「マフィア III」大暴れ連載 奏でろ! 復讐のブルース

「マフィア III」連載第3回:野獣のような3幹部! 新企画「俺のチャレンジ」始動!

 サル・マルカーノによってすべてを奪われた男は、マルカーノが持っているすべてを奪うという復讐を決意する。「俺が望むのはやつの死“だけ”じゃない。やつがやろうとしてること、俺たちを皆殺しにしても得ようとした未来。それを根こそぎぶちこわし、すべてを奪った上で、真っ暗な絶望に突き落としてから、殺してやる」。リンカーンの決意は、プレーヤーである俺がドン引きするほど苛烈だ。

 しかしすべての復讐をリンカーン1人ではできない。すべてを失ったリンカーンは改めて“協力者”が必要だ。マルカーノには敵が多い。その敵を引きこみ、手懐け、自らの仲間として、街の支配をひっくり返していく。マルカーノの支配で塗りつぶされたこの街を俺・リンカーンの手で黒く、黒く塗り替えていくぜ!

 今回はリンカーンが利用する3人の“幹部”にフォーカスを当てていく。彼らはマルカーノに恨みを持っているが、こちらがえこひいきをしたり、冷たいそぶりを見せればたちまち敵となる“危ういパートナー”だ。彼らには彼らの正義があり、リンカーンに協力するかはこちらの扱い次第。同じ敵を狙っていても、彼らは“家族”ではない。綱渡りのような緊張感をもたらす“仲間”たちだ。

 さらに今回から新コーナー「俺のチャレンジ! 」もスタートさせるぜ。今回はズバリ、「警官隊を全滅させろ!」だ!! 「マフィア III」の警官は超しつこい上攻撃力がスゴイ。この凶悪な奴らを撃退する方法を編み出したぜ!

一癖も二癖もある幹部たち! 強化も離反も俺次第

 「マフィア III」では、リンカーンを助ける3人の幹部たちが登場する。彼らの協力なくしては、この先に立ちはだかるサル・マルカーノの牙城を崩すのは困難だ。最初に仲間になるのはハイチギャングのリーダー、カサンドラだ。彼女はハイチからアメリカに来た黒人の移民で、妹を誘拐され娼館で嬲り殺しにされるという、恐ろしい苦難の道を歩いている。

最初に幹部になるのがカサンドラだ。ヴィトとはこれまで敵対関係にあったような描写が随所に見られるので、敵対して殺し合いになるのは避けたいところだ
前作「マフィア II」の主人公だったヴィト。本作でもエリアボスとの戦いに自ら乗り出すなど、殺し屋としての一面も垣間見える
ダニーの父親でもあるバークは、一見だらしない感じだが、アイリッシュマフィアのボスだ

 彼女のアジトはブードゥー呪術のショップになっており、幸運をもたらし、人を呪うグッズを仲間達に売っている。一方で積極的に武器をかき集め黒人達にばらまいている。黒人達は差別され、迫害される存在であり、銃を持つことでその差別に対抗させようとしているのだ。恐ろしい女ではあるが、悩みを抱えた同胞には優しい笑顔を見せることがある。正直、嫌いじゃないキャラクターだ。

 2人目の幹部ヴィト・スカレッタは前作の主人公だった男。前作の舞台だったエンパイア・ベイでマフィアの抗争を何とか生き残った彼だが街に入られなくなった。そしてマルカーノにも“よそ者”として疎まれていた。彼は野望をむき出しにしたマルカーノに裏切られ、冷蔵室で殺される寸前にリンカーンに救出される。実は料理が趣味だったり意外な一面も持つ。彼のエピソードは前作がらみの内容も多く、シリーズファンには特に気になるキャラクターだろう。

 3人目の幹部はアイリッシュギャングのボス、トーマス・バークだ。年中酔っ払っていて、粗暴で愚痴っぽい男だがライフルの腕は確かで、IRAと繋がっていて爆弾の技術に秀でる。彼自身は大きな自動車の解体工場を運営していて車に強いスタッフもいる。息子のダニーを殺されており、マルカーノへの恨みは深い。強面で狂犬のようにかみつき癖を持った男だが、娘のニッキーに頭が上がらないというところが面白い。

 ストーリー面だけでなく彼らに“シマ”を与えることで得られるゲーム的恩恵も魅力だ。カサンドラにシマを与えれば武器弾薬が多く持て強力な銃器を扱えるようになる。電話を止めて通報を防ぐのも黒人ギャング団の働きによるものだ。ヴィトは闇医者にコネがありリンカーンの体力のほか、ステータスの強化も得られる。バークは爆発物と車の強化だ。手榴弾を安定して得るには彼の助けが必要だ。

 彼らはシマを得るほど自分たちの資金が増え、より強力な支援をしてくれる。カサンドラは銃器を強くしてくれるのでつい優先してしまいたくなるが……えこひいきをすると不信が募った幹部はこちらに牙をむく。そうなると俺の、リンカーンの敵となる。そうならないため、彼らが均等になるように俺は気をつけて分配している。特にエリアに潜む真のボスを倒すと、地区そのものを分け与えなくてはならないので、ここの選択は緊張する。それまで拠点を得ていたのに、地区を割り当てた仲間に取られかねないからだ。

 緊張しながらも思わず楽しいのが、地区の割り当てを決める会議の席だ。たとえそれまでその地域に手を伸ばしていない幹部でも、当たり前のように「その地域をくれ」といってくる。彼らに地域を与えるとどんな恩恵が得られるかもわかる。いつもは口数少ない幹部が、ベラベラしゃべり出す。まるでポーカーでだましあいをしているような駆け引きが楽しいぜ。

【「マフィア III」、奪ったシマを誰に任せるか】
幹部達のくせ者ぶりがよくわかる。誰にシマを任せるか……

【様々な顔を見せる3人の幹部】
カサンドラは表向きの彼女はブードゥショップのオーナーだ。客に対して見せる笑顔はまやかしか、それとも……
リンカーンとの会話の中で、時折ちょっとイタズラっ子のような無邪気な表情を見せる
ヴィトは元イタリアンマフィアだけあって拷問の際にも躊躇がない。口の硬いサルの部下に対して容赦なくペンチを使って指の骨を砕いて口を割らせる
料理好きという意外な一面を見せることもある。長いマフィア暮らしが続くヴィトだが、心のどこかで平穏を願っているのかもしれない
バークは言葉遣いも荒いが、乱暴な車の運転を見せると大喜びするなど、実際の性格もかなり荒々しい
エリアボスとの戦いでは自身の工場に敵を呼び出すなど、好戦的な性格なのは間違いない

サブミッションで好感度アップ! 隠された真実を知る楽しみも

 本作ではメインミッションで各幹部を仲間にすると、それ以降、各幹部ごとに異なるサブミッションが用意されている。これらサブミッションはいずれもクリアすることで金が稼げて幹部たちの好感度が上がるなどいいことだらけだ。ただし、無限に続けられるわけではなく、幹部、副官それぞれ持っているシマの広さに応じて上限が定められており、上限になると幹部たちに「地区を割り当てる」ことがサブミッションを進める条件になってしまう。副官については新たなエリアを制圧することで解放されるようだ。

 俺は当初、3人が仲間になった段階で、メインのストーリーを進めずに各幹部たちのサブミッションをガンガンやってやろうと思っていた。こうすることで、好感度をあげていけば、前述の通りどんどんリンカーンが強くなるので、リンカーンをある程度強くしてからメインミッションに挑もうと考えていたからだ。

 ところが仲間にした直後の状態のままだと、各幹部たちのサブミッションはいずれも1回のみ、副官については2回のサブミッションをクリアしたところで頭打ちになっちまったんだ。これは誤算だったが、バークのサブミッションのクリアで、C4爆弾や手榴弾がいつでも購入可能になったのはかなり戦いが楽になったな。

 サブミッションで特にお気に入りの物をピックアップしたい。バークの「IRAには逆らえない」は、街中にある指定された車を奪って送り届けるのが仕事だ。指定された車は画面上のマーカーで指示があるので、探すのにそれほど手間はかからない。注意点があるとすれば盗むところを誰かに見られると通報されてしまうので、通報者を追いかけて1発お見舞いしてやる必要があるくらいだ。獲物を求めて街中を走り、通報されたらそれに対処するという緊張感がたまらないぜ。

 俺はこのバークのサブミッションがとても気に入っている。というのも、他の依頼と比べて、戦闘が少ないからだ。本作は血まみれの復讐が連続する作品だが、車強奪の仕事は、いかにスマートにこなすかを追求できるんだ。証拠を1つも残さずお宝をゲットする。ルパン三世みたいな雰囲気がグットだ。

【サブミッションをこなせ!】
シマの割り振りやサブミッションで幹部たちの収入を増やしてやることで、幹部ごとにアップグレードの恩恵が得られる
バークのサブミッション「IRAには逆らえない」は、街中にあるオレンジ色のサムソン リッチモンドラックスを3台見つけて運んでくるという車泥棒の仕事だ

【「マフィア III」ヴィトのサブミッション・暗殺】
バーグのサブミッションは地味なので(笑)。動画ではヴィトのサブミッションを紹介しよう。ヴィトはリンカーンに暗殺ミッションを依頼してくる。長い間ギャングをやっている彼には多くの敵がいるようだ

 サブミッションは幹部以外にそれぞれ副官からも与えられる。バークの副官は娘のニッキー。あの粗暴な親父からこんな頭の良い娘がよく生まれたな……と思わせるタフで頭の切れる美女で、どうやらリンカーンと幼なじみらしい。彼女とリンカーンの会話は殺伐とした「マフィア III」の中でホッとさせられる時間だ。ヴィトの副官はキューバからの亡命者アルマ。ヴィトをしっかり支える落ち着いた美女でヴィトとの“大人の関係”を匂わせる女性だ。

 カサンドラの副官、エマニュエルはハイチからの亡命者で混乱したハイチ国内からの脱出を手助けしている人物だ。彼はミッションの前後にハイチに住む人々の苦しい生活を語る。サブミッションではキャラクターや、当時の世界情勢を掘り下げるエピソードが挿入されているところも大きな魅力だ。

 ユニークなサブミッションという点では、カサンドラの副官、エマニュエルのサブミッションも好きだ。彼からの依頼はボートを使って積み荷を強奪するというミッションなんだ。目的地にいる敵を倒してボートを奪うここではディキシーマフィアが空輸してきた「嗜好品」が川に投下されるので、これをボートで回収し、それらをアジトに持っていくというミッションだった。他にも予めボートに積まれた「嗜好品」をボートごと強奪して、所定の場所に持っていくというのもあった。

 現時点ではボートを利用したメインのミッションはまだ発生していないが、いずれ発生した時に備えてボートを練習しておけるという点でもこのサブミッションは貴重なので、メインミッションの合間に進めておくといいぜ。ちなみにボートの操縦については、制御しきれないほどの速度は出ないし、川の移動が主になるため、波による影響が少なく、ほどよい感覚で楽しめる。車で街中をぶっ飛ばすいつものミッションとはひと味違う、のどかな雰囲気が楽しいぜ。

【副官達も魅力的】
バークの副官は実の娘でダニーの姉のニッキーだ。サブミッションを進めると衝撃の事実が明らかになる
ヴィトの副官はキューバから亡命してきたアルマだ。ヴィトのことを思いやる描写も多く見られる
カサンドラの副官は神父のエマニュエル。過去にはハイチからの亡命で多くの仲間を運んだ経歴もあるようで、サブミッションを進めると、その頃の苦悩を語ってくれる
エマニュエルのサブミッション。お目当ての「嗜好品」は最初からボートに積んである場合もあれば、空輸して川に投下されたブツを回収する場合もある

【「マフィア III」サブミッション、「嗜好品」を運ぶ】
ボートでミシシッピー川に出るミッション。俺のお気に入りだ

新企画・俺のチャレンジ! わらわらと現われる警官どもに勝つ!!

 「俺のチャレンジ! 」ということで、今回から毎週色んなチャレンジをしてみることにするぜ。1回目はあの憎き警官たちとガチでやりあってみようと思うんだ。「マフィア III」は警官が強い。何としてでもこの警察をやり込めたいと思ったんだ。しかし警察は強い。こちらの車をパンクさせて足止めするし、スゴイ勢いでこちらを取り囲んでくる。しかもゲームバランス的に敵の攻撃はすごく強力であっという間に倒されてしまう、さて、どうするか?

 ここで俺が思いついたのは支配地域の拠点だ。味方がたくさんいるところに逃げ込めば奴らを撃退できるかも! 俺は早速警官にケンカを売ってみた反撃のすごいことすごいこと……あっという間に車はポンコツ、しかし何とかアジトに逃げ込めた。すると味方とものすごい勢いでやってくる警官との壮絶な撃ち合いが始まった!

 ……しばらく戦って気が付いたんだが、「マフィア III」では警官が無限にわいてくるようだ。パトカーで到着するんじゃなくてあるポイントから固まって際限なく出てくる。つまり警官を全滅させるのは無理なんだな。つまり撃退はできないが、彼らの追求を逃れる方法はある。アジトの奥でじっとして、しばらく警官から見つからなければやがて警官は諦めて去って行くんだ。無限にわいてくる以上正面からでは勝てないが、警官をあきらめさせることはできるんだ。アジトに逃げ込み戦う戦法はぜひ一度やってみて欲しいぜ!

 こんな感じで次回以降も普段やらないような遊び方を試してみることにするから期待していてくれよな!

【俺のチャレンジ! 「警官どもに勝つ!」】
実質無限沸きの警官。撃退するには警官が容易に入ってこれない内部で、発見される前に排除することで、警戒を解かせるしかない

【警官どもをぶっ飛ばせ】
C4を使ってパトカーをまとめてぶっ飛ばす! 恨み重なる敵だけに、すっきりするぜ!