「Dishonored 2」ステルス連載 ダンウォールに忍ぶ影
「Dishonored 2」連載第2回:エミリーが優秀な暗殺者になるための基礎知識
2016年12月15日 00:00
独特の世界観とステルス要素、ゲームシステムが魅力のアクションアドベンチャー「Dishonored 2」。連載記事第2回となる今回は、主人公エミリー・カルドウィンを優れた暗殺者にするための知識と、彼女の強さに直結する能力と装備について少し突っ込んだ紹介をしていきたい。
エミリーは様々な敵と向き合うことになる。敵は常に多く、エミリーは多彩な特殊能力、そしてステルステクニックで彼らに立ち向かっていく。一瞬で離れた場所に移動する「ファーリーチ」、壁を越えてものを見る「ダークビジョン」……これらの特殊能力は強化することでさらなる力を発揮する。さらに、特性を付与する「ボーンチャーム」など筆者のプレイ体験を含めて語っていきたいと思う。ゲームをこれから遊ぶという人にも、プレイの参考にしていただければ幸いだ。
カルナカの日差しに落ちる影となれ
前作「Dishonored」の完全続編にあたる本作は、世界観やキャラクターを引き継いでいるだけでなく、ゲームシステムを継承し、さらにあらゆる面で向上させている。王座を魔女デリラに奪われた若き女王エミリーは、サーコノス島のカルナカへと渡り、王座奪還のために暗躍するのである。
暗殺者となったエミリーは、前作の主人公コルヴォ直伝の暗殺術を使い、カルナカでの様々なミッションへと挑んでいく。敵は公爵の「衛兵」や、大修道院の「監督官」、「ハウラー」と呼ばれるギャング、発明家キリン・ジンドッシュが作り出した「機鋼兵」、そしてデリラに仕える「魔女」など、手ごわい相手が無数に登場する。
それに対して単独で立ち向かうエミリーは、正面から戦いを挑むよりも、物陰などから1人ずつ静かに倒していくことが常套手段となる。また敵がこちらに気づいたかどうかを表す稲妻のような形をした「知覚ゲージ」にも常に気を配っておきたい。
物音を立てず静かに敵を倒すには、背後から近づいて一撃のもと倒うのを基本として、銃声のしないクロスボウを使う、上空から頭上に飛び降りて倒す(降下暗殺)、超常能力を使うなど、複数の選択肢があり、これらを足音が出ないようにしゃがんで移動する「ステルスモード」を絡めて行なうことで、誰にも気づかれずに敵を減らし、ミッションでの行動をしやすくするのだ。
ここで重要なのは、敵を倒すときに暗殺するか否かということ。本作はこの選択が後のストーリー展開へとつながる「カオス度」と直結していて、敵を積極的に殺害することで、世界のカオス度が上がり、この世界の未来、ひいてはエミリー自身の未来にも深刻な影を落としてしまう。
カオス度を上げないようにするためには、敵を殺さずに進むか、あるいは首を絞めるなどの気絶させる手段を用いて進む「非致死プレイ」をことになるのだが、単純に殺して進むよりも手間がかかる(首締めに時間がかかる、麻酔ボルトの数が限られる等)ため、必然的にゲームの難易度が上がってしまうのである。
それに加えて本作の敵は、前作以上に人間らしい動きをするようになった。まっすぐ歩いていたかと思ったら突然振り返ったり、それまでイスに座って休んでいたのに突然巡回に戻り、こちらの目的の場所でタバコを吸い始めたりと、実際の人間のような気まぐれさが、こちらの読みを難しくさせるのだ。
また開けっ放しにされたドアや、仲間の数が減っていることに気づいて警戒するなど、その賢さも上がっていて、とにかく敵に発見されないように進めるには、セーブ&ロードを駆使したり、周回プレイを重ねるするなどして、マップ上の敵の位置や移動範囲などを確実に記憶しないと難しい。
なお今回、ミッションクリア後のリザルト画面には、現在のカオス度とともにプレーヤーの「致死/非致死」と「アサルト/ステルス」を表すデータが表示され、前者は敵を暗殺したか活かしたままにしたか、後者は敵と戦ったかそれとも見つからずに済んだのかというデータで、その内容はプレイスタイルによって大きく変わってくる。
同画面には、暗殺数0人のときは「慈悲深い」に、発見数0回のときは「幽霊のように」の項目にチェックが入るのだが、筆者も初回プレイでは、全てのミッションを通して、後者にチェックが入るプレイが1度もできなかった。無念だ……。
超常能力やボーンチャームによって、自分好みのエミリーがへと育つ
エミリーが優れた暗殺者になるにあたり、欠かすことができないのが、エミリーの強化だ。本作はRPGではないため、レベルを上げて成長するなどといった要素はないが、ミッション中に入手したアイテムによって、彼女を強くすることができる。
マナを消費して使用する「超常能力」、ミッション中に入手する「ボーンチャーム」、そして店で行う装備のアップグレードだ。そのうち前者2つは、エミリーを自分のプレイスタイルに合ったタイプに育てられるもので、システム自体も前作から大きく進化している。特に前述の非致死やステルスを狙うためには、その内容や習得する順番などを確実にしておく必要がある。
ミッション2の冒頭でアウトサイダーから得る超常能力は、魔法のように使用する「能力」が6種類、身に付けた時点でパッシブな効果を発揮する「強化」が7種類あり、それぞれはミッションで入手できる「ルーン」を使って身に付けていく。
必ず最初に習得する「ファーリーチ」以外は、ルーンさえ足りていればどれを選んでもいい。さらに全ての超常能力は習得するとアップグレードすることができ、種類によってはアップグレード内容をツリー状の複数の中から選択可能だ。またゲームではこの超常能力を得ずに進めるモードも用意されている。
ファーリーチ
虚無の手を指定した場所へと伸ばして、そこまでエミリー自身を引っぱって高速移動する能力。前作のコルヴォの「ブリンク」と似ているが、こちらは物理的な移動となるので、移動中もエミリーの姿が消えることがないというのが最大の特徴で、壁に向かって使うこともできる。
物理移動という性質に基づき、虚無の手がアイテムや死体(気絶時も同様)を自分のところまで引っぱる「プルオブジェクト」、生きている敵を強引に引っぱる「プルエネミー」というアップグレードがある。また狙いをつけている間の時間の流れが遅くなる「ディセレーター」は、敵との戦闘中などに有効だ。使い慣れてくると某アメコミの蜘蛛のヒーローのように、マップ内を自在に移動できるようになるが、マナの量には注意したい。
ダークビジョン
一定時間敵の位置や視界が見えるようになる。前作の同名の能力とは若干性質が異なり黄色っぽい視界の中に紫色の波動がソナーのように広がり、それが対象を感知する仕様となった。これにより対象に近づかないと判明できないこともある。
アップグレードにはアイテムなどの物体や保安装置も感知できる「ダークビジョンII」、敵の移動経路と目的地も表示される「プレモニション」がある。ステルスや非致死を狙うプレイには必須の能力で、特に右も左もわからない初回プレイ時は、アップグレードも含めて最優先に習得しておきたい。
シャドウウォーク
エミリーが一定時間影になって移動できるようになる。地面を這うように移動するため、ステルス移動時よりもさらに姿勢が低くなり見つかりづらくなるが、敵の近くでは見えてしまうので、ダークビジョンなどと併用するのが有効。影になっている間は、敵を一度だけ暗殺したり気絶させたりできるが、その時点で効果は終了する。
このときの敵を倒す数は、アップグレードの「シャドウアタック」と「シャドウアタックII」で増やせるようになる。そのほか、鼠穴を通って壁の向こうへ移動する「ラットトンネル」、移動速度が上がる「シャドウラン」もある。影といっても、自身が怪物のような姿となるのが使用時の演出や敵の反応で分かり、インパクト大。
ドミノ
エミリーの周囲にいる複数の敵をリンクして、リンクした対象を同時に暗殺したり気絶させたりする。リンクした敵はエミリーにしか見えない光のラインでつながり、どちらか一方を倒すと、もう一方の相手も同じように倒せるという仕組みだ。非致死プレイ時の首締めのような時間のかかるアクションを一度に行える、非常に使いやすい能力で、アップグレードすれば、「スリーリンク」で3人、「フォーリンク」で4人と対象が増えていき、さらに使いやすくなる。
なお前回の記事で「ドッペルゲンガーを出現させて、それと敵をリンクして倒す」という記述をしたが、両能力ともルーンの必要数が多めなので、ゲーム序盤で両方を無理に習得するのは重すぎる気もする。非致死やステルスが目的なら、ドミノのアップグレードにルーンを消費するほうが、筆者個人としては有益だと思った。
メズマライズ
虚無の結晶体を指定した位置に召喚すると、その近くにいる2体の敵が目を奪われて動かなくなる。目を奪われている敵は視界に入ったこちらにも気づかないため、ステルス行動に向いている。ドミノが効かない凶暴なウルフハウンドにも効果があり、アップグレードの「スリーメズマライズ」(3人)と「フォーメズマライズ」(4人)で対象を増やし、「ロングメズマライズ」で持続時間の延長も可能だ。
習得時のルーンと使用時のマナの消費が非常に多く、ルーンはアップグレードを含めると全部で14個も必要となるのが難点だが、それだけ効果が高いということだ。なお効果対象以外の敵に対象の敵が見つかると、敵は警戒態勢に入ってしまうので、周囲の敵の数は確認しておきたい。効果中の敵のセリフも面白いのでチェックしてみよう。
ドッペルゲンガー
指定した位置に、囮となるエミリーの分身を召喚する。分身は敵の攻撃対象となっておびき出すように移動し、それが倒されると敵は安心し、警戒態勢が解かれ定位置に戻る。敵に見せてこその囮であり、「誰にも見られない」というステルス寄りのプレイには基本的に向かない超常能力で、アップグレードの「デッドリーシャドウ」で敵を暗殺する能力を持たせたとしても、その戦闘力には限界がある。
筆者がアサルト寄りのプレイをしたときに実際に習得してみたものの、分身の挙動がいまひとつ掴めずに終わってしまった。その他、消える瞬間に周囲の敵を目をくらます「ミスティシャドウ」、分身を2体出現させる「ツインシャドウ」、分身と自分の位置を入れ替える「トランスポジション」のアップグレードがある。
「強化」に属する超常能力
習得するだけで効果のある超常能力だが、、体力を増やす「バイタリティ」や、戦闘中のアドレナリンを高め、致命的な一撃をくり出す「ブラッドサースト」、暗殺した敵を消し去る「シャドウキル」など、どちらかというと敵と直接戦うときに効果が高いものが揃っている。本作を戦闘を主体としたアサルト寄りのプレイスタイルなら、「能力」に属する前述の6種よりも優先すべき超常能力だと筆者は意識している。
特に敵の投射物をガードする「リフレックス」は、敵の上級衛兵の銃弾や魔女の魔法の一部も防げる優秀な能力だ。またジャンプの高さが上がる「アジリティ」は、ステルスプレイ時も有効で、こちらはゲームの序盤で身に付けておくと、エミリーの移動範囲がグッと広がる。
複数の効果をまとめられるようになったボーンチャーム
一方のボーンチャームは、クジラの骨を加工して作られたアクセサリーで、これを装備することで、強化に属する超常能力と同様にパッシブ効果を発揮するアイテムで、こちらは随時装備変更が可能だ。
今回の新しい要素として、超常能力の「ボーンチャームクラフト」を習得することで、複数の特質を1個のボーンチャームにまとめるられるようになった。通常、エミリーが装備できるボーンチャームのスロットは商店で購入することで最大10個まで増やせるが、その数以上の特質を発揮できるようになるのだ。
特に装備スロットが少ないゲーム序盤で複数のパッシブ効果を得られる恩恵は大きいので、集めたボーンチャームの数がスロットの数を超えてきたら、ボーンチャームクラフトの習得を検討するといいだろう。その手順としては、手持ちのボーンチャームを「捧げる」ことで一旦失わせて、捧げたボーンチャームの特質を2~4種まで選択し、その素材となる「未加工鯨骨」を消費することで、選んだ特質を1個にまとめられる。
なお3種以上の特質をまとめる場合、一定の確率で「敵に見つかりやすくなる」など、「堕落」と呼ばれるマイナス効果の特質が追加されてしまうことがあるので、事前にセーブをしておくといいが、あえて堕落特質がある状態で進めてみる楽しみ方もありだと思う。
ボーンチャームクラフトには、捧げた1つのボーンチャームの特質を4回まで使用できる「トレイトシナジー」というアップグレードなどもあるので、自分だけのボーンチャーム作成を楽しんでみたい。
次回の連載では、カルナカでの各ミッションの見どころや、コルヴォでのゲームプレイについてお届けしていこう。
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