山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第48回

「バイオハザード7」が怖い・面白い・良く出来ていると三拍子ですっかり家族の一員な話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

母ちゃんにヒステリー気味に怒鳴られてますか? 父ちゃんに家の中を追いかけ回されて最終的にぶん殴られてますか? 家族ですか? 家族ですね。家族……だね。みんな家族だ! 「これでおまえも家族だ!」

シリーズ最新作「バイオハザード7 レジデント イービル」が発売されました。

毎日少しずつプレイ中という人、すでにクリアしてやりこみプレイに入っている人、PS4版に先行して配信されたDLC「発禁フッテージ Vol.1」に挑んでいる人などなど様々かと思いますが、評判を見てから購入するか検討しようという様子見な人もいらっしゃると思うので、背中をどーんと押していきたいと思います。

「バイオハザード7 レジデント イービル」面白いです。

「バイオハザード」というシリーズは、シリーズファンの人、ゲーム好きな人のなかでも、“どういう方向に進化すれば「バイオハザード」らしいのか”がどこか掴みづらかったり、人それぞれの好みな方向性があっちこっちに行ってたりで、なんとも難しいタイトルだったような気がします。もちろん、世界に名だたるビッグタイトルなのもハードルの上がるところです。

でも、そんなシリーズの最新作として「バイオハザード7 レジデント イービル」は非常に良く出来ていて、「なるほど、これが『バイオハザード』だなぁ……」と納得の出来です。

まず、なにより怖いこと。

「7」はまず、怖いです。

特に序盤の遊びはじめは、なにもわかりませんからね。がっつり怖いです。

クレイジーとしか言いようのない世界に放り込まれて、ドキドキしながら探索する。

大がかりなことは必要なくて、日常的な空間が非現実に染まっていること。そこにある静けさと不気味さ、忍び寄る気配が怖い。

今作はそういうエッセンスがたっぷりです。

PlayStation VRにも対応(普通にテレビでもプレイできるコンバーチブル)なので、PS VRをお持ちの人ならもはやマストバイと言ってもいい今作ですが、もともとホラーゲームを1人で夜中にはプレイできない僕は、

「これはPS VRだとプレイし続けられないかもしれない……。」

とすら思いました。怖すぎる。

でも、せっかく現時点でPS VRを持っているのだから1番新鮮な初プレイこそPS VRでプレイしたいところであり、その貴重さを重々理解していても、「怖すぎて無理だ……」となってしまうほど。「PS VRでプレイしたいのにPS VRが全然買えない!」という人もたくさんいらっしゃると思うので、もっと購入できるチャンスが増えてくれるといいのですが。

扉を開ける怖さ、そこにいるだけで感じる怖さ、そういう忍び寄る怖さがしっかりとあります
わけのわからない怪物よりも、理解しがたい狂人の方がよっぽど怖いことを教えてくれる「ベイカー家のみなさん」。おまえも家族だ。家族だ!

「怖さ」の次は、バイオハザードにはやっぱり「仕掛けを解く要素」も欲しいところですよね。

探索する怖さのなかで仕掛けを解いて、解けたときのちょっとした快感を味わいつつも、さらにやばい空間へと足を踏み入れていく。

その感情の起伏もバイオハザードらしさを出していくのかもしれないと思えるのですが、今作はそのあたりもばっちり。その良さもふんだんにあります。

一方で、「静かな怖さ」や「謎解き」にも次第に慣れていくもので、アクションの激しさ「バイオレンス」さも欲しくなってくるものですが、そこもしっかり。

そんな「激しさ」に対抗するための武器はと言えば、弾切れの心細さがあって、でもギリギリのいいところで乗り越えられるぐらいの上手いバランスの良さも「バイオハザード」には大事なのだと思いますが、そこも非常によくできています。

「バイオハザード7 レジデント イービル」はそういった“「バイオハザード」に期待する様々な要素”が、原点とも言える「怖さ」をベースにバランスよくまとまっています。

特筆したいのは、その“ゲーム全体のバランスの良さ”かもしれません。本当に良く出来ていると思います。

まぁ、面白いですよ。

様子見しているゲーム好きの人、特に旧来の「バイオハザード」が好きだった人にはぜひオススメしたいです。

ちなみに僕はというと、ひとまずノーマル難易度でクリアし、別の難易度に挑みつつもDLC「発禁フッテージ Vol.1」が配信されたので、そのなかの脱出ゲーム的な要素の強い「ベッドルーム」の面白さや、超高難易度のエクストラゲームが楽しめる「イーサン マスト ダイ」の鬼畜さに途方に暮れながら楽しんでいたりというところです。このDLCも本編とはまったく違ったアプローチで、非常に面白いです。

DLC「発禁フッテージ Vol.1」に収録されているエクストラコンテンツは、本編とはまた違ったプレイあり、思わず笑ってしまうほどの高難易度ありと、こちらもかなり面白いです

さあ、未プレイのそこのあなたも、

ファミリーパンチを喰らって家族に!

……家族って怖いよね。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。