★ダウンロードコンテンツショートレビュー★
DLするだけでララがよりセクシーに変身!? ハードな冒険が堪能できる2つの新ステージ 「トゥームレイダー:アンダーワールド BENEATH THE ASHES / LARA'S SHADOW」 |
|
様々なダウンロードコンテンツ(DLC)を紹介していくDLCショートレビュー。今回はアクションゲーム「トゥームレイダー:アンダーワールド」から、6月11日に配信された2本のDLCを紹介していきたい。
「BENEATH THE ASHES」は新ステージ“地下牢”のほか、新たら敵や謎解きを追加している。「LARA'S SHADOW」は本編では敵キャラクタとして登場した“暗黒のララ”が活躍する。価格はそれぞれ800マイクロソフトポイント。さらに、新コスチュームが入った「コスチュームパック」は無料でダウンロードできる。
今回追加された2つのステージはどちらも歯ごたえのある難易度の中~上級者向けだ。本編をクリアしたプレーヤーの「さらに面白い冒険を!」という期待に応えた魅力的なコンテンツとなっている。追加コスチュームはララのセクシーさをより強調させてくれる。それではさっそく各コンテンツの特徴を紹介していこう。
【BENEATH THE ASHES】 | |
---|---|
|
【LARA'S SHADOW】 | |
---|---|
|
■ 2つのDLCに加え、無料のコスチュームパックも提供! ララの魅力はさらに大きく広がる
新コスチュームによってミッション開始時の衣装選択の幅が大きく増す |
新コスチュームのひとつ“金色に輝くビキニ”。冒険には向いてなさそうだが、そのギャップが楽しい |
「トゥームレイダー:アンダーワールド」は、1月29日に発売された「トゥームレイダー」シリーズ最新作だ。シリーズを通じての主人公、女冒険家ララ・クロフトが今作でも2丁拳銃で遺跡を疾走する。本作では、より美しく、セクシーになったララが、北欧神話にまつわる謎に挑戦する。
メキシコやタイの遺跡が地中海の古代文明と繋がっていたり、古代アトランティスの女王や、不死の兵士といった超自然の存在が登場するなど、ストーリーや世界観も魅力だが本作はかなり“探索要素”が強いデザインになっている。どこの足場を使えば先に進めるか、じっくり考え、先へ進んでいく。一見進めなそうな場所に道を見つけていく楽しさを味わえる作品である。
6月11日にダウンロード可能になったDLCは「BENEATH THE ASHES」、「LARA'S SHADOW」の2つの有料コンテンツと、無料で提供される3つのコスチュームパックだ。新コスチュームは「ウェットスーツパック」、「クラシックパック」、「デザイナーズパック」の3つが用意されている。
コスチュームはアクションシーンだけでなく、ムービーシーンにも適用される。ウェットスーツパックは従来のウエットスーツの色を変えたバージョン。デザイナーパックは白い上着を羽織った服と、女スパイのような全身を覆う黒いスーツが追加される。クラッシックパックは初代「トゥームレイダース」のホットパンツ姿と、「トゥームレイダー:レジェンド」の衣装だ。
ララはとてもグラマーで、ムービーシーンでは特にカメラアングルで彼女の肢体を強調している印象がある。また、岩をよじ登ったり、張り出された鉄の棒で大車輪したり、格闘では華麗な回し蹴りを繰り出したりと、ララの体の動きそのものが本作の大きな魅力になっている。衣装のバリエーションが増えることでゲームの楽しさは大きく増す。コスチュームパックはこれから「トゥームレイダー:アンダーワールド」をプレイする人にもオススメのコンテンツだ。
さらにコスチュームは「BENEATH THE ASHES」でも増える。こちらはビキニタイプの水着である。布の面積の少ないセクシーなタイプで、とても冒険向きとは思えないが、これまで以上に色っぽいララに出会えるのが楽しい。色パターンも「アーミー(迷彩柄)」、「ゴールド」、「白黒」など多彩である。うれしいオマケ要素といえるだろう。
本編以上にララのセクシーさが強調される追加衣装。ララのキャラクター性には合っているのだが、羽目を外したような衣装ももっと欲しいと感じた |
■ クロフト邸の地下に眠る巨大な遺跡へ挑む探索が楽しいステージ「BENEATH THE ASHES」
クロフト邸の地下にさらなる謎が! 本編をクリアした人にオススメな難易度の高いステージだ |
このステージにも隠しアイテムである「アーティファクト」は隠されている。実績を得るために是非とも見つけたい |
さて、DLC1本目の「BENEATH THE ASHES」は“灰の下で”という意味のタイトル。その名の通り、本編で焼失してしまうクロフト邸地下を舞台としたステージだ。本編でもクロフト邸の地下に広大な地下遺跡が隠されていたのだが、実はさらに大きな遺跡があった、というわけだ。
このステージではララの父親が追っていた古代文明の謎を調べるべく、遺跡に挑むことになる。DLCのステージはメニュー画面からいつでもスタートできるが、「BENEATH THE ASHES」のストーリーは本編の後の物語となる。また、プレイテクニックにおいても高度なものが要求されるため、新ステージに挑戦するには、本編をクリアしてからが望ましい。
「BENEATH THE ASHES」は歯ごたえのあるステージである。スタート直後に崩れる足場があり、ワイヤーを天井の金具に結びつけて落下を止めなくてはならない。素早い操作が必要で、瞬間的にゲームの感触が蘇ってくる。久しぶりに「トゥームレイダー:アンダーワールド」をプレイした人を一気にゲームの世界に引きずり込むギミックだ。空中で身体を振り、目の前の足場に着地したララに巨大な蜘蛛が襲いかかる。プレーヤーは次は戦闘の腕を試されることになる。
本作は特に探索要素が強いステージとなっている。これまでのステージは先へ先へと進むものが多かったが、「BENEATH THE ASHES」は“巨大な水車のある部屋”、“回る柱の部屋”、“ドラゴンの像が置かれた部屋”という大きな3つのブロックを何度も行き来しながら仕掛けをクリアしていく。新たなルートを見つけた、と思っても前の部屋に戻ってしまって、どう進むのかわからなくなることも多かった。それでも、何度も部屋を回っていくことで徐々にルートが見えてくる。先に進む方法を見つけたときの達成感は大きかった。
どこをつかめば先に行けるか、遙か上にある入口へいくにはどのルートで行けばいいか、くまなく探索して道を見つけていく。グラップルを柱に巻き付けて使ったり、左右から飛び出す槍の間をくぐり抜けたりと、トラップや仕掛けに挑戦してるうちに本編をプレイした感触が蘇ってくる。改めて本編をプレイし直したくなった。
ミッションクリアまでは2~3時間というところ。謎がわからないと進まない場面もいくつかあった。特に困ったのが終盤近くの仕掛けだ。ある場所でグラップルを伸ばして足場に飛び移るというところがわからなかっため、かなり探索に時間を費やしてしまった。「トゥームレイダー:アンダーワールド」はエリアのヒントを参照することができるが、この新ステージに関しては全くのノーヒントになってしまっていた。システムを生かしきれていないなと感じた。ちなみにヒント機能は、次のDLCである「LARA'S SHADOW」では改良されている。
「BENEATH THE ASHES」にも本編のミッションと同じようにアーティファクトやトレジャーといった収集アイテムがあり、コンプリートを目指すというやりこみ要素がある。ただ、800マイクロソフトポイント(約1,200円)という価格を考えると、タイムアタックなど本編にない新しいゲームモードも盛り込めたのではないかと感じた。
■ 驚異的な身体能力で迫り来る敵を拳で粉砕! 本編とはひと味違ったプレイ感が楽しい「LARA'S SHADOW」
左が黄金の瞳を持つララのドッペルゲンガーだ。本作では彼女がプレーヤーキャラクターとなる |
シャドウパワーを一気に爆発させる「シャドウストライク」。このステージは戦闘要素もパワーアップしている |
もう1つの有料DLC「LARA'S SHADOW」は、ゲーム本編で敵として登場したララのドッペルゲンガーを操作するステージだ。こちらは本編のエンディング直後でよりネタバレ要素が強い。ゲームをクリアしていないプレーヤーは注意して欲しい。
ララのドッペルゲンガーという設定だが暗黒のララは、本物のララ・クロフトに「彼女を止めるには軍隊が必要」と言わしめるほどの強力な力を持っている。本物のララが持つ驚異的な身体能力以上の力を持った存在だ。暗黒のララは“シャドウパワー”という力を使いこなす。
シャドウパワーはRBボタンかLBボタンをホールドすることで使用できる。シャドウパワー使用中は時の流れがゆっくりとなり、暗黒のララはその中を高速で移動できる。さらにわずかに出っ張った壁につかまることができ、それを利用しての移動が可能だ。シャドウパワーは1度の使用時間は短いが、休めばすぐに回復する。シャドウパワーをどのタイミングで使うかが攻略の鍵となる。
暗黒のララは格闘能力も長けている。Xボタンでパンチを繰り出すことができ、Yボタンのキックと合わせて華麗なコンボ攻撃を行なう。シャドウパワーを一気に使うことで強力な一撃を食らわせるシャドウストライクや、周囲の敵にダメージを与えるシャドウブラストが使える。また、銃弾を浴びせるシャドウファイアという技も用意されている。
暗黒のララが挑むのは、本編の採集ステージに似た古代遺跡だ。この遺跡は不死のゾンビを作り出す謎の青い液体を動力源としており、暗黒のララの目的は今は眠っているこの古代遺跡を目覚めさせることだ。ゾンビは遺跡の守護者として襲いかかってくる。かなり戦闘色も強く、暗黒のララの戦闘能力を十分に発揮させねば突破は難しい。
「LARA'S SHADOW」で追加される新ステージは、ララのシャドウパワーが独特のリズムをもたらしている。じっくり探索するだけでなく、シャドウパワーが切れる前に次の足場にたどり着く、といったスピードとタイミングが重要なファクターとなる。シャドウパワーで出っ張りを登っていき、つかまれる場所を探したら休んでパワーを回復させ、さらに先を目指す、というのが基本的な流れだ。
暗黒のララの能力を使うステージは、本物のララではとても突破できない道を進んでいくため、ゲームをクリアした人にも新鮮な楽しさがある。本編や「BENEATH THE ASHES」はじっくり考え、先に進むバランスだが、「LARA'S SHADOW」はタイミングが重要になる。さらにこのステージは“2周目”が用意されている。今度は作動している古代遺跡を走破することになる。
活動している古代遺跡は生き物の体に流れる血のように青い液体が巡っている。この青い液体は触れると即死してしまう恐ろしいものだ。遺跡の奥深くへ進むためにはシャドウパワーを使って時間をゆっくりにして、流れる青い液体の間を縫って進まなくてはならない。1周目よりさらに難易度の高いステージとなるのだ。
このステージでは実績でタイムアタック要素も提示されている。本作の暗黒のララの操作感は本編とはひと味違い、新鮮だった。「LARA'S SHADOW」の1ステージでしか使用できないのが残念で、本編のステージでも使ってみたかったところだ。今後、この暗黒のララが活躍できるDLCや外伝にも期待したいところである。不満点を挙げるとすれば、本編同様戦闘が単調なところだろう。敵の種類も少なく、駆け引きはシンプルだ。戦闘要素が強化されている本作だからこそ、歯ごたえのあるボスを期待したかった。
今回追加された2つの新ステージは、攻略しがいのある楽しいものだ。本編をクリアして、ゲームを気に入ったユーザーならば楽しめること間違いなしである。しかし一方で800マイクロソフトポイントという値段を考えると割高感は否めない。新しいゲームモードなど、ステージのリソースを利用し、何度でも楽しめる要素をもっと入れて欲しかった。
コスチュームに関しても、ララ・クロフトのセクシーさをアピールするものの、羽目を外したものがまだない。着ぐるみや明らかに場違いな豪華なドレスなど、ファニーでキャラクター性を大きく揺らがせるものも盛り込んだ、“冒険”をして欲しかったところである。暗黒のララも含めて、今後さらにゲームの枠を広げてくれる追加コンテンツにも期待したい。
Tomb Raider: Underworld (c) 2008 Eidos Interactive Ltd. Developed by Crystal Dynamics Inc. Tomb Raider is registered trademark of Eidos Interactive Ltd. Tomb Raider: Underworld, Crystal Dynamics, the Crystal Dynamics logo, Eidos, and the Eidos logo are trademarks of Eidos Interactive Ltd. All rights reserved. Marketed and distributed in Japan by Spike.
http://www.spike.co.jp/
□「トゥームレイダー:アンダーワールド」のページ
http://www.spike.co.jp/tombraider_u/
(2009年 6月 18日)