「生キャラメルポット プラス」

  • ジャンル:クッキングトイ
  • 発売元:株式会社タカラトミー
  • 価格:3,990円
  • 対象年齢:15歳以上
  • 発売日:発売中(2009年7月16日発売)

[ おもちゃソムリエ ]
田渕健康[Kenkou Tabuchi]

 酷暑も厳しい今日このごろ、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動する玩具のご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。それでは皆様、しばしの間、心を童心に帰してお付き合い下さいませ。



■ 話題のスイーツを、自宅で手軽にクッキング!

 世は百花繚乱のスイーツブーム。一昔前では想像もつかなかった斬新なスイーツに、老若男女が舌鼓を打つ日々が続いております。その中でも昨年から人気を集めているスイーツの筆頭と言えば、「生キャラメル」が挙げられるでしょう。キャラメル本来のコクのある味わいとクリーミーにとろける食感が幅広い層に支持され、押しも押されぬ人気商品となっています。

 しかし、生キャラメルといえば、製造に手間がかかるためかお値段が高めで、気軽に買い求めにくいスイーツでもあります。もっと食べたいけど懐具合がそれを許してくれない……そんな苦悩を一刀両断してくれる素敵なトイが、今回ご紹介する「生キャラメルポットプラス」です。手軽に短時間で、生キャラメルを作れる本製品。果たして、その実力のほどはいかに!?



■ 伝説の生キャラメルを目指して、まずは下準備

 今回ご紹介する「生キャラメルポットプラス」、実は電池で動くエレトイではありませんが、調理には「電子レンジ」と「冷蔵庫」というキッチン家電を使用いたします。よって、ソムリエ采配で強引に当コーナーでご紹介させて頂こうと思います。なぜならルールを曲げてまでオススメする価値が、この製品にはあるからです!

 ところで、皆さんは生キャラメルの制作過程をご存じでしょうか? 一般には「ザラメ」と「生クリーム」、そして「牛乳」を練り合わせ、それを加熱し、冷却することで作られます。この「生キャラメルポットプラス」は、材料を練り合わせ、加熱するための容器として機能するクッキングトイで、耐熱性に優れ、手入れもしやすいという優れモノ。ぶっちゃけた話、材料とこのポットとレンジさえあれば、ほかには何も必要ありません。

 必要となる材料は、ザラメと生クリーム、牛乳の3つ。どれも近所のスーパーで手軽に手に入る材料ばかりです。1回の調理に必要になるのはザラメ20g、生クリーム、牛乳がそれぞれ50cc。材料費100円ほどで、生キャラメル10個ぶんが作れると考えれば、コストパフォーマンスはかなり優秀と言えるのではないでしょうか。


これが「生キャラメルポットプラス」の本体。耐熱容器で丸洗いもOK。非常に軽量なので、お子様でも扱いやすさは抜群です蓋の上部に空いている穴は、加熱時に生じる熱の排出口。この特殊な構造が、まろやかな生キャラメルを生み出すのです



■ 材料を投入して、いよいよ製作開始!

 まずは、ザラメ、生クリーム、牛乳を用意して、「生キャラメルポットプラス」の容器に投入しましょう。ここで注意したいのは、各材料は“規定の分量を正確に計る必要があること”です。ザラメの量は製品に同梱されている計量カップで正確に測れますが、問題は生クリームと牛乳。これを計るには軽量カップが不可欠なので、まだお持ちでない方は、これを機にお買い求め頂くといいでしょう。まさかGAME Watchの記事で計量カップの購入をオススメすることになるとは夢にも思いませんでしたが、気にせず次の工程へ進みましょう。

 各材料を投入後、1回目の温めを電子レンジで行ないます。ポットを温めるフェイズは3回あり、それぞれ2分、3分、1分となっています。これも時間を正確に計って、規定どおりに温めるのが生キャラメル成功への近道です。

 さて、1回目の温めを終了したら、ポットの蓋をつまんで10回ほど回転させます。これにより材料が攪拌され、キャラメルに粘り気が出てくるのです。2回目の温めが終了したあとも、同じようにポットの蓋を回転させます。そして、最後の仕上げに1分ほど温めると……そこには、生キャラメルに仕上がる直前の生地が!


材料を投入する際は、分量をきっちりと計りましょう。特に、生クリームと牛乳が多すぎるとキャラメルが固まりにくく、のちのち泣くことに……レンジは500Wを使用するのが基本。600W以上の火力の強いレンジをお使いの方は、温め時間をやや短くするといった工夫が必要です1回目と2回目の温めのあとは、ポットのつまみを持って蓋を回します。それぞれ、10回ほどゆっくりと回すとよいでしょう



■ 温め加減が味の決め手。じっくりと確実に!

 3回目の温めが終わった時点でキャラメル生地の固まり具合がゆるい場合は、さらに30秒ほど温め直す必要があります。注意して頂きたいのは、ここで加熱し過ぎてしまうとキャラメルが焦げてしまうということ。私も面倒くさがって2分ほど温め直してしまったところ、せっかくのキャラメル生地を焦がしてしまいました。30秒ずつこまめに温め直して、適度な固まり具合になるまで調整していきましょう。この行程をいかに適切に行なえるかが、本製品で上手に生キャラメルを作る最大のポイントなので、慎重に作業を行ないましょう。

 ベストな固まり具合になったら、スプーンやヘラを使ってキャラメル生地を粘り気が出るまでかき混ぜます。生地が十分に固まったら、キッチンペーパーを敷いた付属のトレイに移し、10分ほど余熱を冷ましてから冷凍庫に移しましょう。あとは1時間強、冷やせば完成です。


写真のような液状の状態はまだまだ温めが足りません。生地が煮たってとろみが出るくらいまで温めるのがベストです適度に煮詰まったところをヘラでかき混ぜて、生地をゲル状にしていきます。全体をまんべんなくかき混ぜましょうキッチンペーパーにくるんで余熱を取ってから、冷凍庫で1時間ほど冷やします。冷蔵庫でない点に注意しましょう!



■ いよいよ完成! 果たして、お味のほうは……?

 冷凍庫で1時間ほど冷やせば、そこには魅惑の生キャラメルの姿が! 適当な形にカッティングして、冷たいうちに召し上がりましょう。付属の型抜き機を使ってハート型や☆型にしたり、アーモンドやチョコチップなどのさまざまなトッピングを加えたりすれば、より華やかになること請け合いです。

 さて、肝心のお味のほうですが……これが、掛け値なしに美味! 自分で作ったとは思えない出来映えです。これまでコンビニで売られている手軽なものから、お取り寄せした本格的なものまで、結構な数の生キャラメルを食べてきましたが、この「生キャラメルポットプラス」で作った生キャラメルは、間違いなくトップクラスの味わいでした。こればかりは文章では伝わりづらいので、ぜひとも皆さんの舌で味わって頂きたいものです。

冷凍庫で1時間冷やしたら、生キャラメルの完成です。生クリームなどを使っているので長期保存ができないため、早めにお召し上がり下さいませこれが冷やし終わった後の完成状態です。適当な大きさにナイフや包丁で切れ目をいれましょういろいろなフレーバーを振りかけて、味のバリエーションを楽しむのもオススメです



■ 予想以上の仕上がりに脱帽! スイーツ好きにはマストバイ!

 当初は、生キャラメル“的”なものが作れる「なんちゃってクッキングトイ」と軽く見ていたわけですが、その仕上がりは遙かに想像を上回るクオリティを有しておりました。誰もが「自分もお店を開けるのでは!?」と思うほどに、上質な生キャラメルが作れます。

 しかも、手入れが簡単で調理時間も短め、特殊な材料が不要という敷居の低さは、特筆すべきポイントです。お子様がいらっしゃる方は、この「生キャラメルポットプラス」でご一緒にキャラメル作りに励んでみるもよし。年頃の娘さんがいらっしゃるお父様は、自家製の生キャラメルを振る舞ってサプライズしてみてはいかがでしょうか?

【テイスティング】
■ 安全性:☆☆☆☆
耐熱性に優れ、取っ手の構造も安全性に配慮されてます。ただ、蓋を開けた際の熱気には注意してください

■コストパフォーマンス:☆☆☆
手軽な材料で好きなだけ生キャラメルが作れます。レンジの電気代だけが心配?

■甘党推奨度:☆☆☆☆
本格派の生キャラメルが自宅で作れるとは! 甘党の方は一家に一台常備してください

(C) TOMY

(2009年 7月 30日)

[Reported by 田渕健康(トリスター)]