「Fallout 4」レビュー

Fallout 4

変わり果てたこの世界に、200年前の旅人が降り立つ
プレイスタイル、武器、街作り、すべてが究極のRPG

ジャンル:
  • RPG
発売元:
  • ベセスダ・ソフトワークス
開発元:
  • Bethesda Game Studios
プラットフォーム:
  • PS4
  • Xbox One
  • WIN
価格:
7,980円(税別)
発売日:
2015年12月17日
プレイ人数:
1人
レーティング:
CERO:Z(18歳以上のみ)

 「Fallout 4」は奥深く、そしてとても楽しいRPGである。世界は危険に満ちており、海外RPGを初めてプレイする人は戸惑うことが多いかもしれない。しかしぜひそれを乗り越え、この世界で生きる充実感を実感して欲しい。未知の世界を手探りで進む不安が、この世界のルールを覚え、住人達や敵への知識を深めていくことで自分がこの世界にきっちりはまっていく感じ、そして自分のキャラクターが世界そのものを変えていく存在に成長していくことを実感できるだろう。

 本作では、世界を旅することも、相棒との絆を結んでいくことも、究極の武器を追求することもできる。さらにこの崩壊した世界で理想的な生活環境を実現する“街作り”までできるのだ。もちろんRPGとして様々な選択肢を追求することもできる。「Fallout 4」1本だけで年末はおろか、来年1年でも遊べるのではないだろうか? ハマる人はとことんハマれる“究極のRPG”がここに誕生したのである。

【【Fallout 4ローンチトレーラー】】

目覚めれば200年後の世界。過去からの男(女)の旅が始まる

 「ああ、もうずっとここにいたい」。プレイ中何度この言葉をつぶやいただろうか。会社に行きたくない、寝たくない、もうひたすら「Fallout 4」をプレイしたい、ずっとこの世界にいたい。いつまでも、いつまでも、今回の「Fallout 4」のフィールド、今は人々に“連邦”と呼ばれている、かつてはボストンと呼ばれたこの地域を旅していたい。

今作は200年前の男女がプレーヤーキャラクターとなる。外見は人種から目の位置、鼻の高さなど細かく設定可能だ

 プレーヤーでなくてはこの気持ちはわからないだろう。川などの水のあるところに踏み込んだり、廃棄されているドラム缶に近づけばたちどころにガイガーカウンターは上がり、放射能で巨大化した昆虫やサソリ、凶暴化した野犬が襲いかかってくる。変異し自我を失った人間“フェラル・グール”は群れを成ししかも全速力でこちらを取り囲む。盗賊集団と化したレイダー、そして新たな人類を自称するスーパーミュータントは、野生動物以上に危険で手強い連中だ。常に死と放射能がそばにある、地獄としか言いようがない世界なのに、なぜこの世界を旅していたいのだろう。

 そこには“冒険”があるのだ。「Fallout 4」の主人公は200年前の核戦争直後に冷凍睡眠により、200年の時を過ごした「過去から来た男(あるいは女)」だ。彼はある大きな目的を持って、この変わり果てた未来世界を旅していく。200年の時に埋もれた失われた技術や、宝物、そして密かに行なわれた実験や、動きを止めた工場が、彼の手で動き出す。そしてそこかしこで目にする、核戦争という恐ろしい変化を迎えた人々が残した人生の記録。それは主人公が体験しなかった時代の記憶だ。プレーヤーは主人公に共感し、「かつての世界から取り残され、全く知らない世界にいること」を思い知らされる。

 さらに“今を生きる人々”とも関わっていく。この地獄のような世界でも人々はたくましく生きている。レイダーや野生動物に襲われても作物を植える人々、彼らを守ろうとする人々や、自分たちの理念で「理想社会」を作ろうとする集団……この時代で生きる様々な人々に関わり、そして物語を紡いでいくうちに、彼はたくましく成長していく。それはゲームの主人公だけでなく、プレーヤーもそうなのだ。様々なルールに触れ、あるときは受け入れ、あるときは反発し、そして様々な人に影響を及ぼしていくなかで、プレーヤー自身も、1人の“ウエイストランド人”になっていくのだ。

 「Fallout 4」では、短い時間だが200年前の世界が描かれるところも楽しいところだ。愛する妻と息子、色鮮やかで清潔そうな家具、心を和ませる平和な家庭を味わえる。戦争のニュースで避難していく中で見る町並みは、車も家もピカピカで、街路樹の紅葉も美しい。これらの美しく理想的な風景は、200年後の変わり果てた残酷な世界との対比のために、プレーヤーの心にしっかりと刻みつけられる。だからこそ無残に変貌した未来世界の恐ろしさを強く感じられる。

 しかし、この世界をさまよううちにプレーヤーはこの世界を受け入れていく。ゲームキャラクターも冒険を経て人々に認められ、存在感を大きくしていく。この感覚はプレーヤーにこの世界での生活をかけがえのないものにしてくれる。この実感をさせてくれるゲームこそ“ロールプレイングゲーム”という名前にふさわしいといえるだろう。

【200年前の世界】
シリーズで初めて描かれる200年前の世界。清潔で整理されている
セールスマンのようなValut-Tec社員。彼との出会いがすべての始まりとなる

200年後の世界。お手伝いロボット・コズワースとの再会

 「Fallout 4」はオープンワールドRPGだ。どこに行くのも、何をするのも自由。その中で様々なクエストを受け、あるいはふと立ち寄ったところから大きな事件に巻き込まれることになる。「Fallout 4」での人々はこのボストン周辺の地域を“連邦”と呼ぶ。主人公は連邦で様々な仲間達、そして組織と関係を持っていくこととなる。

 「Fallout 4」ファーストインプレッションではプレストン・ガービーという戦士が守る一団に合流する展開を紹介したが、彼は“ミニッツメン”という自警団の1人である。ミニッツメンは今や崩壊の危機にあり、ガービーも現在は手一杯だ。主人公は彼の手助けをすることでミニッツメンを再興し、連邦に点在する入植者達の村を助けるというストーリーも用意されている。これまででおなじみの「ブラザーフット オブ スティール」なども登場してくる。

 シリーズをプレイした人にとって、今作の楽しみなところは“グール”の存在だ。「Fallout」シリーズでのグールは何らかの形で放射能により外見が変化したものの、常識を越える不老長寿を獲得した人達だ。ゾンビのように皮膚はボロボロになってしまうが、主人公と同じ“戦前”生まれの人達もいる。“過去から来た男(女)”である主人公と出会ったとき、グールの人達がどんな反応を示すか? これは特に楽しみなところだろう。

【変わり果てた世界】
ミニッツメンのプレストン・ガービー。彼を助けると、ミニッツメンに勧誘される
世界は荒れ果て、荒廃している。時間が経過することで刻々と変化し、天候も変わる。恐ろしいのが“放射能の嵐”。外にいるとみるみる放射能値が上がり、ダメージを負ってしまう。建物の中に逃げ、やり過ごすしかない

 主人公はこの世界をさまよっているうちに、「ダイアモンドシティ」にたどり着く。ここはボストンの「フェンウェイパーク球場」が街になっており、スコアボードがあったり、選手達の控え室「ダグアウト」が宿屋になっていたりする。サードやセカンドの所に店があるのも楽しいし、市長の部屋が特別観覧席になっているのも面白い。

スタジアムがそのまま街になっている、「ダイアモンドシティ」

 ここでは奇妙な探偵・人造人間のニックに会える。一目でわかる機械人間で人工皮膚の隙間から機械も見えるが、彼は街の人間から信頼されている。旅をしていくとわかるが、この世界は「インスティチュート」と呼ばれる人造人間が暗躍しており、人々は都市伝説のように彼らを諸悪の根源として悪いものに結びつけようとしている。彼らは人知れず人々を誘拐し、人造人間に置き換えようとしているのだ。この「インスティチュート」は物語で大きくなっていく。

 ニックはメインストーリーにも関わってくるが、彼を手伝い探偵をするクエストも用意されている。現場を見たり、関係者の話を聞き容疑者を見つけていくミステリーアドベンチャーのような展開も楽しい。ニックは仲間にもなってくれる。ダイアモンドシティでは美しい女記者バイパーにも出会える。

 ニックやバイパー、前回紹介した犬のドッグミート、さらには家庭用ロボット・コズワースなどなど、「Fallout 4」ではたくさんの相棒キャラクターがいる。彼らは自分なりの価値観を持っていて、主人公の行動に好悪を示す。正義を好むキャラクターは人を助ける行動をすると喜ぶ。ニックは彼を受け入れてくれたダイアモンドシティの住人を助けると好感を示してくれる。

 彼らは主人公を信頼してくると様々な身の上話を始める。彼らの意外な一面を知ったとき、それを受け入れるかも選択肢として与えられる。相棒によっては深刻な問題を抱えていることもある。彼らを救うことができるのも主人公だけなのだ。これまでのゲームでの相棒キャラクターもプレーヤーにとって愛着を強く持っていく存在ではあるが、「Fallout 4」ではこのシステムのおかげで一層かけがえのない存在に感じられるのが楽しい。

 異性のキャラクターは“口説く”ことで恋愛関係にもなれるのだ。恋愛関係になったキャラクターと旅をすると、特別なバフももらえる。もちろん相棒キャラクターは交代も可能だ。彼らは入植地に待機させることができ、いつでも旅を再開できる。何人ものキャラクターと絆を深めることができるのだ。

 今作で特に面白かったのは、“現実”のボストンとの密接にな関係だ。ワシントンD.C周辺を舞台とした「Fallout 3」ではあまり意識しなかったが、今作ではスタジアムが街になっているダイアモンドシティをはじめ、ボストンの観光地や、戦前の姿を色濃く残したと思われる建物がたくさん登場し、実際のボストンに行って見比べたくなる。“聖地巡礼”をするプレーヤーも多いのではないだろうか。

 特に面白かったのが、「フリーダムトレイル」を回るクエスト。ボストンには「マサチューセッツ州議事堂」、「パーク・ストリート教会」、「ファニュエルホール」など16の歴史建造物や観光名所を赤い線で繋いだ「フリーダムトレイル」というものがある。ボストンを訪れた観光客はフリーダムトレイルをたどることで観光ができるのだ。

 「Fallout 4」では崩壊したボストン市街で、200年の時を経たフリーダムトレイルをたどっていくのだ。すべてが崩壊したこの世界ではフリーダムトレイルは瓦礫に覆われていたり、赤い線が描かれていた舗装そのものがなくなっていたりする。しかも道をたどっているとレイダーやフェラル・グール、スーパーミュータントが襲いかかってくるのだ。かなり過酷な“観光地巡り”である。

【連邦を旅する】
頼りになる相棒・ドックミート
様々な街が登場する。主人公の干渉で大きく情勢が変わる場合も

銃にこだわる、ステルスを追求、拳を鍛える……「Perks」でプレイスタイルを追求

 様々なプレイスタイルを追求できるのが、特殊能力である。今作のPerksは70個もある。セミオートのピストルのダメージが上がる「ガンスリンガー」、難易度の高い鍵を開けられる「ロックスミス」といった基本的なものから、仲間がいないとダメージが減り持ち運べる量が増加する「ローン ワンダラー」、夜になると知性と知覚が増加する「ナイトパーソン」など実に多彩だ。

 Perksのチャートは先行配信されたスマホ向けシミュレーション「Fallout Shelter」風の階層式の図で描かれている。それぞれの能力を示したValut-boyのイラストが楽しい。Perksは能力値のS.P.E.C.I.A.L.(Strength、Perception、Endurance、Charisma、Intelligence、Agility、Luck)が高くなるほど選択肢が広がる。例えばパワーアーマーを着ているときにダッシュすると敵にダメージが与えられる様になる「ペイン トレイン」はStrengthが10でなければならない。これらはレベルが上がるごとに得られるポイントを消費して上げていく。

 Perksを取るか、S.P.E.C.I.A.L.を上げて選択肢を増やすか……Perksはさらにレベル制のものもある。銃が改造できる「ガンナッツ」、アーマーを強化できる「アーマラー」といったスキルは上げておくと冒険が楽になる。プレイしてると、アレも上げたい、これも上げたいという感じになって、迷ってしまう。

 今回は銃を中心に上げてみた。「ガンスリンガー」で武器のダメージを上げ、「ガンナッツ」で強力な武器を作り上げる。セミオート系のライフルの威力が上がる「ライフルマン」も上げた。これらのPerksのおかげで堅い甲羅を持つサソリやミレルークもショットガンで楽に倒せるようになった。

 レーザー系の武器を使用する敵が増えたので光線系の武器が強化できる「サイエンス!」を上げてみたのだが、このPerksは長距離スコープやアーマーの表面加工でも求められる能力であり、武器作り、アーマー作りでもとても有効だった。様々な宝物が手に入る鍵開けの「ロックスミス」は上げると銃弾が多く手に入り、冒険が楽になる。

【多彩なPerks】
「ガンナッツ」と「サイエンス!」を上げると、レーザー系の武器を強力に改造できるようになる

 今回はとても余裕がないが、2回目をプレイするときには「近接攻撃とステルスのプロフェッショナル」というのをやってみたい。「北斗の拳」のケンシロウのような暗殺拳の使い手だ。

 近接攻撃を強くする「ビッグリーガー」も魅力的だし、素手攻撃を上げる「アイアン フィスト」というPerksもある。直立しているときに強くなる「ルーテッド」もある。さらにダッシュするとダメージを下げられる「ムービング ターゲット」、ステルス攻撃のダメージが跳ね上がる「ニンジャ」もある。これらの能力でどの位戦えるかも試したい。自分なりのキャラクター像を追求できるPerksは組み合わせを考えるだけで楽しい。

サイレンサーをつけ、スコープを追加、グリップを改良、とことん武器にこだわれ

 今回筆者が1番気に入ってるのがこの武器のカスタマイズ要素だ。主人公は解放した居住地で「ワークショップ」や、「武器作業台」といった施設が使えるようになるのだ。

 武器作業台では、武器のカスタマイズが行なえる。最も単純な「パイプピストル」でさえ、銃身を延長し、ストックをつけ、長距離スコープをつけることでスナイパーライフルに変貌するのだ。最も初期に手に入る10mmピストルは消音器をつけ、拡張マガジンを装備、トリガー周りも改良し、銃本体も改良を加えることで中盤でも活躍できる武器となっている。

【改造】
武器の改造。多彩な場所に手を加えられる

 「Fallout 4」では弾は常に貴重だ。1つの武器に頼りすぎていては弾が枯渇してしまう。また敵の耐性でレーザーが効きにくかったり、弾丸が装甲にはじかれてしまう場合もある。だからこそ複数の武器を携行し状況に合わせて使いこなす必要がある。また改造を施した武器を相棒に渡すこともできる。相棒達は得意な武器は弾丸なしで使えるので使う武器がわかったら同じ傾向の改造武器を渡すのがいいだろう。

 防具もまたカスタマイズできる。表面加工を変えることでアーマー値を上げることができるほか、補助動力機能をつけて素手の攻撃力を上げることも可能だ。アーマーに“ポケット”をつけるというオプションもあり、ポケットをつけることで持ち運べる重量が増やせるのはかなりありがたい。

 「Fallout 4」では特にレイダーアーマーが体に鉄のバーを巻き付けたような外見になって面白い。改造されたアイテムは敵からも入手できるが、Perksによって自分の技能を上げておけば、改造された武器もさらに自分の目的に合わせたカスタマイズができる。

 パワーアーマーも改造できる。手に入れたアーマーのタイプを変えることで装甲を上げたり、外見を変更できたりする。今作ではレイダーもパワーアーマーを使っていたり、旧型から新型まで様々な形式のアーマーが登場する。これらを取り外して持ち帰り、装着していくのはまるで自分なりのロボットを作っているようで楽しい。鉄骨むき出しのレイダーアーマーは肩に装着するとカッコイイし、頭部パーツは動力パイプがあってモビルスーツの「ザク」っぽくなる。ペイントでの特性付与もできて、こちらのカスタマイズも奥深い。

 これらの改造を行なうには、「素材」が必要となる。鉄や木は周囲のスクラップから大量に入手できるが、アルミニウム、ねじ、ギア、光ファイバーなど貴重な素材はいくつあっても足りない。特に「粘着材」は使用頻度が高く、「ワンダーグルー」などの接着剤は見つけるとかなりうれしい。これらの素材はタグ付けをすることでわかりやすくなる。積極的にがらくたを集めるようになるプレイスタイルは面白い……常に重量制限が重くのしかかってくるが。

 もう1つ装備で面白いのは「伝説の~」という名前がつく敵が持っている特殊能力付き装備だ。「人間へのダメージが増える」、「夜の間ダメージが増加する」、「見つけられる確率が減る」など様々。これらの武器も改造できるので、活用できれば心強い。彼らは一般の敵に混じってランダムで登場する。序盤はかなり強敵なので緊張もさせられるが、特殊アイテムの期待に胸が高鳴る。「Diablo」のような「トレジャーハント」の楽しさをもたらす要素だ。

【パワーアーマーを使いこなす】
パワーアーマーは様々な装甲が入手できる。同じタイプで統一するのも、つぎはぎ風にするのも楽しい

崩壊した世界に新しい“故郷”を! とことん楽しめる街作り

 まだまだ語りたい、ピックアップしていきたい要素は多々あるが、特に“街作り”は触れておきたい。主人公はプレストン・ガービーを助けることで彼らが「サンクチュアリ」へたどり着くのを見届けることとなる。このサンクチュアリこそ、戦前主人公が住んでいた場所。主人公はこの「生まれ故郷」ともいえる地域を、ガービーが守っていた人々と「再建」することが可能なのだ。

 街作りには「ワークショップ」を利用する。「スカイリム」の様にパーツを組み合わせて1件の家を作ることも可能だが、「Fallout 4」の面白さは街作りにある。作物を植え、組み上げ式の井戸を設置し、防御用のタレットを設置、武装を稼動させるためのジェネレーターも設置する。この世界の住人達の安住の地を自らの手で創り出していくのは、楽しい体験だ。

【スーパーミュータントとの戦い】
今作でも強敵として立ちはだかるスーパーミュータント。街の住人の大きな脅威ともなる

 「Fallout 4」では様々な組織が各地に点在する拠点の支援を求めたり、拠点を築くためにその地域の危険の排除を依頼してくる。ミニッツメンなどのいくつかの組織に所属すると拠点関連のクエストが多くなる。

 住人の悩みを解決させたり、敵に占領されていた入植地を解放することでその土地のワークショップが利用可能となり、施設を設置できる。住人が眠るためのベッドや、付近の入植者を呼び込むためのビーコンを発する電波塔なども設置できる。さらに街はレイダーやスーパーミュータントの襲撃を受ける場合もあり、これらを撃退しなくてはいけない場合もある。

 「街の運営」を考えるとかなり大変だ。資材が足りず施設を作るための部品調達も考えなくてはいけない。クエストをクリアすると入植地は増えていくし……各入植地を繋げる「ローカルリーダー」というPerksもあるが、これらを管理していこうとするとRPGとはまた別な手腕を求められる。これはこれでやりがいのあるゲームではあるので、筆者としてはメインストーリーが一段落してから本格的に取り組もうと思っている。

 建物に関しては壁1枚、屋根1枚から設置が可能でつなぎ合わせて大きな家を作れる。がんばればサンクチュアリを戦前のようなきちんとした町並みに戻すこともできるかもしれない。住人達は服をあげ、装備させることでレイダー風や、フォーマルな服に替えることもできる。冒険の間に新しい家具が作れる本を手に入れることもあったし、最終的にどんな街が作れるようになるかも楽しみだ。

 「Fallout 4」は多彩な要素を盛り込んだRPGだ。「ずっとこのゲーム世界にいたい」と強く思わせる濃いストーリーがとんでもない量で盛り込まれており、メインストーリーを追うのも、ミニッツメンとして世界を守るのも、他の組織に尽力もできる。もちろんただひたすら荒野を散策するのも楽しい。

 プレイしている人で全く異なる冒険があり、街があるだろう。シリーズにはまった人はもちろん、新しく始める人もこの世界にのめり込めるはずだ。このものすごい作品に触れないというのは、「ゲームが好きな人」にとって、あまりにももったいない。多くの人に遊んで貰いたい作品だ。

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(勝田哲也)