使って試してみました! ゲームグッズ研究所

連載第316回

PS Vitaもレトロ風に!

バランスの良いPS Vita用グリップや、3DS LL用Qiワイヤレス充電も試してみた

 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。

 今回はPS Vitaと3DS LL用のグッズを3製品を使って試してみた。前回Wii U GamePad用のレトロフェイスプレートを試したが、今回はそのPS Vita版をチェック! また、L/Rボタンを幅広なトリガー式にする扱いやすいPS Vita用グリップアタッチメント、ゲームテックの「トリガーグリップV」も試してみた。

 3DS LL用グッズでは、スペックコンピュータ「置きらく充電レシーバー for 3DSLL」を使ってみた。ワイヤレス充電の国際標準規格「Qi規格」で3DS LL置くだけ充電できるようにするというレシーバーのグッズだ。こちらでは、PS3とXbox 360用コントローラーを同じくワイヤレス充電できるレシーバーも併せ、Qiでのワイヤレス充電での良さを確かめてみた。


PS Vitaをレトロ風デザインにするフェイスケース登場!

メーカー:
デイテルジャパン
価格:
1,500円
PS Vitaをレトロな雰囲気にしてしまうフェイスケース

 前回、Wii U GamePadをレトロ風にするフェイスプレートを試したが、今回はそのPS Vita版だ。えんじ色のポリカーボネート素材に、金色のアルミパーツが組み合わさることで、レトロテイストをバッチリ醸し出している。

 ケースは前面パーツと背面パーツにわかれている。前面には金色のアルミコーティングが、背面はグリップのへこみの部分が金色アルミになっている。装着したままで各所のスロットに触れるよう開口されていて、3G/Wi-FiモデルのSIMカードスロット以外は、全てケースを着けたままで触れる。

 ケースの厚みは約1.58mmあり、少々厚みのあるケースだ。重量は前面・背面をあわせて約38gとなっている。

 ケースを着けてゲームプレイ等を試してみた。手に持ってみると背面のグリップ部分に上手くなだらかながへこみがつけてあり、グッと握れる。持った時のグリップ感とホールド感は良好だ。

 方向キーや○/△/□/×ボタンを操作をしてみると、ケースの厚みが少々気になった。開口部のフチが操作する指に当たってくる。方向キーや○/△/□/×ボタンのボタントップの高さはほぼケースの厚みによって相殺される程度になる。操作そのものは問題なくできるが、ケースのフチが指に当たってくる独特の感触には慣れが必要だ。また、誤操作防止のために、ボタンの高さがないPSボタン/スタートボタン/セレクトボタンはカバーから見ると深い位置になるため、指先や爪で押すような感じになる。

 このほか気になったのは、ケースの前面・背面の繋ぎ目や、各所の開口部分のフチにあるバリ(成型時にできる跡)。製品ごとの個体差はあると思うが、試した製品では毛羽だったところがかなり多かったのが残念。目の細かい紙ヤスリなどで、開口部のフチやケースの繋ぎ目を軽く削ってキレイにしてみたい。

前面・背面の2つのパーツで挟み込むようにして装着する。ボタンやスロットの周りは開口されていて、ほぼ全ての箇所に触れるようになっている
左の写真は厚みを確認してもらうためのもの。ケースはそこそこ厚いので、ボタンのキートップの高さはほとんど相殺される。操作に支障はないが、慣れが必要だ。右の写真は繋ぎ目や開口部のフチを撮影したものだ。もう少し丁寧な仕上げになっていたら……

 PS Vitaをレトロテイストにしてしまうケース。えんじ色と金色のカラーが妙に似合ってしまうところがユニークだ。ただし、ケースの繋ぎ目などのバリが残っており、全体的に仕上がりが雑な印象を受けてしまった。愛用するなら自分で削るなど工夫をするほうがいいだろう。それさえクリアすれば愛着の持てるケースになるかも?


L/Rボタンをトリガーにして自然に操作できるようにしてくれるPS Vita用グリップアタッチメント

メーカー:
ゲームテック
価格:
オープン(購入価格:1,980円)
L/Rボタンをトリガー押し込み式にし、角度やグリップの大きさにもこだわったPS Vita用グリップ
L/Rトリガーは幅広で、人差し指が自然な角度で押せるようになっている

 L/Rボタンをトリガー式にしたPS Vita用のグリップアタッチメントだ。側面の角度を手のひらがフィットするよう工夫し、グリップは手の小さい人でも握りやすいよう小ぶりにするなど、各所に工夫をこらしている。

 素材はABSを使用し、表面にはざらつきのある梨地加工が施されている。背面には約18mmのグリップがあるが、膨らみはそこそこ厚みをつけている分、外側方向にはそれほど延ばしておらず、短めのグリップだ。そのグリップと同じ高さで、L/Rトリガーがついており、置いた時に画面が平行になるようになっている。

 L/Rボタンのトリガーは、L/Rボタンをトリガーパーツ越しに押し込む方式。約24mm×25mm(横×縦)の幅広なトリガーで、PS Vita本体を手に持った時に人差し指が自然にくる位置で押し込めるようになっている。押し込みの深さ、ストロークは約5mmと、それほど深くはないが、グッと押し込める感触になっている。

 前面はほとんど覆わず、上下もほとんど開けてある。左右の側面だけを覆っている形状だ。3G/Wi-FiモデルのSIMカードスロット以外は、全てグリップを着けたままで触れるようになっている。

 実際にゲームプレイ等で試してみた。まずは両手で持った時のフィット感だが、こちらは非常に良好だ。厚みのあるグリップは手の平の中心にすっぽりと収まり、グッと握れる。長さはそれほどないので、手が小さい人でも握りやすい。こだわったという側面の角度も良く、手にしっくりと収まる。背面のタッチパネルも自然に触れる。

 L/Rトリガーは、まずその位置が秀逸だ。本体を持つと人差し指の角度は少し斜め下方向になるのだが、それを大きなトリガーでしっかりとフォローしている。自然な指の角度で押せるようになっている。押し込んだ感触はパタパタと軽いが、入力の反応は良く、試用中に操作ミスは起きなかった。L/Rボタンを多用するゲームをプレイする時の心強い味方になってくれるだろう。

L/Rトリガーとグリップで厚みはあるが、外側にはサイズが大きくはなっていない。ホールド感、フィット感、自然な角度で操作できるところなど、いずれもバランスが良くプレイしやすいグリップアタッチメントだ

 各所のフィット感にこだわったグリップアタッチメントで、小ぶりながらも握りやすいグリップや、自然に押せる幅広なL/Rボタンなど、全体的に非常にバランスが良かった。特にグリップの、手の小さい人も大きい人も握りやすい絶妙なサイズは特筆ものだ。より快適なプレイを求める人にぜひチェックしてもらいたい。


3DS LLを置くだけワイヤレス充電! PS3&Xbox 360コントローラー用レシーバーも試してみた

メーカー:
スペックコンピューター
価格:
2,310円
パッケージには画面保護パネルのほかに、左右操作部分に貼る保護フィルター、クリーニングクロスがセットになっている
レシーバーは3DS LLの底面にあるバッテリーカバー型。左のカバーを右のレシーバーに付け替える

 ACアダプターのケーブルを繋げるでもなく、スタンドにカチッとセットするわけでもなく、ただポンと置くだけで充電される。そんな未来的な充電スタイルを実現してくれるのが、この「置きらく充電レシーバー for 3DSLL」だ。

 ワイヤレス充電の国際標準規格「Qi(チー)」を使用。Qi規格のワイヤレス充電機能は、一部のスマートフォン、モバイルバッテリーなど、様々な製品に採用されている。また、充電用のチャージボードも、昨今カフェやコンビニエンスストアなどに設置されているなど、数年前から徐々に広がりと定着が進んでいる。スペックコンピューターの「置きらく」シリーズは、Qi規格のワイヤレス充電機能を、いろいろな機器に追加するレシーバーのシリーズだ。

 パッケージにはレシーバー本体のほかに、専用の小型ドライバー、さらに保護プレートが付属している。保護プレートは、レシーバー取り付け時に金属接点を擦って傷をつけないようにするためのもので、取りはずし時のみ使う。

 3DS LL用のレシーバーは、3DS LL底面のバッテリーカバーと交換して、ワイヤレス充電を受けられるようにするというバッテリーカバー型のパーツになっている。内蔵のバッテリーそのものは交換しない。レシーバーは全体が黒色で、表面の質感は3DS LL内側下画面周りに近いザラつきのある感触だ。

 充電端子の箇所には「コの字型」の突起があり、ここの金属接点から本体の充電端子横にある金属接点へと通電させ、バッテリーを充電していく。この突起は、充電端子のある中央の部分が開けてあるので、ACアダプターを繋げても充電できるようにしてある。プレイしながらの充電用の手段が残してあるのは嬉しいところだ。

 レシーバーは標準のバッテリーカバーよりも約1mm厚みがあり、重量も元のカバーの約14g対し、レシーバーは約30gと、約2倍ほどになる。重量のほうはわずかな違いだが、厚みの違いは手に持った時の感触がだいぶ変わってくる。この厚みの違いや充電端子部の突起があるので、充電台や拡張スライドパッドといった周辺機器や、保護カバー類(底面側)は使えなくなる。

3DS LL本体の充電端子のところにコの字型の金属接点があり、ここからバッテリーへと充電されていく。取り付け時にこの金属接点部分をこすって傷つけてしまわないよう保護プレートも付属している(取り付け完了後はプレートは外す)。なお、下の2枚の写真のように、レシーバーは標準のバッテリーカバーより約1mm厚みが増す
スペックコンピューターのチャージボードの上に、レシーバーを着けた3DS LLを置くだけですぐに充電が始まる

 実際に取り付けてみる。3DS LL底面のカバーをとめている2カ所のネジを外し、カバー型のレシーバーを取り付ける。この時、充電端子の金属接点に、付属のプレートをはさみこむ。最後にネジを止め、プレートを引き抜けば完了だ。プレートをはさみつつ取り付けるところが少し難しいが、作業自体はすぐに終えられる。取り付け後の外観を見ると、あまりゴテゴテとした感じはなくすっきりとした仕上がりだ。

 続いて充電してみる。充電台には、スペックコンピュータのチャージボード(購入価格:3,990円)を使用した。ご注意頂きたいのは、本製品がレシーバーのみの販売であり、充電台となるチャージボードは別途必要というところだ。Qi規格のチャージボードはスペックコンピューターをはじめ、パナソニックや日立マクセルなど各社からも販売されている。

 そのチャージボードにACアダプターを繋げればセッティングは完了。そこにレシーバーをつけた3DS LLを置く。すると、ボードのLEDが青く光り、3DS LLの充電ランプも点灯した。ボードの上に置くだけですぐさま充電が始まる。縦向き横向きといった角度や、ちゃんとセットされているか気にせずに、ただボードの上に置くだけでいい。充電を終えるときも、置いてある3DS LLを手に取ればいいだけ。わずらわしいケーブルの取り回しもなくすっきりスマートに扱える。

 満充電までの充電時間を測定してみた。3DS LLのバッテリーが完全になくなった状態からチャージボードでの充電を行ない、3DS LLの充電ランプが消灯するまでを計った。結果、3時間4分で充電が完了した。

 3DS LLをACアダプターで満充電する場合は、公称値で3時間30分とされているので、それよりも早いという結果になったが、どうやらこれは完全に満充電まで充電されたわけではなく、ある程度充電されたところで3DS LL側で充電が終了しているようだ。そのためか、充電完了からの動作時間も、ACアダプターで満充電したものと比べると15分~20分ほど短めになっていた。

 少々後付けパーツであることをうかがわせるものになったが、実際に1週間ほど使ってみた感想としては“置いておくだけでフル充電近くまで充電してくれる”ということもあり、それほどネックに感じられるものではなかった。なお、ゲームプレイなど実際の利用においても、もちろん問題はなかった。スマートな充電スタイルの良さがしっかり味わえる。

 それよりも気になったのは“他社製チャージボードとの相性”だ。今回はパナソニックの「ChargePad QE-TM101-K」でも充電を行なってみたのだが、こちらでは数分でチャージパッド側のランプがエラーを示す点滅状態になり、充電できないことがほとんどだった。これについては、スペックコンピュータの販売サイトQ&Aを読むと「チャージパッドとレシーバーには製品同士の相性がある」としており、スペックコンピュータのチャージパッドとセットで使うようにするのが1番良いようだ。だが、せっかくの標準規格なのに相性問題があるというのは残念な話だ。

パナソニックの「ChargePad QE-TM101-K」でも充電を行なってみたのだが、数分でエラーが出てしまった。充電部分の距離などによる相性があるようだ

 ワイヤレス充電の国際標準規格であるQiで3DS LLを充電できるようにするレシーバーで、なんといっても置くだけでいいという手軽さは魅力だ。持ち歩くことの多い携帯ゲーム機ではなおさらで、とりあえず“家に帰ってきたらそこに置く”という感覚の延長で充電ができてしまう。拡張スライドパッドや保護カバー類が使えないのは残念だが、そのあたりにこだわらない人で、ワイヤレス充電の手軽さに興味がある人や、他のQi対応製品をすでに活用している人は、ぜひチェックしてみてもらいたい。

PS3コントローラー用とXbox 360コントローラー用のQi充電レシーバーも試してみた

 今回、研究所では3DS LL用のレシーバー以外に、同じくスペックコンピュータが販売している「PS3コントローラー用レシーバー」と、「Xbox 360コントローラー用レシーバー」も購入して使ってみた。価格はどちらも3DS LL用レシーバーと同じ2,310円。

 「PS3コントローラー用レシーバー」はコントローラー背面にレシーバーを取り付け、マイクロUSB端子へ給電するという仕組み。「Xbox 360コントローラー用レシーバー」は、容量700mAh(充電式ニッケル水素電池)のバッテリー付きレシーバーになっている。どちらも使用感は3DS LL用レシーバー同様で、プレイし終えたらボードに置くだけだ。

 レシーバーを着けた3DS LLを含め、どれも1台のチャージボードで置くだけ充電できるところが魅力で、複数のACアダプターやケーブルを使わずすっきり扱える。他にもスマートフォンやモバイルバッテリーなどもQi規格に対応したものがあるので、そうした製品を多く使っている人ほどメリットが大きくなっていくだろう。

PS3とXbox 360用コントローラーのレシーバーも使ってみた。PS3用はマイクロUSB端子へレシーバーを装着して内蔵のバッテリーを充電し、Xbox 360用は700mAhのバッテリー付きでワイヤレス充電できるレシーバーになっている。3DS LL用同様に、チャージボードの上に置くだけで充電可能
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(ゲーム環境向上委員会)