ガンホー、「ラグナロクオンライン カンファレンス&パーティー」を開催
3次職アップデート後の不具合を説明。猫たちの島「マランアイランド」など新要素も発表
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は12月26日、株式会社サードウェーブが主催するPCゲームイベント「第2回 秋葉原PCゲームフェスタ」において「ラグナロクオンライン カンファレンス&パーティー」を開催した。
このイベントでは整理券の配布により、先着300名が参加できた。整理券は朝9時から配り始め、開幕を待たずして300名に達した。中には深夜午前1時半に並んだ人もいたとのこと。300名のユーザーは発表内容に驚きや喜びの声を上げ、楽しそうにイベントに参加していた。改めて「ラグナロクオンライン(以下、「RO」)」に対するファンの熱意を感じたイベントだった。
イベントの構成は、「3次職アップデート後の不具合修正とバランス調整について」の進捗の説明を行ない、さらに会場の質問に答える「BOSSの部屋」、今後のアップデート予定を紹介する「ラグナロクオンライン カンファレンス」、「RO」の知識を競うクイズ「ラグナロクオンライン検定」等が行なわれた。
今回のイベントは、新規発表を行なうカンファレンスだけでなく、運営スタッフが直接、現在起きている不具合と進捗状況を説明するという、ユーザーに向けて情報を発信する要素の濃いイベントとなった。「RO」では、韓国で実装された3次職を含むアップデートの仕様をそのまま実装せず、これまで「RO」をプレイしてきたユーザーに向けて、大きく手を加えた形で実装したが、実装後一部のスキルの使用を停止するなど、いくつかの不具合が見つかり、ユーザーからの指摘も多いという。今回のイベントでは、この問題に対して開発との進捗を説明した事に加え、会場で直接質問を募るという形で対応した。このユーザーに向けた姿勢は大いに評価したい。
司会は「RO」マーケティング担当の小野進吾氏と、ラグナロ娘の乾乾曜子さん、未梨さん。300人のユーザーが集まった | ||
かなりの難問も出されたラグナロクオンライン検定 |
■ 3次職実装後の様々な不具合やバランス調整の進捗が説明された「BOSSの部屋」
ガンホー執行役員ゲーム事業部オンライン本部長の飯野平氏 |
ゲーム事業部オンライン本部第一企画課課長代理の千葉亮一氏 |
ゲーム事業部オンライン本部第一企画課の山本兼寛氏 |
戦闘での計算式。「RO」ではこれまであまり公開していない情報だ |
「ラグナロクオンライン カンファレンス&パーティー」の開幕を飾った「BOSSの部屋」では、「ラグナロクオンライン」の運営スタッフの責任者であるガンホー執行役員ゲーム事業部オンライン本部長の飯野平氏が登壇し、ゲーム事業部オンライン本部第一企画課課長代理の千葉亮一氏、ゲーム事業部オンライン本部第一企画課の山本兼寛氏と共に、「3次職アップデート後の不具合修正とバランス調整について」の進捗の説明を行なった。その他のイベントを挟んで行なわれた「BOSSの部屋2」では、休憩時間中に会場からの質問を受けつけ、いくつかの質問にその場で答えるという形で進行した。
最初に飯野氏は「イベント自体は前から予定を立てていたのですが、こういう形にするのは急遽決定しました。アップデート後、たくさんの意見をいただいている中で、僕たちが応えなくてはいけない、ということで、企画しました。もちろん説明は今回だけで終わらせるつもりはなく、色々な形で皆様の声に応えていきたいと思っています。僕は『RO』というタイトルと共に成長してきましたし、今後も成長したいと思っています。今後も皆さんのご協力をお願いします」と挨拶した。
まず取り上げられたのは、「パーティーボーナスについて」。「RO」では一人以上の人が同じ敵を殴ると「共闘ボーナス」が入っていたが、アップデート後はこれが少なくなったことに加え、小規模でのパーティー経験値のメリットが少なくなってしまった。Gravityと現在協議中だが、少人数パーティーの場合のボーナスは以前と同じくらいの感覚になるようにしたいという方向で話を詰めている。
「シーズモードでの状態異常Lv偏差について」というのは、ベースレベルが高いプレーヤーが状態異常に関して有利になりすぎるという状況に関しての指摘だ。開発のGravity側の意図としては、高いレベルを目指して欲しいということでのバランスだが、Gravityスタッフに日本の攻城戦の状況を確認してもらい、「開発の意図以上にレベルによる差が出ている」という状況を確認してもらった。こちらは、レベルの差によるアドバンテージを緩和する方向で調整している。
「MATK(魔法攻撃力)計算値について」は、強力なMATK武器を装備できるウォーロックに関しては開発の想定通りだが、それ以外の強力な武器を装備できない魔法系キャラクターが弱体化している。このため、他の職業用の強力な武器を用意する方向で調整する。「エンチャントデッドリーポイズン」は、下方修正が話題になっているが、スキルの威力は下がった分、このスキルを使うための「毒薬の瓶」をもっと入手しやすい方向で調整する。
「ファーマシーの武器製造について」は3次職の現在の最大レベルより、2次職の最大レベルの方が大きいため、武器製造確率が上がってしまっているという3次職のメリットが少ないことでの問題だ。こちらは3次職での上方修正を行なうと共に、3次職ならではの特典もあるような方向で協議している。また、「星のかけらを使った武器の必中効果」が削られている問題では、難易度の高い星のかけらを武器制作に使うメリットが無くなってしまっている。ATK上昇値を伸ばすと共に、何かしらの付加価値を考えているという。
この他、「コーティング薬」、「発勁、錐、魔剣士タナトスの思念体カード」といった要素が、現在の仕様だと効果がなかったり、弱体化しており、調整を進めるようにしている。スキルに対しての考察や、調整なども含めて、様々な点で交渉・検討を行なっているとのことだ。反対に「メランコリー」は「スパイラルピアース」と共に使うと強力になりすぎ、さらにパーティーに所属していない周りの人達に対して迷惑行為にも繋がっている。クールタイムや、スキルの使用時間の調整も考えていると言うことだ。
「リフレクトダメージ」、「メンタルダメージ」、「種族・サイズ耐性」など現在ユーザー間での問題となっているバランスに関しては、ある点では開発側の意図通りの部分はあるが、見落としているスキルがあったり、ある状況では意図しない問題が発生していたりしている。不具合に関しては、日本運営側が粘り強く説明しているという。また、Gravityの運営側での説明などが実情と違っているため、「不具合」と感じられた部分もあるという。調整や、仕様変更での告知といった対応も行なっていくとのことだ。
この他にも、「凍結、石化に関するバランス」、「耐性が活かされていないドラゴンブレス」、「マスカレードグルーミーでのロストしたように見える不具合」、「閃電歩のスタック問題」、「一般フィールドでストリップアクセサリーを使うことでの迷惑行為」、「発火の状態異常のダメージ」、「アルージョ、安らぎの子守歌の攻城戦使用時での重大な不具合」など、現在起きている問題を認識していることでの提示と協議での進捗が語られた。
この後、今後の予定を発表した「ラグナロクオンライン カンファレンス」、ユーザー参加イベントの「ラグナロク検定」を挟んで、「BOSSの部屋2」として会場から寄せられた質問に対する回答が行なわれた。飯野氏が最初に答えたのユーザーからの質問は「これだけの不具合があるのに、何故3次職アップデートを行なったのか」。飯野氏は「これ以上実装を遅らして、他国に3次職が入ると、ますます日本のユーザーの意見が通りにくくなる。伸ばせるだけのばし、修正を入れるだけ入れたのが、今の状態です」と語った。なお、今回上げられなかったスキルや問題、見直しも進めているという。
「Gravityとガンホーでの意思疎通、やり方の問題」という指摘に関して、GravityのCTOの堀誠一氏とでよりよい意思疎通を模索しており、QAのスタッフも倍に増やして準備を進めている。あと3カ月ほどで効果が見えてくるのではないか、ということだ。「日本を優先した開発体制にできないのか」という意見も寄せられているが、飯野氏は「ゲームを企画すること、開発することを経営サイドが100%口を出し、変えようとするのは良くないのではないかと僕は思っています。ユーザーの声を聞いて、運営が開発サイドに声を届けるのがよりよい形だと思っています。それを続けていきたいと思っています」と語った。基本式を変えるのではないが、日本独自の仕様は盛りこんでいくとのことだ。
また、「ラグくじで不具合が発生しているアイテムを商品に入れているのは問題ではないか」という質問に対して、飯野氏はラグくじの仕様決定は数カ月の準備が必要なため不具合発生のタイミングと合わないところがあると説明した。
千葉氏は「ルーンナイトの次のグラフィックス変更はあるのか」という質問に対し、全てを変えるのは時間がかかりすぎると前置きした上で、ガンホーとして重点を置いているのは「ギロチンクロス」と「ジェネリック」のグラフィックス変更の要望を出していると語った。部分的なアレンジでの変更なども含めて模索しているという。また、拡張職に関しては2011年のGravityの開発項目予定に入っており、今後考えられているという。
今後実装予定の「ワールド対抗戦」に関しては、韓国では本サーバーのキャラクターをコピーするという形で行なわれているが、各サーバーでアイテムの価値なども違うため強さの違いが大きくなる。そこでRJC等で行なう、同じスタートラインから協議を行なう方向も考えている。モンスターの配置変更はコンセプトを明確に、規模を大きくしながら調整していく。一方、モンスターのステータス変更は難しいのが現状だ。
山本氏は「モンクの気功での必中については効果があってもいいのではないか」、「製造職の3次職に対してはなにかしらのメリットをつけてほしい」という点に関しては「私達もそう思っている」として、引き続き協議を続けていくことを語った。MATKは装備を用意するのではなく、最低ダメージを引き上げる方向性も検討している。しかしこれは1からの開発となるため、まずは現状のルールの上でMATKの高い武器を作る、という方向を早めに入れていきたいという。ドラゴンブレスでの意見が多かったり、共闘ボーナスを戻して欲しいという意見も多い。共闘ボーナスを戻すのは難しいが、パーティーボーナスを増やすような方法を模索している。
「ヴァルキリーシューズ」など一度実装してしまったアイテムの効果の見直しは、現状難しいが上位アイテムに交換できるような機能も検討中だ。この他にも「BOSSの部屋」で上げられた問題に対して、さらに突っ込んだ質問も行なわれた。職業間のバランス、アップデートで変わった部分など、まだまだ検討しながら、根気よくGravityと検討を進めていきたいということだ。
最後に飯野氏は「今回指摘した問題や、認識されている不具合は、協議を進めている最中であり、まだまだつめていない部分もありますが、できれば来年の早い時期に対応できるように、調整していきたいと思っています。まだまだ決まっていないことですが、ユーザーさんの気持ちに越えるための目標として努力していきたいと思います」と語った。
ユーザーから指摘の多かった点を1つ1つ取り上げたスライド。細かい部分での検討なども行なわれているのがわかる | ||
現在使用を限定していたり、止めているスキルもある。3次職アップデートは慎重に進められていたが、多くの不具合や、バランスの変更でのユーザーの戸惑いも大きいようだ。検証の難しさも感じられる |
■ 「ワールド対抗戦」、新地域、コスチュームシステムなど、今後も様々な新要素が登場
パブリッシング部第一企画課主任の中村聡伸氏 |
「ラグナロクオンライン カンファレンス」では千葉氏とパブリッシング部第一企画課主任の中村聡伸氏によってアップデート内容が語られた。まず最初に、「ワールド対抗戦」を2011年に実装することが発表された。これは、毎週日曜にワールド対抗で攻城戦を実施し、優勝ワールドに特典を与えるという。予選や対抗戦、SNSとの連動も企画中だ。また、攻城戦の入門用のPvPコンテンツも考えているという。
フィールド拡張に関しては、既存の「ミッドガルド」にフォーカスし、韓国でネットカフェ戦用ダンジョンとして実装されている「イズルード海底神殿深層」、さらに韓国でも未実装の「生体工学研究所04」が実装される予定だ。海底神殿ではイカ型モンスター、研究所は高度な連携をする敵が襲いかかってくる。また、日本オリジナルの長編クエストが2011年秋に実装される予定だ。
また、以前からアナウンスされていた「ルーンナイト」の新グラフィックスが、12月26日本日に実装、12月28日からは、ルーンナイトの服の染色が無料で行なわれるキャンペーンが実施される。
マップとしてはインドネシアをモチーフとした「デワタ島」を実装。熱帯と火山フィールド、南国の食べ物アイテムも追加される。“猫の手協会”の猫たちが遭難してしまった「マランアイランド」という新しい冒険フィールドも実装される。こちらは猫の肉球の洋なしまで、タコ型モンスターが待ち受けているとのことだ。
さらにノービス、スーパーノービスのベースレベルが150まで成長可能に。スーパーノービスは28ものスキルを習得可能になった。このほかにも羽根や風呂敷など肩にかけるアイテムが登場、装備した頭装備の性能はそのまま、外見を変えることができる「コスチュームシステム」も実装される予定だ。なお、コスチュームシステムは外見で性能を判断するのが必要な攻城戦では使えなくすることも検討しているという。
また、「ラグナロクオンラインMobile Story Android」の発表や、クリスマス・お正月イベント、季節イベントのクリアを記録される機能なども紹介された。2011年4月29日には東京ビッグサイトにてRJC2011の決勝大会と同人誌即売会の「RAG-FES」が開催予定な上、RWC2011も日本以外の国での開催企画が進んでいるということで、まだまだ様々なイベントが予定されているという。
「ワールド対抗戦」は入門用のコンテンツも実装されるという。これまでのダンジョンも拡張される | ||
オリジナルコンテンツや新地域も実装される | ||
肉球をイメージしたマランアイランド、新カード、ノービスの拡張も | ||
キャラクターのアバターシステムも強化。Androidでも「RO」を | ||
お正月イベントや、ビッグサイトでのRJCも発表された |
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(2010年 12月 27日)