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カプコン「バイオハザード アンブレラコア」PS4版体験レポート

対戦型シューターとなった「バイオハザード」。勝利のカギを握るのはゾンビ!?

6月23日発売予定

価格:
5,990円(税別、ダウンロードコード版)
3,694円(税別、ダウンロード版)
CEROレーティング:D(17歳以上対象)

プレイ人数:1~6人

 カプコンは、6月23日発売予定の対戦型シューターゲーム「バイオハザード アンブレラコア」PS4版のメディア向け体験会を開催した。今回の体験会では、3対3の対戦プレイができたので、そのレポートをお伝えする。

「アナログカバー」、「ゾンビバイル」によって生まれる新たな戦い方

 これまでのゾンビを相手にしたサバイバルホラーから打って変わって、他プレーヤーとの対戦がメインとなる対戦型シューターとなった本作。右スティックでカメラ操作、左スティックで移動、L2ボタンで狙いをつけ、R2ボタンで射撃と、基本的な操作はオーソドックスなFPS系のものだが、R2ボタン、L2ボタンの押し具合によって、アクションが変化する「アナログカバー」が1つの特徴となっている。この「アナログカバー」により、遮蔽物の陰からあまり身を乗り出さないように牽制射撃、敵を攻撃するために通路を隔てるシャッターを少しだけ開けるといった細かなアクションができるようになり、より戦略的なプレイが楽しめるようになった。

プレーヤーの状況判断能力が問われる「アナログカバー」。うまく使いこなせれば、1人で相手チームをうまく引き付けておくこともできるだろう

 階段やはしごといった通常の移動手段とは別に、「ゾンビバイル」というピック状の近接武器を利用することで壁を登ることができ、より立体的な侵攻が可能。「建築物の屋根を伝って、こちらを足止めしようとしている相手プレーヤーの背後を突く」といった戦い方もできる。

画像左の中央で青く光っている壁が「ゾンビバイル」で移動可能な壁。ここで×ボタンを押すと素早く駆け寄って登ることができる

「対戦型のTPSにゾンビはいらないと考えていた時期が俺にもありました」

 ゲームがスタートすると、マップには“意外”というべきか「シリーズとしては当然」というべきか、プレーヤーのほかに大量のゾンビがステージに配置されている。しかも、ゾンビはプレーヤーに襲い掛かる様子もない(!)。

マップ内には大量のゾンビが徘徊。過去作を体験してきたプレーヤーであれば、思わず攻撃したくなるところだが……

 これまでのシリーズでは明確な敵という位置づけだったゾンビだが、本作では敵でも味方でもない第三勢力という印象が強い。倒したゾンビから回収できる「DNAサンプル」を一定数集める「DNAハンター」などでは積極的に倒す必要があるが、すべてのプレーヤーは「ゾンビジャマー」という機器を背負っており、基本的には自分から攻撃するか、「ジャマー」が破壊されるまでゾンビから攻撃されることはないため、あえて放置することも可能。逆に「ゾンビジャマー」を失うとゾンビが群がってくるようになり行動が大きく制限されてしまうので、敵の「ジャマー」が破壊できた時点で、深追いせずに退くといった判断もルールや状況次第で有効となる。

キャラクターが背負っているのが「ゾンビジャマー」。倒れた他プレーヤーの「ゾンビジャマー」が無傷であれば、回収することで自分のものと交換することができる

 また、高い耐久力と攻撃力を持った特殊感染者を倒すと出現する「DNAサンプル」の獲得数を競う「特殊DNAハンター」では味方との連携が重要となるが、あえて特殊変異体と交戦中の相手プレーヤーをサポートして共倒れを狙うといった戦い方も可能。「いかに相手プレーヤーを倒すか」だけでなく、状況に合わせたゾンビの活用法を考えることでゲームを有利に進められるというのは、本作ならでは要素と言えるだろう。つまり、ゾンビは第三者として鍵を握っている存在ということになる。これまでの対戦型TPSでのゾンビの存在とは違い、駆け引きの要素を生み出す要素となっているのが大きい。

異様な頭部を持つ特殊変異体。近づくと「ゾンビジャマー」の効果が無効になるので、突然ゾンビが自分に向かってくるようになったら要注意だ

初心者でも味方のそばにいるだけでチームの役に立てることも

 一般的に「対戦型シューター」というと、プレーヤー自身の技量や味方同士の密接な連携といった高いプレーヤースキルが求められるなど、マルチプレイ初心者には少し敷居が高く感じられることもあるだろう。しかし、本作には自身が倒されることとチームとして不利益があまり直結しないルールも豊富に用意されている。

 例えば、プレーヤーが倒されると落とす「カラー(首輪)」の獲得数を競う「カラーウォー」では、倒れた味方からも「カラー」を回収することもできるため、味方プレーヤーがうまく対応してくれれば、自分が倒されたこともチームのプラスに働くことがある(自滅した場合はカラーが出現しないため、意図的に味方同士でカラーを集めることはできない)。

 また、マップ内に1つ配置されているアタッシュケースを一定時間保持していたチームが勝利となる「プロテクター」では、アタッシュケースを持っている味方プレーヤーが倒されても、すぐに回収してその場を離れるだけでもチームとしては大きなアドバンテージを得ることができる。腕前に自信があるのであればもちろん活躍できるだろうが、得意でないのであれば得意でないなりの戦いが楽しめるので、マルチプレイ初心者でも安心してゲームに参加できるだろう。

基本的には固まって行動する方が有利だが、あまり固まりすぎていると「相手のグレネードで一網打尽」という状況に(涙)
残念ながら時間の都合でプレイはできなかったが、1人用モード「The Experiment(ザ・エクスペリメント)」も用意されている。20以上のミッションがあり、シューター初心者はこちらからプレイしてみるのもいいだろう

DLCを使えばウェスカーとしてマルチ参戦も可能!

 本作には、武器のセッティングといった実用的なものから外見のカスタマイズまで、プレイスタイルやプレーヤーの好みに合わせてパーツが変更できるカスタマイズ要素が豊富に用意されている。各パーツは、ゲーム中で獲得できるスコアに合わせて徐々に解除されていくので、ガンガン対戦を繰り返して使えるパーツを増やしていこう。

カスタマイズパーツは、それぞれカラーリングを変更することも可能。マップに合わせた迷彩性を持たせたり、チームとしてカラーリングをそろえるといったことができる
武器のセッティングでは、種類やオプションによって変化する性能を数値化してくれるので、初心者でも気軽に変更できるだろう
他のプレーヤーにアピールするためのものではないが、スコープをのぞく際に照準を合わせるためのレティクル(通常は十字線のものが多い)もハート形やアンブレラのロゴなど、ユニークなものが用意されている

 さらに、追加DLC「エージェントゴーストパック」を導入すれば、ウェスカーやクリスといったシリーズではおなじみのキャラクターの顔を使用することが可能。シリーズファンなら、これだけでもDLCも同梱されたダウンロードコード版が欲しくなることだろう。

シリーズファンなら欲しくなる過去シリーズのキャラクターたちの顔。パーツ的にはガスマスクやヘルメットなどと同じく頭部のアイテムという扱いになっている
DLCには特殊なカラーも用意されている。腕前に自信があるのであれば、あえて派手なカラーリングで他プレーヤーの注目を集めてみるのもいいだろう

ルール次第で初心者もすぐに楽しめるゲーム性

 これまでのシリーズの世界観を生かしながら、対戦型シューターとして生まれ変わった本作。ゾンビという他タイトルにはない要素によって広がった戦略は、シリーズファンだけでなく、これまでさまざまな対戦型シューターをプレイした人にも新たなプレイ感を与えてくれるだろう。

 また、不慣れなプレーヤーでも楽しめる多彩なルールや、単なる練習用にはおさまらないほどボリュームのある1人用モードなど、初心者でもすぐに楽しめる要素が豊富に用意されている。筆者も対戦型シューターのプレイはひさしぶりということで戦闘ではあまり活躍はできなかったが、アタッシュケースを持ったまま戦闘を極力回避して保持時間を稼ぐなど、戦闘以外の部分でチームに貢献することでマルチプレイならではの面白さを堪能することができた。「対人戦=初心者お断り」といったイメージから敬遠していた人にも、ぜひ本作をエントリーとして対戦型シューターというジャンルを楽しんでみてもらいたい。