Xbox 360ゲームファーストインプレッション

根強いファンを持つシリーズの初移植作品が
遊びやすくなってXbox 360に登場

「電脳戦機バーチャロン フォース」

  • ジャンル:3Dロボットアクション・シューティング
  • 発売元:株式会社セガ
  • 開発元:株式会社セガ
  • 価格:6,090円(通常版)
       10,290円(限定版)
  • プラットフォーム:Xbox 360
  • 発売日:12月22日 発売
  • プレイ人数:1人~4人
  • CEROレーティング:A(全年齢対象)


 12月22日、株式会社セガはXbox 360用3Dロボットアクションシューティング「電脳戦機バーチャロン フォース」(以下、「フォース」)を発売した。本作は、2001年に稼働を開始した同名のアーケードゲームの初移植作品で、2009年にXbox Live アーケードで配信された「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム Ver.5.66」(以下「オラタン」)に引き続きXbox 360への移植となった。

 アーケード版「フォース」は、磁気カードを用いた継続性のあるプレイシステムを採用しており、プレイを重ねることで新たな機体を支給されたり、カード更新時に古いカードをAI機体とできるといった要素があったが、今回紹介するXbox 360版「フォース」では、これらの要素は形を変えて実装されている。

 本稿では、これらのアーケード版「フォース」との違いや、新たに追加された要素について紹介しながら、本作がどのようなゲームに仕上がっているかについて、ファーストインプレッションとしてお届けしていく。

 なお、本稿執筆時点では、Xbox LIVEのネットワークを介したプレイはできないため、本稿ではオフラインでプレイできる内容についてのみ紹介していくことを、あらかじめご了承いただきたい。


■ 2対2のチーム戦が「フォース」の醍醐味
  素早い状況判断が勝利のカギだ

戦闘前には、戦闘を行なうステージや敵機の情報を得ることができる。この間に、ステージや機体の相性を考えて、どのような戦術をとるかを決めておくといい

 アーケード版「フォース」は稼働数が非常に少なかったため、「電脳戦機バーチャロン」シリーズは知っていても、「フォース」をプレイしたことがない人もいるだろう。そこで、まずは「フォース」ならではの特徴について、確認しておこう。

 「フォース」の最大の特徴は、なんといっても2対2のチーム戦になっているということ、各チームはリーダー機と僚機という構成になっており、制限時間内に敵チームのリーダー機のライフゲージを0にすると勝利。制限時間内に勝負がつかない場合は、ライフゲージの合計が多いチームが勝利するルールとなっている。

 画面表示周りは、2対2といシチュエーションにあわせて、レーダー、そしてどちらの機体がロックオンされているかのアラートインジケーターが追加されている。


レスキューダッシュは発動すると全ウェポンゲージが0になるが、僚機に接触すればライフゲージを分配(シェア)できる。リーダー機のライフゲージが残り少ないときはレスキューダッシュでライフを分け与えようリーダーではない機体を倒した際には、一定時間オートロック不可となる。ジャンプやダッシュ攻撃をしても敵機方向を向かないため、旋回入力でロックオンしよう敵リーダー機を撃破すれば、文句なくこちらのチームの勝利となる。ライフゲージの総量で負けていても、リーダー機さえ撃破してしまえば勝ちなので、最後まであきらめずに戦おう

 操作系に関しても「オラタン」から変更が加えられており、左右のボタンで違ったターボショットが1種類にまとめられたり、しゃがみターボショットやクイックステップがなくなるなど、難しい入力の操作が廃止され(一部の機体には残っている)遊びやすくなっている。ちなみに、ライフゲージをシェアするレスキューダッシュ、ロックオン切り替えといった操作が追加されているので、操作系は一通りチェックしてほしい。

 また、全体的なゲームスピードは「オラタン」よりゆっくりめとなっており、1対1の戦いであれば、相手の攻撃をかわしやすくなっている。そのため、相手に攻撃を当てるには、僚機と連係して、同じターゲットを攻撃したほうがよい。ただし、チーム内で同じターゲットを攻撃した場合には、もう1機の敵機がフリーとなり、ターボショットなどの大技を狙う余裕ができてしまう。

 この、フリーになった敵機からの攻撃を避けつつ、いかにもう1機に攻撃を集中するかが「フォース」のゲーム性のキモとなる部分といえる。もちろん、安心してターボショットやダッシュ攻撃などのスキの大きい攻撃をしかけてきた場合は、即座にターゲットを変えて攻撃を当てたい。いずれにしても、僚機はもちろん敵2機の位置を把握しつつ、状況に合わせて判断していくことが「フォース」では大事になるわけだ。

弾数が減り、弾速も遅くなった代わりに、2段ジャンプがなくなったりダッシュの距離なども大幅に短くなっている。ダッシュ中の方向転換(バーティカルターン)も機体によって転回速度が異なる。気軽にジャンプすると「オラタン」よりも攻撃を受けやすいので注意したい味方指示ボタンを押しながらスティックを4方向に倒すことで、どの敵機を攻撃するか指示を出したり、レスキューダッシュを要請することができる僚機と同じ敵機をターゲットすると、画面左上のDOUBLE ATTACK表示が点灯する。逆に敵チームから狙われているかどうかは、画面右上のLOCKON ALERTの明滅で判断しよう

 気になる移植度については、D3以上の解像度では画面比率が4:3から16:9に変更され、横からゆっくりと飛んでくる弾に関して認識しやすくなったものの、プレイ中の手触り感についてはアーケード版とまったく同じといっていい仕上がりとなっている。これなら、アーケード版をやりこんだ人でも、大きな不満は出ないのではないだろうか。

 基本となるアーケードモードでは、地上ステージで戦闘をしていき、中ボスのヤガランデ戦、宇宙ステージでの戦闘、そして大ボスであるアジム&ゲランを倒すとクリアとなる。アーケードモードではコンティニューも可能な上、難易度の設定等も可能となっており、繰り返し挑戦することで、いつかはクリアできることだろう。

 また、どうしてもクリアできない人向けに、EX OPTIONという設定も用意されている。このEX OPTIONでは、ゲームをプレイ中に取得したクリスタルを使って、プレーヤー機の攻撃力とライフゲージの量を10ポイントずつ、合計20ポイントまで強化することが可能だ。EX OPTIONを使用できるのは、アーケードモードとミッションモード、2つのCPU戦のみのため対戦のバランスに影響することはないものの、多数のポイントを割り振った際の効果は絶大なので、どうしてもクリアできないCPU戦があるという人は、貯まったクリスタルをEX OPTIONで使って再チャレンジしてみてほしい。

ワイド画面になったことで、ゆっくり追尾するタイプの攻撃はわずかだが認識しやすくなった。戦術を大きく変える必要はないものの、こういった攻撃に頼らないほうがいいだろうゲームをプレイ中、ディスクやクリスタルといったアイテムを発見することがある。ディスクはAI機体を育成する際のポイントに、クリスタルはEX OPTIONでプレーヤー機を強化するのに使うCPU戦をプレイする前にYボタンを押すと、EX OPTIONを設定することができる。EX OPTIONのポイントは、自由に振り直すことができるので、気軽に割り振ってかまわない



■ ミッションモードには新たなミッションも追加
  見事にミッションをクリアすれば新たな機体が支給される

ミッションモードで受けられるミッションは、難易度により1st、2nd、ARCADEの3つのOPERATIONに10個ずつ分けられている。最初に受けられるのは1stの1つめのミッション、一級緊急偵察指令のみだ

 アーケード版では、磁気カードを用いてプレイしている際に、ターミナルにカードを通すことでさまざまなミッションを受けることができたが、Xbox 360版「フォース」では、ミッションは独立したモードとして収録されている。

 プレーヤーが最初に受けられるミッションは1つのみとなっており、ミッションをクリアすることで、機体支給が受けられるとともに、次のミッションに挑戦できるようになる。

 ミッションは、始めは通常のCPU戦と同様のルールだが、進めていくと近接攻撃しか使えないミッションや、いくつかの行動が制限されるミッション、画面の2D表示がなくなるミッションなどが用意されており、その内容はバリエーションに富んだものとなっている。

 さらにクリアしていくと、攻撃力の高いシャドウカラーの機体を倒していくミッションや、アーケードモードの中ボスであるヤガランデを倒すミッションなどの難易度の高いミッションが受けられる。これらのミッションはアーケード版にもあったものだが、さらにXbox 360版ならではの要素として、アーケードモードと同様に多くのステージをクリアしていく、ARCADE OPERARIONも追加されている。

 ARCADE OPERARIONでは、多数のステージをクリアする必要があるため、コンティニューができないミッションモードでは、ちょっとしたミスが命取りになりやすい。アーケード版のミッションをやり込んだ人にとっても、ARCADE OPERARIONのミッションは歯ごたえのある内容となるだろう。

試作ディスク回収指令というミッションでは、ステージ上に配置されているディスクに接触することで回収していく。敵機を攻撃する必要はない限定状況想定というミッションでは、近接攻撃しかできなかったり、データ表示がOFFになるなど、何らかの制限下でのミッションを遂行することが求められる2nd OPERATIONには、アーケード版で多くのプレーヤーが挑戦し涙を流した、多重ヤガランデ邀撃ミッションも用意。しかし、アーケード版と違い、いきなりヤガランデ2体と対決できるので対策が立てやすい


 機体の支給を受けるには、1人でプレイする場合はこのミッションモードのクリアが条件となる。このほかには、「オンラインでのランクマッチ」での機体支給もアーケード版での対戦プレイ時と同じように可能だという(今回は試していない)。機体支給については、すでに持っている機体に関しては新しいカラーの機体を受け取れるようになっているほか、支給されていない機体もアーケード版よりは支給されやすく感じられた(すべてのカラーを持っている場合には、デフォルトカラーの機体が支給されるため、その分はかぶってしまう)。

 すでにアーケード版で好みの機体を見つけていたプレーヤーにとっては、まずはミッションモードを繰り返しプレイするか、オンラインでランクマッチを繰り返しプレイし、機体を取得するまでプレイを繰り返すことになる。ミッションモードに関しては、EX OPTIONも駆使することで、数十秒程度でクリアできるミッションもあるため、機体支給自体はどんどん受けることが可能。特定の機体狙わずひたすらコレクションするだけなら、アーケード版よりも数倍楽になっている。また、ミッションで高ランクを出すことで、レア機体を受け取りやすくなっている。

 ランクマッチでも機体支給の機会がアーケード版よりも増えているそうなので、必ず狙った機体をゲットできるわけではないにしろ、オンライン対戦を楽しみつつ、ミッションモードで高ランクを狙って機体支給を受けてみるというペースで機体を収集してみてはいかがだろうか。

 


ミッションをクリアすると、プレイの内容に合わせて、ランクが表示される。ランクが高いほうがレア機体を支給される確率が上がるので、高ランクを目指してプレイしよう機体支給では、支給されていない機体もしくは持っていないカラーの機体が優先して支給されるようになっている。まだ持っていない機体やカラーを集めるのもミッションモードの楽しみの1つだEX OPTIONを使えば、高難易度のミッションも楽にクリアできるものの、Sランク以上の評価が受けられなくなる。Sランク以上を狙ってミッションを遊ぶときは、EX OPTIONをOFFにして実力で勝負しよう



■ 実戦的なチュートリアルとキャンセル表示可能なプラクティス
  トコトンまで練習できるトレーニングモード

アーケード版では、磁気カードを新規作成した際にチュートリアルを受けることができたハッター軍曹。Xbox 360版では、より実戦的な内容を教えてくれるようになった

 トレーニングモードには、ハッター軍曹から操作方法を教わることができるチュートリアルと、自分好みに設定して練習できるプラクティスの2つが用意されている。

 チュートリアルでは、アーケード版でカードを新規作成した際に受けられた基本操作に加えて、Xbox 360版では応用操作の項目が追加されている。この応用操作では、ダッシュ攻撃前に旋回を入力することで攻撃前に振り向く角度を増やすことや、回り込みターボ近接の出し方などの、より実戦的なテクニックのメニューが追加されている。アーケード版をやり込んだという人でも、知らなかった操作があるかも知れないので、1度はすべてのチュートリアルを受けることをおすすめしたい。

 プラクティスでは、CPUの強さはもちろん、敵機や僚機に対して移動させないNO MOVEや攻撃させないNO ATTACKという設定をしたり、ダメージを受けるかどうか、敵機からロックオンを受けるのが誰か、キャンセル可能な行動の表示、ゲームスピードをスローにするかどうかを設定して、練習することができる。特にキャンセル可能な行動の表示については、実際に動かしながらどの行動でキャンセルできるか確認できるため、自分の行動を最適化したいときに有効だと感じた。攻撃を受けやすいという人は、自分のよく行なう行動をどんな行動でキャンセルできるかをチェックしてみてはいかがだろうか。


チュートリアルの応用テクニックでは、回り込みターボ近接の出し方といった、通常では気づかないテクニックを知ることができるなど、アーケード版よりも項目が追加されているチュートリアルの最後は、2個のターゲット・ボールとの対戦を行なう実戦練習。チュートリアルで学んだことをフル活用して、制限時間内に破壊しようプラクティスではキャンセル可能な行動を表示することができる。意外な行動でキャンセルできることもあるので、どの行動でキャンセルできるかをチェックしてみてはいかがだろうか



■ ターミナルモードでは自分好みのAI機体を100機まで育成可能
  AI機体はCPU戦をクリア時にポイントを取得できる

ターミナルモードでは、AI機体の作成やポイントの割り振りが行なえる。100機まで登録できるので、さまざまなポイントの割り振りをしたAI機体を作成してみよう

 アーケード版では、磁気カードをターミナル筐体に挿入することで、機体支給やミッションを受けたり、AI機体の作成、自分の戦績や取得したトロフィーの確認、自分の機体をVR VIEWERで見る、ということができた。Xbox 360版では、機体支給についてはミッションモードに移行しているものの、そのほかの項目は、このターミナルモードでできる。

 このうち、AI機体の作成については、1人のゲーマータグにつき100機体まで作成可能だ。さらに、AI機体の性能については、ゲーム中に取得したポイントを6つの項目に10ポイントまで、最大50ポイントの中から割り振る形になった。アーケード版では、自分のプレイスタイルに合わせて自動的に成長がしていたため、自分の思った通りのAI機体を作ることは難しかったが、Xbox 360版では自分の思い通りのAI機体を作成しやすいわけだ。注意したいのは、AI育成の際に選択できる機体は、その時点で取得した機体だけということ。相方として育てたいAIの機体の選択肢を広げたい場合は、ミッションモードやオンラインのランクマッチをプレイして、機体をコレクションしてからが得策だろう。

 もう1つ大きく変更されたのが、持っている機体を閲覧できるVRビューワー。Xbox 360版では、取得している機体・カラーから自由に選べる上に、背景の変更もできるようになった。背景色をブルーバックなどのクロマキー撮影をしやすい色に変更することができるので、単純に見るだけではなく、さまざまな使い方をすることができそうだ。


プレーヤーデータでは、これまでのプレーヤーの戦績を確認することができる。アーケード版にあったニックネーム等は残念ながらなくなってしまったようだ特定の条件を満たすことで獲得できる勲章の閲覧もできる。実績の取得は比較的簡単なものが多いが、勲章については、総戦闘時間100時間や敵5000機撃破などのやり込みが要求されるものも用意されているVRビューワーでは、カメラの拡大・縮小や回転、移動はもちろん、背景色の変更やクリアー時の地面の表示、モーションの変更など、自分好みの環境で機体を閲覧することができる



■ さまざまな組み合わせで対戦可能なバーサスモード
  オフラインで4人対戦することも可能だ

 バーサスモードでは、ネットワークを介したオンラインでの対戦はもちろん、オフラインでの対戦をすることもできる。オフラインの対戦モードでは、1人のプレーヤー機体+AI機体でチームを組むことはもちろん、自分の作成したAI機体+CPU機と対戦したり、CPU同士の対戦を鑑賞することもできるようになっている。また、画面分割をすることで2人のプレーヤーでの対戦や協力プレイを楽しむことも可能だ。

 また、コントローラーを4つ用意すれば4画面分割での対戦をすることもできるほか、本作とXbox 360本体、モニターを4つ用意することで、システムリンクを介しての対戦を楽しむこともできる。システムリンクを介した対戦は、スペースの問題や機材をセッティングする関係上簡単にはできないと思われるが、「フォース」のファンの友達がいる人はお互いの機材を持ち寄って、LANパーティ的に楽しむこともできるようになっている。

アーケード版ではできなかった、自分の育てたAI機体のチームと対戦することもできる。ポイントをつぎ込んだAI機体を倒すのはなかなか難しいので、いい練習台になることだろうプレーヤー+AI機体のチーム同士の対戦こそできないものの、多種多様な対戦モードを用意。2プレーヤー時には画面分割での対戦も可能だネットワーク越しのプレーヤーマッチやランクマッチのほか、画面4分割での4人対戦プレイや、システムリンクを使ったXbox 360を4台リンクさせての対戦など、さまざまな対戦モードの入り口が用意されている



■ 自分のリプレイデータの作成・閲覧したり
  Xbox LIVE上のデータをダウンロードできるWATCHモード

 Xbox 360版「オラタン」にもあった、リプレイデータをゆっくりと閲覧できるWATCHモードも用意。アーケードモードやミッションモード、バーサスモードの終了後にリプレイデータをストレージ機器に保存可能だ。リプレイデータは、長さにもよるものの数百キロバイト程度の大きさとなっており、ハードディスクやメモリーユニットの容量の許す限りの数を保存できる。また、作成したリプレイデータをXbox LIVE上にアップロードしたり、他のプレーヤーのリプレイデータをダウンロードすることも可能。うまいプレーヤーのリプレイデータを参考にするのも上達する早道の1つなので、ネットワーク環境がある人はぜひとも活用してほしい。

 「フォース」のWATCHモードでは、ライブモニター視点で戦場全体を見ることはもちろん、自分はもちろんそのほかの機体ごとの画面で戦闘を見ることが可能だ。そのため、自分だけではなく僚機や敵機の視点からリプレイを見て、今後の参考にするといいだろう。

セーブされたリプレイデータには、どのモードでプレイしたデータかや使用された機体のデータ、対戦結果なども表示される。そのため、どんなデータか確認しやすいリプレイデータを閲覧中は、ライブモニター視点のほか、各機体ごとの視点に変更可能だ。そのため、自機だけではなく、僚機や敵機から見た視点でも、どのような動きをしているかチェックすることもできる



■ 初心者にも優しく遊びやすくなったXbox 360版「フォース」は
  アーケード版をあまりプレイしたことがない人にもオススメできる出来だ

指揮官機を除いても、50種類以上ある機体バリエーションの豊富さも「フォース」の特徴。ミッションモードを2人でプレイすれば、2人両方に機体支給が行なわれるので、すべての機体・カラーをコンプリートを目指して、友達とミッションモードをプレイするのも面白そうだ

 本作の特徴と魅力を紹介してきたが、いかがだったろうか。ひと通りプレイしてみて感じたのは、機体支給を受けやすくなっていたり、難しいミッションでもEX OPTIONの存在によりとりあえずクリアだけはしやすくなっているなど、アーケード版でストレスに感じていた部分が大幅に解消されていることだ。

 もちろん、本作でも機体が支給されるまではミッションモードやランクマッチをプレイする必要があり、機体支給には時間(と運)が必要だ。ただ、機体の収集に関してはアーケード版よりも楽になっているのは実感できたので、ネットワークでバリバリ対戦したい人も、まずはミッションモードとオンラインのランクマッチに挑んだほうが効率はいいだろう。

 久しぶりに「フォース」をじっくりプレイしてみて感じたのは、自分では覚えているつもりでも、意外と忘れていることが多いということ。もちろん、自分の愛機の動きや攻撃に関してはかなり覚えているものの、ほかの機体から攻撃された際の回避方法などは案外覚えていないものだ。そういった状態でいきなり対戦をしても、よい結果は生まれにくい。さまざまな状況でのCPU戦を楽しめるミッションモードは、そのようなプレーヤーがプレイ感覚を呼び戻すためのリハビリという意味でも、ひと通りプレイする価値があるのではないかと思う。

 「フォース」は初めてという人にとっても、充実したトレーニングモードや、自分の動きを見直すことができるWATCHモードなどが用意されており、入門用としても最適な内容となっている。アーケードでは「他のプレーヤーの目が気になって十分練習できなかった」という人は、本作でじっくりと練習してみてはいかがだろうか。そこで十分な自信がついたところで、「フォース」の持つチームワークの重要性と戦闘の奥深さを感じられる、ネットワークでの対戦に挑戦してみてほしい。

 以上のように、Xbox 360版「フォース」は、アーケード版をやりこんだファンはもちろん、初めての人にとっても遊びやすく生まれ変わった内容といえる。Xbox LIVEでのネットワーク対戦が楽しみな人はもちろん、アーケード版「フォース」で欲しい機体がなかなか支給されずに涙を飲んだ人や、高難易度のミッションをクリアできずに心残りがある人、興味はあったが手を出していなかった人など、もう1度「フォース」をやってみたいと思う、あらゆる人にオススメできる内容だ。


コントローラーのタイプにはスタンダードタイプとツインスティックタイプを2種類ずつ用意。それぞれ各ボタンの配置を自分好みにカスタマイズすることもできる各種データの表示設定の変更や、カメラの表示範囲の変更をすることもできる。デフォルトのデータ表示ではしっくりこない人は設定してみてはいかがだろうかサウンド音量やグラフィックの調整、ノーマルカラーとリアルカラーで色が変化するシート設定、グラフィックやBGMのアレンジ設定も可能だ


(C)SEGA
CHARACTERS (C)AUTOMUSS CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME

(2010年12月22日)

[Reported by 菅原哲二 ]