山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第49回
配信開始された「ファイアーエムブレム ヒーローズ」と「ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア」をがっつりプレイしている話
2017年2月8日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
任天堂より、Android/iOS用アプリ「ファイアーエムブレム ヒーローズ」がリリースされました。発表当時は「一体、どんなアプリになるんだろう?」なんて思っていましたが、いざリリースされてみると、いろいろ注目ポイントがありつつの正攻法でした。
ゲームアプリとしては章立てのクエストクリア型、スタミナ制、歴代シリーズのいろんなキャラが手に入るガチャありと、“いかにも”な仕組み。
この“いかにも”な作りの数々、特にキャラクターのガチャについては、
「いよいよ任天堂もこの世界に……」と、いろいろしみじみ思ってしまうところもあるのですが……。
それはさておきアプリのプレイの方はと言えば、
まぁ遊びやすいです。
UI(ユーザーインターフェイス、ボタンやメニューなどの作りやデザインのこと)も素直でわかりやすく、ユニットの移動もスイスイ。
シミュレーションゲーム全般がそもそもゲームパッドよりもマウスなりタッチ操作の方が快適にプレイできるところがありますし、そのあたりのジャンルとデバイスの相性も良いです。
個人的に1番好印象なのは、マップが「8×6マス」とかなりミニマムなところ。出撃ユニットも4体までです。
それこそプレイし始め当初は、「もっと本家シリーズみたいに大きなマップで、もう少しユニットも出撃させたいよねー」と思いましたし、シリーズ経験者な人の多くも同じように感じたかもしれませんが、
そのままやりこんでいくと、「詰め将棋やパズル的な感じもあって、これはこれで手軽でいいし、ありだなー」って思うようになります。そもそも広いマップの中でも敵と味方が密集してくるとこんな感じになりますし、あんまり大きなマップで本家同様な作りだったら「これならいっそゲーム機でやらせてくれないかなー」とも思いそうです。
「ファイアーエムブレム ヒーローズ」をプレイしていると“本家シリーズ”を遊びたくなってくる……という現象も起きるんですよ。より大きなマップと多数のユニットで、戦略性のあるものがやりたいという欲求が沸くわけで、それなら本家をやればいいという話に。
これって大事ですよね。スマホアプリがリリースされたことで、むしろ本家シリーズがやりたくなる。スマホアプリの登場で本家の流れが死んでしまうのではなく、むしろ活きる。
「ファイアーエムブレム ヒーローズ」は内容的にも歴代シリーズのオールスターですが、そこでお気に入りのキャラクターを久々に操作したり、未プレイな作品のキャラクターを気に入ったりすると、そのキャラが登場する作品をプレイしたくなります。
僕も久々に、何度プレイしたかわからないぐらいに遊んだスーパーファミコンの「紋章の謎」を、3DSバーチャルコンソールでまたプレイし始めましたから。
そんな効果もあり、「ファイアーエムブレム ヒーローズ」のミニマム&手軽なアレンジは結構いい感じだなーと感じています。
本家と違って技や幸運の概念がなくて戦闘にランダム要素が少ないのも、詰め将棋感やパズル感覚にはいいのではないでしょうか。
とまぁ、そんなわけでなんやかんやと楽みまして。難易度ルナティック(ノーマル・ハード・ルナティックの3段階あります)の8章クリアまでがっつりプレイしました。
気になったところとして、プレーヤーレベルの概念がないので、レベルアップ時のスタミナ回復や、スタミナ最大値アップがないというのが独特でしょうか。
そうした仕組みのあるアプリよりも、いくら遊びこんでもスタミナが尽きるのは一律……というか、先のクエストに行くほどスタミナ消費は大きくなるので、プレイできる回数がぐいぐい減っていくんですよね。そうなると……スタミナ回復課金か……という話になるので。ちょっと厳しいですかね。
そうしたスタミナ事情なのもあって、昨今の他アプリと比較すると「何もできない時間」が多いという印象も。闘技場の回数を増やしたり、微々たる報酬や経験値しか手に入らないのでもいいのでフリーバトルみたいなのができたらいいなぁなんて思います。
あとはやっぱり同じキャラクターでも成長結果のパラメーターに違いがあるという「個性値」の存在でしょうか。
これは良個性を引いた“当たりの喜び”もあればダメな個性の“ハズレの悲しみ”もあるわけで。その比率が気になるところもありますね。賛否どちらとも言えないですが、恐ろしい要素だとは思います。
著名なイラストレーターによるキャラクター絵も魅力のひとつ。コザキユースケ氏によるシャロンのイラストを描く工程という動画も公開されています。「こういう流れで描くんだー、最初のあたりとかこういう感じで付けるんだー」と興奮間違いなし。
「ファイアーエムブレム ヒーローズ」の前日には、こちらもやはり歴代シリーズキャラが登場する「ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア」も配信開始されています。
こちらも並行してプレイしてみたのですが、スタミナきつめな「ファイアーエムブレム ヒーローズ」とはうって変わって、こちらはなんとスタミナ制なし。無限プレイ。
「ディシディア」シリーズ特有のブレイブ(攻撃力を高める)とHP攻撃(ダメージ)の2つの攻撃を使い分けて戦う仕組みながら、スマホの「オペラオムニア」はコマンド選択式のRPGになっています。ストーリーもありますし、他作品のキャラクター同士のやり取りも結構いい感じですので。ディシディア好き、「FF」好きな人はぜひチェックを。
そんなわけで今週は「ファイアーエムブレム ヒーローズ」と「ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア」とで、スマホアプリどっぷり週間でした。
どちらもまだサービスを開始したばかりなのもあって、クエストのボリュームやプレイの多彩さという点はちょっと気になるところなのですが、そのあたりはこれからに期待です。
開始直後だけにログインボーナス等も豪勢なので(特にディシディア)、ぜひチェックしてみてください。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。