「Dishonored 2」ステルス連載 ダンウォールに忍ぶ影
「Dishonored 2」連載第4回:もう1人の主人公コルヴォと、「New Game+」を動画で紹介
2016年12月31日 00:00
全5回(前作を紹介した0回を含む)でお送りした“「Dishonored 2」ステルス連載 ダンウォールに忍ぶ影”は、今回が最終回となる。この最終回ではこれまで予告していたもう1人の主人公コルヴォを中心に、本作の多彩なゲーム展開を紹介したい。
「Dishonored 2」にはエミリーともう1人、その父親であるコルヴォという主人公がいる。彼は前作の主人公にして、本作ではエミリーの王室護衛官、そして彼女の父親として、暗殺者のマスクを脱いだ姿で登場している。本作ではエミリーかコルヴォでプレイできる。コルヴォはエミリーと異なる特殊能力を使い、ゲームの感触も変わる。彼の能力にも触れていこう。
もう1つ今回の目玉が新モードの「New Game+」だ。12月23日のアップデートで登場した新モードで、1度クリアした後、能力を獲得するのに使ったルーンを所持した形で最初からプレイできる。しかもエミリーとコルヴォ2人の能力どちらも習得できるのだ。今回はこれらの要素をたっぷりの動画でお目にかけよう。
エミリーと異なる力を持つコルヴォ。愛する娘を救うために戦う
プレーヤーはゲームのオープニングの後コルヴォかエミリーのどちらかをプレーヤーキャラクターとして選ぶことができる。エミリーを選ぶと、コルヴォはクーデターの首謀者デリラに石にされてしまうのだが、コルヴォを主人公に選んだ場合はその逆となり、エミリーが石にされ、彼はかつての暗殺者の仮面を被り、自身の故郷でもあるサーコノス島へと渡っていくのである。
主人公にコルヴォを選んでも、ストーリーの展開自体に大きな変わりはない。コルヴォもまた、ミーガン・フォスターの船でサーコノス島のカルナカへ渡り、デリラの秘密を探っていくことになる。もちろん人物が違うため、細かな描写は異なるので、そのあたりはよく見ておくと、ストーリーに奥行きを感じられるはずだ。
ゲームとして最も大きく変わるのは、超常能力によるゲームプレイの感覚だ。「能力」のカテゴリの「ダークビジョン」と、「強化」のカテゴリ全般以外は、基本的に異なる能力となっている。
この動画では、コルヴォが最初に身に付ける超常能力「ブリンク」を使って、ミッション4の「クロックワーク・マンション」の目的地となるキリン・ジンドッシュの屋敷まで、ステルスプレイで移動する様子を紹介している。
ブリンクはエミリーの「ファーリーチ」と似ているように見えるが、ファーリーチが着地点にエミリーの体を引っぱる物理移動なのに対して、ブリンクは空間を瞬間的に移動しているため、周囲の敵などからはコルヴォの体が消えたように見えるのだ。着地点を決めているときの時間が止まる「リダイレクティブブリンク」のアップグレードを得ることでこの効果はさらに上がり、敵に追い詰められたときなどに使えば、その攻撃を受けることなく安全な場所へと退避できるという仕組みだ。
ファーリーチよりも移動距離が短く、アップグレードの「ブリンクII」を得ても、距離は及ばない。その代わりに空中にも瞬間移動ができるという特徴を持っていて、例えば敵の頭上を着地点にすることで、瞬間移動後に降下暗殺(または降下テイクダウン)ができるといった特別なテクニックも持ち合わせている。前述のリダイレクティブブリンクを取得しておくと、さらに狙いやすくなるだろう。
その他、コルヴォの周りの時間を遅くする「ベンドタイム」、敵や壊せるドアを吹っ飛ばせる「ウィンドブラスト」、ネズミや魚、ブラッドフライなどの体を乗っ取って移動できる「ポゼッション」、ネズミの集団を召喚して敵を襲わせる「ラットスワーム」など、前作から継承した能力を得られるようになる。
こちらは同じミッション4の道中で、ベンドタイムを多用して、敵と正面から戦って倒すアサルトプレイを進めている。ベンドタイムで時間を遅くして敵の周囲に回り込むことで、敵を即死させるアイコンが出ているのがおわかりいただけるかと思う。
ルートとしては、駅前から闇取引の店へ行き、そこでハウラーとの一悶着があった後(動画ではハウラーのボスで不思議な力を持つ「パオロ」も登場しているが、遭遇直後にクロスボウで倒していて、その姿がネズミの集団に変わっていることが確認できる)、店で「リワイヤツール」を購入し、それを使って駅にある光の壁を突破。次の目的地のアヴェンタ上地区でも敵と積極的に戦っている。
こちらはその後の展開となるジンドッシュの屋敷「クロックワーク・マンション」にて、ブリンクやポゼッションなどを使って、監禁されているアントン・ソコロフを救出しつつ、ジンドッシュがいる研究室までたどり着いている動画だ。クロックワーク・マンションはそのカラクリの隙間に飛び込むことで、バックヤードに行けることを前回の記事で紹介しているが、超常能力を使って上手く移動することで、短時間で2つの目的をやり遂げられるようになっている。
ここに現われるジンドッシュの「機鋼兵」は、前述のブリンクを使って頭上に落下して降下暗殺を行なうことで頭部のセンサーを破壊可能で、動画にはその様子も収録している。
なおコルヴォのベンドタイムやポゼッションなど、使い勝手のいい超常能力はマナの消費量も大きい。マナ回復薬の「アダマイア・ソリューション」の残り数にも気を配り、使いどころを考えるようにしたい。
「New Game+」モードで、エミリーとコルヴォの2人の能力を使いこなそう
この12月23日前後にかけて、日本版「Dishonored 2」に大型アップデートが施された。不具合の修正だけでなく、新たにキャンペーンの「New Game+」モードが追加されている。これはゲームクリア後のデータを引き継いで、そのプレイで入手したルーンやボーンチャームの特性、闇取引の店でのアップグレード用設計図などを引き継いで最初からゲームができるというもの。
またエミリーとコルヴォ、どちらを選んだ場合でも、両者の超常能力をゲーム中に取得できるという、周回プレイでより楽しく探索をしたい人という人にとって嬉しいモードだ。
それぞれは2人が超常能力を授かるミッション2から反映されるもので、クリアデータで習得した超常能力をルーンに還元した数のルーンを持った状態から始められる。またボーンチャームは「ボーンチャームクラフト」で捧げた特性がそのまま引き継がれていて、設計図は闇取引の店に行けば前回取ったものと同じ内容でアップグレードが可能となる。もちろんそれらを得るためには素材や資金が必要だが、序盤の段階から手に入れられれば、次からのプレイがかなり快適になるはずだ。
こちらの動画では、「New Game+」モードでスタートしたエミリーがコルヴォの超常能力を取得した状態で、ミッション2「良き医師」の舞台となるアダマイア研究所にて、最初の目的地となるハイペシア医師が幽閉された部屋にたどり着くまでを収録している。
アダマイア研究所の入口にある小さな水槽からポゼッションを魚に使って水路の穴を移動し、研究所1階のキッチンへと通り抜けている。ちなみにこの水路の穴はエミリーの超常能力「シャドウウォーク」(とそのアップグレード「ラットシャドウ」)では通り抜けることができないため、彼女がコルヴォの超常能力を使えるこのモードのみのシーンとなっている。その他にも両者の超常能力のいくつかを積極的に使っているので、チェックしてみてほしい。
またこの動画で、敵を背後から首を絞めて気絶させるときの時間がかなり短縮されているのがお分かりだろうか。これは前述のボーンチャームクラフトにて、捧げた特質を最大4回まで使って新たなボーンチャームを作れる超常能力「トレイトシナジー」を得てから、首絞めの時間を短縮する「豪腕」の特質を4つ重ねたボーンチャームを作って装備しているのが理由だ。この「豪腕」や、ゲーム中の水道の水を飲むことでマナが回復する「魂の水」などは、特質を重ねることで効果が高まることを確認できている。
やはり傑作だった「Dishonored 2」。果たしてDLCや次回作の可能性は……!?
前作に触れた第0回も含め、計5回に渡って執筆させていただいた「Dishonored 2」の連載。そのネタにも事欠くことがないほどの完成度を誇った内容で、個人的にも今年ベスト3に入る傑作でもあった。総プレイ時間は120時間を超えたが、そのほとんどが仕事と言うことを忘れて楽しんでいたことは、ここだけの話にしておきたい。別途掲載予定の弊誌の年末恒例企画となる、2016年オススメゲームにも挙げさせてもらう予定である。
前作からのファンとしては、本編やDLCにちりばめられていた細かな伏線が、この「2」でのエピソードやゲーム中に発見できるジャーナルなどで回収されていたのが嬉しかったところで、もし前作をプレイしていないという人は、今からでもぜひHD版をプレイしてみるのをお薦めしたい。デリラやミーガンの過去、パオロが持っていた「手」の正体など、ゲーム中に触れられている細かな要素が、前作も含めた設定に関連していることが分かるはずだ。
ここまでプレイをすると、当然追加DLCや次回作などについても気になってしまうところで、本作の結末が次に続くようなあざといものではなかったとはいえ、同様に次回作を感じさせなかった前作を経ての本作という展開もありうるので、0ではない可能性に期待したいところである。システム自体は完成していて、また「タイムピース」を使うミッションが1つだけだったこともあり、そのあたりから次の展開を予測してみるのも面白そうだ。
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