オンラインゲームレビュー

自動マッチングですぐに対局
多彩なルールが基本無料で楽しめる麻雀

「雀龍門2」

  • ジャンル:3Dオンライン麻雀
  • 発売元:エヌ・シー・ジャパン
  • 開発元:ncsoft
  • 対応OS:Windows XP/Vista/7
  • 利用料金:無料(アイテム課金制)
  • 発売日:11月16日よりサービス開始


 11月16日にエヌ・シー・ジャパン株式会社がサービスを開始したWindows用オンライン麻雀ゲーム「雀龍門2」。2009年12月からスタートした「雀龍門」のアップデート版となる本作は、ユーザーの好みや気分によって麻雀というゲームを様々な角度から楽しめる工夫がなされている。

 「雀龍門」からの変更点としては、「なしなし」、「三人麻雀」という新ルールの追加がある。他にも演出面や機能面で多数のアップデートが行なわれ、「雀龍門2」は麻雀ゲームとして、より充実したものになった。本稿では、「雀龍門」からある要素も含め、本作の特徴を実際のプレイの流れを追いながら見ていきたい。



■ 高速な自動マッチングで待たずにプレイ

 ログインしてクライアントを起動させると、ロビー画面に繋がる。「雀龍門2」には、全国のプレーヤーと自動マッチングで対戦ができる「公式卓」、ルールをカスタマイズして友人らと対戦できる「友人卓」、初心者のための「練習卓」と3つのゲームモードがある。その中でも「雀龍門2」のメインとなる「公式卓」にはルールがいくつかある。今回は喰いタンあり後付あり、更に赤牌が3枚入っている「ありあり」の「東風戦」を選択して説明していこう。

 ゲームを始めるには、「公式戦」の「ありあり」を選択して「参加」ボタンを押すだけ。「参加」ボタンを押した後は、ただ待っているだけでいい。早ければ1秒とかからず対戦相手がマッチングされる。明け方など絶対的な人数が足りない場合は、4人集まるまである程度時間がかかってしまうが、麻雀を始めるのにプレーヤーを募るなど、余計な操作が必要ないのは大きい。

 「ありあり」や「東風戦」以外のルールを同時に選択することも可能で、その場合は1番早くマッチングが終わった卓に入室できる。ゲームを起動させてクリック2、3回でさっそく麻雀が始められるので、「麻雀やりたいな」と思ってから、とても短い時間で遊べるのが「雀龍門2」の大きな特徴のひとつだ。


【スクリーンショット】
全てのルールを選ぶ「全て選択」というボタンもあるマッチングは早ければ一瞬で済むのが魅力だ参加者も比較的多い印象の「ありあり」の「東風戦」


■ リアル志向とゲーム的演出の組み合わせ

 ゲームの操作はマウスだけで進められる簡単なもので、捨牌選択は2回クリック、「鳴き」や「リーチ宣言」は可能な際にその都度ボタンが表示される。

 3Dグラフィックスで描かれたゲーム画面は、物理エンジンを活用しており、親が振るサイコロやせり出してくる山牌などはリアルな立体感がある。特にゲーム画面の中で動きのほとんどを占める捨牌描写には力が入っている。プレーヤーの分身となる手「ハンド」の動きは、プロ雀士の手の動きをモーションキャプチャーしたというだけあって洗練されているし、捨牌と捨牌の間に物理エンジンによる牌の衝突で少しのズレが生じていくところは、本物の麻雀で対戦しているような気分にさせてくれる。牌の重みを感じられるような表現は、リアル志向のプレーヤーには特に満足できるものに仕上がっているだろう。


【スクリーンショット】
捨牌の音が心地良く響いて進行はスムーズ。中央の写真にある「鳴き予約」は大変便利。
特徴的な「ハンド」演出。捨牌を直すなどの仕草は妙にリアル

 ゲーム中のサポート機能として、カーソルを合わせた牌の前後の牌(例えば「ニ萬」ならば、「一萬」と「二萬」と「三萬」)が青く表示される捨て牌読みや残り牌の計算に便利な機能や、鳴き逃し、和了逃しを防ぐ「鳴き予約」、「自動和了」などちょっと気の利いた機能があるのも嬉しい。

 和了の演出も特徴的で、満貫のツモでは、バシッと叩きつけた和了牌の勢いで卓にヒビが入る。さらに倍満以上の和了になると画面に鳳凰や龍が登場する。振り込んだ時にはその牌に雷が落ちる演出が入って、その雷の大きさで和了の大きさがわかる。卓にヒビが入るような演出は多少大げさにも感じるが、その分、自分が和了ったときの爽快感も大きい。ついつい大きな和了を狙いたくなる楽しい演出だ。


【スクリーンショット】
和了の演出は満貫以上で豪華に変化していく
満貫を上がる瞬間はやはり気持ちがいい


■ 雀珠と経験値を貯めて実力を磨く

 対戦が終わると、順位によって雀珠と経験値が集計される。雀珠は「雀龍門2」でやり取りされる通貨のようなもので、「ハンド」に装飾をする「装飾アイテム」は、この雀珠と交換できる(有料販売されているアイテムもある)。雀珠はゲームの参加にも必要になるが、もし負けて参加料を払えなくなっても、公式サイトで一定額を上限に、何度でもチャージできる。雀珠は増えても尽きることはないので、初心者もどんどんチャレンジできる。

 経験値は昇級のために必要になる。「公式卓」には、ゲーム開始時の十級から遊べる「一般卓」と、六級以上で15,000雀珠以上の人だけが参加できる「熟練卓」の2つがある。「熟練卓」では雀珠の点数換算率が3倍になるほか、級位とは別の指標となるレーティングに影響する。また結果に応じて、ゲーム中に表示できるプレーヤー肩書きとなる「称号」も獲得できる。まずは「一般卓」で遊んで級位を上げつつ雀珠を貯め、「熟練卓」に参加することが当初の目標になる。


【スクリーンショット】
基本的には2位以上であればプラスになる「雀珠」と「経験値」誰かの点数がなくなれば「ぶっ飛び」で終了する


■ 実力アップに使える「牌譜モード」

 対戦が終了した集計画面では、「牌譜記録ディスク」というアイテムを使用することで、お気に入りの勝負を保存できる。「牌譜記録ディスク」は有料販売されているほか、昇級の際にも入手できる。保存した対局は、ロビー画面にある「牌譜モード」で参照できる。「牌譜モード」では、対戦相手の牌や王牌も含めて、最初から全ての牌が見られるので、自分や相手の手筋をじっくりと検証できる。

 さらに「牌譜モード」には、簡単に動画ファイルを生成できる機能も付いており、YouTubeとニコニコ動画を使って公式サイトの動画掲示板に投稿できる。自分1人で検証するだけでなく、他人にも見てもらい、コメントをやり取りすることでも実力の向上につながるだろう。また動画は一般のサイトを経由するので、「雀龍門2」のプレーヤーでなくても閲覧できる。単に意見を聞けるのはもちろん、これをきっかけに友人を「雀龍門2」に誘うのにも使える面白い機能だ。サンプルとして、筆者がYouTubeにアップロードしたものを紹介しておく。映像の中では、途中から対戦相手の手牌、さらに山牌と順に公開しているので参考にしてほしい。


【スクリーンショット】
全ての牌を表にして対戦を振り返れる「牌譜モード」。もちろん普段どおり隠したままでもできるカメラを回せば相手の立場からも状況を見られる


■ 「なしなし」、「三人麻雀」と幅広いルール

 今回は短期決戦の「東風戦」を選択したが、じっくり勝負をしたいというプレーヤーのために「半荘戦」も用意されている。ルールも「ありあり」以外に、先述のとおり「なしなし」、「三人麻雀」がある。

 「なしなし」は喰いタンなしの後付なし、さらに赤牌もないので、手役づくりに集中できる玄人好みルールと言える。「三人麻雀」の特徴としては、「北」の抜きドラとツモが折半になる点がある。「北」の抜きドラとは、手牌に「北」があるときに、場にさらして「抜く」と、それがドラ扱いになり、さらにリンシャンから牌を1枚手牌に持ってこられるという特殊なルールだ。ドラが増えるので必然的に飜数が増えていって、満貫以上の点数の応酬となるスリル溢れる麻雀が展開される。ハイリスク・ハイリターンの勝負を好む人にはこちらがオススメだ。


【スクリーンショット】
技巧派の「なしなし」は、赤牌もないので点数は低めになる
スリルを味わいたいなら「三人麻雀」。手牌に北がある時は「抜く」ボタンが表示される

 また冒頭に少しだけ紹介したが、「雀龍門2」には「公式卓」の他に「友人卓」と「練習卓」という2つのゲームモードがある。

 「友人卓」は好きなルールを決めて友人と対戦できるというもの。「公式卓」は自動でマッチングされてしまうので、友人など対戦相手を指定したい場合はこちらだ。人数が4人に満たない場合はロビーのチャットで募集をかけたり、他のプレーヤーが募集しているところに参加したりといった遊び方になる。ルールをカスタマイズできるので、普段とは違った対戦を楽しめる。ただし成績は記録されず、経験値の増減もない、単純に麻雀をプレイするだけのルールとなっている。

 「練習卓」は麻雀の基本的なルール説明が見られるほか、CPUとの対戦もできる。麻雀を覚えたてでルールをきちんと学びたかったり、CPU相手にゲームの練習をしたいという場合には重宝するモードだ。こちらも成績は記録されないので、文字通りの練習モードとなる。

 短期戦なら「三人麻雀」の「東風戦」、比較的ゆっくりしたいなら「ありあり」、「なしなし」の「半荘戦」など、時間に合わせてゲームモードを選択してもいいし、友人たちとオリジナルのルールを決めて楽しむのもいい。初心者から上級者、気分や好みといった、その時々に合わせて麻雀を楽しめるのも「雀龍門2」のよさと言える。


【スクリーンショット】
マッチコードとルールをカスタマイズして対戦ができる「友人卓」
サポートキャラのメイリンによる麻雀講座とCPU対戦ができる「練習卓」


■ 自分好みの対戦状況を整える補助機能

 「こんな麻雀の場面で、あの曲が聞けたら盛り上がるのに」と思ったことはないだろうか。「雀龍門2」では、自分の所有する好きな曲をBGMとして設定できる機能が付いている。局の進行状況はもちろん、「自分のリーチ」や「2人以上のリーチ」、「最終結果1位」といった細かいところまで設定が可能だ。例えば「追っかけリーチではテンポの早いあの曲」、「自分がトップを取ったらファンファーレが鳴る」といったような設定もできる。

 また、対戦中に登場する「ハンド」は、ネイルや指輪などを購入して装飾が可能だ。さらに対戦中にプレーヤーに代わってリーチなどの発声をしたり、心の声やぼやきとして演出される「ボイス」も選択できる。「ボイス」は無料では男女計6種類あり、追加の有料アイテムやパッケージ版の特典も含めれば全部で10種類になる。これらを合わせれば、自分だけのアバターを作れる。麻雀以外の部分である音楽設定やアバターのカスタマイズといったことも、本作の楽しみの1つになっている。


【スクリーンショット】
BGMの他にも、理牌するかしないかなど細かい設定が可能手に入れた称号も表示させることが出来る


■ これだけの充実の内容が基本無料!

 「雀龍門2」は、ゲーム参加の早さと気軽さ、幅広いルール、実力をつけるためのサポートなど、PCで遊べる麻雀ゲームとしてはこれ以上はないと言っていいほどの機能を有している。そして特筆すべきは、これほどのクオリティの麻雀ゲームが基本無料で遊べるということだ。誰でもすぐにゲームを始められるし、PCの前にさえいれば、思い立ったときすぐに麻雀を楽しめる。

 麻雀をたしなんでいて、まだ「雀龍門2」をやったことのない方がいたら、初心者も上級者もぜひ1度プレイしてみることをお勧めする。「雀龍門2」ならば、奥深い麻雀というゲームに、想像以上に手軽にチャレンジできることを実感できるはずだ。


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(2010年12月10日)

[Reported by 安田俊亮]