★ PS3/Xbox 360ゲームファーストインプレッション★
CBTをプレイしてわかった
シリーズ最新作の魅力と特長をレポート
「アーマード・コア V」
ジャンル:
  • メカカスタマイズアクション
発売元:
開発元:
プラットフォーム:
  • PS3
  • Xbox 360
価格:
7,800円
発売日:
2012年1月26日
プレイ人数:
1人~10人(オンライン対戦時)

PS3用製品版パッケージ
弊誌もCBTに参加しています

 株式会社フロム・ソフトウェアは7月8日、10月20日に発売を予定している、プレイステーション 3/Xbox 360用メカカスタマイズアクション「アーマード・コア V」(以下、「AC V」)のクローズドベータテスト(以下、CBT)を開始した。

 PS3版のCBTは7月8日 13時~7月21日24時の日程で行なわれる予定。また、Xbox 360版のテスト日程を当初7月19日~8月1日としていたが、7月29日13時~8月11日24時の日程に変更された。Xbox 360版はPS3版と一部内容が異なり、PS3版で行なわれた調整が反映される形でスタートするなど、遊びやすくなっているという。

 弊誌でも今回のCBTに参加。チームメンバーは右のエンブレムを付けているので、戦場で出会ったらよろしくお願いします!

 さて、これまでの「アーマード・コア」シリーズでは、プレーヤーはアーマード・コア(以下、AC)と呼ばれるロボットを操る1人の傭兵として戦ってきた。しかし、最新作となる「AC V」ではチーム戦を重視した内容となり、チームや領地の運営、オペレータとして戦場全体を把握しながらチームの仲間をバックアップするモードの存在がこれまでに公開されている。

 今回のCBTでは、これらの要素も体験できる内容になっているものの、まずはシングルプレイで行なえるチュートリアルやストーリーミッション、チーム運営や機体のカスタマイズについて、プレイしての感想や操作感、感じられた戦闘スタイルの変化などを中心にレポートをお届けしていきたいと思う。なお、本稿はすべてPS3版を試遊してのレポートとなる。

 また、領地ミッションやオペレータモードなどの「AC V」で追加されたマルチプレイに関する新要素については、じっくりと検証をした後にあらためて記事にしたいと思う。こちらについて詳しく知りたい方は、今しばらくお待ちいただきたい。



■ さまざまなミッションに参加できるワールドメニュー
  自由度の増したアクションとレーダーがなくなった戦術性に注目

メニュー画面の1つ、ワールドメニューの画面。左から出撃するミッションの項目などを選択していくことができる。L1ボタンを押すとガレージ、R1ボタンを押すとチームメニューへ移動する

 ゲームをダウンロードしてパイロットデータの登録が終わると、メインメニュー画面が表示される。メインメニューは参加するミッションを選択するワールドメニューと、チームやチームメンバーに関する情報を閲覧したり変更できる、チームメニュー、そしてACのカスタマイズを行なえるガレージの3つの画面に分けられている。ここからは、各メニュー画面でできる内容について紹介していこう。

 まずは、ミッションを選択するワールドメニューについて。ワールドメニューでは、初心者がACの操作方法を実際に動かしながら学べる「チュートリアル」や、「AC V」の世界観を感じつつ主要キャラクターたちの会話を楽しみながらミッションを進めていく「ストーリーミッション」、領地の侵攻や防衛に関するミッションを開始する「領地ミッション」などが選択できる。

 チュートリアルミッションでは、ACを操作について実際に動かしながら練習できる。「アーマード・コア」シリーズをあまりプレイしたことがない人も、チュートリアルをひと通りプレイすれば、ACの基本的な操作方法は理解できる内容となっている。

 チュートリアルやストーリーミッションをプレイする中で、従来シリーズとのアクションの違いという面でまず気になったのは、発動できるのが地上時のみという限定はあるものの急加速・高スピードで前方向だけではなく、前後左右に方向を変えながら移動できるグライドブースト。EN(エネルギー)を大量に消費するため、長時間は使用できないものの、戦場を縦横無尽に駆け巡ることが可能だ。単なる移動手段としてだけではなく、目標の周囲を高速で周回しながら攻撃したり、高速で後退しながら攻撃するなど、さまざまな利用法が考えられる。


地上にいるとき限定だが、急加速した後そのまま高速で移動可能となるグライドブースト。高速で戦場を横断したいときなどに有効だが、ENを大量に消費する。そのまま戦闘に突入してしまい、すぐに息切れしてしまわないように注意したい後ろに下がりながらグライドブーストを使用すれば、正面の敵を攻撃しながら高速で後退することもできる。遠距離戦が得意な機体は、攻撃しながら高速後退できるので、常に相手との距離を空けて戦いやすくなりそうだ

 もう1つ特徴的なアクションといえるのが、壁や建物などの近くでジャンプボタンを押すことで、三角跳びのようなアクションができるブーストドライブ。移動しながらブーストドライブすることで、横方向へ一気に加速することができるほか、連続してブーストドライブを行なえば単なるジャンプでは上昇できない高さまで、一気に蹴り上がることもできる。このように建物や壁などの地形を意識しながらブーストドライブを利用することで、より立体的な戦闘が行なえるのも「AC V」の特長の1つだ。

壁に密着しているときにジャンプボタンを押すと、壁を蹴り飛ばして移動できるブーストドライブが発動する。壁を蹴った反動を利用して横方向に加速すれば、予想外の動きをすることも可能だブーストドライブを連続して使用すれば、素早くより高い位置にジャンプでき、敵の死角となる真上から攻撃できるようになる。このあたりが「AC V」ならではの立体的な戦闘の要素といえそうだ

 これ以外にも、短時間の加速だが、グライドブーストとは違い、空中でも素早く移動できるハイブーストや、そこから体当たり攻撃をしかけるブーストチャージ、ハイブーストやグライドブーストの高速状態から着地することで、素早く旋回が可能なドリフトなどのアクションが用意されている。

 アクションに関してプレイしていて感じたのは、さまざまなアクションが追加され自由度が増した結果、かなりトリッキーな動きができるようになったということだ。ブーストドライブやドリフトなど、まだまだ自分の思う通りに動かせないアクションもあるものの、対戦で使いこなせればかなり狙いにくく、かつ有効な動きができるようになるのではないかという印象を受けた。

移動距離は短めだが、前後左右に急加速したいときに役立つハイブースト。グライドブーストが使用できない空中でも使用できるため、ジャンプ中の回避など、とっさに加速したいときに役立つアクションだハイブーストからボタンを押しっぱなしにすることで、敵に体当たり攻撃するブーストチャージが行なえる。ACの重量や速度によって威力が決まるので、重めの機体でも動きの遅い相手などに狙ってみたい地面を高速で滑走中に視点移動を入力すると、ドリフトとなり通常よりも速く旋回することができる。正面で向き合った状態から、素早く相手の後ろに回り込みたい時などに役立つアクションだ



戦闘モードでは、中央のリング(ロックサイト)以外に計器や数値の類は表示されなくなった。リングの左下のゲージがAPゲージ、右下はENゲージ、上半分は装備している武器の残弾数を表示している

 もう1つ大きな変更といえるのが、ミッション中の画面について。ミッション中の画面は、武器を使って攻撃を行なう時の戦闘モードと、敵の情報を集めるときなどに使うスキャンモードの2つを切り替えて使用する形式になった。戦闘モードでは機体のライフとなるAPゲージやブーストゲージ、武器の残弾数が画面中央のリング(ロックサイト)に表示されるようになり、画面がスッキリと見やすくなっている。

 もう1つのスキャンモードでは、これまでのシリーズのように、さまざまな数値が表示されるようになるほか、RECONと呼ばれる偵察機を射出することで、周囲にいる敵の位置を建物越しにも見ることができるようになったり、ブーストなどで消費されるEN(エネルギー)の消費量が低減されるのが特長だ。ただし、スキャンモード中は攻撃はできないので、攻撃したいときには戦闘モードに変更する必要がある。

 また、戦闘モード・スキャンモードともに、レーダーによる敵の位置表示が廃止されていることにも注目したい。このため「AC V」では、画面外の敵からの攻撃がどこから来るのか認識しにくくなっている。建物などに隠れた敵を見逃してしまうと、後から視界外から攻撃を受け続けることになりかねないので、RECONやスキャンモードを有効に活用したり、チーム全体での情報共有をすることが大事だ。

 1人の目で見ることができる範囲は限られるので、戦術が洗練されていけばいくほど、チームメンバーと協力して敵の位置を把握し、死角から攻撃を受けないような進軍の仕方が求められていくことになりそうだ。


このRECONを射出することで、周囲にいる敵の情報を見ることができるようになる。RECONはスキャンモード中でも射出できるので、敵が通りそうな場所にはどんどん設置していこうRECONを設置すれば、建物に隠れた敵の位置も透けて見えるようになる。さらにスキャンすれば、敵の性能や弱点なども知ることができる



■ ガレージでACをとことんまでカスタマイズ
  見た目にもこだわって自分だけのACを作り出せ!

機体アセンブル中の画面には、パーツのデータが数値で表示されるのはもちろん、数値の上下が青と赤で色分けされるため性能の変化が理解しやすくなっている。また、パーツの簡単な説明も表示されるため、特定の方向性を持ってパーツを選んでいく際は参考になる

 ガレージでは、現在持っているパーツを付け替えて、ミッションに合わせたACに調整するのはもちろん、ショップで新パーツを買ったり、ACの見た目にこだわる人は、ペイントやエンブレムを交換する楽しみも用意されている。

 ACを構成するパーツの部位は全部で11種類。CBTでは製品版の10%程度のパーツしか用意されていないが、それでも武器や脚部パーツなどに多くのパーツがあり、パーツの付け替えによって、まったく別のACを手に入れたかのような新鮮さを感じることができるだろう。

 「AC V」ならではのカスタマイズ要素といえるのが、両腕に用意されたハンガーに2つ目の武器を登録して、好きなときに持ち替えことができるようになったこと。これまでのシリーズでも2つ武器を装備することはできたが、1つ目の武器をパージしないと2つ目の武器を持つことができなかった。それに比べると、「AC V」では状況や敵の弱点に合わせて武器を選択しやすくなったといえる。


両腕に用意されたハンガーユニットには2つめの武器を用意しておくことができる。目標との距離や状況に合わせて武器を何度でも持ち替えられるようになったただし、一定以上の重量を持った武器はハンガーユニットに装備することができない。こういった武器を1つめの武器として選択した場合は、これまでのシリーズと同様に、パージすることで2つめの武器に持ち替えられる

 もう1つ重要なのが4種類ある脚部パーツのうち、どれを選択するか。平均的な能力の「二脚」、ジャンプ力に秀でた「逆関節」、機動性はやや落ちるが射撃が安定するため狙撃に向く「四脚」、機動性は低いものの、最高の防御力と火力の高い武器を構えなしで発射できる「タンク」と、それぞれの特長があるため、ミッション内容に合わせて機体の性能を調整していきたいところだ。

 すべての脚部パーツをひと通り試してみた印象としては、どのタイプのパーツにも有効な場面があるため、場面やミッション内容、味方の機体の特長に合わせて切り替えたほうがよさそうだ。作成した機体データをセーブできるので、様々な状況に対応できるように、機体データを複数用意しておこう。

平均的な性能を持つ二脚タイプは構え射撃時に防御力が向上する。過不足のない機動性と装甲を有しているため、初心者にも扱いやすい逆間接タイプは、ブースト起動時にジャンプ性能が向上。二脚タイプよりもより機動戦闘向きの性能を持っている。
機動性はやや劣るものの、射撃の安定性にすぐれた四脚タイプ。狙撃を攻撃の主体にしたいときに選ぶといいだろうタンクは機動性が最も低くブーストドライブやドリフトができないものの、高い防御力を持ち、通常構えが必要となる武器を構えずに発射できるのが特長

 以上のようなパーツの付け替えによる性能のカスタマイズのほかにも、ACのカラーリングや迷彩パターンを部位ごとに設定したり、好きなエンブレムを機体に貼り付けたりといった、見た目にこだわるカスタマイズも可能となっている。

 このようにして自分だけのACを作り上げた後には、ビューモードでじっくりとACを鑑賞したり、各種状況を設定できる専用マップで機体の性能テストをするACテストを選択することもできる。特に、パーツの組み合わせが多岐にわたるため、パーツの付け替えを行なった後にはなるべくACテストで、実際に動かしてみたほうがいいだろう。

ガレージのビューモードは、機体のモーションやギミックなどをじっくりと観察するのに最適。カメラもある程度自由に操作できるため、よくできたジオラマを鑑賞しているかのような気分を味わうこともできる



■ チームに関する情報が満載のチームメニュー
  自分の情報はもちろんメンバーへのメッセージを登録することも

 続いて、チームメニューの説明をしていこう。「AC V」では、必ず何らかのチームに入る必要があり、自分のキャラクター作成後は、自分のチームを作るか既存のチームに入るかのどちらかを求められる。

 ただし、こうしてチームに入った後も、チームメニューでチームの作成や加入、脱退の手続きはいつでもすることができるので安心してほしい。ただし、ほかのプレーヤーのいるチームに入ることで、チームメンバーと共に出撃できるほか、ミッション中にもボイスチャットによるコミュニケーションがとれるなど、さまざまなメリットが得られるので、基本的には人が多いチームに入ったほうが、プレイの幅が広がるのでおすすめだ。

チームに加入するには、まず加入したいチームを検索してみよう。“活動拠点”やどういったスタイルでゲームを楽しんでいるかの“スタンス”から、自分にあったチームを探すのがいい自分に合いそうなチームを見つけたら入隊申請を出してみよう。このチームは入隊方式がフリーなので、誰でも入隊することができる

 一旦チームに入った後は、チームやチームのメンバーに関する情報を確認したり、自分が在籍しているかどうかのステータスの変更や、メッセージを登録することができる。どんなメンバーがいるかや、どのような活動を行なっているかの目安になるので、ひと通り目を通しておきたい。

 また、チームが所有している領地の情報を確認することもできる。所有している領地の耐久度がなくなると、領地をほかのチームに奪われかねない事態になるので、耐久度が減ってきたらチームのメンバーに領地防衛ミッションへの出撃を促したりするとよさそうだ。

 なお、他のプレーヤーを「傭兵」として雇うこともできる。1人でチームを立ち上げたばかりというときや、チームメンバーが揃わないときは「傭兵」をやとうことでカバーできるので、活用していきたいところだ。

マイプロフィールでは、自分のステータスの変更やほかのメンバーに対するメッセージを登録することができる。自分がよくプレイする時間帯や自己紹介などを書いておきたいメンバーリストを見れば、誰がオンラインかはもちろん、全員のプロフィールやメッセージを見ることもできる。まずは、ここから一緒に遊ぶ仲間を探していくのがよさそうだ



■ アクションの自由度が高くなるとともに戦術性も向上
  より密度の濃い戦闘が楽しめるようになった「AC V」

 CBTをプレイしてわかった内容や感想を紹介してきたが、いかがだろうか。今回のCBTでは、トンネルや建物が建ち並ぶマップのみとなっており、これまでのシリーズのように、広大なフィールドをブーストまかせに駆け回るようなスピード感や豪快さは、若干抑えられている印象だ。

 しかし、ブーストドライブを活用して、通常のジャンプでは届かないような場所へ素早く移動できたり、前後左右好きな方向に移動できるグライドブースト、ハイブーストにより攻撃しながらの回避手段が増えることにより、アクションの自由度の高さ、戦術性は確実に増している。

 また、何回かプレイできた多人数同士の対戦ミッションからは、相手の待ち伏せを警戒して、裏をかく侵攻ルートで進軍したり、相手の射程距離外から目標施設を攻撃することで、相手をこちらの戦いやすい場所におびき出すといった、対人戦ならではの駆け引きの存在を十分に感じることができた。

 そのほかにも、機動性の高い機体が囮となって、RECONをバラ撒きながら敵陣地を縦断して情報を集めながら注意を引きつけた後、火力の高い機体が敵の位置を確認しながら囮となった機体への援護射撃を行なう、といった戦術が考えられるなど、筆者のマルチプレイに対する想像と期待は高まるばかり。豊富なパーツによる機体カスタマイズと多人数協力プレイによる戦術の広がりは、まさに無限大の可能性を持っているといえるだろう。

 以上のように、これまでCBTをプレイした感想としては、「AC V」はよりリアルな戦場感が味わえる、戦術性の高い内容へと変化したということだ。CBTということで、マップ数などボリューム部分に制限があったりはするが、ゲーム性に関しては、現時点からもかなり面白くなりそうな可能性を感じられた。




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(2011年 7月 15日)

[Reported by 菅原哲二 ]