インタビュー

オープンワールドになった「真・三國無双8」を堪能してほしい。鈴木プロデューサーインタビュー

9月21日~24日 開催

会場:幕張メッセ

 コーエーテクモゲームスが2018年初頭に発売を予定しているプレイステーション 4ソフト「真・三國無双8」。これまでのエリア制から、中国大陸を1枚のマップで遊ぶオープンワールドになったのも本作の特徴の1つだ。東京ゲームショウ2017では日本初のプレイアブル出展となった本作について、プロデューサーの鈴木亮浩氏にインタビューすることができたのでお届けしよう。

オープンワールドを楽しめる「真・三國無双8」

コーエーテクモゲームス 「真・三國無双8」プロデューサー 鈴木亮浩氏

――日本初のプレイアブル出展ですが、ユーザーさんの反応はどうですか?

鈴木氏:予想以上によいようですね。今回はアクションも含めて一新したので、手触りも変わってきているはずなので心配していたのですが。狙い通りというか、ちょっとプレイすれば慣れていただけるので、その辺は非常によかったですね。反応が。

――オープンワールドは昔のエリア制とは違って広さを感じますね。オープンワールドにしてよかった点はありますか?

鈴木氏:1番は雰囲気ですね。私は元々「三国志」が好きだったので、今回オープンワールドにして中国大陸を再現するという、難しいことにチャレンジしたんですが、やってみて1番思ったのは雰囲気が出ること。オープンワールドにするとゲーム的に自由度が上がるのですが、1番は雰囲気がよくなったですね。

――どこを攻略してもいいというのがありますね。

鈴木氏:そうですね。

――ユーザーさんは戸惑いもなくプレイしているようですか?

鈴木氏:今回プレイできるのは10分という短い時間で、しかも東京ゲームショウ用に調整してありますので、あまり迷う時間もなく、その暇もないかなという感じですね。ミッション形式になっていますので、その都度目標は出しますし、マップを見ていただけるとルートまで出すようにしていますので。これは製品版ではもっとわかりやすいように実装します。

――馬もキーポイントですね。

鈴木氏:馬は必須ですね。馬ではカスタマイズ要素も用意していますし、自分の好きな馬にも乗れます。そのあたりは気を遣っていますね。いろいろ種類があって、赤兎馬も出てきますし、パラメーター違いのものがいろいろいます。お店で買ったり、イベントでもらえたり。自分の好きな馬を登録できますので、そうするとL2ボタンで呼ぶことができます。

――馬の種類を楽しむのも遊びの1つですね。

鈴木氏:そうですね。成長させることもできるので。

――今回はキャラクターごとに死ぬ直前までプレイできますが、そうなると遊び方も変わってくるのでしょうか?

鈴木氏:早くから活躍していて長く遊べるキャラクターを選ぶと、歴史の流れがわかるかなと思いますね。

――そうなると自分が好きなキャラが敵として登場してしまうかもしれないですか?

鈴木氏:それもありますね(苦笑)。

「一新」がテーマ

――今回の開発にあたって目指されたものはどこにありますか?

鈴木氏:ズバリ一新ですね。「7」まで続けてきて、ユーザーの皆さんからのマンネリという声も聞いていましたし、開発の中でもそれは感じるので。もうここで新しくしなければいけないなということは何年も前から思っていました。今回はそこにチャレンジしたということですね。アクションのシステムも一新しました。ゲームシステムをガラッと変えたいというのがあって。ただ「真・三國無双」という世界観は大事にしたいので、キャラクター制であったり、キャラクター間の関係性など、歴史の流れなどは変えない。それ以外をどれだけ変えるかというのことに主眼に置いています。

 1番大きな変更点はオープンワールドにしたということで、前はお使いをしながら1本道みたいな感じですが、今回は歴史の流れに身を置いてもらえるように、目標だけ1つ設定して、あとは自由ですというやり方なので。ゲームのプレイ感がまったく違うんじゃないかと思いますね。

――ゴールは示されているけれども、そこに至る道のりは自由ということですか?

鈴木氏:そうですね。

――1番好きなキャラクターをお聞きしていいですか?

鈴木氏:長くやっているので、いろいろ変遷があるのですが……。初期の頃はやっぱり「三国志」も含めて蜀のキャラクターが好きなので、諸葛亮とか趙雲とか関羽が好きだったのですが、「真・三國無双」を作ってきて、また最近は「蒼天航路」もありますし、小説とかの影響もあって、その他のキャラも好きになりました。最近は曹操ですね。時代の覇者としては別格ですね。

――ゲームシステムのバランスとして気をつけられたことはありますか?

鈴木氏:アクションシステムを変えたときに。操作が複雑にならないようにというのは1番気をつけています。ただし「R1+〇/△/□」など、ライトユーザーにはちょっと引っかかる操作ですが、それを覚えてもらえれば、あとは基本□ボタンでプレイできるようにしています。もしそれができないとしても、△の「リアクト攻撃」という、状況によって出す技が変わる、タイミングだけ合えばいいという攻撃も用意していますので、その組み合わせだけでも、自分がすごく活躍しているという感覚が得られると思います。リアクト攻撃にはカウンターだったり、奇襲だったり、盾を持っている敵兵など、ガードが堅い相手にも発動できるときがあるんです。

――武器についてお聞かせいただけますか?

鈴木氏:今回武器はかなり減っています。というのは、今までは割とアクション性重視というか、キャラクターと武器をどんどんと増やしてきていて、差別化を主眼に置いていたんです。なのでかなり遊びの要素が入った武器が多かったんです。剣が浮いているやつとか、船の形の武器とか、ありえないようなものもありました。

 ただ今回はリアル系に表現を寄せています。ステージをきれいに表現することができたので、それに合わせてモーションとかアクションもリアル目に抑えようという方向性で作っています。ですので今まで作ってきたものはナシにして、実際にあるような武器を厳選して作っています。中には今までに見たような攻撃もあるかと思いますが、元をさかのぼると、その武器に合った武術の典型的な技だったりするので、前のアクションを踏襲したわけではなく、オーソドックスなものを作ったら同じ技に行き着いた、という感じですね。

これまでの数倍の時間は楽しめる

――オープンワールドについて、ご苦労もあったかと思いますが、開発は大変ですか?

鈴木氏:広いマップを作ることに苦労をしました。ベースのデータとして衛星写真を使っているのですが、基本の所はリアルに作られています。ただスケール感が問題で、そのまま作っちゃうとゲームにならないので。このためワールドは広いんですが、スケールは局所的に調整をしています。中原や主要な都市は大きめにして広めに作っていますが、何もない荒野はスケールを落とすというアレンジをして、うまくゲームとして成立するようにしています。ワープポイントも用意しましたが、元々は少なかったんです。ただし実際にやってみたらもっと多くないとダメだ、ということでかなり増やしています。

――ユーザーさんが遊びきったと思えるくらいまで何時間かかりますか

鈴木氏:相当じゃないですかね。武将は現状では新武将5名、そして過去シリーズに登場した武将83名の、計88名が登場することを公開していますが、今までの数倍の時間は必要でしょうね。

 やりこみ要素として、収集の要素を増やしています。今回は武器を作成することもできますので。まずは強い武器を作るためのレシピを探しに行って、今度はそのレシピに書いてある素材を探しに行きます。かなり段階を経た収集が必要ですね。レシピはイベントや依頼、任務の中で手に入れられます。素材はケモノを狩ったりして得られるほか。植物や鉱石はその辺に落ちています。山の中には鉱石がありますので、探しに行ってもいいですね。お店にももちろん売っていますが。回復アイテムも、町に素材を持っていけば作れるようになっています。

 あとは中国にはきれいな景勝地がいっぱいあるので、そこを探索ポイントとして用意しています。きれいな景色を探しに行くのも収集要素です。

 そのほか今回初公開したものに「平服」があるんですが、シリーズ初の、戦闘服ではない、普段着を全キャラクターに用意しました。これも反応がいいですね。オープンワールドにしたことで、戦いのない場面を見られるようになっています。「官渡の戦い」で言えば袁紹と曹操は戦っていますが、その時に孫策がいる河南の方に行くと戦地ではないですね。そこにも無双武将がいるべき場所にいますが、その時は平服です。

――今回日本ゲーム大賞の「フューチャー部門」に選ばれましたね。

鈴木氏:ありがたいですね。「真・三國無双」シリーズ初となります。2018年初頭発売予定ですが、なるべく寒いうちに出したいと思っています。

――ありがとうございました。