山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第41回

大作ラッシュに頭がクラクラしつつも「人喰いの大鷲トリコ」を楽しんだ話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

年末の大作リリースラッシュ楽しんでますか?まだ仕事が忙しいから年末年始にじっくりプレイしようという感じですか?それとも寝る時間を削って次々に遊び倒してたりしますか?本格的に寒くなってきたからね。ちゃんと寝てください(先週に続き2回目)。

さてさて、「ポケットモンスター サン・ムーン」、「ファイナルファンタジーXV」、「人喰いの大鷲トリコ」といった大作を筆頭に、注目作が目白押しな2016年最後の嵐のようなゲーム発売ラッシュですが、今週がまさにその嵐のまっただ中、ピークという感じですかね。今週はさらに「龍が如く6 命の詩。」もいよいよ発売です。

それにしても、最初のタイトル発表から数えて10年で発売となった「ファイナルファンタジーXV」、同じく発表から7年で発売となった「人喰いの大鷲トリコ」という、どちらもゲームファンが長く待っていた作品であり、そんな2作が1週間ズレで発売されるなんてことが起きるんですから、不思議なものです。

ちなみにそんな2作ですが、「ファイナルファンタジーXV」のレビューに続いて、「人喰いの大鷲トリコ」のレビューも、僕がGAME Watchにて書かせて頂きましたので。ぜひご覧ください。

裏話的なところを書きますと、「ファイナルファンタジーXV」の発売前からがっつりとプレイをしてレビューをなんとか発売日に掲載してもらった後は、個人的に購入した「FF XV」のプレイも気分転換にしつつ、「人喰いの大鷲トリコ」のプレイ&レビュー作成にすぐに取りかかったという流れでして。

なかなか頭がクラクラするような密度とスピードで、みなさまになんとかレビューをお届けしているという感じです。

ちなみに今週もまだその流れは続いてます。ここ数日はずっと「神室町」や「尾道」にいますので。

さて、ここからは「人喰いの大鷲トリコ」のお話。

レビューにまとめたとおりなのですが、操作性とカメラワークの辛さにちょっと言及せざるを得ないところはあったものの、プレイを振り返ると「このゲームをプレイできて良かった」と思えるものになりました。

先週のこのコラムで「FF XV」の海外メディアのレビューなども読んだという話を書きましたが、この「人喰いの大鷲トリコ」も同じく海外メディアのレビューを読みあさりまして(休憩がてらそういうのを読むことが多いんです)。

すると、やっぱりゲームに対する気持ちや観点は世界共通と言いますか。僕の書いたレビューとも近いものが多いんです。

ちょっと意外に思われるかもしれないですけどね。日本のレビューは優しくて、海外のレビューはシビアみたいなイメージもあるかもしれませんけど、僕はなんでも書いちゃうので。海外メディアレビューのそれと近い感じになるのかもしれません。

そんな「人喰いの大鷲トリコ」への海外メディアのレビューだと、やはり操作性とカメラワークに言及はあるのですが、同時に「美しい」、「わずらわしさを乗り越える価値がある物語」、「唯一の存在」といったニュアンスの言葉が並んでいました。

もちろん、「振り返ると素晴らしいものだった……」という内容も多くみられました。

“終わりよければすべてよし”(英語だと「All is well that ends well.」。シェイクスピアの戯曲からきた言葉)という感覚が、世界中のレビュアーおよび僕の心に残ったということかもしれません。不思議と親近感が湧いたりもするところで、ゲームの話題は国境を越えるんだなと感じます。

ほかにも、「オンリーワンの存在」というニュアンスも多くありました。これはもう期待どおりのものというか。

ゲームデザイナー上田文人氏の作品「ICO」や「ワンダと巨像」にあった、独自のセンスやテイスト、ストーリーテーリングは、「人喰いの大鷲トリコ」にも息づいています。こういう静けさや柔らかさ、暖かさや美しさを持っているゲームというのは……昔に比べると少なくなってしまったかもしれません。

そんなわけで、ずっと楽しみに待っていた人はもちろんとして、「ICO」や「ワンダと巨像」を知らない&プレイしたことがないという人にもぜひ、この「人喰いの大鷲トリコ」で、世界中のゲームファンに愛されるそのテイストに触れてみて頂きたい次第です。

ICO「この人の手を離さない。僕の魂ごと、離してしまう気がするから」
ワンダと巨像「最後の一撃は、せつない。」
人喰いの大鷲トリコ「思い出の中の その怪物はいつも 優しい目をしていた」

話題は変わりますが、そんなゲーム発売ラッシュの最中、数日前にアメリカのアナハイムでは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントアメリカが開催するファンイベント「PlayStation Experience 2016」が行なわれました。

そちらでも数々の新作が発表されまして。
まず新規タイトルでは、

「アンチャーテッド THE LOST LEGACY」
「THE LAST OF US PART II」
「マーベルVS.カプコン インフィニット」
「二ノ国 REVENANT KIGDOM」
「KNACK 2」

が発表されました。既に発表済みだったタイトルからも「エースコンバット7」のPS VR対応をはじめ、多くのタイトルの最新情報が公開されています。

さらに、PS4へのリマスター作品では

「パラッパラッパー」
「LOCO ROCO(ロコロコ)」
「PATAPON(パタポン)」
「クラッシュ・バンディクー」
「ワイプアウト オメガコレクション」

と、ちょっと予想外なタイトルも発表されています。「パラッパラッパー」に大反応しちゃう人も多いのでは?

予想以上に充実していた、かなりパワフルな発表会となっておりました。詳しくはGAME Watchの各ニュースをご覧ください。

これは……来年以降も、ゲームファンの熱い日々が続きそうな予感です。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。