ていただきたいという意味では非常に悩ましいところなのですが、今後陣営移動ができるようにする予定などもありません。


オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー ハンス・ジマ―氏の音楽が「BLESS」の世界を彩る
ハンス・ジマ―氏の音楽が「BLESS」の世界を彩る

――ストーリーの他に、「BLESS」の"ウリ"はどのようなところですか?

 グラフィックス、サウンドにも非常に力を入れています。グラフィックスは弊社のタイトルでいうと例えば「TERA」のような幻想的な雰囲気とはまた一味違った、よりリアル志向の重厚なものになっています。サウンドについても「パイレーツオブカリビアン」を担当したハンス・ジマー氏にお願いしていまして、ユーザーさんからも「音楽がいいよね」とご好評いただいているようです。

――ユーザーさんの反応といえば、CBT2に関するアンケートをされていたかと思うのですが、ユーザーからはどのような感想が届いていますか?

箕川氏:例えば、「『BLESS』をプレイして、楽しい!面白い!と感じたことはなんですか?」という項目の1位はグラフィックス、2位はメインシナリオの内容、3位がペットに関するものでした。このあたりは生放送などで何度もプッシュしていたので、意識してプレイしていただいたユーザーさんが多かったのかもしれません(笑)。

 それぞれのコンテンツについては調整不足や不具合などもあり、かなり手厳しい意見も頂きましたが、総合的には「今回のCBT2全体の満足度を教えてください」という項目の「とても良かった」、「良かった」の合計がCBT1では46%だったのに対し、CBT2では72%に上昇していました。また、「今後も継続して『BLESS』をプレイしたいと思いますか?」という項目はCBT1では「思う」が46%だったのに対し、CBT2では83%と倍増に近い数字になっています。

 これらのユーザーさんの声は我々としても非常に心強かったですし、まだ完全ではないにしろ1歩2歩は前に進むことができているのかなという印象です。もちろんこれで良しとするのではなく、コンテンツ1つ1つを見ていくとまだまだ調整が必要な部分がありますので、今後もユーザーさんの声に耳を傾けて、改善を続けていきたいと思います。

【アンケートの集計結果】
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CBT1とCBT2では「ベース」が違う!?生まれ変わった「BLESS」

――初めのCBT1はゴールデンウィークに開催されていましたが、これにはどのような狙いが?

箕川氏:これには情報を逐一チェックしているコア層だけではなく、より広い層に対して「BLESS」の認知度を上げたいという狙いがありました。また、「BLESS」はまだまだ未完成の状態だったので、ユーザーさん目線での改善点のフィードバックが欲しかったということもあります。

 CBT1のクライアントは基本的に韓国の「ライブ」サーバーのもので、日本運営からの要望も一部入って若干改善されたバージョンではありました。しかしまだ数万人規模でテストをする段階ではないという判断で、人数は5,000名と少な目の募集をかけて開催したのですが、嬉しいことに予想をはるかに上回る数の応募をいただきました。結果的に非常に高い倍率となってしまい、嬉しい反面、落選してしまったユーザーさんには大変申し訳なく思っています。

――CBT1とCBT2ではゲーム内容が大きく変わっていますよね。CBT2がこの時期での開催になったのはどのような理由が?

箕川氏:CBT2はCBT1から約5カ月開けての実施だったのですが、あまり長い間隔は開けられないという時間的な問題と、日々開発元との協議を重ねて仕様の調整をして、ある程度進んだ段階のものをお見せすることで、我々としても今後の方針を見極めたかったというのがあります。実は「BLESS」は韓国ではもともとの「ライブ」と、「ライブ」に大幅なリメイクを施した「リビルド」の2種類がサービス中でして、日本で行なったCBT1は「ライブ」ベース、CBT2は「リビルド」ベースのものだったんです。

――今は「リビルド」ベースのものに、さらに日本運営からの要望を取り入れている最中ということですね。では、目標に対してCBT2段階での完成度はどれほどなのでしょうか。

箕川氏:正直CBT2の段階ではまだ修正予定の部分が全て反映されているわけではなく、既知の問題もまだまだ残っている状態でした。例えばCBT1の「カーストラ攻防戦」は制限時間が長すぎて決着がつかず、結果はほぼ引き分けでポイントでの判定によって結果が決まることが大半になってしまっていた上に、人を相手にするよりオブジェクトを攻略したほうがポイントを貰えるという対人要素が薄い形になってしまっていました。

 このあたりは運営としても開発元に改善の要望を出していたところではあるのですが、修正が入ったCBT2では逆に時間が3分ほどと短すぎることがあったというのと、オブジェクトも簡単に破壊が可能で、さらに3本道でプレーヤー同士がすれ違えてしまうので、結局PvPが発生しないという状況になってしまいました。

 これに関しては根本のシステムごと入れ替えるのは非常に時間がかかるので、現状は新たな改善案を開発元に打診している段階です。我々としても決して現状を良しとは思っていないので、少し時間はかかるかもしれませんが、今後も継続して改善を図っていきます。

――その他、CBT1からCBT2の間で大きく変更した点はありますか?

箕川氏:かなり広い範囲で変更を施しています。ゲームの初めでいうと、例えばキャラクターメイキングの各パラメータの色や調整幅も拡張されていますね。ただ、これもフィールドとメイキング画面ではライトの当て方が違うので、せっかく作ったキャラクターがいざフィールドに出るとちょっと違って見えてしまうといった問題もあります。ここもCBT1からCBT2まで継続して取り組んでいる部分ですが、まだまだ改善が必要だと思っています。

 その他にもスキルツリ―や製作、強化のシステムを変更、追加していますし、「BLESS」という世界の土台は一緒ですが、中身は総とっかえという風に思っていただければと(笑)。

オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー CBT2で大幅に拡張されたキャラクターメイキング
オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー CBT2で大幅に拡張されたキャラクターメイキング
CBT2で大幅に拡張されたキャラクターメイキング

――既にかなりの修正や改善を施していると思うのですが、開発元に対して日本からの要望は通りやすい環境にありますか?

箕川氏:そうですね。NEOWIZとゲームオンの関係(編注:ゲームオンは韓国NEOWIZの子会社)もありますし、他国で展開している「BLESS」が正直あまりいい状況ではないということもあり、日本からの要望は非常に通りやすい環境にあります。

 「BLESS」というタイトルをネガティブに捉えられている方も少なからずいらっしゃると思いますが、我々としてはこちらからの働きかけでどんどん「BLESS」を良くしていくことができるとポジティブに捉えていますし、そういった意味では日本のユーザーさんの声をダイレクトにゲームに反映しやすい環境ともいえるので、これからもユーザーさんと一緒に「BLESS」を作っていきたいと思っています。

CBT2を踏まえて色々聞いてきました!

――「BLESS」のビジネスモデルはどうなりますか?

箕川氏:まだなんとも言えない部分ではあるのですが、個人的にはPay-to-Winにはしたくないと考えています。課金してもしなくても辿り着くゴールは同じで、課金をしてもらうと少しはやくゴールにたどり着けます、とかそういったイメージですね。課金前提のバランスにはしないつもりです。

――直近のオープンサービスまでの改善予定を教えてください。

箕川氏:仕様改善という意味で1番優先度が高いのはまず「カーストラ攻防戦」ですね。100vs100の対人コンテンツが3分で終わってしまうというのはあまりにもったいないので。それと、ペットの取得に必要な「調教書」もCBT2では入手頻度が非常に低くなってしまっていたので、こちらも改善に向けて開発元と協議をしております。

――ペットは全部でどれくらいの種類がいるんでしょうか?

箕川氏:現状で400種類くらいですね。ペットは育てていくとどんどん強くなっていくので、序盤から見た目などで選んで、育成していただくのがいいと思います。後半で捕まえられるペットも、序盤のペットとそんなに大きな差はありませんし、育った序盤のペットのほうが強力というケースがほとんどだと思います。

――ペットシステムに関しては今後拡張される予定などはありますか?

箕川氏:そうですね、ペットに関してはもっとできることを増やしていきたいと思っていまして、収集要素としてペット図鑑や、ペット同士を戦わせるシステム、あとは時間によって出現するペットなども実装していければと考えております。

――フリーPvPは日本では受け入れにくい部分がありますが、意図しないPvPを回避することはできないのでしょうか?

箕川氏:PvPを回避できる「平和宣言」というアイテムがあります。これは韓国では課金アイテムとして販売されていますが、日本では課金販売にしたくなかったのでゲーム内マネーで交換できるようにする……はずだったのですが、実はCBT2では不具合で交換ができないようになってしまっていました。11月2日のオープンサービス以降では実装する予定です。

――MMOタイトルの常として、RvRなどのコンテンツでは人口比の問題が発生することが予想されますが、どのような対策を取りますか?

箕川氏:勢力の人口比に関してはユーザーさんも心配されている部分だと思います。人口はシステム的に制御できるようにしていて、「BLESS」では勢力の人口に偏りが出てくると、多い方の陣営にはキャラクタ―作成ができなくなります。また、RvRのコンテンツに関しても、陣営ごとの参加人数に偏りがでないように制御されています。

 ストーリー的なところで言うと、勢力のどちらかが善、どちらかが悪というのではなく、それぞれの正義vs正義という構図になっていますし、NPCや町の雰囲気などでお好みのほうを選んでいただくのがよろしいかと思います(笑)。

オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー
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オープンサービス開始直前!「BLESS」プロデューサーインタビュー

――ちなみにCBTではどちらかに人口が偏るということはありましたか?

箕川氏:CBT1でも人口比率に偏りは出ていなかったですね。「カーストラ攻防戦」ではユニオンが圧勝していましたが(笑)。CBT2でも人口比はほぼ同数で、若干ハイロンが多いくらいでした。「カーストラ攻防戦」の勝敗もほぼ同じくらいでしたね。人口比は大規模対人コンテンツなどの楽しみの根本にかかわる部分なので、オープンサービス以降もシビアに監視していきます。

――CBT2ではパーティマッチングがあまり利用されていなかったように思うのですが。

箕川氏:パーティマッチングが非常にわかりにくくて、ほとんど利用されていない現状は把握しています。これに関してはCBT1段階から「こうしてくれ!」という企画書まで作って開発元に依頼しているところなのですが、開発に時間がかかっているというのが現状です。他に調整しなければならないところも多数あるので、すぐにというお約束はできないのが正直なところですが、問題点として運営も開発元も把握しておりますので、今しばらくお待ちください。

――色々な問題点や改善点は把握しているけれども開発が間に合わないという状況なのでしょうか。

箕川氏:難しいところで、改善、不具合修正、新規実装など、開発事項は多岐に渡っておりまして、リストを直接お見せしたいくらいです(笑)。全部やりたいのはもちろんなのですが、実際そうもいかないので、それぞれバランスを見つつ優先度をつけているという状況です。オープンサービスに間に合わないところもあるかと思いますが、ユーザーさんの声や問題点は把握しておりますので、今後も継続してアップデートに取り組んでいきます。

――最後に、オープンサービスを楽しみにしているユーザーさんに向けて一言お願いいたします。

箕川氏:CBT2が終わっていきなりオープンサービスなのかと賛否両論あるかとは思うのですが、頂いた要望に応えられるよう、ゲームの改善は今後も継続して行なっていきます。オープンサービス開始後も、運営と開発元だけではなく、ユーザーさんと一緒により良い「BLESS」を作っていきたいと思っています。今後ともご協力をお願いいたします。

――本日はありがとうございました。