★オンラインゲームファーストインプレッション★

有名武将が多数登場する三国志の世界を冒険しながら
武術を極めた最強の武人を目指そう!

「SEKIHEKI」


 三国志演義をテーマにしたMMOは多々あるが、今回紹介するのは本場中国のメーカーが開発したタイトルである。「パーフェクトワールド -完美世界-」や「LEGEND of CHUSEN -誅仙-」などの開発で知られる中国のメーカー完美時空が開発したWIN用MMORPG「SEKIHEKI」は、その名前の通り、三国志世界を舞台にしたゲームだ。日本ではシーアンドシーメディアが運営を行なう。

 クローズドβテスト(以下、CBT)は、5月21日から25日までの5日間で行なわれた。プレーヤーは桃園からゲームを始め、レベル40になると、魏・呉・蜀のいずれかに所属して、派遣を争う戦いに参加できるようになる。他にも、三国志に登場する武将たちの逸話を集めたり、名シーンを再現した戦闘に参加できたりと、三国志ファンを喜ばせる様々な仕掛けが用意されている。

 CBTではキャラクターのワイプを前提に、取得経験値の2倍サービスや、課金アイテムの大盤振る舞いなどが行なわれた。そのせいか、テスト2日目にはすでにCTBでの最高レベルに当たるレベル40に達したキャラクターもいて、わずか5日間のテストだったにも関わらず、プレーヤーが全力で楽しんでいる様子が見て取れた。期間中は様々なイベントも開催され、GMとプレーヤーとの意見交換や対人戦なども行なわれた。イベントは総じて参加者も多く全体的に賑やかな好評ムードのCBTだったように思う。ただ、このゲームにはPKがあり、辻PKが早くも問題視されていた。

 CBTでは全18種用意されている武器のうち7種類だけが解放され、回復系の武器である扇などは使用できなかったので、6月15日からスタートするオープンβテスト以降は、さらに戦い方のバリエーションは広がりそうだ。今回は棍を使うキャラクターを作って、ゲームの雰囲気や戦闘システムなどを体験してみた。CBTの内容を中心に「SEKIHEKI」の魅力をご紹介しよう。



■ 職業の代わりとなる武器。CBTでは、中国らしさ満点の7つの武器から選択

キャラクターの出身地も選べる。好きな武将と同じ出身地で悦に浸るのもいい

 「SEKIHEKI」は三国志演義の世界を舞台に、PvPや戦争の要素を盛り込んだMMORPG。プレーヤーは無頼の一兵卒としてこの世界に降りたち、レベル40になると魏、呉、蜀のいずれかに士官することになる。本作には職業という概念がない。代わりにキャラクター作成の時に、そのキャラクターが扱う武器を決める。武器の性能がそのままキャラクターの能力になるのだ。

 用意された武器は全部で18種類だが、CBTではそのうち7種類しか選べなかった。リーチが短いが攻撃速度の早い近接武器からは剣・手斧、間合いが広く威力の大きな長身武器からは長刀・槍・棍、範囲攻撃、回復、術攻撃など多彩な攻撃方法の武器が揃う特殊武器からは弓・環がそれぞれ選択できた。

 中でも人気があったのは、長刀、棍、弓、環などで、男女を問わず多くのキャラクターが使っていた。特に環は扱う姿がなんとなく新体操の軽やかな動きだったせいか、特に女性キャラクターの使用率が高い武器だった。武器の変更は不可能なので、その後はずっと作成時に選択した武器の能力を上げていくことになる。ある程度武器を成長させると、第2の武器が使えるようになり、戦闘中に2つの武器を使いこなして戦うようになる。


キャラクター作成時に選べる顔の種類。髪型もかなり豊富に用意されている


様々な特徴を持つ武器。武器を成長させると、副装として2つめの武器を選択できるようになる


■ 武器を鍛えるか、自分を育てるか。経験値の使い道を自分で決める

 ゲームのスタート地点は桃の花が咲き乱れる桃園だ。近くのNPCに話しかけると、○○を何匹倒して来いといったよくある初心者クエストが始まる。本作の攻撃方法は、相手をターゲットしてスキルの攻撃ボタンを押す、自動戦闘にスキル発動を組み合わせた形だ。

 攻撃には、向きと距離の概念があり、敵のいる方向を向いていないと十分なダメージを与えられない。また距離の概念は、相手が近接武器、自分が長身武器ならより遠い間合いから攻撃する事で有利な戦いを展開することができるというものだ。しかし、なかなか適切な間合いを取るのは難しく、最初のうちは敵の前に突っ立って攻撃していても、ちょこまか動き回って間合いを取っても目に見えるほどにダメージの差は感じられなかった。中盤以降、後ろに回り込む技能が使えるようになったり、より大きなダメージを与えられる技を覚えると距離や方向の概念が生きてくるのかもしれない。戦闘中の動きはかなりプレーヤースキルを問われる部分になりそうだ。

 レベル20程度までに戦ったNPCは、索敵範囲が狭いのか1匹と戦闘中に別の1匹に絡まれるということはほとんどなかった。そのため範囲攻撃のない武器でも、敵が密集しているような場所でソロ狩りをすることができた。そのおかげで序盤はずっとソロでのレベリングが可能で、パーティーを組む機会はほぼ皆無に近かった。CBTでは回復や支援系の武器が実装されていないこともあり、周囲にもパーティーを組んで戦っている姿はほとんど見られなかった。

棍は長い間合いと連打で敵を近づけない武器。敵が攻撃範囲を外れると、ターゲットの方向を向くようメッセージが出る

 本作では、レベルアップに必要な経験値が貯まっていても自動的にレベルが上がらない。レベルを上げるためには、キャラクターデータウインドウにあるレベルアップというボタンを押さなくてはならない。貯めた経験値は、キャラクターのレベルアップと、武器のレベルアップの両方を上げるのに使うので、どちらに使うかプレーヤーが選べるシステムになっているのだ。キャラクターデータウインドウをよく見ると、メイン武器という項目の下に、必要経験値という緑色の数字がある。この数字が緑色の時には、段位を揚げるのに必要な経験値がたまっているという事で、メイン武器の横にある矢印のアイコンを押すことで、数字分の経験値を使って段位をあげることができる。

武器とキャラクターのどちらを成長させるかはプレーヤー次第


 経験値は敵を倒したり、クエストをクリアすることで貯まっていく。CBTでは敵を倒すともらえる経験値が2倍になるサービスが行なわれた。このサービスはクエスト報酬の経験値には適用されていなかったが、クエスト報酬でかなりの経験値がもらえたので、序盤のうちはかなりサクサクとキャラを育てることができた。クエストを持っているキャラは頭の上にそれを示すアイコンがでる。また後述するゲームガイド画面で、その場にいないクエストの起点キャラを見つけることも可能だ。

受けたクエストは、ミニマップの下に一覧で表示する事ができる。クエスト画面の説明にある緑色の文字部分をクリックすると、クエストポイントや報告場所へ自動で移動する

 キャラクターが使えるスキルには、キャラクターのレベルが一定以上ないと覚えられないものと、武器の段位が一定以上でなければ覚えられないものがある。サブ武器を使えるようにするためにも、武器の段位を上げなくてはならない。まずはキャラクターのレベルをある程度まで上げて、それから武器の段位を上げるか、それともまんべんなく両方を成長させるか、武器だけをどんどん上げていくか、成長の方針はプレーヤーに委ねられることになる。


桃園で教えてくれる棍の初期技は、すべて単体技だ。範囲攻撃はレベルを上げないと習得できない(左)。レベルと段位が上がるとスキルを覚える事がでる。既存の技を強化しつつ、少しずつ新しい技を覚えて行くことになる(右)
初心から中位へ移るには、条件を満たしたうえでクエストをクリアして師範に認めてもらう必要がある(左)。メイン武器が神レベルに達すると、副装として第2の武器を覚えることができるようになる(右)



■ 黄巾賊に怯える長安、異民族の侵入に悩む西涼など特色ある地方都市

全国の領土図。国戦が起こるようになれば、支配の版図はどんどん変化していくのだろう

 三国志の名前を冠しているからには、どの程度作品世界を再現しているのか気になるところだ。ゲーム内の領土図には、地域名と拠点となる城が配置されている。戦争が始まればこれらの城を奪い合う事になるのだろうか? プレーヤーが魏・呉・蜀に分かれて戦えるのはレベル40以降だが、今回のCBTでは40までしかレベルを上げることができなかったうえ、5日間と期間が短かったので3国による対抗戦は起きていない。

 ゲームがスタートする桃園は、三国志の物語の始まりとなる“桃園の誓い”のストーリーを彷彿とさせる場所。北には結義台という名前の巨樹がある。レベル15以上になれば、ここでギルドに当たる結義を作ることができるようになる。また結義台の下は釣りポイントになっていて、釣りイベントなどに使用される。時折、ワニが引っかかることがあり、ワニが出現するとシステムメッセージで全域に知らせが入っていた。ワニはかなり硬く、数人がかりでようやく倒せるレベル。レベルが低いうちは不用意に近づくと危険だ。

 また初日には、桃園でGMが模擬戦を見せてくれるイベントも行なわれた。まだ初期技しか使えないプレーヤーが輪を作って、華麗な技を繰り出すGM同士の対戦を見守った。


地域ごとの領土図。中山清王の陵墓などの名所もちゃんと存在している(左)。結義台の下は釣りポイント。釣りイベントでは大勢の釣り客で賑わった(右)
桃が咲き乱れ、巨樹がそびえる幻想的な桃園
時々釣れてしまうワニ。数人がかりでかからないと倒せない

装備からして豪華なGMキャラ同士の対戦は、始めたばかりのプレーヤーには憧れの的。プレーヤーから盛んに声援が飛んでいた

 CBTで行くことができる都市には、襄陽、長安、西涼、柴桑、成都など三国志のファンならおなじみの名前が並んでいた。特に長安はここにしかない機能を備えた大都市で、街の規模も他の都市と比べて数倍の大きさだ。街にある市場にはプレーヤーが集まり、プレーヤーの露天も並んでいた。

 フィールドにも、物語性のある敵がたくさんいた。長安の都を出てすぐの場所に黄巾賊が出城を築いていたり、西涼は都の外を馬に乗った匈奴が走り回っていたりと、知っていればにんまりできるようなシーンがあちこちにあった。広い中国だけに都市の景観はバラエティに富んでいて、例えば西涼はシルクロードの最中にあり、他の都市に比べて異国情緒があったり、南蛮の都はいかにも南国のジャングルに囲まれているらしさが表現されていたりと、中国大陸の広さを存分に味わえる個性的な都がそろっている。

異国情緒漂う西涼。成都は静かな森の中の都、柴桑は水の都と、どの都も個性豊かだ

 また、クエストの中には、有名武将やその近縁者を訪ねて三国志に登場する武将の逸話を集めて回るというものがある。比較的序盤から、願良や馬超ら名将と出会う事ができるので、新しい街に着いたらいろいろと探してみるのも楽しい。武将たちはクエストの起点や、戦争管理人などシステム的な役割を持ったNPCとして登場しているが、中には敵NPCとして現われる武将もいるらしい。

 他にもレベル20から参加できるインスタンスダンジョン形式の戦場クエストがある。これはソロやパーティー単位で参加するストーリー仕立てのクエストで、1度登録しておけば人数がそろった時点でどこからでも参加することができる。内容は、黄巾賊に囲まれた皇甫嵩を助け出す、などと三国志演義のストーリーに沿った名場面集のような作りになっている。勝利条件はクエストごとに異なっており、レベルによって受けられる種類が違っている。戦場クエストには、対人クエスト、複数のプレーヤー対複数のNPC、プレーヤー対NPCなど様々な形式が用意されている。

西涼といえばこの人。馬超も派手な鎧をきてしっかり登場(左)。三国志演義の登場人物にまつわる逸話を収集していくクエスト(右)
数人のプレーヤーで挑んだレベル20から参加できる戦場クエスト。大量のNPCが一斉に襲いかかってくるので協力プレイは必須だ


■ 親切すぎるクエスト一覧、オートランで迷い道ナシ

オートランで移動している間は、敵NPCに絡まれやすくなる
20を越えて「騎乗」スキルを習得したら、馬に乗ることができるようになる。馬は課金アイテムのほか生産で作ることもできる。高レベルになると、霊獣など特殊な乗り物が使用できるようになるようだ

 クエストの目的地までオートランで案内してくれる機能は、オンラインゲームではもはや珍しいシステムではなくなりつつあるが、本作ではさらに便利さが増している。左下にあるキャラクター画像の横にある小さな矢印のアイコンをクリックすると「ゲームガイド」というウインドウが表示される。ここには武器、クエスト、イベントなど7つの項目があり、それぞれの項目でいま現在なにができるのかを確かめることができる。

 例えば「武器」の項目を見ると、自分の現在の武器レベルと、推奨武器レベルを確認することができる。また、取得可能なスキルがある場合には、スキル学習情報にその旨が記載される。緑の名前をクリックすると、オート移動でそのキャラクターがいる場所まで移動してくれる。「クエスト」の項目では、NPCが持っているクエストのうち、現在のレベルで依頼を受けることができるクエストが表示される。こちらも緑の名前をクリックすると、その場所へ自動で移動してくれた。

 ストーリー仕立ての一連のクエストが終了した後など、何をしていいのかわからなくなった時にここで情報を整理して、武器や生産のスキルを覚えたり、新しい場所へクエストをもらいに行ったりすることもできる。詰まった時には、このウインドウから新しい要素を拾えるので、気づきにくいクエストも取りこぼすことなくこなして行くことができる。かなり便利な機能だが、反面、ここさえ見ていれば何も考えなくてもいいというお手軽すぎる部分もなきにしもあらずと言ったところだ。

 マップをクリックしたり、クエスト画面で敵の名前や必要なアイテムの名前をクリックすると、オートランで移動してくれる。またNPC検索モードで見つけたNPCやキャラクター、特定の場所を登録することで、そこへもオートランで移動できる。このように非常に便利なオートランだが、町中なら問題はないが、最短距離を動くためフィールドの敵が密集している場所を横切ってしまうことがある。敵がどんどんリンクして追いすがってきて、移動中に削り倒されたりもするので、レベルの高い敵がいる場所を移動する時など完全に目を離してしまうのは危険だ。また、オートラン中にNPCに引っかかると止まっていた。この辺りは座談会でも改善して欲しいという要望が出されていた。

 クエストの中には、制限時間があるものや、受けられる時間や回数に制限があるものがある。例えば、孔融から受けることができる釣りクエストは1日に1度しか釣りの餌をもらえない。他にも高レベルが低レベルの支援をする仁義クエストや前述の戦場クエストなど、このゲーム独自のクエストが存在している。

 地域から地域へと大きな距離を移動する時には、長距離を一瞬で移動できる転送屋と転送旗が便利だ。転送屋は各街にいて、行ったことがある街へ有料で送ってくれる。転送旗は課金アイテムで、特定の目的地に飛ぶものと、近くのポイントへ飛ぶものの2種類がある。また、クールダウンの時間が少々長いが、近くの城へ瞬間移動してくれるスキルと、スタックした時にも使える帰城ボタンがある。城から離れると高レベルの敵がうろついている危険ゾーンも多数あるので、レベルが低いうちはなるべく転送屋を使うなどした方が安全だ。


通常のクエスト以外にも繰り返し行なえるクエストや、特殊な条件でしか受けられないものなどたくさんのクエストがある
馬に乗れば移動速度が少しだけアップする。街中でも乗り放題だ


■ 覚えておくと便利な生産。高級品作成には課金材料が必要?

 生産はレベルとともに解禁されていく。適正レベルになるとその生産に関わるクエストが発生して、スキルやレシピが報酬としてもらえる。最初に覚えられるのが食品を作れる「調理」と、防具を作れる「裁縫」で、以下武器を作る「鍛冶」、回復薬を作る「軟膏」「秘薬」、騎乗する馬を作る「騎乗」や、アイテムを強化するための精錬に使用する「強化」、ステータスを上昇させるアクセサリーを作る「宝飾」を順次覚えていく。どこで何を覚えるのかは、前述のゲームガイドで確認できる。

 材料は敵からのドロップ、店売り、採集、クエスト報酬として手に入れる。特に回復に使う食事やクスリを作るための材料は、敵NPCから豊富にドロップするのでガブ飲みしていても、ほとんど枯渇に悩むことなく続けられた。武器や防具は、ノーマル品<良<匠<極という性能差があり、匠以上の生産品は課金アイテムの上位材料を使った方ができやすくなるようだ。

生産はクエスト形式で覚えて行く
生産に必要な材料は、ほとんどが雑貨屋で入手できる(左)。希望する個数を設定すれば、自動的に生産してくれる(右)

 武器や防具は使い続けると耐久が減っていく。また、死ぬと大幅に減少する。耐久が0になると壊れて性能を発揮できなくなる。そんなときには防具屋で修理をすれば再び使用可能になる。また装備品は強化アイテムを使って強化することも可能だ。NPCを倒すとまれにステータスを上げる石がでることがある。これは石をつけるための枠がある装備に取り付けることができる。

 武器防具だけでなく、薬や食品にも適正レベルがあり、それ以下のレベルではアイテムのアイコンが赤くなって使用することができない。適正レベルより下でも生産することはできるので、バザーなどで取引をすることになるだろう。バザーは、売りたいもの、買いたいものをそれぞれ設定しメッセージでアピールすることができる。バザー状態になると、キャラクターは小さな人形に変身する。人形の姿は男女で異なっているのがおもしろい。

壊れた装備は右上に表示される。この表示が出たら防具屋に直行だ(左)。なんとなく怪しい雰囲気のバザー人形。これは女性が変身した姿(右)
プレーヤーの装備には通常装備の他にグラフィックの変わるファッション装備がある


■ 熱々カップルが続々と誕生。コンテンツたっぷりの結婚システム

結義は結義台にいるNPCに話しかて作成する

 生産や戦闘以外の要素で、特に盛り上がっていたのは結婚だろう。本作には結婚システムがあり、長安にある結婚式司会のところで結婚の儀式を執り行なうことができる。結婚式が始まると、地面に赤い絨毯が敷かれ、花火が吹き上がって祝福してくれる。また、相手にバラの花を贈ったり、倒すとアイテムを出す毬を出現させることができる。毬から出るアイテムは結構な額でNPCに売れるのだが、硬いうえに逃げ足が速くて倒すのは容易ではない。しかも途中から大量に小さな毬が現われるのでCBT後半にはあきらめて放置されていることも多かった。

 また、夫婦でパーティーを組んで、夫婦クエストを受けることができる。このクエストの報酬でハートマークの花火などを入手できる。さらに夫婦になると、馬に2人乗りができたり、派手な赤色の結婚衣装をもらえたりする。CBTの最中に結婚式イベントがあったこともあり、最終日には結婚衣装を着た人がたくさんいた。また、結婚すると「○○の妻」、「○○の夫」といった特別な称号をつける事もできる。

 結婚式の情報は、システムメッセージで全域に流れるので、すぐさま駆けつけて祝福することができる。レベルが上がって毬が倒しやすくなれば、そうやって集まってくるプレーヤーも増えそうだ。「○○は妻に999本の薔薇の花を贈った。1000本目は心の中にある!」といった照れ臭いメッセージも、そのサーバーの全チャンネルに流れる。

 また本作ではギルド機能の事を「結義」と呼ぶ。結義はレベル15以上のキャラクターが一定の金額を支払うことで作る事ができる。結義に入っていると、ステータスを高める「兵法」を使得るようになる。兵法には攻撃力を高める「勇敢」や体力上限を高める「仁威」など便利な技がそろっている。結義長が25以上になると、結義同士のつながりである「軍団」に加入できるようになる。軍団は、軍団でしか受けられない軍団クエストをクリアすることで、軍団のレベルを上げていき、参加できる結義の数を増やして巨大化していく。軍団同士がぶつかり合う「国戦」は正式サービスでは未実装の機能だが、いずれは熱い戦いが繰り広げられる事になるだろう。


花火と赤いじゅうたんが現われて、祝福ムードたっぷり大量に沸く小さな毬。しかし倒すのはかなり難しい結婚式の後は、参列者全員で毬退治
馬の2人乗りで仲の良い所を見せてやろう派手な結婚衣装は人気があった結婚クエストの報酬と交換できる花火


■ GMとガチンコ勝負、交流とテストを兼ねたたくさんのイベントを開催

 CBTの期間中には、座談会やPK大会、結婚イベントなど様々なイベントが開催された。ここでは最終日に行なわれた、対NPCイベント「黄巾賊の逆襲」、GMとの対人戦大会、フィナーレを飾った意見交換会をレポートする。

 「黄巾賊の逆襲」は最終日の夕方から行なわれた。長安の西に画面を埋め尽くすほど大量の黄巾賊兵士が現われて、プレーヤーがそれを迎え撃った。敵の中にはレベル47の武将など、ネームドのボス級キャラクターも多数混じっており、成長したプレーヤーキャラが覚えた技で対抗していた。大量の黄巾賊がみるみるうちに撃退されていき、約30分ほどでイベントは終了した。

無数に沸いた黄巾賊を、プレーヤーが撃退した

 次に行なわれたのが、長安の武術場のような場所で行なわれたGMと1対1で戦う手加減一切なしの対人戦大会だ。大会でGMに勝利すると、オープンβテスト(以下、OBT)の時にアイテムがもらえるとあって、腕自慢のキャラクターが集まった。GMは、環、斧、剣、弓などを持った数人が参加して、一切手抜きなしと宣言。広場に外から干渉できない戦闘用のゾーンが出現し、参加希望者は2人ずつそのゾーン内に転送してもらって2名のGMとそれぞれ1対1で戦った。

 筆者も参加してみたが、剣を持つGMに瞬殺されてしまった。しかし、そんなGMに勝利するプレーヤーもいて、ハイレベルで見応えのある戦いが繰り広げられていた。最後にはプレーヤーの要望で、GM同士の対決が実現。見せ場の多い戦いに、歓声が沸いて場内はかなりの盛り上がりを見せた。

 CBT終了前には、桃園で最後の意見交換会が開催された。プレーヤーからは、使いづらい日本語チャットの改善や、生産・戦闘に対する意見、PKの取り扱いなどについて活発な意見が出ていた。特にPKについては厳しいペナルティを望む声が多く見られた。座談会の最後には、会場に呂布が出現した。呂布は倒せないようなバランスにしてあるとのことで、近づくと必ず死ぬのでその覚悟がある方だけ近づいてください、というGMの注意喚起があったが、それでも強大な範囲攻撃で続々と犠牲者が倒れていって、会場は阿鼻叫喚に。最強の武将の最強ぶりを惜しみなく堪能しつつ、5日間のCBTは幕を閉じた。

ずらりと並んだGMが、集まったプレーヤーに挑戦状をたたきつけた対決のために用意された特別なステージ。中には参加者しか入れない最後に行なわれたGM同士の対決。派手な技を連発して見せ場の多い戦いに
最後のイベントのためにプレーヤーが桃園に集まった。現われた呂布の範囲攻撃で、死体の山に


■ 全体的には及第点以上。後はオープンβでのバランス調製に期待

 プレイしてみて受けた印象は、非常に丁寧でしっかりと作り込んであるなという印象だった。戦場クエストや、逸話の収集など、三国志ファンを喜ばせる仕掛けもしっかりと入っていて、ファンにとっては楽しめる要素の多いゲームになりそうだ。またゲームガイドウインドウなどのガイド機能もしっかりしていて、MMORPGの初心者でも迷わずに遊べる部分もよくできている。

 しかし、日本語チャットが、チャットウインドウに長文を打ち込むと、文字が画面外に消えて反対側に飛んでしまうため大変使いづらかったり、チャットウインドウが分けられないため、システムメッセージでチャットが瞬く間に流れてしまうなど、チャット機能には改善の必要性を感じた。またドロップアイテムを管理する倉庫や袋の容量が、課金なしの状態では小さすぎて常に持ち物のことで頭を悩ませなければならない所も気になった。

 また、クエストを進めていく段階ではほとんどパーティーを組む必要がなく、今後結義や軍団がどのようなポジションとして活用されていくのかがここまでのプレイではまだ見えにくかった。今後、対人の対抗戦などが起こればその辺りも明確になっていくだろう。そして日本人が嫌う傾向にあるPKをどうするのかも気になる所だ。筆者もプレイ中1度だけPKされた。すれ違い様の一瞬の出来事で、対抗手段は何もなかった。対人戦はこのゲームの特徴でもあるので、PKをどうするかは議論が分かれる所になりそうだ。

 残り10種類の武器が使えるようになると、対人のバランスが変化したりパーティーの必要性が出てくるかもしれない。その辺りの検証はOBT以降になる。18種類の武器がどのように深みのある戦闘を作ってくれるのかが、いまから楽しみだ。


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(2009年 6月 15日)

[Reported by 石井聡 ]