「Dishonored 2」ステルス連載 ダンウォールに忍ぶ影
「Dishonored 2」連載第3回:動画で見るサーコノス島。カルナカの街の歩き方
2016年12月26日 15:10
この「Dishonored 2」は、1度ゲームをクリアしてエンディングを見たとしても、再びプレイしたくなるような、非常に凝ったゲームデザインが施されている。リプレイのモチベーションを上げるのは、これまでの連載でも紹介した、敵を暗殺した数によって変わる「カオス度」に影響されるストーリー展開や、プレイスタイルによって違うタイプに育てられる主人公エミリーといった要素があるが、そのリプレイ時にぜひチェックしてみてほしいのが、舞台となるカルナカやダンウォールに設けられた複数の“ルート”である。
本作でエミリーが挑む全てのミッションには、いくつかのルートが設けられていて、その進み方によって景色が変わるのはもちろん、難易度や敵の様子なども大きく変わってくるのだ。連載第3回となる今回は、主な舞台となるサーコノス島のカルナカでのいくつかのミッションを例に挙げ、それぞれに一体どんなルートがあるのかを、動画とテキスト、そしてスクリーンショットで、絶景ポイントなども紹介していきたい。
なお今回、ミッション紹介の密度が筆者の予想より濃くなってしまったため、前回告知したコルヴォでのプレイについては、最終回となる次回で触れる。今回はたっぷりと本作のフィールドの魅力を動画で見せていきたい。
高い足場を探して登ることが、敵の把握やルート開拓につながる
今作ではこの国の最南端に位置する街カルナカを探索することになる。カルナカは、前公爵セオダニス・アベールによって統治され、豊かな街として栄えたが、現公爵でデリラとともにクーデターを企てたルカ・アベールによって街の富は浪費され、ギャングがはびこる荒んだ街となってしまった。
前作のダンウォールのように疫病を媒介するネズミは少ないが、代わりに現われたのが人間の血液を吸ってその体に卵を産み付ける「ブラッドフライ」だ。カルナカの特定の場所にはブラッドフライの巣があって危険だが、それが目的地までのルートの一つだったり、内部にお宝がが眠っていたりすることもあるので、危険を顧みず進んでみるのも1つの手だ。
本作のミッションは屋外の場合も多く、超常能力の「ファーリーチ」を使えば、建物の屋根やベランダなどを伝って、敵の目から忍んで目的地まで移動していける。敵の多くは地上を巡回しているため、高所から見下ろすことでそのルートを知ることもでき、さらに建物の中や足場を使った新たなルートを開拓できることもある。高所はステルス活動において圧倒的に優位に立てる場所なので、建物がある場所は常に上方向を意識しておきたい。
通る者を灰にする「光の壁」をどうやり過ごすか?:ミッション2「世界の端」
まずは動画を見て欲しい。ダンウォールを脱出したエミリーが、ミッション2で旧友の王室医師「アントン・ソコロフ」の行方を捜すために、彼が連れ去られたという研究所への「軌道車両」に乗るための駅へと向かうシーンだ。動画ではファーリーチを多用し、衛兵に見つかることなく軌道車両へ乗り込んでいる。
このステージでは、水揚げされたクジラが横たわるドックヤードから、軌道車両の「アダマイア駅」へと向かうわけだが、その間に厄介な「光の壁」が2カ所設置されている。前作にも登場したこの光の壁は、設定した対象以外の生物を焼き尽くしてしまう危険な保安装置で、これをいかにして通過するかが、エミリーの最初の試練となっている。
風車や鯨油タンクなどから供給される光の壁の電源をカットすることで、保安機能を停止させるのが順当な手段となるが、実は光の壁の機能を止めなくても、これを回避していけるルートがいくつも存在している。
動画はドックヤードに面したブラッドフライの巣が大量にあるアパートを抜けたところで、この時点で光の壁どころか衛兵達が巡回する一区画をまるごとスキップしている。また目的地のアダマイア駅も、その向かいにある金庫店の上のベランダから駅の屋根にファーリーチで上がれば、構内の光の壁を回避して、ものの数分で軌道車両に乗ることが可能だ。これは筆者が何度もステージをやり込み発見したルートである。
特にこのミッションで行けるエリアは建物が密集していて、張り出したベランダやパイプも多く、ファーリーチを使った探索の手応えを身に付けるにはもってこいの場所だ。隠されたルーンやボーンチャームを探すことで、これらのルートも見つけられるだろう。
広大な建造物、アダマイア研究所:ミッション3「良き医師」
エミリーに罪を着せた殺人鬼「クラウンキラー」がソコロフを誘拐し、この「アダマイア研究所」に入っていったという情報から、両者を探すためにこの場所に侵入するのがこのミッションの目的だ。動画ではファーリーチを使いいきなり研究所の奥深くまで侵入している。他にもいくつものルートがあることが確認できるだろう。
初めて探索する広大な建造物であり、内部には多くの衛兵達が配置されている難関である。筆者も最初のプレイでは、ここの入口周辺でどうしても衛兵に見つかってしまい、苦戦させられた記憶がある。ところが実は、研究所入口受付にある開いた窓にファーリーチで登り、屋根やベランダを順繰りに伝っていくことで、敵と遭遇することなく最上階まで一気に上がることができるのだ。衛兵は上の階に行くほど少ないので、その後の探索が楽になるというわけである。
こちらの動画ではエミリーは目もくらむような高所から飛び下りている。普通に落ちればミスになってしまう高さではあるが、下に衛兵がいるところを狙って降下暗殺(動画の場合は降下テイクダウン)を行なうことで、ノーダメージで着地できている。目的を果たした後、屋根の上などの高所から一気に降りる場合、ミッションをショートカットする重要なテクニックである。
カラクリだらけの屋敷は、隙も多い:ミッション4「クロックワーク・マンション」
「機鋼兵」なるロボット兵器を開発してクーデターに加担した天才発明家「キリン・ジンドッシュ」を、機鋼兵が量産される前に始末するというミッションだ。ソコロフもここに捉えられていて、その救出も目的の1つとなっている。
前半がジンドッシュの屋敷に行くまでの道中で、後半がジンドッシュの屋敷「クロックワーク・マンション」への侵入という、屋外と屋内の両方で構成され、特殊なイベントなどもいくつか用意されたボリュームのある内容となっている。動画では中間の駅までの軌道車両の風景を抜き出した。夕日に照らされる街が美しい、印象的なシーンだ。
ジンドッシュの屋敷に行くには、この区画にレールが敷かれた軌道車両を2回に分けて乗っていく必要がある。最初の駅「アヴェンタ下地区」にはやはり光の壁があり、闇取引の店で買える「リワイヤツール」を使って機能を狂わせて通るというのがヒントにて提示される正解のルートなのだが、ここもやはり街灯などを伝って駅の屋根に登ることで、あっさりと軌道車両に乗れてしまうルートが存在している。
実はジンドッシュの屋敷から戻ってきたあともこのエリアを通ることになるのだが、そのときは最初に来たときと少し様子が変わり、敵も少なくなるため、この地区の探索は後回しにするという手もあるかもしれない。
次の停車駅となる「アヴェンタ上地区」から先に進むためには、軌道車両の門を開ける必要がある。この門を開けること自体は、さほど難しくないので省略するが、実はこの門を開けなくとも、自力で屋敷まで行くルートがあるのだ。衛兵の多いルートを通らなくてはならないのでお勧めはしないが、1度試してみるのも面白いだろう。
もう1つの動画は、クロックワーク・マンションの仕掛けを動かすシーン。クロックワーク・マンションは、スイッチ1つで内部の構造が変わるカラクリ屋敷となっている。スイッチを入れてカラクリが止まるのを待ってから行動してもいいが、カラクリが動いている間にその隙間に入り込むと、屋敷のバックヤードに行くことができるのだ。バックヤードは衛兵も少なく、機鋼兵も入ってこれない安全地帯のため、ソコロフ救出時のルートとして開拓しておくといいだろう。
どちらかに加担することで、エリアの半分が中立に:ミッション6「砂塵地区」
デリラの秘密が隠されたアラミス・スティルトン邸に入るために通過する、ミッション6の「砂塵地区」は、大修道院の監督官とハウラーギャングが自らの縄張りを主張し、抗争を繰り広げている。
この砂塵地区の大きな特徴が土埃。その名の通り銀の鉱山から吹き下ろす風が土埃を巻き上げ、何も見えなくなる。視界がふさがれるという不利な面もあるが、敵に見つからないという利点も大きい。動画でこのダイナミックな変化を確認して欲しい。
砂塵地区で対立する大修道院の監督官とハウラーギャング。どちらの勢力にとってもエミリーは招かれざる客なわけだが、どちらかに加担することで、このエリアの約半分を中立地帯に変えることができるという面白い仕掛けが施されている。
監督官側なら「バーン副監督官」、ハウラー側なら「パオロ」という重要人物を倒し、その死体(気絶状態も可)を敵対する勢力の支配地域に持って行くとそこが敵対地帯から中立地帯へと変わり、ルーンなどのアイテムの探索が一気に楽になるのだ。
さらに面白いのは、両方を殺害せずに葬る方法や、この地域の目標をすっ飛ばして次へ行く手段などもある、選択肢の多い中盤のヤマ場となるミッションだ。
エミリーが3年の時間を跳び越える!:ミッション7「厚板に入ったヒビ」
今回最後に紹介するこのミッションは、ゲーム自体がこれまでとはまったく違う形で進行していく。スティルトン邸を舞台に、エミリーは3年の時を跳び越えながら、過去にこの場所で起きた出来事を探っていくのだ。
「タイムリープもの」という想定外の展開に驚かされるばかりだが、ここではエミリーが過去に跳んだときの特定の行動が、現在の同じ場所に影響を及ぼし、さらに選択によってはその後の世界まで変わってくるという仕掛けになっていて、それを目の当たりにしたときは、きっと頭の中に「!?」の記号が浮かぶはず。前ミッションの砂塵地区も含めて、何度もプレイして、その結末を確かめてもらえればと思う。
ゲームプレイを重ねるたびに、新しい発見がある
筆者はこの連載のために、現時点でゲームを3周ほどプレイしているのだが、毎回新しい発見があり、前作以上にその作り込み具合に感心させられている。ここに挙げたルートの例だけではなく、例えば特定の重要人物が以前のプレイとは異なる場所にいたり、プレーヤーがまったく知らないところでイベントが発生していて、周回を重ねたときに初めてその原因がわかったりして、ネタにも事欠かない。
また本作のコミュニティーなどで初めて知るようなものもあるかと思うので、ゲームクリア後はそれらの場所を覗いてみるのもいいかもしれない。
次回は連載最終回。コルヴォによるプレイと、作品により踏み込んだ総括をお届けしていく予定だ。
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