Windows 10 ゲームマラソン
「FINAL FANTASY 零式 HD」 PSPの大作アクションRPGをHD化&リファイン
「FABULA NOVA CRYSTALLIS」の一翼を担う重厚なストーリーも魅力
(2015/9/7 12:00)
「FINAL FANTASY 零式 HD」(以下、「零式 HD」)は、スクウェア・エニックスが8月19日に発売したアクションRPG。2011年にPSPで発売された「FINAL FANTASY 零式」をHD化したもので、映像面での強化だけでなく、システム面にも手が加えられたリファイン作品となっている。本日の「Windows 10ゲームマラソン」は「零式 HD」を紹介しよう。
Windows 10への対応状況(8月20日現在) | |
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動作状況 | ★★★★★(正式対応) |
メーカー対応 | 動作確認済み |
Windows 10独自機能 | 特になし |
不具合報告 | 特になし |
サポート情報 | Steam公式ページ |
HD化だけではない、多岐に渡るアップグレード
本作の元となるPSP版「FINAL FANTASY 零式」は、「ファイナルファンタジーXIII」を中心としたプロジェクト「FABULA NOVA CRYSTALLIS(ファブラ ノヴァ クリスタリス)」の中の1作。人気の「ファイナルファンタジー」シリーズに連なる作品であることだけでなく、UMD2枚組による大ボリュームのゲーム内容でも注目された。
「零式 HD」では、フルHDでの表示に対応。PSP版に比べて縦横4倍という圧倒的に精細な映像で楽しめるようになった。さらにライティング(光の当たり方)にも新技術が投入され、PSPでは表現できなかったキャラクターの艶やかさや、爆発などのエフェクトの美しさにも磨きがかかっている。
映像面以外でも手が加えられている。PC用のゲームパッドはPSPに比べて多くのボタンが使用できるため、操作方法が一部アレンジされている。右スティックでカメラの視点を動かせるなど、PC用の3Dアクションではおなじみのスタイルで楽しめるのが嬉しい。なお、本作でゲームパッドを使用するには、XInput対応のものが必要になるようだ。筆者の環境ではDirectInputのゲームパッドは使用できなかったので、ご注意いただきたい。
他にもキャラクターの移動速度を高速化してアクション性を高めていたり、難易度を選択できるようにして遊びの幅を広げたりもしている。難易度調整はゲームスタート後も変更可能というフレンドリーな設計。またキャラクターボイスは日本語だけでなく英語も収録されており、こちらも自由に切り替えられる。英語でプレイすると雰囲気ががらりと変わる。日本語字幕は表示できるので、ぜひお試しいただきたい。
グラフィックス部分について1つ言及しておきたい。本作はWindows向けのリメイクではなく、あくまでPSPのHD化だ。解像度は向上し、ライティングも大幅に手が加えられているが、ポリゴンモデルやテクスチャの画質などはHD化なりのもので、最新のPCゲームと比べるとどうしても見劣りする。それでもPSP版をベースにここまで画質を向上できるなら十分すぎると思う。筆者としては、キャラクターのアップになっても十分耐えうるどころか、味のある表情を感じさせてくれるビジュアルを見て、元のPSP版はよくできていたんだなと再評価したくなった。
アクションとRPG、独特な世界観でプレーヤーを引き付ける
続いてはPSP版を未プレイの方にもわかるよう、本作の魅力をお伝えしよう。ゲームはアクション性の高いRPGとなっている。プレーヤーキャラクターは14人で、そのうち1人をプレーヤーが操作、2人をNPCの自動操作として、3人1組で進攻する。
主人公の「エース」はトランプのようなカードを投げて戦う。他のキャラクターは、刀や槍、弓といったものから、ナックル、銃、フルートの音色など1人1人異なる武器を使うので、アクションも14人分楽しめる。さらに必殺技や魔法といった要素もあり、NPC操作のキャラクターが回復魔法で助けてくれたりもする。巨大なボスとの戦いでは、敵の攻撃を見切ってかわしつつ、隙を突いて大ダメージを与えるという、メリハリのあるバトルが繰り広げられる。
14人のキャラクターを育てるのも面白さのポイント。バトルを通してレベルアップし、新たなスキルを身につけられる。主にどのキャラクターを使い、何のスキルを身につけるかはプレーヤーに委ねられている。もちろん装備品や魔法も変更できるので、育成の面でも自由度が高い。物語上の主人公は「エース」だが、他のキャラクターを普段の操作用キャラクターとして使えるので、思い入れのあるキャラクターができると面白さも倍増する。
そして本作の最大の魅力はストーリーだ。朱雀・白虎・蒼龍・玄武という4つの国が存在し、それぞれにクリスタルの力を持っている。このうち白虎が朱雀へと侵攻。大きな打撃を受けた朱雀だったが、魔導院に所属する「幻の0組」の12人が登場し、白虎の侵攻部隊に大打撃を与える。この「0組」がプレーヤーキャラクターとなり、2人の新人を加えて物語が展開していく。
「零式」というタイトルや国の名前からは、東洋の雰囲気が感じられる。また主人公達が通う魔導院は“魔法の学校”という風情で、衣装は学生服そのものだ。それでいて血なまぐさい戦争もあり、謎の多い神話もあり、「ルシ」と呼ばれる強大な力を持つ存在も現われる。とりとめがないようでいて、確かな統一感もある世界は、壮大さをもってプレーヤーへと伝えられる。ムービーやデモシーンも多彩で、ゲームと映画を同時に楽しんでいるような気持ちにさせてくれる。
世界観については、他の「FABULA NOVA CRYSTALLIS」作品とともに遊べば、より理解度が深まる。「ファイナルファンタジーXIII」もSteamで販売されている(8月20日現在、1,800円)ので、合わせて遊んでみてはいかがだろうか。
Windows 10にはPC版の発売時点から正式対応している。動作環境は、CPUにCore i3の2.5GHz以上、メインメモリ4GB、GPUはGeForce GTX 560 TiまたはRadeon HD 7790以上。推奨環境は、CPUはCore i5の2.7GHz以上、メインメモリ6GB以上、GPUはGeForce GTX 750以上とされている。ただし筆者のプレイした感覚だと、かなりヘビーなゲームになっており、最高画質に設定した上で安定したフレームレートを出すためには、推奨環境よりもう1ランク上のGPUがあるとよさそうだ。
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