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特殊能力を使った暗殺! 「Dishonored2」の要素が明らかに

細部まで力が入ったデザインと、動きの表現も注目

6月14日~16日 開催

会場:Los Angeles Convention Center

 Bethesda Softworksは、「2016 Bethesda E3 Showcase」において、プレイステーション 4/Xbox One/PC用アクションアドベンチャー「Dishonored 2」の詳細を発表した。本作は北米では11月11日に発売する。特別なアイテムが付属する限定BOXも発売予定だ。

 「Dishonored2」は前作の特徴である「独特の世界観」と、「様々な特殊能力を駆使して不可能を可能にするゲームプレイ」という2つの要素をパワーアップした作品となる。開発元のArkane Studiosで本作のクリエイティブディレクターを務めるハーヴィ・スミス氏のコメントと共に各要素を紹介したい。

限定版などが発売予定

前作よりさらに緻密に! 美しいグラフィックスが生む世界観

本作のクリエイティブディレクターを務めるハーヴィ・スミス氏
25才となったエミリーがヒロインとなる
緻密で美しいグラフィックスが生む世界観

 「Dishonored」は、その世界観が大きな魅力だ。ヴィクトリア王朝時代を思わせる時代設定だが、科学技術はさらに発展しており、電気を使って通路にバリアを張る技術や、アメンボのような細長い足を持つパワードスーツなど、奇妙な発達を遂げており、権力者はその不安定な技術で住民を虐げ君臨していた。今作「Dishonored2」でもその世界観を受け継ぎ、さらに発展させている。

 今作でもまだ平和は訪れていないようで、権力者の手先である兵隊達が街を監視し、血のような赤い物体が流れる川があったり、陰鬱な街を垣間見ることができた。ロンドンを思わせる古めかしい石造りの街並みに、電気で動く軽快そうな船が出てきたり、歯車で動く機械の警備兵がいたり、スチームパンク的な独特の世界観はさらにパワーアップしているようだ。「Dishonored2」では“ボイドエンジン”というシステムで、動きの描写をさらにパワーアップさせているという。

 エンジンの凄さを伝える画面として、スミス氏は部屋の中でカードゲームをプレイする男女を映し出した。窓枠にかかる独特の格子、白いレースのカーテン、テーブルの上の酒瓶やグラス、それぞれが木やガラス、鉄など素材感をしっかり伝えているのが分かる。そしてカードをプレイする人間達の表情。何かを企んでいそうな顔の動きや、くつろいだ感じの大きな仕草などもきちんと表現している。

 さらに不気味な“虫”の場面が挿入された。巨大な巣を部屋の中に作り、部屋いっぱいに飛び交う不気味な虫。前作ではネズミが疫病を運んでいたが、今作はこの虫が何か恐ろしい秘密を握っていそうだ。前作よりも凝っており、力の入った世界の描写がされることが確認できた。

念動力、思考操作……エミリーの特殊能力で戦え!

王女となるはずのエミリーは追われる身に
コルヴォと2人が主人公だ
過去を映し出すレンズ

 次にスミス氏はエミリーの今作の役割を紹介した。今作の主人公は前作の少女から、成長したエミリー。彼女は暗殺されてしまった女王の娘であり、前作は守られるだけの存在だった。しかし女王となろうとするエミリーは濡れ衣を着せられ追われる身となる。「Dishonored2」では以前エミリーとコルヴォの2人が主人公であることがアナウンスされていたが、今回はエミリーでのゲームプレイを見ることができた。

 「Dishonored2」は前作同様1人称視点のアクションゲームだ。フリーランニングのような軽快な動作で、天井や建物の手すりにつかまり移動し、突き出した大砲の上をダッシュで走り海に飛び込むというアクションが目の前で展開した。走るときは細く美しいエミリーの手足が見え、屋根に着地するときなどは彼女の声が聞こえる。スミス氏は今作も前作同様マップは決められた1本道ではなく、様々な道があることを語り、ゲーム体験はプレーヤーで異なるとコメントした。

 スミス氏は工業地帯でのプレイデモを紹介した。この場所ではランダムで嵐となり、2つの勢力が争っているため状況が刻々と変化するという。暗い影に覆われた下水道を進んでいくのだが、照明があったり日光が差すところとのコンストラクトが非常に強い。暗いところを抜けると一気に美しい街並みが広がる。

 エミリーはターゲットにたどり着くために道路を進んでいく。目の前には電気によって防護フィールドを張る関門があり、警備員達が周囲を警戒している。エミリーは望遠レンズを使って周囲を探索し、フィールド発生器からケーブルが伸びているのを発見する。ケーブルの先には……操作レバーがある。

 レバーを目指して物陰から物陰に瞬時に移動し、警備員をすり抜け、さらに建物の壁の出っ張りなどを使って上に登っていく。手すりにもたれてくつろいでいる男を押さえ込み、剣で胸を1突き。死体を手すりの外へ捨てる。そこから回り込んだルートを進もうとするが、見張りの男がいないことに気がついた敵が手すり周辺を探し始める。エミリーはその背後から忍び込み、その男も始末した。

 この後エミリーはレバーでエネルギーの供給を止め、はるか高空から警備員の元に落下しながらナイフで突き刺して着地。襲撃に慌てる警備員達を銃と剣で倒していった。ここではエミリーは念動力のような力で、鯨油タンク(この世界では石油や石炭ではなく鯨油が主な燃料)を敵にぶつけ敵を火だるまにした。

 このほか「メスメライズ」という超能力で敵を短時間意識不明にさせすり抜けたり、特殊な機械を誤作動するように敵を誘導するという技も披露した。エミリーはコルヴォ同様ゲームを進めると能力が強化できる。そして発現する能力はコルヴォとは異なるものになるという。スミス氏はパワーアップの例の1つとして、敵の体をエミリーが引き寄せ、そのまま敵を剣で串刺しにした。もう1つ見せた能力が「シャドウウォーク」。これは獣のような影がエミリーを覆い、高速移動に加え、影の腕が獲物をつり下げ、引きちぎるという凶暴な戦い方を見せつけた。

 そして「時間移動」の要素も紹介された。細かい設定は語られなかったが、エミリーは左手に持つレンズという機械で場所はそのままで、時間を行き来できるという。現在ではガラクタが転がりドアが閉じて進めない場所も、過去に時間をさかのぼり建物が使われていた時代にすると部屋は整理されており行き来することができた。レンズは異なる時代を映し出すこともでき、移動するところに敵がいないか、レンズを通して探ることもできる。

 今回のプレゼンテーションはここまでで、スミス氏は「私はとてもこの作品が気に入っています。皆さんも好きになってくれればうれしいです」とコメントすると、会場は大きな拍手に包まれた。

 前作は世界観と特殊能力に大きな魅力があったが、今作はその魅力をさらにパワーアップさせているのが確認できた。「メスメライズ」の活用法や、レンズを通じて見える過去の風景なども面白そうだ。何よりも魔法のような不思議な力を活用して進む要素はとても面白い。発売が楽しみなタイトルだ。

地下から地上へ、特殊能力を駆使して戦っていく
レンズを使って時代を行き来する
パーティ会場で展示されていた「Dishonored2」関連のアイテム