インタビュー

「タワー オブ アイオン」に壊れないハイディーヴァ武器「インモータル装備」登場

日本独自の施策で導入。その経緯と現在の思いをスタッフに聞く

10月5日アップデート

 エヌ・シー・ジャパンは9月7日に「タワー オブ アイオン(以下、アイオン)」の「EPISODE5.0 再誕 ―Re:Birth―(以下、5.0)」アップデートを実施した。このアップデートは、レベルキャップの解放と、それにともなう「ハイディーヴァ」への進化が注目ポイントの1つ。また、それだけではなく、実は「日本オリジナル仕様のアップデート内容」という部分も特筆すべき点となっている。

 今回はこの「日本オジリナル仕様」の部分にスポットを当て、「アイオン」プロデューサーの金廷昱(キムジョンウク)氏と運営チームの坂本康弘氏にお話をうかがってきたので、その内容をお伝えしていく。

アップデート内容を適切なタイミングで提供

「タワー・オブ・アイオン」プロデューサー金廷昱(キムジョンウク)氏。「『アイオン』の楽しさはレベリングだけではない。今後は装備獲得やPvEといったコンテンツにも目を向けてもらえるように注力していきたい」と語る

 現状、レベルキャップが解放されたということもあって、多くのユーザーの行動は「レベル上げ」のコンテンツに集中しているという。とくにレベル69からのレベルアップはかなり厳しめに設定されていることもあり、経験値の稼げる「忘却の亀裂」のインスタンスダンジョンはかなり人気が高いようだ。

 また、「5.0」にアップデートしたことについて、ユーザーからは「『5.1』の内容も含まれてはいるようだが、これまでとあまりできることは変わっていないのでは」という反応もある。

 これには理由があって、海外の「タワー オブ アイオン」は「5.0」、「5.1」など、アップデートのタイミングに応じてその時点のコンテンツをまとめて導入しているが、日本の場合には、ユーザーのレベリング状況に合わせて、段階的に実装を行なっていくようにしているから。「適切なタイミングでトピックを設けることによってユーザーの遊びやすさを高めるための方針」という。

 そのため、前回の9月のアップデートで「5.0」が始まって以降、今回の10月5日アップデート実施、そして11月、12月と、コンテンツを連続で提供していく予定となっている。なお、この段階的なアップデートにおいては「5.0」以降(「5.1」)のアップデート内容も一部、含まれている。

 また、新コンテンツもただ実装するということではなく、日本のユーザーの要望になるべく合わせた形で、海外のオリジナル版とは実装順が変わったとしても必要なコンテンツから実装を行なっていくようにするとした。

強化失敗で装備消失ナシ! 「インモータル装備」を実装

「インモータル装備」の実装は、ユーザーにより良いプレイ環境を提供しようと日本運営チームが奮闘した結果という

 もう1点、独自要素として大きいのが「インモータル装備」の実装だ。海外で「5.0」の情報、とりわけハイディーヴァ用の装備が「装備強化の失敗時に装備が消失」する仕様が発表された際に大きな反響があったことは、本作のユーザーならご存知のことだろう。レベル上げをするためのコンテンツにユーザーが集中しているのも、「新コンテンツでも装備が消失してしまうのであれば手に入れる意味はない」とユーザーが判断した結果であることは容易に想像がつく。

 この対応策として、強化に失敗しても装備が消えない「インモータル装備」を導入することが決定。実はすでにその第1弾として、9月21日より「悪霊の廃墟」と「エレメント デュークの実験室」にてインモータル装備を獲得可能な状態となっている。また、今回10月5日のアップデートでも新たに「知識の書庫」、「アークハルのベリトラ神託所」にてインモータル装備が獲得できるようになる。

 インモータル装備は強化に失敗した場合でも、それまでの強化値はゼロとなるものの、装備そのものは残るという仕様だ。本来は装備消失が仕様である本作だが、日本運営チームが「ユーザーのモチベーション低下をできるかぎり防ぎたい」ということで、開発側と協議を重ねた上で、まずはこのような形として実装したのだという。5.0以降で急変する装備の仕様に対して少しでも違和感を緩和させたいという意図だと明かしてくれた。

 11月には新たなPvPコンテンツも登場するため、そちらも想定した上でインモータル装備の獲得・強化を行なっておくと良さそうだ。ただし「出現確率はかなりレア」というお話もあったので、まずは頑張ってインモータル装備の獲得に挑戦したい。

【インモータル装備】
インモータル プレッジ
インモータル ラビリンス

ユーザーのニーズにより応えられる運営を目指したい

 通常、アップデートといえば海外版の仕様がそのまま日本にも導入されることが常であるのに対して、日本運営チームとしてはその形にこだわらずに「よりユーザーが遊びやすい『アイオン』を目指したい」という。

 本来、7月をメドにアップデートされる予定であった「5.0」が、9月までアップデート時期が延びたのも、先述のようにアップデート内容を適正な形に組み替えたり、内容そのものの検証・修正を開発側と協議していたからにほかならない。

 また、今後は本作を楽しむためのコンテンツの拡充も行なっていくとのことで、レベリングだけでなく、インスタンスダンジョンでのアイテム収集やPvE、PvPなどのコンテンツについても、従来からの報酬の見直しや、ゲーム内イベント等を絡めつつ広めていきたいとのことだ。

 最後にユーザーへのメッセージとして、金氏と坂本氏はそれぞれ「『アイオン』をプレイしてくれている人にいつも感謝しています。4から5へと数字が変わる節目のアップデートなので、面白いことをしていきたい。まだまだ未来性はあるので、これからもぜひ楽しんでほしい」(金氏)、「ユーザーの皆さんの声には常に耳を傾けています。開発元との協議の結果、残念ながら実現できない部分も少なくないのですが、そのなかでも『日本らしさ』が出せるよう、楽しいサービスを永く行なうために努力していきます」(坂本氏)と述べた。

 なお、本日アップデートされる主な内容は、新規インスタンスダンジョンおよび、インモータル装備の追加実装というものになる。まずはそちらを体験し、ぜひその内容や性能を確認していただきたい。

【10月5日に実装される主なアップデート内容】

●新規インスタンスダンジョン
・知識の書庫(6人/66Lv)
・アークハルのベリトラ神託所(6人/66Lv)
・怪しいヨルムンガンドの進撃路(6人/66Lv)
・ルナトリウム遺跡(6人/66Lv/PvP)
●出現するインモータル装備
・知識の書庫(インモータル ラビリンス防具)
・ルナトリウム遺跡(インモータル プレッジ武器)

【イメージイラスト/スクリーンショット】
知識の書庫
ルナトリウム遺跡
怪しいヨルムンガンド進撃路